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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ

作者:炎の剣製
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059話 文化祭編・開催2日目(06) まほら武道会・本選開始 その6

 
前書き
更新します。 

 


Side 衛宮イリヤ


私達はなんとか魔術を行使してハルナ達の場所まで戻ってくることができた。
それで戻ったら当然ハルナは反応してきて、

「あ! イリヤさんにランサーさん、このかも! どこいっていたんですか?」
「ちょっとね」
「うん、ちょっとや」
「それよりさっきの士郎さんとエヴァちゃんの試合見てました!? いやぁー、なんていうかすごかったですよね。
特にエヴァちゃんなんかあの体にあっていないような動きしてましたし…それになんか手から飛ばしたりしてましたし。もうなんていうか『魔法』みたいでしたよね」

うっ…やっぱりそう見えちゃうか。
まぁしょうがないわよね。

「アハハッ! 中々面白いこというな、お嬢ちゃん!」
「そうですよねー」

ランサーがタイミングよく話をはぐらかしているけど、ハルナ…もしかして気づいているんじゃないかしら。
そんなことを思っていると周りがなにやら騒ぎ出した。
カズミがマイクを持ちながら、

『これで1回戦全ての試合が終了しました!! 試合結果を特別スクリーンで御覧いただきましょう!!』

空に突如としてスクリーンが映し出された。
ただそれだけならよかったのだけれどその次の映像に思わず目を見開いてしまった。

『では、休憩の間1回戦のハイライトをダイジェストでお楽しみください。まずは1回戦 村上選手 対 佐倉選手……』
「なっ!」

スクリーンにはさっきまで行われていた試合がまた映像として映し出されていた。
いいのかしら…?
これじゃ魔法の存在を教えるかもしれない行為だというのに…。

「これは、もしかしてネットにも流れているのかしら…」
「はい、イリヤさん。これを見てもらっていいですか?」
「ユエ…な、なにこれ」

ユエに携帯電話を借りて画面を見るとそこにはネギとタカミチの試合の様子が映し出されていた。

「どうやらこの映像…いえ、これだけでなく麻帆良に関係する話題がネットで多く書き込まれているようです。まるで魔法の存在をばらしているかのように…」

小声で聞かされたがこれはもう不利的状況ではないか。

「リンシェン…あの子本気で?」

私は一途の不安を拭いきれないでいた。


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮士郎


二十分の休憩後に二回戦目は開始された。
相手をするのは小太郎とクーネル。

『では二回戦第一試合を始めさせていただきます』
「っし! いったるか!」
「コタロー」
「ん? 楓姉ちゃんに士郎の兄ちゃん、どうしたんや?」
「いや、油断は禁物でござるよ」
「わかっとるって」
「いや、本当のことだ。小太郎、奴にはランサーに仕掛ける意気込みでいけ。でないと結果は無残なことになるぞ。奴は反則だからな」
「うっ…士郎の兄ちゃんに言われると結構本気かもしれん…わかっとる。油断はせん、最初から全力や、必ず勝つ!」

小太郎はそう意気込んで会場に足を運んでいった。
しかし本当に奴は反則だ。
ランサーとともに仕込んだはいいがどこまで通用するか。

「士郎殿、コタローはどこまでいけるでござろうか」
「わからない。しかしいっては何だが今の小太郎では…」

そこで俺は言葉を切った。
楓もいいたいことが分かったのか何もいってこない。
今はその心遣いがありがたい。
そう、もしここで負けてそのまま落ちるか、それとも這い上がるかで小太郎は違ってくる。

『それでは第九試合、ファイト!』

朝倉の開始の合図とともにクーネルは小太郎を殴り飛ばしていた。
小太郎はなんとか体勢を整えているがアゴと背中のダメージが響いているのか少し体を痙攣させていた。

「コタロー君といましたか、決勝でネギ君と戦いたいようですが…その願いはかなえてあげられないようです。今のあなたでは私の足元にも及びませんから」
「ハッキリ言うな! 兄さん、あんた友達少ないやろ」

小太郎は口で返すが内心あせっているようだ。額の汗がそれを物語っている。

「んなもんやってみなわからへんわ!!」

そう言って小太郎は分身をしてクーネルにかかっていったが攻撃は当てるもそれは意味を為さない。
反撃という感じで突き上げからの拳を腹にもらい中空に浮いたところで掌底を浴びせ小太郎は水面まで吹き飛んでいった。

「まずいな…小太郎は頭に血が上っていて冷静な判断力を失っている」
「それ以前の問題でござらんか。攻撃が通用しないとなると誰でもああなるでござる」
「ああ」

今にも狗神を出現させランサー直伝の足捌きで瞬動をかましクーネルの腹に両手で練りこんだ気弾をぶつける。
通常ならあれをくらえばダメージの一つでも受けるものだろう、しかし、

「やはりダメージはなしか」

そう、クーネルはダメージを受けることなく平然としていて小太郎を地面に叩きつける。
ここからではなにを語りかけているかわからないが次第に小太郎から気が上がってきて髪の毛も白くなりかけてきている。
まさか獣化か!?
しかしクーネルもそれを察したらしく一瞬で小太郎の意識を奪って地面に沈めた。
そして朝倉の実況でクーネルの勝利が大々的に宣言された。


「…小太郎にとってやつはまだ荷が重い相手だったようだな」
「そうでござるな。それより拙者はしばしここを離れるでござるよ」
「楓、あいつのことは任せた」
「了解でござるよ」

楓はそう言って姿を消した。
見ると観客席のランサーも姿を消していた。
どうやら同じ理由らしい。
あいつらしいな。

『先程お伝えしたとおり、残念ながら第十試合は古選手 左腕前腕骨折による棄権のため、長瀬楓選手の不戦勝とさせていただきます。続きまして二回戦第十一試合ネギ・スプリングフィールド選手 対 高音・D・グッドマン選手の試合を執り行いたいと思います』

そこに朝倉のアナウンスが聞こえてきて古菲は使える右手をあげて残念のポーズをとっていた。
そしてどこにいっていたのか知らないがネギ君が帰ってきた。
アスナと刹那の試合を素直に褒めるあたりネギ君らしい。
アスナはアスナで先ほどの動きはどうしたのかという質問でクーネルの指示とも言えず言い難そうにしていた。

「あ、そうだ。大変なんだよカモ君、それに士郎さん」
「ん?」
「なにかあったのか…?」

そして聞く。
ネギ君の話によるとネットに画像や魔法の話題が飛び交っているという。
まずいな。もしかしてこれも超の計画の一つか? だとしたら後手に回ったことになる。
と、そこに、

「ネギ先生!!」
「た、高音さん!?」
「ついにこの手であなたを懲らしめる時がきましたね!」

高音が騒いでいるので俺は再度、

「なぁアスナ達…ネギ君はなにか高音に恨みでも買う事をしたのか?」
「え、い、いやぁ…それは」
「黙秘権を行使してもよろしいでしょうか」
「別に構わないがほどほどにしておけよ? あれでは魔法をおおっぴらに使う可能性が出てくるからな。ただでさえネギ君の話ではやばいと聞いたから」
「そ、それは?」
「なにね…」

俺はネギ君の話をそのままアスナ達に伝えた。

「そ、それはまずいことになりましたね…」
「マズイっていう展開ですかね」
「かなりな」

皆一様に不安の顔色をしていたがそこに追い討ちをかけるような発言。

「この『影使い・高音』近接戦闘最強モードを出して本気でお相手させて頂きます!」
「「「!?」」」
「あ、あの高音さん! 実はインターネットの方で問題があってあんまり本気出したり派手な技を出すのは…!」
「言い訳は聞きませんよネギ先生! 本気できてください!」
「あ、あの…!」

ネギ君の言い分も聞かず高音はそのまま舞台へと向かっていってしまった。

「あわわわ…」
「とりあえずネギ君。早急に終わらせてくれ…あれはまずい」
「は、はい! 善処します」

そう言ってネギ君も舞台へと上がっていった。

「ふむ…とりあえずはネギ君に任せよう」
「そうですね」
『それでは第十一試合…ファイト!』

朝倉の実況が聞こえてきたと同時に高音の周りに魔力が満ちていく。
そして現れたのは黒衣の巨大人形…、って!

「おい高音…魔法の秘匿はどうした?」
「は、派手ですね…」
「派手という問題ではない。あれではもう魔法を使っていますといっているようなものだ」

そして放たれる無数の黒い鞭。
それは生きているかのようにネギ君へと向かっていく。
高音自身も動いて人形の腕を叩きつける。
そのとんでもない光景を見て思わず、

「なんでさ…」
「なんででしょうね…」

刹那とともにため息をつく。
もう気分はハイ!ではなく灰色としか言えない。

『これまた凄まじい攻防! 少年拳士 VS 謎の巨大人形(?)!! 何のモンスター映画だーーーーーっ!? これはさすがに私も「CGなんじゃね!?」と言う疑問を拭いきれません!!』
「朝倉の実況がいい具合にCGの説を促しているが…どこまで効果を持つかだな」
「はい」

ネギ君も早く事態を収めようと先ほどタカミチに放った魔法の射手を宿らせた拳を当てにいくがそれは完全に防がれてしまっている。
これでは時間が経つにつれやばくなっていく。
ああ…こんな大会形式でなければ二人ともマグダラの聖骸布で縛り上げているものを…。
このままじれったい戦いが続くかと思われたがそれはネギ君の機転でどうにかなった。
作戦としてはネギ君がまず全力でダッシュし接近して高音の顔間近で笑みを浮かべる。
それによって高音は油断したはいいがなぜか頬を赤らめていた。
それにより観戦していたチャチャゼロとカモミールがツッコミを入れていたり。
そこに魔法の射手(雷)を溜めていたネギ君はゼロ距離でそれを放つ。
それによって高音は一時意識を失ってしまっていた。
それにより巨大人形はまるで溶けるようにその姿を消していっている。

「なんとか早々に決着がついたか」
「そのようですね。しかしあの魔法…解除されてしまうとああなってしまうのですか?」
「さ、さぁな…」

そう、高音はなぜか魔法が溶けると裸になってしまっていてネギ君が急いでフードを渡すとそれを物凄い勢いで受け取り身を包むと「責任とってくださーーーいっ!」と言って高音は控え室へと猛ダッシュして消えていった。

『えーーー……またしても大変なハプニングがありましたが…ネギ選手の勝利―――ッ!!』

それによって歓声が上がるがまたしても? 一回戦でなにかあったのか?
とにかく試合は終了しネギ君はカモミールに慌てて駆け寄り「どうだった?」と聞くがもう魔法バトル万歳的な事を言われていた。
そこにアスナがネギを叱りにきたがエヴァが現れて、

「私の教えだ。口出しするな神楽坂明日菜」
「エヴァちゃん…?」
「自ら戦う意思を持って戦いの場に立った以上女も子供も男もない…それは等しく戦士だ。戦いの手を緩める理由は存在しない。お前も例外ではないぞ神楽坂明日菜」
「うっ」

アスナも自覚があるのか反論はないらしい。
それに刹那も賛成していた。
しかし、だからといって女の子に恥をかかせるのはよくないといったお叱りはネギ君はしっかりと受けていたようだった。

「しかし…次は士郎と刹那の試合か」
「は、はい。そうですね」
「ああ」
「ならば修行の成果を存分に出していけ刹那。今のお前ならもしかしたらやれるかもしれんぞ?」
「が、頑張ります」
「刹那さん、修行って?」
「い、いえ…!」

刹那は必死に修行のことを隠そうとしていた。
別に構わないのではないか?
そこにエヴァが現れたことでふとなにかを思ったのだろうアスナが近寄り、

「そういえばエヴァちゃん」
「なんだ?」
「エヴァちゃんって士郎さんに負けたよね」
「ああ、そうだが?」
「それじゃ…ほらネギ」
「は、はい! その「負けたらデート」の件はなしですか?」
「ふむ、そうだな…もうぼーやの出来はタカミチとの戦いで十分に見れたしな。しかしデートは惜しい…。
よし! じゃあそれは試合とか関係なしにやることにしよう、最終日は付き合え。師匠命令だ拒否は許さん。いいな、ぼーや」
「ちょっと師匠(マスター)―――ッ!!」

その光景を見て、

「ネギ君はそんな約束までしていたのか」
「はい。それより士郎さん…」
「ん?」
「試合では本気で来てください」
「!」

そこには表情が戦士のそれである刹那の顔があった。
それを察し、

「いいだろう。俺も次は竹刀を使う」
「ありがとうございます!」


◆◇―――――――――◇◆


Side 桜咲刹那


『お待たせしました! 続いて二回戦最終試合、桜咲刹那選手 対 衛宮士郎選手…この試合で学園最強ベスト4が決定します』

そうして士郎さんと私は舞台へと上がっていく。

『なおここで情報ですが衛宮選手は桜咲選手と毎朝のように剣の修行をする仲との事で噂では師匠と弟子のような間柄のようです』

朝倉さん…余計な情報を流さないでください。
恥ずかしいではないですか。

『そして衛宮選手の手にはこれまで広域指導の名の下に多くの不良生徒を地に沈めてきた妖刀・虎竹刀が握られています! トラのストラップが可愛いぞ!』

そこでまたしても歓声が上がる。
士郎さんの広域指導での活躍は音に聞こえるほどですから不良生徒達はさぞ怖いでしょ。
そこに士郎さんが話しかけてきた。

「さて…刹那、いったからには本気でいかせてもらうぞ」
「はい、お願いします」

士郎さんの真剣な表情で一瞬周りの音が消えたかのような錯覚を覚えた。
それだけ目の前にいる人物は格上の存在だということだろう。

『第十二試合…ファイト!』

試合開始と同時に目の前から士郎さんの姿が消えた。
なんて早い瞬動! しかしランサーさんとの打ち合いを経験している私にはかすかだが士郎さんの動きが見えていた。

「そこっ!」

カンッ!

竹刀とデッキブラシがあたる乾いた音が響く。
左からの袈裟切りか! しかし重い! やはり強化の魔術を使っているようで身体強化も相まって威力はかなりある。

「やはり受け止められるか。こちらから柄もなく攻めはするものではないな」
「いえ、いい打ち込みでした。才能がないというのは嘘のようです」
「それはどうも」

弾くと今度はこちらから瞬動をして背後に入りしかける。
しかし後ろ向きのまま士郎さんは竹刀だけで防いで見せた。
そうではないと!
いつもの稽古で一本も碌に取らせてくれないのだから当然だ。
そこからは何度も得物を打ち合う事を繰り返す。

『おおっと! 先ほどの試合のようです。ですがスピードが段違いです。あまり見えません!』

朝倉さんの言葉があまり聞こえてきません。
一瞬でも気を抜けば意識を刈り取られてしまうのは明白だ。
その最中、

「ふむ、腕をあげたな刹那。やはりランサーとの命がけの稽古が効いているようだな」
「はい! 士郎さんの動きが今はまだ見えます」
「そうか。では俺本来の仕様に移るとしよう…刹那、俺の防御の陣を崩すことができるか?」

そう士郎さんが言った途端、いつものごとく戦闘スタイルが変わり士郎さん本来の形、守りの型が姿を見せた。

『おっと衛宮選手! 突然動きを止めたと思ったら腕を垂らしているぞ! これはどういったことだ!?』

「………やはり、隙があるように見えて返って不自然に隙がありませんね。ですが仕掛けていただきます!」
「こい! いつもと違い片手だからと油断しないようにな」
「いきます!」

そこから私は全方位から何度もデッキブラシを当てにいきますがそれらは悉く弾かれてしまう。
反動で軌道がそれてしまった時に狙ったように返しの刃が帰ってきてしまう。
これが突破できねば勝機はない!
だけど今度こそ突破させていただきます!

―――斬空閃!

真空の斬撃を放つ。
だがそれらは強化された竹刀に弾かれてしまった。
さすがです! ですが!

―――百烈桜華斬!

これでどうですか!
だが士郎さんはそこで初めて円で保っていた足を動かした。
見れば淡い空気が士郎さんの体を纏っている。
おそらくこれは錬鉄魔法【風】。
足も使っての連続攻撃で幾重にも重なった私の斬撃を防ぎきった。

「さすがだ、俺にこれを使わせるとは。ならば…受けてみるといい!」

!? 士郎さんの手の動きが見えない! あれが属性ゆえの効果か!
気づいた時には私はお腹になにかの塊を打ちつけられたかのような衝撃を受けて舞台に転がっていた。
すぐに体勢を立て直して立ち上がったが、おそらく今のは風圧を塊にしてぶつけてきたのでしょう。
初見だから見切れなかった。

「どうした刹那。あれくらいは防いでみろ」
「すみません! ですが次は!」
「そうか。では俺を動かした褒美だ。高速戦闘といこうか!」
「はい!」


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮イリヤ


私は観客席でシロウとセツナの戦いを見ながら、

「二人の戦いはかなり激戦になってきたわね」
「そうやねイリヤさん。それより…せっちゃん、がんばってー!」
「あら、コノカ。シロウの応援はいいの?」
「士郎さんにせっちゃんの応援をしてやれって言われたんや」
「そう…それじゃどちらが勝つか見ものね。シロウも普段と違って一本だけだからやりにくいと思うし」

と、そこにハルナが話しかけてきた。

「イリヤさん、シロウさんってすごいですね! エヴァンジェリンさんとの試合もすごかったけど今回も一味違った凄さがあります。なんていうか鉄壁みたいな?」
「そうね。本来シロウのスタイルだからセツナも突破が困難でしょう。でも、そろそろ二人のギアもかなり入ってきたころだろうからここが正念場ね」

私がそう言ったとおりにそこからはシロウとセツナの目にも留まらない打ち合いがそこらで響きあい殺陣のようになっていた。
セツナは最大限強化した体で、シロウは錬鉄魔法【風】を纏った体で。
これがエモノが本物だったらもっとよかったのだけれど、舞台を破壊していることからそれでも十分すごいの一言。

「ランサーがいたら二人の動きについて意見を聞きたいんだけどコタローを追っていっちゃったからね、残念だわ…」
「でも二人ともすごいというのはよくわかるわ、イリヤさん」
「コノカも目に慣れてきたみたいね」
「はいな、修行の成果や」
「修行、ですか? このかさん?」
「あ…えっと、なんでもないえ夕映!」
「そうですか?」
「そうや! それより今は士郎さんとせっちゃんの戦いをみな!」
「そうよユエ」
「そ、そうですね」

ふぅ…なんとかごまかせたみたいね。隠しているとはいえなんか気が引けるわ。
っと、それより戦闘は今は、と思ったら二人は舞台の中心で再び立ち会っている。
見ればセツナのほうは少し息が上がっている。
さすがに体力勝負ではシロウに勝てないか。
でも十分よね。ここまでシロウの本気についてこれれば。本気かどうかはわからないけど。

「次で決着をつけよう刹那」
「えっ?」
「もう少し続けたいがもう時間も迫っている」

『た、確かにもう少しで時間です。ここでフィニッシュ宣言とは衛宮選手、なかなかに硬派です!』

あらら、もう時間か。
もったいないわね。もう少しセツナの成果を見ていたかったんだけど。
でもそれでセツナも構えをして一撃に備える。
シロウも竹刀を構えてどうやら魔力を集中させているようだ。
そして一瞬時が止まったかのようになり二人同時にエモノをぶつけあった。
結果は…、シロウの竹刀がセツナの攻撃の反動に耐え切れなかったのか真ん中あたりで折れてしまっていた。

「刹那、お前の勝ちだ」
「し、士郎さん! では!?」
「ああ、誇っていいぞ。強くなったな」
「ありがとうございます!」

『おっとこれは衛宮選手のギブアップ宣言です! 竹刀が折れてでのことでしょうか? なにやら師弟の関係が濃厚となった熱いやり取りが交わされています! とにもかくにも学園最強ベスト4が決定しました!』

よかったわねセツナ。これでシロウに一歩近づいたものね。
さー、シロウも負けちゃったしこれからどうしようかしら?

 
 

 
後書き
虎竹刀、砕けたり…。 
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