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おっちょこちょいのかよちゃん

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24 動き出す者達

 
前書き
《前回》
 長山や組織「次郎長」、「義元」、そして森の石松の協力もあり、かよ子は何とか異世界の人物・オリガを撃破する。計画が潰された丸岡はその場から逃げるも、陰でかよ子達の助太刀をしていた高校生男子・三河口と北勢田によってさらなる制裁を喰らったのだった!! 

 
 かよ子達はまた敵が現れたら共闘する約束をして解散した。
(でも、あの丸岡の能力(ちから)も無効化は一体誰がやったんだろう?)
 そしてかよ子はまたもう一つ、己が所持する魔法の杖は一体何なのか、今度母に聞いてみようと考えた。

 長山は妹と帰る。
「二人共、無事だったか?」
「あ、むかいのおにいちゃん・・・!!」
「もしかして、知ってたのかい!?」
「ああ、気になって見に行ったんだ。あの野郎は俺が叩きのめしといたよ」
「あ、ありがとう」
 三人は帰っていった。

 三河口は帰宅後、叔母の奈美子に例の御守を返還した。
「おばさん、この御守、凄く役に立ちました」
「やっぱりね」
「でも、どうしてこの御守には相手の能力を封じる能力(ちから)があるのでしょうか?」
「それはね、富士山を祀る富士宮神社の御守なんよ。富士山の強大な力が入ってるんよ」
「そうですか、富士山の神様はとても強いんと改めて気づきました。それから」
 三河口は報告を続ける。
「かよちゃん達が戦っていた相手はオリガとかいう異世界から来た女でもう一人は丸岡修という男でした。この名前、どこかで聞いた事ありますか?」
「マルオカオサム・・・?」
 奈美子はその名前を聞いてはっとした。

 すみ子はこれが異世界からの敵との決闘だと思うと改めて心臓が震えた。だが、震えているばかりではいけない。もっと自分も戦力にならなければ自分は生き残れず、そしてこの清水の未来が無くなってしまう。絶対に強くなると決めた。
 すみ子は翌日学校に向かうと、また感じる。この清水(まち)だけでなく、学校の友達も。そして今ここに生きている自分も。絶対に守ると。
「すみ子ちゃーん!」
 同じクラスの女子の友達と出会う。
「あ、おはよう!」
 すみ子はその友達と学校へ急ぐのであった。

 かよ子は学校へと歩く。そしていつものおっちょこちょいが始まった。歩道橋の階段で躓き、転びそうになってしまったのだ。
(はあ、相変わらずのおっちょこちょいだよ・・・)
 かよ子は己を情けなく思いながら再び学校へと向かう。途中で長山とその妹小春に出会った。
「あ、山田、おはよう!」
「おはよう・・・」
「あ、長山君、小春ちゃん!おはよう!」
「山田、昨日はありがとう」
「う、ううん、長山君も活躍してたよ!」
「いやあ、でも、君のその魔法の杖、凄い能力(ちから)があるんだね」
「うん、様々な物質に向けると向けた物質と似たような能力(ちから)が持てるんだ。火とかを向ければ炎を操れるし、剣とか刃物に向ければ剣に変身するんだよ。今度また敵が来たらいつでもこれを使って戦う事にしたんだ」
「うん、僕も絶対に山田ならやっていけるよ」
「でも、まだおっちょこちょいしてるんだ。昨日も杉山君達やすみ子ちゃん達隣町の子が来てくれなかったらきっとすぐに丸岡やオリガに倒されてたと思うんだ。前に学校に二人組の兄弟が来た時も杉山君と大野君が協力があって倒したんだよ。まだまだ一人じゃ心細いよ・・・」
「そうか、でも君ならきっとこの未来を守れるよ。僕はそう思うよ」
「ありがとう。あの、こんな事頼んじゃ利用してるようで悪いって思うんだけど、昨日は長山君にも助けて貰ったし、もしなんかあったら長山君にも協力、お願いしていいかな?」
「え?ああ、いいよ。僕もこの謎が気になっていたからね。僕を利用しようとした丸山はこの日本を戦争中の頃、つまり軍事力を持っていた頃に戻そうとしている。それで異世界の人間を連れて来て協力してその目的を達成しようとしているんだ。もしかしたらいつか前の地震みたいな現象も異世界とこの世界がぶつかり合ってそれで異世界の人間が来るようになったんだと僕は思うんだ」
「うん、そうかもしれないね」
「僕からも是非君と協力するよ」
「ありがとう、長山君!」
 かよ子は共闘できる仲間を増やした。そして長山もまたこの元の日々を取り戻す為、そして丸岡達の目的や異世界と繋がった謎を解き明かす為に闘い続けようと決意した。

 石松は組織「次郎長」が造った秘密基地のある丘から清水市の街並みや海を臨む。
(あの丸岡修という者・・・。あやつは確か異国で暴れている組織のもの・・・。まさか、この日本を破滅に導くつもりか・・・?)
 石松は考える。自分や親分の次郎長が生きてきたこの清水を利用してこの地球(ほし)にどのような異変を起こすつもりなのか・・・。

 清水市内のとある高校。三河口と北勢田は昨日の事でお互い労い合っていた。
「北勢田、今日、お宅の向かいの兄妹は元気に学校へ行ったかい?」
「ああ、なんとかね」
「それにしても昨日の丸岡って奴なんだが、おばさんに聞いてみたらな・・・」
 三河口は言葉を続ける。丸岡が属する組織の名前を口にすると、北勢田は息を呑んだ。
「そんな奴が清水(ここ)に来たってわけか!?」
「ああ、これからまた戦う事になるだろうな」

 数日後、中東のある国とある建物。丸岡のいる組織の根城としている建物である。
「全く、丸岡、小学生相手に何しくじってんだよ。房子さんも少し呆れ気味だったぞ」
「日高、すまんな、だが、これで分かった事が一つあるんだ」
「何が分かったんだよ?」
「静岡の清水って所には俺達が呼び寄せた異世界とは別の世界とつながっているという事だ。その世界の武器を持っている奴らがいたからな」
「というと?」
「あそこを攻めるにはかなり大変ではあるが、その分撃ち落としがいがあるという事だ。作戦を立て直さんとな」
 丸岡の属する組織は本格的な清水の襲撃に動き出す。そこに住む魔法の杖を持つ小学生の女子や、凡人(ひと)とは違う為に清水へ逃げたという高校生の男子、そして森の石松から力を貰った小学生達を粛清させる為に・・・。 
 

 
後書き
次回は・・・
「かよ子の母、山田まき子」
 ある日、かよ子は母に異世界の杖をなぜ所持していたのか、そしていつ、どこでそれを手に入れたのかを質問しようとする。母・まき子は隣に住むおばさんやその甥も集合し、その杖についての話をする・・・。
 
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