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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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大人な事情

<イシス>

「ねぇレイチェル…僕、もうそろそろに町へ帰ろうと思うんだけど…」
自分の膝の上に座り、国家の重要書類を決裁しているレイチェルに、リュカが提案したのは、アルル達と別行動を始めて5日後の事だった。

「えぇ!何で!もっとイチャイチャしましょうよぉ!」
イヤ…正確に言うと、4日前から毎日の様に、宿屋待機への申し出をしていたリュカなのだが、その度にレイチェルが男の第2の脳を刺激し、肉欲に溺れる日々を過ごしていたのだった。
そして今日もリュカの言葉を聞くなり、羽織ってあるだけのローブを脱ぎ豊満な胸を、リュカの第2の脳へと押し当て始める。

「ちょ、あぁ…あ、もう…いいから!もういいからぁ!」
リュカが力ずくでレイチェルを引き離す。
この5日間、飯を食うか女(レイチェル)を喰うかの、どちらかだったリュカには効果が薄れてしまった様だ。

「何でぇ~…もっとシようよぉ~…リュカだって気持ち良いんでしょ?」
「僕この5日間、ずっと城に引き籠もってたけど、もうヤダ!町をブラつきたいし、女の子をナンパしたい!何より外に出たいんだ!」
「そんなぁ~………だってアルル達が戻ってきたら、イシスから出て行っちゃうんでしょ!少しの間くらい私の彼氏で居てくれても良いじゃない!」
そう言いながらもリュカを押し倒し、第2の脳を自らの中へ包み込むレイチェル!

「くっ……こういうテクニックばかり上手くなっていくな…」
そして快楽に負けるリュカ。
「ふふふ…5日間でしっかりと学んだから!」



凡そ3時間後…
レイチェルから離れ、そそくさと服を着るリュカ…それを恨めしそうに眺めるレイチェル…

「ともかく、僕は町に戻るから!もうそろそろアルル達も戻って来るだろうし!」
「もう2度と戻って来ないかもしれないじゃない?」
「だとしたら、ピラミッドへ探しに行かないと…」
「あら?1ヶ月で戻って来なかったら、見捨てるんじゃなかったの?」
「あれは脅しだよ…ただの。…見捨てるわけにはいかないだろ!あのダンジョンは、トラップにさえ気を付ければ、モンスターは大したことはないんだ。今のアルル達でも問題はない!でも欲を出して宝箱などを開けまくってると、手痛い目に遭うだろうね!」

「お優しい事で…それとも私から逃げたいから、そんな事を言ってるのかしら!?」
体中に付着したリュカの体液を、拭き取ろうともせず睨み続けるレイチェル。
リュカを手放したくない一心の様だ。
「美女から逃げたいと思った事はないよ。でも僕は、自由が好きなんだ!贅沢でも束縛されるのはイヤなんだ!」
そしてリュカはレイチェルの自室から出て行った。


一人残されたレイチェルは、リュカが出て行った扉を見つめ涙する。
そして、その涙は次第に量を増し、レイチェルの顔を濡らして行く。
本当はリュカの後を追って行きたい…全てを捨てて、愛する男と共に自由になりたい…
しかし国民を見捨てて、自分だけの幸せを求める事は出来ないのだ…そんな事、彼女には出来ないのだ!
だから我が儘を言ってリュカを束縛した!
そしてリュカは、それを承知で付き合ってくれた。
そんなリュカの心が、嬉しくて…悲しくて…切なくて…もどかしくて……………

一頻り泣いた彼女の顔は晴れやかだった。
彼女はある決意を胸に宿していた。
それはリュカへの愛を貫く事…
たとえ結ばれる事がなくとも、彼の為に尽力しようと!
女王の地位を最大限に活用し、リュカの為に情報を集めようと!
彼女の決意がアルル達を救うだろう…




<ピラミッド>

「たぁ!」
(ザシュ!)
襲いかかってきたマミーを切り捨て、アルルが息を乱しながら呟く。
「はぁ…はぁ…い、今ので…何体目…」
「せ、せやな…50体までは…数えとったんだけど…はぁ…はぁ…」
アルル達は、この部屋に入って丸1日経つ…
多数の宝箱に目が眩み、思わず開けてしまった為、多数の棺桶からミイラ男やマミーが襲いかかってきたのだ!
宝箱を1つ開けると、棺桶から10体前後のミイラ男やマミーが起きあがり、襲いかかってくる!
「も…もう、いいだろ!宝箱は諦めて、先に進もうよ!」
疲れ切ったウルフが、涙声で嘆き嘆願する。

「何言うてんねん!まだ半分しか開けてへんやんか!こんなに厳重に保管してんのや、ごっついアイテムがあるんやで!」
「まだ開けるのかよ………俺もう魔法力が底をついたぜ…」
「そうね、少し休んでからにしましょうか。幸いな事に、ここは宝箱さえ開けなければ、モンスターは出てもないみたいだし…」

アルル達は宝箱と棺桶が安置される部屋でキャンプの準備を進めている。
準備と言っても、携帯食を食べ、眠るだけだ。
さすがに全員で寝るわけにもいかないので、交代で1人ずつ見張りながら…

最初の見張りはエコナ…
「エコナ…絶対に宝箱を開けないでよ!触るのもなしよ!ともかく今は休憩するんだからね!」
「分かっとるって!」
「もし万が一モンスターを起こしたら、先に貴女を殺すわよ!脅しじゃないからね!本気だからね!絶対宝箱には触らないでよ!」
「………信用ないなぁ…ウチ…」
自覚がないねーちゃんだ!


そして数時間後…アルル達は宝箱開けを再開する…
順調に宝箱を開け、戦闘に勝利し、大したことのないアイテムを手に入れ続け9時間…
残り宝箱が2つになった時に、事件が起きた!
2つの内1つを開けようと、エコナが宝箱に近付いた時、タイムラグ(出遅れた)でマミーの不意打ちを食らい、派手にスッ転んでしまった!
そしてその拍子に宝箱を2つとも開けてしまったのだ!

それにより20体以上のミイラ男とマミーが棺桶から蘇り、襲いかかってきた!
「こ、このバカ女!何してんだ!」
「しゃぁないやん!いきなり攻撃されて転けてもうたんだから!ワザとやないで!」
「当たり前です!ワザとやってたら殺してやるところです!」
ウルフがブチ切れ、エコナが言い訳をし、ハツキが物騒な事を言う。

「そんな事はいいから、逃げるわよ!」
「に、逃げるって何処へ!」
しかしウルフが訪ねた時には、既にアルルは逃げ出していた!
元来た道を逆送する様に…
重厚な石戸が閉まった、行き止まりのあの部屋へ…



 
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