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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~

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第二十五話「来禅高校修学旅行・Ⅴ」

「艦長、あと一時間程で目標上空に到達します。作戦開始まで凡そ十分」

「うむ、現地協力者の報告からDEM社が介入する可能性がある。奴らの狙いは恐らく我らの捕縛対象と共にいる【プリンセス】だろう」

空中艦「グラーフ・ツェッペリンⅡ」。その艦橋にてオペレーターからの報告に艦長は答えた。この一日の間に現状の確認はある程度終え後は目標地点、或美島に到着次第作戦を開始するのみであった。

「更には島の周辺にラタトスクの艦もあるとは。気付けたのは幸いだったな」

艦橋のメインモニターにはラタトスクとDEM社の空中艦、フラクシナスとアルバテルの現在地が表示され見失わない様に解析と観測が行われていた。

艦長は近くの通信装置をいじり再び大尉の元へ通信をつなぐ。

「大尉殿、シュレディンガー准尉。作戦の最終確認を行います」

『…』

『…んにゃ?…おっけー。良いよー』

通信先から聞こえてくるのは相変わらずの無口な大尉と寝ていたらしい同行者であるシュレディンガー准尉の間延びした声だった。本来ならこのような態度を取る時点でシュレディンガー准尉は懲罰を受けるが彼は特別に許されておりよほどのことがない限り指摘、中尉はあれど罰せられる事は無かった。

無論、その態度を取り続けるための無茶な命令を受けているという理由もあった。

「まず第一段階として目標近海に到着次第特殊コーティングを施したポッドに大尉殿達を載せ射出。或美島に音速侵入、後に対象者を捕縛小型艇による回収後全速で離脱する。よろしいですね?」

『…』

『勿論!大尉も了承しているよ』

艦長の説明の途中でオペレーターが「作戦開始地点に到着しました!何時でも作戦を開始できます」と声をかける。

「ではこれより作戦〈ウンターネーメン・アイヒェ二号〉を開始する。ポッド射出用意!」

「了解!射出口開きます」

「最終調整完了、異常なし!」

「弾道予測終了、全て正常値!」

「発射準備完了!」

オペレーターが作戦開始の為準備をしていく。それらの声が異常がない事を説明しやがて艦長の指示を待つのみとなった。

「うむ、ではこれよりウンターネーメン・アイヒェ(柏作戦)二号を開始する!ポッドを射出せよ!」

「了解!ポッド射出します!」

艦長の言葉によって開始された作戦。その作戦開始と共に大尉たちが乗ったポッドは勢いよく発射された。音速に近づく速度によって射出されたポッドは凄まじいGが発生する。本来なら生身の人間が生きている事など不可能な速度で発射されたそれは或美島へと寸分の狂いなく飛んでいき、森林部に激しい音とともにめり込んだ。















幸か不幸か、ポッドによる衝撃と爆音は突如発生した暴風により気付かれる事は無かった。無事に或美島に高速侵入したポッドは森林に当たった影響で表面部分は大きく凹み開口部は開かなくなってしまっていた。

しかし、そんな事は関係ないとばかりに内側からの衝撃、大尉の蹴りにより開口部は勢いよく吹き飛んでいった。そしてその開口部より現れたのは二つの影。

黄色のオーバーコートに規格帽という北アフリカ戦線におけるナチスドイツ軍の軍服を着た大尉とヒトラーユーゲントの恰好をした猫耳の少年、シュレディンガー准尉であった。

シュレディンガー准尉は大きく伸びをすると吹き荒れる風を珍しそうに眺める。

「へえ、精霊ってここまで出来るんだね。僕は精霊と会った事なんてないから少し楽しみだな」

「…」

「もう!そんなに見なくたっていいじゃん!ちゃんとやるべきことはするし何より今回は大尉が中心に動くんでしょ?僕はそのお手伝い(・・・・)をするだけさ」

これから行う事など知らないような准尉の態度に大尉はただ見つめる。しかしそれを准尉は睨んでいるように思えたようで言い訳ともとれるセリフを言う。そんな准尉に大尉はいつも通り何も言わず森の中を歩いていく。准尉も慌てて大尉の後について行く。彼らの目標はただ一つ。五河士道の捕縛のみである。

彼らはその為に行動し実行していく。






DEM社、ラタトスク、そして鉤十字を掲げる謎の集団。彼らによる三つ巴の戦いが今、幕が開けようとしていた。
 
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