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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。

作者:エギナ
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第71話 過去語 四

「も……離せよ……っ‼︎‼︎」
「だから、暴れんじゃねぇクソガキ‼︎」
「……ッた! おまえ……なにしてくれんだよ‼︎」
「御主人様に向かってなんつー口の聞き方……‼︎」
「さっさと離せよ、クソ偽ポリ公‼︎」
「誰が偽ポリ公だしょっぴくぞ⁉︎」
「偽ポリ公じゃん‼︎ 偽ポリ公がヤならドS変態野郎‼︎‼︎」
「おまッ……ぶっ殺すぞ」
「じゃあなにこの首輪と手枷と足枷⁉︎ 早く外せ‼︎‼︎」
「……意外と貴方の事が気に入ったんです。反抗的なクソガキなんて……躾甲斐があるじゃないですか……?」
「うぇ……気持ち悪っ……」
「まだ暴言が吐ける内に沢山言っとけ。その内、『“彼方(かなた)”さん大好きー、愛してるー』って騒ぎ始めるだろうからな」
「ドSで変態な偽ポリ公サマは彼方クンって言うんですかぁ。人生で一番要らない情報聞いた気がしたわ」
「その口縫い合わすぞ」
「直ぐに破いててめえの首にその糸巻いてやんよ」
「あ゛ぁん? 調子乗ってんじゃねぇぞクソガキ」
「あ゛ぁん⁉︎ そっちこそ調子乗んな偽ポリ公‼︎‼︎」

そして、暫く偽ポリ公と睨み合って居ると、ガチャと扉が開いて、違う人が部屋の中に入ってくる。

「偽ポリ公とか……ぷふっ。マジで嫌われてやんの」
「クソウザイ挨拶ですね、“マキ”。此奴が居なかったらその首、直ぐにトばしてた所でしたよ」
「あー怖え怖え。あと、声。外にダダ漏れだから、もっと静かにしろや」
「このピーピー煩いガキに言って貰えませんかねえ?」
「てめえの声も十分煩いわ」
「その生意気な言葉出せねえ様に声帯ぶっ壊してやんよ」
「おうおうやんのかポリ公ォ‼︎ 相手してやんよ‼︎‼︎」

元気やなぁ。
入ってきたのは白髪に灰色の目をした男。無地のスカジャンが滅茶苦茶似合うあたり……ヤクザか?

というか、そもそも此処何処。
因みに、今は洒落た部屋のベッドの上だ。

「うるせぇわ‼︎ そっちで喧嘩してんだったら私の居る意味ないだろうが! さっさと解放しろよ偽ポリ公‼︎」
「黙れクソガキ‼︎ こっちはこっちで此奴の相手してんだよ‼︎‼︎」
「私を解放してから好きなだけやれよ‼︎‼︎」
「後で用があんだよ、黙れ‼︎‼︎」
「てめえら揃ってうるせえ‼︎‼︎ その甲高い声やめろや‼︎」
「っざけんな‼︎‼︎ 女子なんだからしょうがないじゃねえか‼︎」
「ハッ‼︎ お前みたいな口の悪いクソガキが女? 笑わすな‼︎‼︎」
「マジでぶっ殺す」
「てめえらで喧嘩すんなや‼︎ 俺様も混ぜやがれ‼︎‼︎」
「「黙れかまちょ‼︎‼︎‼︎‼︎」」

ゴンッと鈍い音。目の前で火花が散る。
更に、殴られた時に舌を思いっきり噛んでしまったので、口内から大量の出血。
更に頭がふらついて、後ろに倒れた事によりベッドボードの角に頭を強打。


そして、気絶———


◇ ◇ ◇


「は……」
「よーやく気付いたかよ、クソガキ」
「……もう偽ポリ公との喧嘩は済んだ?」
「カナタか? 彼奴ぁ頭に氷乗っけながら外で煙草吸ってるわ」

そう言われて窓の方を見てみると、確かにベランダで頭に氷が入った袋を乗せながら煙草を吸っている偽ポリ公が居る。

そう言えば、この白髪ヤクザに殴られたんだっけ。イラつくぁ。

「ねぇ、アンタが“マキ”ね……私に何か用?」
「あー、カナタに聞いたか。話は簡単だ。お前の魔法研究のデータ、全部マギアに寄越せ」
「ヤダ」

ふざけんな。
魔法研究のデータとか……私の存在同然だし。

「……って事でさようなら」
「……そーかよ。ま、当たり前か。マフィア抜けたんなら、もしかしたらと思ってたんになぁ。その魔法を遣って、マフィアに“復讐”だって出来るんだぜ?」
「……別に。復讐は例え何年掛かったとしても、自分でするから」

体が普通に動くことを確認してから、私はベッドから降りる。そして、ベランダの方へ移動する。
そうしておかないと、間に合わない。

「なら……無理矢理奪っても、構わないよな?」

静かな声。マキと言う奴は、恐らく偽ポリ公の仲間、つまりマギアの者だろう。
だから、此処で私の記憶を盗み見たり、盗られてしまったりしたら、後でとんでもない事になるかもしれない。

それを阻止するためにも、私はこの情報を守る必要がある。


「奪えるんだったら、奪ってみなよ」


窓を開けて、偽ポリ公の横で大きく跳ぶ。そして、ベランダの柵を飛び越えて、空に飛び出す。

「は……⁉︎」
「ちょ、おい……‼︎‼︎」

偽ポリ公が慌てた様子で煙草を落とし、直ぐに此方に手を伸ばす。が、届かない。
マキもベランダの柵を飛び越えてから、器用にベランダに足を引っ掛けて、宙吊りの状態で手を伸ばす。が、届かない。

手で銃の形を作って、自分の顳顬に押し当てる。そして、叫ぶ。

「いいことを教えてあげるよ! 魔法は“権限”には勝てない‼︎」


———パァン。


 
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