星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十部第四章 賊達への攻撃その十八
「その様ないざかいはもっての他ですね」
「そうなるからな」
「だからこそ」
「徹底しよう」
この艦においてはというのだ。
「絶対にな」
「それでは」
「港でも守っていこう」
「その様にですね」
「義勇軍と共にとなってもな」
「それでは」
「そうしてな、では今はな」
艦長はあらためて話を戻した。
「今現在のことを進めていこう」
「作戦の場所までですね」
「進んでいこう」
「はい、このまま」
「進路はこのままだ」
艦長は航路を自分の目でチェックして述べた。
「速度もだ、他の艦との陣形もだ」
「わかりました」
若い航海長が言って来た。
「それでは」
「貴官もその通りにしてくれ」
「そうさせて頂きます」
「各員休める時は休め」
即ち当直でない時間はというのだ。
「そして英気を養うのだ」
「了解です」
副長が応えてだった、そのうえで。
この重巡も作戦ポイントに向かっていた、各艦隊の状況は国防省の方でも逐一確認されていてだ。八条も状況を見て大統領府でキロモトにこう言った。
「今の時点で一隻もです」
「落伍していないか」
「エンジン不良等で速度が落ちている艦艇もありますが」
「それでもだな」
「そうした艦艇も修理等を受けて」
「進んでいるか」
「落伍している艦艇はです」
今の時点ではというのだ。
「ありません」
「それは何よりだ」
「あくまで今の時点ではですが」
「これからだな」
「事故も起こりますし」
宇宙を進む中でだ。
「トラブルは付きものです」
「戦場に行くまでにもだな」
「落伍はあります」
艦艇のそれはというのである。
「連合軍はそれは少ないですが」
「それでもだな」
「用心をしてです」
「そのうえでだな」
「作戦を進めていくべきです」
「戦闘までに戦力が減ってはな」
「はい、どうしようもありません」
だからだというのだ。
「ですから」
「その時点からだな」
「はい、目的地に着く」
「それまでに落伍者を出さないことか」
「これが作戦成功の第一歩なので」
「孫子だったか」
キロモトはこの古典とさえなっている兵法書の名を出した。
「兵を急いで進めると落伍者が出て戦力が落ちる」
「紀元前の話ではありますが」
「それはこの時代でもそうでありだな」
「何百万、何千万の艦艇が移動しますと」
「どうしても故障する艦艇が出るな」
「人もそれだけいますと」
人間にしてもというのだ。
ページ上へ戻る