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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百七十九話

「妹だと? 抜かせ!」

再びラウラがナイフを持ち、切りかかってきた。

そのナイフの刃を、握って見せた。

「っ…! やはりモンスターの類いだな!」

「違うっての……」

今度は正面からの突き。

俺の鳩尾をグサリ。

「ぐふっ……! あー……いったいわぁ…」

痛いって言うか…熱い。

まぁ、慣れたけど。

片手でラウラを強く抱き締める。

「な、何をする貴様!?」

残った片手でラウラの眼帯を外す。

金色の瞳だ。

でも、それだけだ。

紋様が浮かんでいる訳でも、電子回路のようなラインが走っている訳でもない。

「へぇ…これがヴォーダンヴォージェか。なるほどこのナノマシンはイノベイドにすら至れぬ物か」

眼帯を手放し、溢れる血を掬い、ラウラの顔面にぶっかけた。

「ぐぁっ!? 貴様!?」

ドン! と突き飛ばされた。

背後の自販機に叩きつけられた。

「祝福と呪いは紙一重。然らば吸血鬼である俺が、ユートピア・クイーンパラドクス・グリップアンドブレイクダウンが祝福しても道理は通るだろう」

ラウラの顔を汚した血も、ナイフを紅く彩る血も、即座に蒸発した。

俺の傷も、既に無い。

ドタドタと足音が聞こえた。

「おっとモテる男は辛いな。それじゃぁ俺はここら辺で。あでゅ~」














その晩。

「…………………」

ムスッとしたラウラちゃんマジ可愛い。

円香とタメ貼るんじゃね? ってくらいだ。

まぁ、円香が勝つけど。

あの後再び完全獣化し、午後一杯基地内を逃げ回った。

そして夕食。

姉さんがいつもやってるように、ラウラとクラリスを呼んだ。

結果、俺は背中に視線を突き刺されながら料理中という訳だ。

作っているのは肉じゃが、姉さんの好物だ。

こっちでも日本酒が手に入ったのが大きい。

シュヴァルツェア・ハーゼの酒保に日本酒があって良かった。

「あの、教官。何でもアリですか?」

たぶん俺が浮遊してることに対してだろう。

「ん? ああ。アレはああいう物だ。諦めろクラリッサ」

「はぁ、なるほど…」

「ラウラも、そんな敵を見るような目で見るな。あれでも私の弟なんだ」

姉さん、弟をアレ呼ばわりはないんじゃないかな?

「そうそう。弟に料理させて酒飲んでるブリュンヒルデの弟なのさ」

「ぅぐっ…」

「ラウラー。姉さんの尻尾モフっていいから機嫌なおせよー」

「貴様に名前で呼ばれる事を許した覚えは無いが?」

「だめだこりゃ」

して姉さんよ、微笑ましそうに見るのやめろ。

肉じゃがを煮るので蓋をしてロックし、魔法を掛けてタイマーをセットし炬燵へ。

姉さんの隣だ。

妬いてるラウラが可愛い。

拗ねた子犬っぽい。

弄りまわしたくなる顔だ。

「一夏、少しそっちに寄れ」

「ぅいー」

姉さんが追うように寄り、スペースができる。

「ラウラ」

姉さんが手招きすると、ラウラがシュタッと姉さんの隣に入った。

「どうだ? クラリッサ。羨ましかろう?」

と両手にロリ状態の姉さんが言った。

「いえ、三人一揃いで見てるのもなかなか……」

この人も結構自重しないよな。

「そういえばラウラは一度一夏を捕まえたらしいな」

「……そうですね」

「報酬だ。私の尻尾を触っていいぞ」

「いいんですか!?」

すげぇ食い付きだな。

「ああ。構わない」

姉さんが長くてふさふさの尻尾をラウラにさわらせる。

「はわぁ……」

「優しく、だからな」

「やー」

姉さんの尻尾をもふもふしているラウラは年相応…いや、それよりもかなり幼く見える。

きっとこれが、ラウラの本性なのだろう。

あれだ、アニメ的演出をするなら心理描写の所だけちっこいラウラになるやつだ。

ラウラを眺めてほっこりしているとタイマーが鳴った。

「じゃぁ、ご飯にしよう」

キッチンに行き、鍋の蓋を開ける。

「うん。上手く出来たな」

使った魔法は単に鍋の中の圧力を上げる魔法。

前にやったときは圧力かけすぎてほとんど溶けてスープになっちまったからな。

やっぱCADあると違うよなぁ。

大皿に肉じゃがを盛って、炊飯器を開ける。

「ラウラとクラリスはご飯でいいの?」

「いいですよー」

「かまわん」

ラウラよ、声と顔が合ってないぞ。

四人分のご飯と味噌汁も用意して、炬燵に運ぶ。

狭いので姉さんの隣ではなく姉さんとクラリスの間の辺に座る。

「んじゃ、いただきます」

「「「いただきます」」」













ご飯を食べて、シャワーを浴びて…ってしてたんだけども。

「んぅ……くぅ…くぅ……」

「なにこれかわいい」

ラウラが姉さんの尻尾を掴んだまま寝ていた。

「で、どうすんの姉さん?」

「どうしたらいいと思う?」

姉さんはそう言いながらラウラの頭を撫でてやってるんだけど、その姉さんの顔が守護者の顔なんだよね。

親とか、兄弟とか…それも守る方の。

俺が物理的には強いから、姉さんは俺には見せてくれなかった顔だ。

ちょっと妬ける。

「んー……じゃぁそのまま寝れば? 俺は炬燵で寝るよ」

「風邪ひくぞ?」

「吸血鬼だよ?」

「それもそうか………いやでもなぁ…」

とそこでクラリスが挙手した。

もちろん指は立っている。

「あのー、私が預かりましょうか?」

「「え?」」

「私のベッド、もう一人くらいなら入りますよ?」

さて、どうしたらいいのだろうか。

姉さんにどうしたらいいか目で聞いてみる。

「ん。そういう事なら頼んだぞクラリッサ」

オイマジか。











結局クラリスの部屋に来た。

「にゃぉん」

完全獣化してだ。

「メインクーンくらいですかね?」

「なおー?」

「猫の品種です。大きいですよ?」

へー、そうなんだ。

クラリスが俺を抱き上げた。

「結構重いんですね」

「な”ぁー」

クラリスが俺をベッドに置いた。

取り敢えず丸くなる。

「シャワー浴びてきますね」

「な"ー」

しばらくうとうとしていると、バスルームの扉が開いた。

「な"ーぅ?」

なんで全裸なのん?

取り敢えず顔をそらしておく。

ほら、俺紳士だし。

『ますたーに憑いてる私はメインクーンではないんだけどね』

クラリスは全裸のままベッドに入って、俺を抱き枕にした。

「もっふもふですねぇ。冬毛ですか?」

どうなの橙?

『確かにますたーに憑依したときは冬毛だったよ』

あ、そ。

「いやぁー…ふわふわもこもこ…最高の抱き心地ですねぇ」

もうかってにしろよ。



その日はぐっすり眠れた。

まぁ…昨日とかは寝るっていうか気絶だったけど。
 
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