オズのファイター大尉
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第三幕その十一
「難しいです」
「そうなんだね」
「あと秦淑宝さんも人気がありますけれど」
「中国は人気のある武人さんが多いんだね」
「実際にそうですね」
神宝は大尉にその通りだと答えました。
「やっぱり」
「そうだよね」
「はい、そしてその中でも関羽さんは人気がありますから」
「お会い出来るなら」
「是非です」
本当にと言ってです、そしてでした。
一行は今度はその関帝廟に向かうことになりました、ですがその途中に。
ふとです、ジャックがこんなことを言いました。
「そういえば日本はちょん髷で」
「どうしたのかな」
「中国は髪の毛を後ろだけ残して剃ってその後ろを編んでいる」
「辮髪だね」
「あの髪型が有名だけれど」
「もうあの髪型はね」
神宝はジャックに笑って答えました。
「百年以上前からね」
「しなくなっているんだね」
「そこは日本と同じだよ」
「日本でもちょん髷をしなくなって」
「中国でもね」
「辮髪はしなくなったんだね」
「そうなんだ、だからね」
神宝は今丁度擦れ違った中国系と思われる人を見て言いました。
「リーゼントの人だってね」
「いるんだね」
「そうだよ」
実際にというのです。
「中国だって今はね」
「リーゼントの人がいるんだね」
「それと人民服の人も」
神宝は服のお話もしました。
「もういないよ」
「そうなんだね」
「中華街でもいないよね」
「うん、その服の人もね」
「やっぱり時代が変わってね」
「オズの国にも反映されているんだね」
「僕のお父さんは子供の頃に人民服を着たことがあったらしいけれど」
それでもというのです。
「僕はね」
「ないんだね」
「うん、辮髪になると」
この髪型はといいますと。
「お父さんもその目では見たことがないそうだよ」
「そうなんだ」
「本当にちょん髷みたいなものだよ」
日本で言うと、というのです。
「辮髪はね」
「完全に昔の髪型なんだね」
「そうだよ」
そうなっているというのです。
「もうね」
「だからオズの国でもいないんだね」
「うん、そもそもね」
「そもそも?」
「辮髪は清って時代だけだよ」
「その時代だけの髪型なんだ」
「元々は満州にいた人達の髪型で」
それでというのです。
「清の頃の偉い人達は満州の人達だったから」
「その人達が辮髪だったから」
「皆もそうさせられて」
そしてというのです。
「定着したからね」
「だからだね」
「そう、あくまでその頃の髪型であって」
「今はだね」
「している人いないよ」
「そうだったんだ」
「元々はあれだったね」
かかしが言ってきました。
「ちょん髷と同じで兜を被る時に熱くならない様に」
「剃ってまとめていて」
「それで、だったね」
「ああした髪型になりました」
「そうだったね」
「はい、ですから」
神宝はかかしにも答えました。
「もう本当に」
「今はだね」
「誰もしないです」
「日本でちょん髷を結っている人がいなくなったのと同じだね」
かかしも自分で言って頷きました。
「そういうことだね」
「はい、この中華街は今の中華街ですね」
「そうだね」
「神戸の中華街を思わせますがやっぱり」
「アメリカだね」
「英語も多いですし」
見ればその文字も街にあります。
「アメリカの中華街ですね」
「そうだね、じゃあ今からね」
「はい、関羽さんのところに」
「一緒に行きましょう」
こうお話してです、そのうえででした。
一行は関帝廟の方に向かいました、そうして関羽さんのところに向かうのでした。
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