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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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第40話:Special Skill

 
前書き
あの技は一応習得させます 

 
全てのボスを倒したエックスはアリゲイツの艦から入手したデータでシグマの本拠地を暴いたエックスはそこで待っているであろうカウンターハンター…シグマ…そしてゼロとの戦い気を引き締めていた。

「ねえ、エックス…本当に今から向かうの?あなた戦い詰めじゃない…少し休んでから行った方が…」

新たな強化アーマーであるセカンドアーマーのバックアップを取る時以外はあまり休めていないような気がするエイリアはもう少し休んでいくことを勧めるが、エックスは首を横に振る。

「そうもいかないよ。早くシグマを倒して平和を取り戻さないと…」

そう言って振り返るエックスにエイリアは何も言えずに寂しげに微笑むしかなかった。

「そう…なら、これだけは言わせて…気をつけてエックス」

「ああ、行ってくるよエイリア…チェバルを借りていくよ。出来れば長距離移動用のタンクを装備させてもらえるかな?」

「分かったわ、整備員に伝えておくわ」

そして用意されたチェバルに乗り込んでシグマの本拠地に殴り込んだものの、カウンターハンターによって戦力にすらならない者は既に破壊されていることなど知る由もなかった。

そしてシグマの本拠地に辿り着いたエックスは、目の前の惨状に愕然となる。

「な、何だこれは!?」

見張りであったろうレプリロイドが既に破壊されていることにエックスは目を見開いて破壊されたレプリロイドの状態を見る。

「これは…かなりの硬度と重量のある物を叩き付けられたような跡があるな…他にはショットの弾痕に地面の爆発の痕跡…他にはビームサーベルのような物で斬られたイレギュラーもいる…まさか…でも何故こんなことを…?」

エックスは知らないが、元々ここのイレギュラーは数合わせの存在にしか過ぎず、エックスと戦わせても無駄に経験を積ませるだけだと判断したサーゲスによってカウンターハンターにより惨殺されたのである。

「…とにかくここにいても始まらないで進もう」

嫌な感覚を抱きながらもシグマの基地に突入するエックスだが、やはり中にイレギュラーはおらず、全て破壊されていた。

「奴らは何を考えて…ん?」

何かに引き寄せられるように向かうエックス。

そこにはかつてのように道着姿のライト博士の姿が映ったカプセルがあった。

『エックス。とうとうここまで来たか。このカプセルに入れば、波動拳同様、厳しい修業によって一部の人間だけが習得出来た必殺技を放てるようになる。人に近い心を持つお前なら、きっとこの技も使いこなせるはずじゃ。その名も昇竜拳!!空中の敵に対して絶大な威力を発揮するのじゃ。エックス、後少し…頑張るのじゃぞ…昇竜拳!!』

ライト博士は腕に炎を纏い、強烈なアッパーカットを放った後に消えた。

「どうやら今度は前みたいに危険な技じゃないようだな」

安堵の息を吐くエックス。

もし波動拳のような技ならどうしようかと思ったが、そうではないようなので安心した。

カプセルの中に入り、昇竜拳を習得したエックスはそのまま先に進むのであった。

しかしどれだけ先に進んでもあるのは床に転がる残骸のみで敵の攻撃がないのはエックスの体力のことを考えれば有難いが、寧ろ何もないのは逆にエックスの不安を煽っていく。

奥に光が見えたのでそこに駆け出すと、広い場所…コロシアムに出て、観客席に立体映像の見物人が現れた。

「立体映像の見物人か…悪趣味な」

「け・見物人は多い方がい・良いんだなぁ。お・お前もお・大勢にみ・見送られた方が良いだろぉ。き・気を遣ってや・やったんだなぁ~」

「バイオレンか…相変わらず電子頭脳に異常があるようだな…俺と戦う前にまともに喋れるようにお前の仲間に電子頭脳を直してもらったらどうだ?」

オストリーグが死ぬ原因となったバイオレンに皮肉を言うエックス。

「む~!!お前を壊してからす・するんだな~!!」

エックスの皮肉に怒るバイオレンはエックスに向かって鉄球を投擲する。

「なら、お前は永久にそのままだな!!」

いくら心優しいエックスでも数多くの犠牲者を出したシグマの直属の部下であり、オストリーグの仇であるバイオレンを生かしておくつもりなど毛頭ない。

迫ってくる鉄球をダブルチャージショットの一発目で弾こうとするが、ビームコーティングが施されているのかチャージショットが弾かれてしまう。

「ぐはっ!?」

鉄球を顔面に喰らったエックスは吹き飛ぶ。

「き・決まったんだなぁ~」

「もう一発!!」

勝利を確信し、隙だらけのバイオレンに二発目のチャージショットが直撃した。

「ぐっほーぅ!!」

まともに二発目を喰らったバイオレンは尻餅をついた。

「見た目通り…頑丈だな…」

「お…俺の鉄球喰らって…い・生きてんのはぁ~おめが初めてなんだなぁーっ」

「生憎俺はお前よりも強力な攻撃を受けてきたんでな…そう簡単にやられはしない。」

まともに鉄球を喰らったことで顔が腫れているが、エックスは立ち上がる。

「二枚目が台無しなんだなぁ~。次はか・顔だけじゃあ、す・済まないんだなぁ!!」

再び鉄球を投擲するバイオレン。

「舐めるな!こんな直線の攻撃なんて簡単に避けられる!!」

鉄球を横に動いてかわすエックスだが、鉄球の内臓されていたバーニアを噴かして強引に軌道を変えた。

「鉄球の軌道が変わった!?」

何とか防御が間に合ったエックスだが、変幻自在に動き回る鉄球によってダメージが蓄積していく。

「(落ち着け…奴の攻撃手段は鉄球によるものだ…鉄球を手元に戻した瞬間を突けば!!)」

バイオレンの手元に鉄球が戻った瞬間、チャージしていたバスターを向けてチャージショットを放つが、バイオレンは巨体からは考えられない程の身軽さで跳躍した。

「あの巨体で跳んだだと!?」

「あれくらい、か・簡単にかわせるんだなぁ~」

そして指先からのマシンガンを撃ってくるバイオレン。

どうやら他にも攻撃手段を持っていたようだ。

「付け入る隙がないのか!?」

何とか回避しようとするエックスだが、マシンガンの弾幕を避けきれずに吹き飛ばされてしまう。

「あ・浅はかな奴なんだなぁ~」

「!?」

バイオレンが着地したので次の攻撃に備えようとしたエックスだが、バイオレンは全く動かない。

少しの間を置いてバイオレンは動き出した。

「さ・さぁ~て、と・とどめを刺すんだなぁ~っ!!」

「(…今の間は…?そうか、パワーと装甲を重視し過ぎたせいで、体重が支えられずに着地の瞬間に動きが止まる…だが、まずはあの鉄球をどうにかしなければ!!)ストライクチェーン!!」

投擲された鉄球による初撃をかわしてストライクチェーンの鎖をバイオレンの鉄球に絡ませる。

「むふぅーっ!!ち・力比べならま・負けないんだなぁ~っ!!」

「力比べ?パワー型相手にするわけないだろう!!」

バイオレンが自身の鎖を引っ張るが、エックスは自分の膂力を理解しており、いくら強化アーマーで出力が相応に強化されていたとしてもパワーに特化した相手には敵わないことも理解している。

エックスはバイオレンが鎖を引っ張るのと同時にダッシュを使い、宙に浮いた瞬間にエアダッシュを使用することで凄まじい速度でバイオレンに肉薄した。

「喰らえ!!」

ZXセイバーのチャージは予め済ませていたためにチャージセイバーは何時でも繰り出せる。

バイオレンの首を叩き斬ろうと横薙ぎに振るうが、反射的にバイオレンは屈んだことで首を斬り落とされずに済んだが、主武装の鉄球の鎖を断ち斬られてしまう。

「お…俺のて・鉄球が…」

「まだ俺の攻撃は終わっていない!!バブルスプラッシュを喰らえ!!」

重装甲のバイオレンには生半可な攻撃は通らないだろうが、クラブロスから得た特殊武器であるバブルスプラッシュはどんな金属をも溶解させる強酸の泡を発射する武器だ。

流石のバイオレンもこれには耐えられないと判断したエックスだが、バイオレンにとどめを刺す直前に横槍が入る。

何者かのビームサーベルによる斬撃がエックスの左肩を斬り裂いたからである。

「な…に…!?」

反射的に体を捻ってダメージを和らげたが、それでも小さくないダメージを受けたエックスは倒れる。

「ふむ、咄嗟に体を捻ったことでダメージを和らげましたか。良い反射神経です」

「ふん、あの男の忘れ形見じゃ。簡単に死なれても拍子抜けじゃ」

倒れるエックスに向かって称賛する青年のレプリロイドと冷たく見据える老人型レプリロイド。

「アジールにサーゲスか…!!」

「覚えてくれて光栄です。さあ、エックスさん…楽しい死闘の第2ラウンドと行きましょうか?」

アジール、サーゲス、バイオレン。

カウンターハンター3人を同時に相手にすると言う厳しい戦いを強いられるエックスであった。 
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