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ドリトル先生と日本の鉄道

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第八幕その十

「その努力が感じられるね」
「あんなことはね」
 とてもと言う先生でした。
「まさに本当に好きで」
「プラモデルが」
「その世界自体がだね」
「それでこそね」
 まさにというのです。
「出来ることだよ」
「じゃあ先生はね」
「プラモにそこまでの情熱はない」
「そうなるの」
「そうもなるかな、好きだけれど」
 それでもというのです。
「あそこまでしたい、そう思うまでには」
「好きじゃないんだ」
「あそこまでは」
「そうだね、この場合不器用だからというのは」
 先生がそう言って実際にそうだからプラモを造らないことはといいますと。
「理由にならない、むしろね」
「そうしたことはだね」
「理由にならなくてする」
「そうするんだね」
「そうだね、そうした人は」
 それこそというのです。
「もう幾ら不器用でも」
「プラモを造って」
「それも凄いプラモを目指す」
「そうするんだね」
「ディオラマにしても」
「そうなるね、誰だって最初は出来ないしね」
 プラモデルにしてもその他のことでもというのです。
「それが出来る様になるには」
「やってみる」
「それも失敗も恐れないで」
「何度失敗してもいい」
「それで勉強もしていくんだね」
「そうなるね、人間努力だからね」
 これこそが一番大事だからだというのです。
「努力をすれば」
「最初は全然駄目でも」
「あんなプラモデルを造られる」
「そうなるんだね」
「天才はいてもね」
 それでもというのです。
「モーツァルトはいつも作っていたからね」
「そうだよね」
「あの人はいつも作曲していたよね」
「子供の頃からずっと」
「立ち止まらずに」
「プラモだったら造り続ける」
 そうなるというのです。
「ひたすらいいものを目指してね」
「そうすればだね」
「ああした凄いプラモが造られる」
「そうなるのね」
「知識だって最初は何も知らなくても」
 それでもというのです。
「学べば学ぶ程だね」
「うん、わかっていってね」
「知っていくわ」
「そちらもそうなるし」
「それだったら」
「何でもだね」
 プラモだけでなくです。
「人に大事なのは情熱と努力だよ」
「その二つさえあれば」
「誰だってあんなものを造られる」
「あんな素晴らしいものを」
「そして先生もかな」
「あっ、僕もだね」
 皆に言われて先生は気付いた様になって笑って応えました。
「そういえばそうだね」
「そうだよね」
「先生だってね」
「若しプラモ部の人達みたいにプラモが大好きだったら」
「その時は」
「うん、もうね」
 それこそというのです。
「なれるかもね、ただね」
「先生にプラモへのそこまでの情熱はないんだね」
「最初は下手でもあそこまでなる」
「素晴らしいものをこの手で造りたい」
「そこまではないんだね」
「やっぱり僕の関心は」 
 それはといいますと。 
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