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クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
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第2話:一応の和解

マッハレオモンを退け、デジタルワールドのグリンゾーンの微笑みの里の長老であるジジモンの厚意で長老の家に泊まることになった大輔達。

因みにマッハレオモンとの戦闘のゴタゴタで自己紹介が出来なかった為に改めて自己紹介をした。

ゴーグルを着けた少年が工藤タイキ。

赤い髪の女の子が陽ノ本アカリ。

そして緑色の服を着たのが…えっと…ツムリ…デン次郎(ゼンジロウだ!!)ということが分かった。

ジジモン長老の話を聞いた後、大輔達は自分達に宛てがわれた部屋で無言で向き合っていた。

「…えっと…助けてくれてありがとうな一乗寺」

「いや…」

「………」

「「「(気まずい…)」」」

部屋の隅っこでデジノワを食べているブイモン、テイルモン、ワームモンの3体。

「ところで、一乗寺はどうしてここに?」

「僕にも分からないんだ。いきなり空から降ってきた光がデジヴァイスに吸い込まれたかと思えば…」

「私達と同じなのね…」

重苦しい空気に、流石の微笑みの里のデジモン達も入る勇気はないみたいで、タイキ達がいる所のみが騒がしい。

そして少しして、賢は頭を下げた。

「今更謝ったところで意味がないというのは分かっています。それでも、すみませんでした…」

「いいって別に、俺は謝ってくれただけで充分だし。それよりも、どうしてワームモンが進化出来たんだ?今まで出来なかったんだろ?」

デジモンカイザー時代の賢はワームモンを進化させていなかったのに今になって進化出来たのは何故なのだろうと思ったのだ。

「実は……」

賢は大輔とヒカリに全てをうち明けた。

始まりの町へ行き、生まれ変わったワームモンと再会してしばらくは現実世界で平穏に過ごしていたが、突如姿を見せた謎の女。

その女を追い掛け、デジタルワールドに行くと…女はダークタワーをデジモンに変化させたかと思えば自分達に襲わせた。

「ダークタワーを…デジモンに変えただって…?マジかよ…」

「それだけじゃない…あの女が近付くとダークタワーは以前の機能を取り戻してしまう…それでダークタワーデジモンと戦って、ワームモンはスティングモンに進化出来たんだ」

「ダークタワーをデジモンに変えるだけじゃなくてダークタワーの機能を復活させることも出来る女か…」

「なら、私達の戦いはまだまだ終わらないのね」

「君達が気にすることじゃない。ダークタワーを建てたのも…寂しかったのも……それに目を背けたのも……全部僕……僕の責任なんだ…だから……僕が…僕がカタをつけなきゃいけないんだ…」

「いや、俺はお前1人に全てさせるつもりはないぜ。必死に罪を償おうとしているお前に全て押し付けるようなことはしたくないしさ…俺も手伝うよ。ダークタワーをぶっ壊すのもその女を倒すのも。一応選ばれし子供だしな」

「どうして…」

「ん?」

賢の小さな呟きが大輔には良く聞こえなかったので聞き返す。

「どうして……君は……僕を信じてくれるんだ……僕は……君にもあんなに酷い事をしてしまったのに……」

どのような罵倒を言われようと言い返す資格すらない自分に何故優しく出来るのだろうか?

「それはな、俺には聞こえたんだよ。」

「聞こえた?」

「ああ、変な奴と思うかもしれないけど、俺…お前の優しさの紋章から声が聞こえたんだ。上手く説明は出来ないんだけどな。その声を聞いたら、胸が暖かくなってさ。本当のお前が悪い奴じゃないって気付けたんだよ…。だからさ、お前が気にする必要なんかねえぞ。お前に力を貸したいと思うのは、俺がお前に力を貸したいからだ。こうしたい。だからそれをする。そんだけだよ…」

それを聞いたヒカリは思った通りだと思った。

大輔ならきっと、賢を仲間として受け入れると思っていた。

「まずはいきなり仲間は無理だろうから友達から始めようぜ一乗寺…でも機会があったらみんなに謝って欲しいんだ…みんな頭が固いからいきなり和解は無理だろうけど」

「分かった…元の世界に戻れたら必ず…」

「一乗寺君…」

ヒカリが少し前に出て、賢の目を見る。

デジモンカイザーの時のような濁った物とは違う澄んだ色をした瞳。

「私はまだあなたがしたことは許せない。沢山のデジモンを操ったじゃなく、傷つけて、キメラモンを造ったあなたを」

「…はい」

「でも…私達を助けてくれてありがとう。あなたの話…私も大輔君と同じように信じる」

「八神…さん…」

それだけ言うと、ヒカリは口を閉ざした。

「それにしても…不思議だよな、ここのデジモン達…進化のこと全然知らないなんて」

「そうね、デジモンなら当たり前のことだと思っていたのに…」

ジジモンと話した際にアーマー進化を不思議な変化と言われた大輔達。

確かにアーマー進化は普通の進化と違ってアイテムとデジモンを融合させる進化だから珍しいと思っていたのだが、普通の進化や退化のことまで知らないと言われたのは驚きであった。

「不思議と言えば、ライドラモンやネフェルティモンがマンモンを一撃で倒せたことにも吃驚したな。正直目眩ましが精一杯だと思ったのに」

「おい、大輔。俺も不思議に思ったけどさ…その言い方は傷つくぞ」

「悪い悪い」

不機嫌そうな表情で見つめながら言うブイモンに大輔は苦笑した。

「どうやらここには進化や退化の概念はないみたいだ。成熟期や完全体のことも知らないみたいだから、ある姿で生まれたデジモンはそのままなんだと思う。例えば本宮君達が倒したマンモンも生まれた時からマンモンだったんじゃないかな?世代がないからライドラモンやネフェルティモンでも本来なら完全体であるマンモンを倒せたんだと思う。」

「えっと…つまり?」

疑問符を浮かべる大輔にも分かるように説明する賢。

「多分だけど、ここにはデジモンの世代がないから成熟期や完全体の力の差が無くなってるんだと思う。」

「あ、そっか…世代がなくて力の差が無くなったからライドラモン達でも簡単に倒せたのか…」

「じゃあさ、俺達ってここじゃ結構強いのか?」

「さあ、どうだろう…?世代がないからって弱い敵ばかりではないと思う。少なくても極限まで鍛えて完全体と同等かそれ以上のデジモンもいるはず」

「せめて私が完全体に進化出来ればそういう相手にも対処出来るんだけど…」

テイルモンが深い溜め息を吐きながら呟く。

大輔達は知らないが、かつてデジタルワールドの安定のために紋章の力を解き放ったために完全体への進化が出来にくくなった。

仲間が沢山いるならまだ気にしないでいられたが、見知らぬ場所で見知った仲間がブイモン達だけと言うのは正直キツい。

一応ワームモンも仲間になったが、今のままでは連携もあまり取れないだろう。

「それにして…あの時、D-3に入ってきた光は何なんだろうな?」

「僕達のデジヴァイスに今までとは違う…えっと…Xローダーだっけ?それと同じ機能がいくつか付いたようだ」

デジモンを中に収納し、データを再生する機能。

他にもD-3には無かった機能が追加され、D-3の形をしたXローダーみたいな状態になっている。

「D-3X(クロス)ってとこかな…明日、タイキさん達はマッシュモン族がいる集落に向かうらしいから、俺達も一緒に行こうぜ」

「ええ」

「うん」

大輔達は明日に備えて寝ることにし、こうして大輔達の異世界大冒険の1日は終わりを告げた。 
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