| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と日本の鉄道

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一幕その九

「日本の方が先かな、いいことだけれど」
「イギリスにも頑張って欲しい」
「難しいところだね」
「そうだね、しかしね」
「しかし?」
「いや、学ぶ立場だった日本がね」
 鉄道をです。
「今やイギリス以上の鉄道大国なんて」
「凄いことだね」
「そうだよね、あっという間にだね」
「先生だった筈が追い越されたね」
 先生はジョークを入れて言いました。
「そうなったね」
「立派な弟子かな」
「立派過ぎるよ、これは」
「新幹線まで作って」
「リニアモーターカーもだから」
 そちらもというのです。
「これは立派過ぎる弟子だよ」
「恐ろしい弟子を持ったね、イギリスも」
「鉄道に関してもね」
「鉄道も、なんだ」
「いや、ロイヤルネービーもね」
 海軍のお話もする先生でした。
「第二次世界大戦の時には」
「ああ、追い抜かされたっていうんだね」
「航空母艦も艦載機なんてね」
 それこそというのです。
「それに戦艦までね」
「ああ、大和だね」
「あんな戦艦を建造されたら」
 それこそというのです。
「見たらね」
「それだけでだね」
「負けたって思うよ。今の海上自衛隊もね」
「イギリス海軍以上なんだ」
「凄いよ。立派な海軍だよ」
 海上自衛隊はというのです。
「鉄道も海軍、つまり船も負けてるね」
「じゃあここはね」
「我が国も凄いっていうだけじゃ駄目だから」
「挽回したいね」
「そうしたいところだね」
「そうだよね。まさか日本がね」
「明治維新から百五十年少しでね」
 それだけの間で、というのです。
「ここまでの国になるなんてね」
「近代化からもうだね」
「世界の最先端の国だよ」
「一回敗戦しているのにね」
「そこからあっという間に復興したしね」
 戦禍はかなりのものだったというのにです。
「途中何度も大地震があったし」
「ああ、地震はね」
 王子もこのことについては暗いお顔になります。
「日本には付きものだね」
「それに台風もね」
「日本は災害が多いからね」
「それが沢山あったけれどね」
 それでもというのです。
「今みたいな国になっているから」
「そのことも凄いね」
「そう、だからね」
 それでというのでした。
「余計に凄いよ」
「百五十年でここまでの国になっただけじゃなくて」
「戦争も災害も乗り越えてだからね」
「じゃあその日本を乗り越えるには」
「イギリスもかなりの苦労が必要かな」
 こうも思った先生でした、鉄道のことから。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧