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ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか

作者:黄泉姫
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11話

ベルは焦っていた。先ほどから胸騒ぎが収まらないからだ。

「もし、もし、アレがここに現れたら…」

青紅倚天の魔力を使いスピードをあげて気配が強く感じる場所へと急いだ。その途中で面が割れてしまったがそんなことを気にすることなく走り続けた。

「ここだ!」

たどり着いたのは闘技場である。急いでなかに入る。

「ん?なんや、ベルやないか」
「ロキ様?それに皆様も」
「あれぇ?なにしに来た、白兎くん」
「ずいぶん慌てているようだけど」

中にはロキとその眷属のアイズとレフィーヤとティオナとティオネがいた。

「ベル…それも、魔剣なの?」
「え?あっ、はい」
「それよりなにしに来たんですか」
「それは!?」

ベルが事情を話そうとすると突然大地が激しく揺れ始めた。

「な、なんや?!」
「……来た!」
「ギャアアアアァァァァァァっ!!!!!!!」

現れたのは全体的に黒く、女性の上半身の体にいくつもの刀剣が融合したかのような姿の化け物だった。

「皆さん、あれとは戦わずに逃げてください!」
「私たちも手伝うわよ!!あんた、一人が勝てるわけ」
「良いから早くしろ!貴女では決してアレには勝てません!」
「ベル、自分アレがなんやのかわかるか?」

ベルはロキの言葉を聞きながら前にいる怪物へと目を向けていた。

「あれは冥獣。魔剣使いと魔剣のいずれか片方、または両方が暴走することによって産み出される怪物です」

ベルは魔剣を構え、攻撃体制へと移る。

「アレを倒せるのは魔剣使いである僕だけです。いかなる魔法も魔剣以外の攻撃も一切効きません」
「な、そんじゃあアレを倒せるのは」
「現状僕だけです」

ベルはそう答えるとそのまま突っ込んでいく。

「こい、お前の相手は僕だ!」
「ガァァァァアアアアアァァァァ!」
「くっ!属性は風、か!」

攻撃を交わしたのに腕に少しの刃物の浅い切り傷が出来ていたことからベルは相手の属性を判断する。

「青紅倚天、では意味がないな」

ベルは青紅倚天をしまい、他のものを呼び出す。

解放(アンロック)、ビーストキラー」

喚び出したのは銃。この世界には存在しない武器。

「くっ、硬い」

トリガーを引き、斬撃を放つがなかなか傷がつかないのである。

「ビーストキラーじゃ火力不足か」

ビーストキラーをしまい、別の魔剣を呼び出す。

「解放、ヴォルケイノ!」

喚び出したのは溶岩を帯びた大剣である。

「うそ、私のウルガよりデカい!」
「あんな細い腕でよく降れるわね…」
「たぶん、重さは…それほど、感じてないんだと思う」
「……」
「しっかし、見てるだけっちゅーのも歯痒いなぁ」

ベルと冥獣の戦いを見ている面々は思い思いの事を口にする。

「うおおおおぉぉぉぉぉ!」
「コワス、スベテッ!!」
「どうしてそこまで…」
「コワスっ!」
「がぁあ!」

元が魔剣。そのため相手も斬撃を放つか魔力での攻撃を仕掛けてくる。一つ一つの力はさほど大きいわけではなくとも数が多ければ防げないものも出てくる。

「ぐっ、」
「コワレロ!」
「なっ!」

産み出された無数の風の斬撃がベルへと襲いかかる。

「くっ、このぉ!」

ベルもなんとか防ぐが武器を使う腕までは完全に防げず、まるで無数の鎌鼬にあったかのような傷を負う。

「はぁはぁ、そろそろ終わりにしよう」
「コワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスッ!」
「君を救う!だからこれで終わりだ!」

ベルはヴォルケイノに魔力を注ぎ込む。そして……。

「Blaze Drive!」
『燃えたぎる火山のごとく。焼き尽くす!Blaze Drive!』

放たれたのは今までの斬撃とは全くもって異なる斬撃。一発一発に籠められる魔力量が違い、そして数にして十六の炎の斬撃がまるで一つの刃のごとく一ヶ所に集中的に集まり冥獣の体を破壊していった。

「ワタシは、あの…ヒ、トの力に……」
「どうか、安らかに」

ベルは倒れそうになるが、誰かがそんなベルを支えた。

「まったく、キャプテンは無理しすぎだぜ」
「ヴォルケイノ…」

支えていたのは拳闘士を思わせるような格好をしている少女だった。

「なんや、あれ…。武器がめっちゃ美人になったで!?」

その光景を見ていたロキは驚きの声をあげ、

「「「「!?」」」」

アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤは声をあげることができなかった。

「まったく。鍵も使わずに複数の属性の魔剣(わたしたち)の使用にBlaze Driveの使用。普通なら無理だぜ?」
「あ、あははは。また、君たちに迷惑かけたね」
「はぁー、そんなのは良いから。早くキャプテンの主神様の所に戻ろう」

ベルはそのままおぶられる形になった。

「ごめん。体動かなくて」
「Blaze Driveを使ったんだから仕方ない」

そのまま歩いていく。

「ん?あんたらも早くここ離れた方が良いよ。それとここで見たことは誰に話すな」

そんな言葉を残してヴォルケイノは去っていった。 
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