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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第44話 3大勢力のトップ襲来!戦いの終わり

 
前書き
 前に後2話くらいでエクスカリバー編が終わると後書きで書きましたが、終われませんでした。申し訳ございません。取りあえず今回は説明回で次で終われるようにします。 

 
side:小猫


 コカビエルを倒してホッと一息を付けるかと思いきやコカビエルは灰となってしまいました。更に結界が壊れるとなんと3大勢力のトップがおりここに集結してしまいました、一体どうなってしまうのでしょうか?


「初めまして、兵藤一誠君。妹達が随分と世話になったようだね」
「魔王であるあなたに名を知っていてもらえるとは感激ですね、こちらこそよろしくお願いします。魔王サーゼクス・ルシファー様」


 イッセー先輩とサーゼクス様はお互いに名を呼び合います。でもサーゼクス様の目は笑っていながらも注意深くイッセー先輩を探るような視線を向けており、イッセー先輩もサーゼクス様を警戒しながら話をしています。


「おい、サーゼクス。そこの人間は何者だ?どうしてここに人間がいるんだ?」
「あなたの話からすると悪魔の勢力の者でもなさそうですね。しかし彼から放たれるこのオーラ……只者でないのは明らかでしょう」


 するとアザゼル様とミカエル様もイッセー先輩に視線を向けました。


「彼はこの学園の生徒さ、僕も今日初めて会ったんだ。だから彼の事については僕も良く知らない」
「おや?最近俺の周りを誰かが嗅ぎまわっているようにも思えましたが……魔王様は関係なかったみたいですね」
「ふふっ、やはり君はグレイフィアに感づいていたようだね」


 イッセー先輩は挑発ともとれる言葉をサーゼクス様に言いました、それを聞いたサーゼクスは楽しそうに笑みを浮かべました。


「イ、イッセー先輩!そんな挑発するような言い方は……」
「どうせシラを切っても隠せないんだ、なら強気の態度でいったほうがいい」


 私はイッセー先輩に注意をしようと思いましたが、先輩はシラを切るのはもう無理だと判断したようで敢えて強気でいくことにしたそうです。
 でもグルメ界の事を彼らに知られたらマズいはずです、イッセー先輩はどう切り抜けるつもりなんでしょうか?


「どうせバレてるんだろうし、そうでなくともこの状況下で誤魔化すのは無理のようだな。だったらさっさとネタバレをしたほうがいい。起きろ、ドライグ」
『まったく……どうなっても知らんぞ』


 イッセー先輩は赤龍帝の籠手を出して、サーゼクス様達に見せつける様に腕を上に上げました。


「そ、それは赤龍帝の籠手!?まさかお前は今第の赤龍帝なのか!?」
「ええ、そうです。俺が今第の赤龍帝、兵藤一誠です」


 アザゼル様はイッセー先輩の腕に現れた赤龍帝の籠手を見て興奮する子供のようにテンションを上げていました。
 なるほど、赤龍帝という事を先に明かす事で、意識をそちらに向かわせてグルメ界などについて触れさせないようにしたんですね。赤龍帝がいたという事だけでも相当なインパクトになりますから。


「まさかここ数年全く音沙汰の無かった二天龍の一角が、悪魔の管理する町にいたとは思いもしませんでした。なるほど、赤龍帝ならばコカビエルに勝つことも可能かもしれません」


 ミカエル様は赤龍帝であるイッセー先輩ならコカビエルを倒せたことも納得したような表情を浮かべました。まあ実際は一度ここにいる全員が敗北一歩手前まで追い詰められたんですけどね……


「なあ、赤龍帝。サーゼクスの言葉を聞くとお前さんは悪魔の勢力に入っていないみたいだが、何故リアス・グレモリーの管理するこの町にいたんだ?」
「俺は元々あなた達から逃げる様に旅をしていたんですよ、赤龍帝である俺がどういう扱いをされるかはドライグから聞いていますからね。特に堕天使総督であるアザゼル様、貴方は神器の研究をされていると聞いていましたから特に注意していたんですよ」
「ははっ、俺も有名になったもんだな。まあ赤龍帝が見つかったとなれば各勢力がこぞって自らの勢力に引き入れようとするだろうし間違ってはいないな」


 神滅器を持つイッセー先輩は、3大勢力やその他の勢力に見つからないように身を隠しながら旅をしていたとうまい具合に話を作っています。


「(グレイフィアが調べてくれた資料には、彼は数年前に余所からこの町に流れてきたと書いてあったな)……だがそれなら何故僕の妹であるリアスが管理するこの町に拠点を作ったんだい?僕達の目をかわすために身を隠していたのなら悪魔が管理するこの町に身を置くのは危険のはず。君ならそれくらいの事は分かっていそうに思えたが?」
「灯台下暗しって考えたんですよ。まさか悪魔たちが管理する町に赤龍帝がいるなんて普通は思わないでしょ?」
「確かにこの町に赤龍帝がいるとは想定はしていませんでしたね……」


 サーゼクス様の質問にイッセー先輩が答えるとミカエル様はやられたな、というような表情を浮かべました。


「だがよ赤龍帝、お前さんは結局リアス・グレモリーに接触しているじゃねえか。俺達を危険視しているのは分かったし神器使いがどういう扱いをされているかは理解している、だからそれについては何も思わないさ。だがそんなお前が急に悪魔に接触した、それはどういった心境でそうしたんだ?」
「恥ずかしい話だが俺はリアスさんの眷属である塔城小猫ちゃんに恋をしてしまってな、所謂一目惚れって奴さ」


 イッセー先輩はグイッと私の肩を掴んで自らの元に引き寄せました。それを見たサーゼクス様とミカエル様は意外そうな表情を浮かべ、アザゼル様はニヤッと笑みを浮かべました。


「リアス、それは本当かい?」
「はい、私の眷属である小猫は彼と交際をしています。私もその時にイッセーを紹介されて二人の仲を認めています」
「ほほぅ、今第の赤龍帝はロリッ子趣味か。やっぱ色恋には何者も敵わないんだなぁ」


 サーゼクス様が確認の為に部長に声をかけて、その問いに部長は首を縦に振って肯定しました。
 実際は私がイッセー先輩に惚れていたんですが、誤魔化すためとはいえ一目惚れなんて言ってもらえてかなり嬉しいです……♡
 でもアザゼル様のニヤついた顔は正直イラっとしますね。


「ふむ、そういう事か。だがリアス、君はそれを知っておきながら僕に報告をしなかった。それについてはどう答えるんだい?」
「……」


 イッセー先輩が赤龍帝だったことを知りながら、それを魔王様に報告しなかったことを追及されました。


「部長……」
「大丈夫よ、小猫。私の答えは決まっているから」


 私が不安そうに部長を見つめると、部長はウィンクして笑みを浮かべました。そして直にキリッとした表情に切り替えると真っ直ぐにサーゼクス様を見ながら話し始めました。


「お兄様、私は確かにイッセーが赤龍帝だと知りながらもそれを貴方様に報告いたしませんでした。でもそれについて私は悪いと思ってはおりません」
「ッ!?」
「へぇ……」
「……」


 部長のハッキリとした回答にサーゼクス様は驚いた顔になりました。横で成り行きを見守っていたアザゼル様は意外なものを見るような視線で部長を見て笑みを浮かべ、ミカエル様は特に反応はありませんでしたがその視線は部長を捕え続けています。


「……リアス、その問いはどういう意味を持っているか理解して話しているのかい?」
「はい、本来なら魔王様に対する反旗と捉えられてもおかしくない事は重々承知しております。それをふまえて私はそうお答えさせていただきました」
「お嬢様!何てことを!」


 すると私達の近くに魔法陣が生まれ、そこからグレイフィア様が姿を現しました。魔王様が護衛を連れないでこの場に姿を現すなんてちょっとおかしいなぁと思っていましたが、どうやら隠れて様子を伺っていたみたいです。


「あら、やっぱりいたのね。グレイフィア」
「お嬢様!今の発言は魔王様に対する反逆の意思と捉えられてもおかしくありません!どうか本当の事をおっしゃってください!」
「私は本心で言っているのよ」
「あり得ません!お嬢様がサーゼクス様に対してあのような言い方をされるなど……赤龍帝がお嬢様を脅しているのでしょう?」


 グレイフィア様はキッとイッセー先輩を睨みつけました。


「よくもお嬢様をたぶらかしたわね、やはり早急に対処しておくべきだったんだわ……!」
「そんな風に睨まれましても俺はリアスさんを脅したりしていませんよ」
「黙りなさい!お嬢様にあんなことを言わせて唯で済むと……」
「グレイフィア、少し黙りなさい」


 イッセー先輩を睨むグレイフィア様、そんなグレイフィア様に対して部長は凛としていながらも重苦しい雰囲気を出しながら静かにそう言いました。


「グレイフィア、イッセーはわたしを脅してなどいないわ。これはわたしが本心で言っているの」
「な、何を言っておられるのですか!このままでは魔王様はおろかグレモリー家、ひいては悪魔の勢力全てを敵に廻す可能性もございます!それを分かっていらっしゃるのですか?」
「ええ、分かっているわ。なんだったらグレモリーの名を捨ててもいい、それならお父様やお母様たちには迷惑をかけずにすむから」
「お、お嬢様……」


 グレモリーの名を捨ててもいいと言った部長に、グレイフィア様は絶句してしまいました。


「リアス、君がそこまで言うとは思っていなかったよ。だが本気かい?そんなことをして後悔するのは君やその眷属だけだ。それでも訂正する気は無いと言うのかい?」
「はい、お兄様。私はイッセーにこれまで返しきれないほどの恩を貰いました、私自身や眷属を強くしてもらい時には守ってもらい更には沢山の発見や驚き、そして経験をさせてもらいました。今ではイッセーは大切な仲間だと言えるほど彼を信用しています。そんな彼を利用しようとしたり害をなそうとするのであれば……私はお兄様の敵になります。これは私だけではなく眷属全員の意思です」


 私と朱乃先輩、祐斗先輩はイッセー先輩を守る様に前に出ました。それを見ていたサーゼクス様は目を閉じてクスッと小さな笑みを浮かべました。


「あの小さかったリアスが、僕にあそこまでハッキリとした啖呵を吐くなんてね。嬉しい様な悲しい様な……」
「お兄様、もう十分私達を試したのだから子芝居はここまでにしましょう」
「そうだね。グレイフィア、もうこちらに来てもいいよ」
「かしこまりました」


 部長は魔王様ではなくお兄様とサーゼクス様に子芝居は止めようと言いました。最初はどういう事かと思っていましたが先ほどまで取り乱していたグレイフィア様はスッと落ち着いて魔王様の元に向かいます。


「ぶ、部長。これはどういう事なんですか?」
「お兄様は私達を試したのよ、イッセーとの友情をね」


 な、なるほど……あの冷静沈着なグレイフィア様があんな風に取り乱すなんて変に思いましたが演技されていたんですね。


「すまなかったね、リアス。君達が赤龍帝である彼に力で屈服させられているんじゃないかと思いあんな子芝居をさせてもらったんだが、どうやら君達と彼との間には確かな友情と信頼が作られているようだ」
「満足していただけましたか、魔王様?」
「うん、少なくとも君たちが脅されて彼の傍にいるんじゃないって事は分かったよ。これでグレイフィアも安心しただろうしね」
「サ、サーゼクス様!?」


 サーゼクス様の言葉にグレイフィア様は珍しく動揺した様子を見せます、あれは演技ではなさそうですね。


「急に子芝居が始まったから何事かと思ったが、結果的には面白いもんを見せてもらったな」
「ええ、噂では唯の我儘姫と言われていたあのリアス・グレモリーがここまでの成長を見せるとは……」
「ああ、リアス・グレモリーを良い意味で変えた赤龍帝に興味が出てきたな」


 事の流れを見ていたアザゼル様とミカエル様は興味深そうな視線をイッセー先輩に送っていました。


「まさか天界にまで昔の私の事が流れていたなんて……ちょっと複雑ね」


 まあ昔は部長もけっこう我儘なところがありましたからね。それに貴族の義務である政略結婚も結局力尽くで解消したから悪魔の貴族たちの間では不評が立ったそうです。部長はいずれその責任を払うとは言っていましたがどうされるんでしょうか?
 でも部長がどんな道を選んでも私達はそれに付いていくつもりです。


「兵藤一誠君、失礼な事をしてしまった事を謝らせてほしい。本当にすまない」
「私からも先ほどの失礼な態度、そして貴方様を探っていた事をここで謝罪させてください。申し訳ございませんでした」


 魔王様とグレイフィア様はイッセー先輩に向かってペコリと頭を下げる、それに対してイッセー先輩は笑みを浮かべながら手を振りました。


「別に気にしていませんよ。家族を心配するのは人間も悪魔も同じ事ですから」
「……ありがとう、君のような子がリアスと出会えて本当に良かったと思うよ」


 どうやら最悪の状況は回避できたみたいですね。


「さて、アザゼルにミカエル。個人的な事で時間を取らせてしまって悪かったね」
「俺は別にいいぜ、いいもん見れたし」
「私もです。とはいえそろそろ何があったのか報告してもらわないと」


 ミカエル様の言葉にサーゼクス様とアザゼル様が頷き、改めて私達の方に向きかえりました。


「リアス、今まで何があったのか僕達に説明してほしい」
「分かりました」


 そして部長が代表してこれまで何があったのかを魔王様方に説明し始めました。勿論グルメ界に関係する事は伏せていますがそれ以外の事は全て話しました。


「……なるほど、やはりコカビエルの目的は戦争を再開させることだったか」
「あのバカ、まだ諦めていなかったのか……リアス・グレモリー、改めて謝罪させてもらうぜ。今回の件はあのバカを制御できなかった俺のせいだ、責任として俺の首を要求しても構わねえ」
「ア、アザゼル様!?」


 アザゼル様のまさかの言葉に全員が驚いた表情を浮かべました。だってまさか自分の首を差し出すなんて言うとは思ってもいませんでしたから。


「アザゼル、それは本気か?」
「ああ、これくらいしないと今回の件がコカビエルの独断だとは信じてもらえねえからな。俺は本気だ」
「貴方がそこまで言うとは思いませんでした。しかし貴方は神器を集め研究に没頭していると聞いています、それは戦争の為に戦力を集めていたのではないのですか?」
「違う、俺が神器を研究していたのは例の組織に対抗するためだ。決してお前らとやり合うためにしていた訳じゃない、なんだったら研究成果をお前らに見せても構わねえよ」
「例の組織……なるほど、それなら君の言い分も納得できるね」


 例の組織……?魔王様方は何を話しているのでしょうか?


「例の組織とは一体なんですか?」
「……そいつらの名は『禍の団』(カオス・ブリゲード)っていうのさ」
「カオス・ブリゲード……?」


 もしかすると美食會が関わっているのかと思ってしまいましたが、流石に違ったようですね。でもその集団も何だか危険な感じがします。


「今だ調査中なんだが、ここ最近起きたテロなどの事件に関わっている不審な連中さ。3大勢力の危険分子や中には神器を持った人間の所属も確認されている」
「そいつらの目的は何ですか?」
「破壊と混沌。そいつらはこの世界の平和が気にくわないんだよ、イカれたテロリストさ」


 私の質問にアザゼル様は丁寧に答えてくれました。でも禍の団……そんな奴らがいたんですか、美食會とは別の意味で厄介な連中ですね。


「俺は一度3大勢力のトップが集まって話し合うべきだと思っていたんだ……和平についてな」
「和平……ですか」
「ああ、俺達は長い間争い続けてきたがそろそろ上手い落としどころを見つけないといけねぇ。このまま争い続けていたら俺達は本当に滅んでしまうことになる、あの戦争を終えて俺はそう考えるようになったんだ」
「……」
「それは……」


 な、なんだかかなり大きな話になってきていますね。もし3大勢力が和平を結ぶことになったら歴史が大きく変わるかも知れません。


「……アザゼル、君の考えはよく分かった。僕としてもその話は無視できない事だと強く思うよ、でも今はこの事態を収拾する方が先だ」
「そうですね。今現在も天界や冥界は動揺で混乱していますし、その話はまた後日にでもさせてもらいましょう」
「……そうだな、話をそらしてしまって悪かった」


 アザゼル様は話を切り替えると部長に再び声をかけます。


「リアス・グレモリー、奴の死体は何処にあるんだ?」
「申し訳ございません、コカビエルは私の滅びの魔力で跡形も無く消滅してしまいました」
「何だって?あいつを消し去れるほどの力を持っていたのか?」
「いえ、イッセーの赤龍帝の籠手の能力である『赤龍帝からの贈り物』で滅びの魔力の力を上昇させたから出来た事です」
「そういや赤龍帝は他人にも倍加の力を分け与える事が出来ると聞いていたな……一瞬感じた凄まじい滅びの魔力はそれだったのか」


 実際はコカビエルは灰になってしまったのですが、それは隠しておくことにします。イッセー先輩ですら分からない事なのに余計な事を言ってしまってボロを出すのはマズいですから。


「ならば早急に事態の収拾を図らなければならないね。リアス、君は女王を連れて今回の事件の全貌をもう一度話してほしい。ソーナ君も悪いが一緒に冥界に来てくれ」
「魔王様、私の眷属が……」
「心配しなくていい、君の眷属はグレイフィアに頼んで悪魔が管理する病院に運ばせているから安心してくれ」
「匙君も同じように病院に送ったから安心して、ソーナ」
「良かった……」


 ソーナ会長は自分の眷属達が無事だと分かって安心したのか泣き出してしまいました。


「さて、俺もけじめをつけてくるか。まずは教会への謝罪と状況の説明が先だな。ミカエル、協力してもらえるか?」
「無論です、それに天界に報告しなかった教会の上層部にも罰を与えないといけませんからね……ゼノヴィア、紫藤イリナ、今回はご苦労様でした。貴方達の働きは主も見ていられた事でしょう」
「あ、あの……ミカエル様、エクスカリバーは……」
「大丈夫です、核さえ無事ならまた錬金術で作り直せます。それよりも貴方達はもうしばらくこの町に滞在していていただけませんか?」
「どうしてでしょうか?」
「万が一その上層部の方々が暴走して貴方達に危害を加えかねませんからね、事が終わるまではこの町にいて頂きたいのです」
「私達の為にそのような事まで……ミカエル様、ありがとうございます」


 ゼノヴィアさんとイリナさんは手を組んでミカエル様に感謝の言葉を言いました。


「さて俺達は行くとするかな。赤龍帝、お前にも世話になったな、この礼は改めてさせてもらう。個人的にはお前さんには興味があるから堕天使側に付くってんならいつでも歓迎するぜ」
「アザゼル……とはいえ貴方に感謝しているのは私も同じです、もし何か困ったことがあるのであれば出来る範囲で力を貸すことを約束しましょう」
「それは光栄です」


 アザゼル様とミカエル様はそう言うと、魔法陣を宙に浮かべて消えてしまいました。


「さて、僕も自分の仕事に入るとするかな……おっと、そうだ」


 サーゼクス様も魔法陣を使って冥界に移動しようとしましたが、何かを思いついたようにイッセー先輩の方に視線を向けました。


「兵藤一誠君、悪魔や他の勢力にとって赤龍帝という存在は波乱の中心になるはずだ。もし会合が行われるのであれば君にも人間代表で出席してもらうかも知れない、その時は来てもらってもいいかな?」
「勿論です」
「そうか、すまないね。これからもリアス達と仲良くしてあげてほしい……いずれは君の全てを話してくれると嬉しいな」
「……ッ!」


 サーゼクス様はそう言ってグレイフィア様と共に魔法陣で去っていきました。


「……最後のあの言葉、どうやら魔王様は俺達が隠し事をしていることに感づいているみたいだ」
「イッセー……」
「まあどちらにせよコカビエルにグルメ細胞を渡した存在がいる、それが分かったからには最早避けてはいけない状況になっています。取りあえず今回の事を親父に話してから今後について考える必要がありますね」
「はぁ……何だか大変な事になりそうね、いやもうなっているのかしら」
(リアス達は何を話しているのかしら……?気になるけどあの様子では教えてもらえなさそうね。まあリアスが変な事を企むわけないし、兵藤君にも大きな借りができたのでここは何も聞かないでおきましょう)


 あれ、ソーナ会長がジッとこちらを見ていますね。一応彼女には聞こえないように小声で話していましたが……まあイッセー先輩も気にしていない様子なので大丈夫でしょう。


 その後は部長と朱乃さん、ソーナ会長も魔法陣を使って冥界に向かい私達は一度イッセー先輩の家に戻ることにしました。


(それにしてもコカビエルにグルメ細胞を渡したという人物、一体何者なのでしょうか?)


 私達はもしかすると想像も絶するような争いの序章にいるのかもしれません、そんなことを思いながら駒王学園を去りました。

 
 

 
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