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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第74話:白鎧の竜騎士

 
前書き
大輔のブイモンの究極体はデュナスモンです。漫画版クロスウォーズの如く、最強の攻撃力を…叩き出せるかな? 

 
キメラモンと一乗寺治のイレギュラー要素に撤退した大輔達はキメラモンに破壊されていく町を見ていた。

それを見た大輔はゆっくりと全員を見据えて口を開いた。

「奇襲をかけよう」

【奇襲?】

「ああ、正直このまま見ていても犠牲が増えるだけだ。」

進撃を続けるキメラモンが口と4本の腕から熱線を放射し、その度に両手に収まりきらない数のデジモン達の命が消し飛んでいく。

まだ平和だった町は崩壊し、町に住む住人のデジモン達が逃げ惑う中、キメラモンは悲鳴を上げるデジモン達を気にせずに前に進んで行く。

キメラモンが通った後に残るのは、破壊された町のみ。

そしてカイザーの基地が、キメラモンの後に続いていた。

「キメラモンも一応生身のデジモンだ。休息の時間も必要なはずだ。キメラモンが中に引っ込んだら一気に突撃するんだ。」

「でもいきなり突入なんて…」

「大輔の言葉は正しい、このまま様子見をしていても犠牲者が増えるだけだよ。」

ヒカリの言葉に賢が町を見遣りながら言うと、ヒカリも町の惨状を見て覚悟を決めたらしく、頷いた。

「それじゃあ、その時まで待とう」

大輔の言葉に全員は頷いて突入の時を待つ。

「ねえ、テイルモン。あのキメラモンに勝てそう?」

タイミングを見ている大輔達から少し離れて会話をするヒカリとテイルモン。

「…正直今のキメラモンとなると厳しいわ。パワーアップ前なら確実に勝てたと言えたけれど…完全体までが限界の私達では厳しいかもね」

「せめて究極体…マグナモンがいてくれれば…」

黄金の輝きを纏う聖騎士。

その輝きはあらゆる闇すら消し去ってしまう程に眩しい輝きを持つデジモン。

しかし今は、力の源である奇跡のデジメンタルは神殿に安置されて使えない。

「ヒカリ、私に考えがあるのよ…」

「考え?」

「ええ、失敗するかもしれないけど出来ないだけでリスクは少ないしね…もし無理ならワームモンに頼めばいいもの」

「聞かせてくれる?」

「勿論」

テイルモンはヒカリに自分の作戦を伝える。

「大丈夫、大輔君とブイモンならきっと大丈夫よ。と言うか今がおかしいくらいなんだから」

「まあ、そうね。あいつの体質が問題なだけで解消さえすれば出来るはずだわ。」

「さっきから何話してんだよ?」

「あら?女の話に聞き耳立てるなんて最低ね」

「あ?お前が女?…ぶふうっ」

「何よその態度は?」

噴き出したブイモンにテイルモンは鋭く睨み付けるが、ブイモンはニヤニヤと笑うだけだ。

「いやーお前の口から女なんて言葉が出るとはなー…そもそもデジモンに人間みたいな性別ないだろ?ただ性格がそれっぽいだけで」

「ま、まあ…そりゃあそうだけどね。」

普通にデジモンの性別無しのことを言われて明後日の方角を見つめるテイルモン。

「キメラモンは何とかなるって、全員で力を合わせればな」

「まあ、あんたの実力だけは認めてるんだから情けない姿だけは見せないでよね」

ブイモンとテイルモンは大輔達の元に向かい、基地への突入は夜に行うことになった。

キメラモンは基地の中に入っており、闇夜に紛れることが出来るスティングモンに全員が捕まると一気に突撃した。

「ここが基地の中か」

「大輔、油断するなよ」

「ああ、おっと来たか…邪魔すんじゃねえよ!!」

大輔達の迎撃に来たバケモン達に対してエネルギー節約のために普通のアーマー進化で対抗する。

「全員を相手をするな。道を作るだけで良い」

【了解!!】

ライドラモンが前に出て突き進み、全員がそれに続いてしばらく進むと広い場所に出た。

そして動力室を発見し、そちらに向かおうとするが、天井を突き破ってきたキメラモンが現れる。

「来やがったな…」

「大輔、頼む」

「おう、アーマーチェンジ!!」

「アーマーチェンジ、ゴールドブイドラモン!!」

全員がアーマーチェンジ、暗黒のデジメンタルによる進化で現時点で出来る進化で対抗する。

「喰らえ!!ブイブレスアロー!!」

「ホーリーアロー!!」

「ヘブンズナックル!!」

「ムーンシューター!!」

「レインボーシャワー!!」

「ニトロタービンウェーブ!!」

一斉に放たれた6体の技はキメラモンに直撃した。

「やった!?」

「いや…」

京が全ての攻撃がキメラモンに直撃したのを見て笑みを浮かべるが、大輔はキメラモンと言うデジモンがとんでもないタフネスを誇るデジモンなのは前回の戦いで知っている。

それに一乗寺治の異変も考慮すると…爆煙を吹き飛ばして5本の熱線が放たれた。

「避けろ!!」

熱線をかわすゴールドブイドラモン達。

熱線自体は避けられたが、着弾の際の衝撃波で吹き飛ばされた。

ゴールドブイドラモン達は大したダメージではないが成熟期のスティングモンとエンジェモンには相当のダメージだ。

「多分、この基地をどうにかしないと完全体には…」

「まずいね…」

一番弱いスティングモンとエンジェモンはすぐにダウンしてしまう。

そして成長期に退化し、ピーコックモンとエレファモンとエンジェウーモンもまたダメージの蓄積でダウンしてしまう。

「カッターシュート!!」

反撃で風の刃をキメラモンに向けて放つゴールドブイドラモン。

風の刃はキメラモンに直撃して裂傷を刻むが、キメラモンは大して堪えない。

寧ろデビモンの腕を伸ばしてくる。

「くっ!!」

跳躍してかわすが、ゴールドブイドラモンは飛行能力を持たないデジモン。

キメラモンはスカルグレイモンの腕でゴールドブイドラモンを殴り飛ばした。

「ぐあああああ!?」

「ゴールドブイドラモン!?」

勢い良く吹き飛ぶゴールドブイドラモン。

ゴールドブイドラモンは床を何回かバウンドして壁に激突する。

退化はしなかったが、ダメージが蓄積していく。

「…畜生、俺も一応、究極体に匹敵する完全体なんだけどな……」

数多くのデジモンのデータを融合させただけでなく、かつてタケル達が戦ったデビモンのデータもあるためかあの強さは3年前の量産型を超えていた。

「くそ…せめて体が3年前の状態なら…」

今は失ってしまった力があれば、ゴールドブイドラモンの状態でもキメラモンを叩き潰せる自信があった。

しかし、今の自分では…。

「でもやるしかないよな!!」

ゴールドブイドラモンは黄金の輝きを纏ってキメラモンを睨み据えた。

「大輔」

「え?テイルモン?」

傷だらけとなったテイルモンが暗黒のデジメンタルを3個渡す。

「暗黒のデジメンタルじゃないか?こんなのどうするんだ?」

「そのデジメンタルですることなんて1つしかないでしょ?それでしなさい…普通の進化を」

「普通の進化はブイモンには出来ないぞ?」

「知ってるわよ、でもブイモンの場合は出来ない状態なだけでやろうと思えば出来るんでしょ?暗黒のデジメンタルを3つ使えば究極体に進化出来るんじゃないかしら?」

「究極体…マグナモンと同じクラス…か…」

暗黒のデジメンタルを見つめながら、今も必死にキメラモンと殴り合っているゴールドブイドラモン。

それを見て大輔は声を飛ばす。

「ゴールドブイドラモン、一度戻れ!!」

「え!?何でだよ!?」

「暗黒のデジメンタルの力で進化するんだ。普通の進化だよ」

「はあ!?俺は普通の進化なんて…」

「出来る出来ないじゃねえ。キメラモンを確実に倒せる可能性があるならそれに賭けるんだ。ぶっつけ本番なんて珍しくねえだろ…」

「…へへ、そうだったな!!…とっ!!そう簡単に許してはくれないか!!」

キメラモンが口から熱線を放とうとするが、真横からピーコックモンとエレファモンが体当たりを喰らわせた。

「ピーコックモン!!エレファモン!!」

「早くするだぎゃ!!」

「奴を倒せる可能性があるなら早く!!キメラモンは私達が抑えてみせます!!」

エレファモンとピーコックモンは全力で攻撃を連射し続けてキメラモンを足止めする。

「行くぞブイモン、まず1個目だ!!デジメンタルアップ!!」

「ブイモン進化、エクスブイモン!!」

1個目で進化したのはフレイドラモンが巨大化し、鎧を全て取っ払い、翼を生やしたようなデジモンである。

「2個目、デジメンタルアップ!!」

「エクスブイモン超進化、エアロブイドラモン!!」

次に進化したのはゴールドブイドラモンの体色が青色になり、翼を生やしたようなデジモンに進化した。

体格もエクスブイモンと同レベルだ。

「ラスト!!デジメンタルアップ!!」

「エアロブイドラモン究極進化、デュナスモン!!」

最後のデジメンタルでエアロブイドラモンは純白のクロンデジゾイド合金の鎧を纏ったロイヤルナイツ随一のパワーを誇る竜聖騎士・デュナスモン。

ピーコックモンとエレファモンがキメラモンに弾き飛ばされるが、デュナスモンが受け止めた。

「大丈夫か?」

「ええ…すみません。時間稼ぎしか出来ず…」

「充分だ。さて…」

パワーだけならロイヤルナイツでもトップクラスのデュナスモンがキメラモンを睨み据える。

この有り余る力を全てこいつにぶつけてやるとデュナスモンは決意した。 
 

 
後書き
デュナスモン降臨。次回は圧倒的なパワーを表現出来ればいいけれど。それにしても成熟期、完全体、究極体が全て初進化ですブイモン。通常進化がアーマー進化の要領で出来る暗黒のデジメンタルがあるからこそ出来る芸当です。 
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