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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第18話:紋章奪還

 
前書き
大輔達の本領発揮間近 

 
大輔によるブイモンとテイルモンのお説教タイムは長時間に渡った。

「ふわああ…」

ヒカリは眠気に耐えきれずに欠伸をしてしまう。

「眠いのか?なら少し寝た方が…」

「ん…大丈夫…それにしてもまだお説教終わらないねウィザーモン」

「うーむ…もうかれこれ1時間以上経つが…」

ヒカリとウィザーモンが時計を見遣ると説教が始まってから軽く1時間は経過していた。

「(全く説教が終わらないだと…!?あ、足が…)」

「(もう軽く1時間は過ぎてるのに…俺のパートナーは化け物か!?)」

軽く1時間は経過…つまり、1時間以上正座しているというのに大輔は全く堪えていない。

つまり何の支障もないようで姿勢を正して話し続けている。

「ウィザーモン、お茶のお代わり要る?」

「すまない、戴こう」

「(ウィザーモン、助けろ…!!)」

「(すまない、テイルモン。こればかりは私にもどうにも出来ない…それよりも早く視線を元に戻すんだ。彼に更に怒られるぞ)」

「(あ、それは問題ない。話に熱中し過ぎて気付いていない)」

「………(本当だ。話に熱中し過ぎてテイルモン達を見ているようで見ていない。最早話がテイルモン達に対してだけでなく無関係なジュンと言う人物の愚痴にまで飛躍している…)」

ウィザーモンが大輔を見遣るとジュンへの愚痴を漏らしながら死んだような魚の目をしていた。

「大輔君、そろそろ止めようよ。何かもう説教じゃなくて愚痴になってるし」

「ん?ああ、そうだな」

「「助かった…」」

説教が終わったことで脱力したブイモンとテイルモン。

そしてウィザーモンはゆっくりとテイルモンの元に移動した。

「大丈夫かテイルモン?」

「ああ、と言うか何故助けてくれなかった…!!」

「ん?私が割り込んだら巻き込まれそうだったのでね。君のためなら戦うつもりではあるが、説教はそれに含まれないと判断した」

「薄情者…!!」

「ふふふ…ようやく思い出せたのですねテイルモン。表情が活き活きしている」

テイルモンの変化を敏感に感じ取ったウィザーモンは笑顔を浮かべ、テイルモンも照れ臭そうに頷いた。

「ああ、ヒカリに会えた。記憶が戻るきっかけはあれだったがな」

「俺のおかげだ。感謝しろよネズミ」

「誰が感謝などするか!!ネズミと言うな!と言うかあれは偶然だろう!!それよりも早くホーリーリングを返せ!!」

「はいはい」

面倒そうにテイルモンにホーリーリングを投げ渡すブイモン。

「もっと丁寧に渡せ!!傷は付いてないな…」

ホーリーリングに傷が付いてないかを確認するテイルモン。

「はいはい、ごめんな。それよりテイルモンがヒカリのパートナーデジモンなら、残りはヒカリの紋章ということになるな」

ブイモンが真剣な表情を作りながら言うとウィザーモンはブイモンを安心させるように説明した。

「ヒカリの紋章はヴァンデモンが持っている。」

「なる程な、ならヴァンデモンのアジトに殴り込まないといけないな」

「私が行こう。私はヴァンデモンのアジトの場所を知っているからな」

「ウィザーモン、私も…」

「いいや駄目だね。ヴァンデモンのアジトには俺が行く。」

「「は?」」

「お前達は現実世界に来たばかりでこの世界での戦いには慣れてないはずだ。その点、俺なら全力で戦えるぞ」

「駄目だ、危険すぎる」

「テイルモン、お前はヒカリの傍にいてやれ。こういう時こそお前が傍にいてやるべきだろ」

ブイモンに強く言われたテイルモンは押し黙る。

「大輔、行こうぜ。運が良ければ今日中にヴァンデモンを倒せるかもな」

「出来ればな」

「ヴァンデモンは強い。特に夜の時は…それでも勝てると?」

勝てると思えないウィザーモンはブイモンにヴァンデモンとの戦いを避けるように言おうとするが。

「どうせ戦うんなら今戦う。それにあいつに勝てないなら勝てないであいつの戦い方を学習すればいい。負けが怖くて戦いが出来るか」

力強いブイモンの言葉にウィザーモンも折れ、テイルモンの代わりにブイモンと大輔を連れて行くことになり、大輔達の紋章奪還作戦が始動すると大輔とブイモンはウィザーモンと共にヴァンデモンのアジトに向かっていた。

見張りのバケモンをウィザーモンが催眠術のような物で退かす。

「便利な物だよな魔法って、紋章は何処だ?」

「慌てるな、紋章はヴァンデモンが眠る棺の中にある。」

「自分の寝る場所に隠してんのかよ」

ウィザーモンが言うにはヴァンデモンの貴重品は棺の中にあるらしい。

何でそんな分かりやすい場所に置いているのだろうか?

「大輔、ツッコミたい気持ちは痛いくらいに分かる。でも今はヴァンデモンの抜けた部分に感謝しないと」

「確かに」

大輔とブイモンはウィザーモンに案内され、ヴァンデモンの棺がある部屋に向かう。

一方で賢は田町のリビングでテレビを観ていた。

「…収穫は無さそうだな」

ニュースを観て、何か情報を得られるかもしれないと思った賢だが、テレビの画面にでかでかと出ている“渋谷デジモン登場”と言うメッセージと共に間抜けな顔を晒している2体のデジモン達。

「…賢ちゃん、収穫あったね」

「よし、渋谷に行くよ。捕まえて情報を吐かす」

「分かった」

「あら?賢ちゃん、こんな時間にお出かけ?鍵は何時もの場所に置いてるから気をつけて行ってらっしゃい」

「はい」

兄に気を取られてこちらの視線が緩いのは助かる。

しかし、こんな時間に小学2年生を平然に行かせるのは親としてどうなんだろうか?

「まあいい、今は渋谷だ。行くよ」

「うん…」

自宅から少し離れ、人気のない場所に移動するとワームモンを進化させ、渋谷に超特急で向かう。

そして現在渋谷では…。

「「ガオー」」

「き、急に襲ってくるなんて…」

「仕方がないだろ、元々ヴァンデモンの手下なんだから」

「でも、あいつらじゃ戦う気がしない。と言うかやる気さえ感じない」

「「ガオー」」

ヤマト達をやる気なさそうに追い掛ける2体はテレビに映っていたのと同じデジモン。

後ろを振り向いても、パンプモン達からは本気で襲ってくる気配は見られない。

寧ろ、追いかけっこをしているような感じでパンプモンに先回りされ、工事現場へと追い込まれたのだが…。

「止ーめた」

「俺も」

突如パンプモンとゴツモンはヤマト達を追いかけるのを止めた。

「「「えっ!?」」」

「選ばれし子供達と戦うより、渋谷で遊んでた方が楽しそう!!」

「そうそう!俺達と一緒に遊ぼう!!」

ヤマト達はもうどんな反応をすれば良いのか分からなくなったその時であった、この場の雰囲気がガラリと変わったのは。

「ヴァンデモンが来る!!」

「隠れて!!」

慌ててパンプモンとゴツモンはヤマト達を物陰に隠し、工事現場にヴァンデモンが現れた。

「選ばれし子供達はどうした?」

「残念ながら、取り逃がしてしまいました」

「もう少しのところだったんですが…」

ヴァンデモンの問いにパンプモンとゴツモンは悔しそうに答えるが、ヴァンデモンの雰囲気が変わる。

「ほう…この大嘘吐き共め!!もう、お前達には用は無い!!」

どうやらヴァンデモンはパンプモン達の行動を見ていたようで、わざとヤマト達を逃がした事に腹を立てた。

「ナイトレイド!!」

ヴァンデモンはパンプモン達を始末するために無数の蝙蝠を召喚し、パンプモン達に向かって飛ばした。

「トリックオアトリート!!」

「アングリーロック!!」

しかし、パンプモン達も無抵抗のままでいるわけもなく果敢に反撃するが、実力差がありすぎて全く通用しない。

「「あ、ああ…」」

「ふん、雑魚共が…死ね!!」

パンプモンとゴツモンに獰猛な蝙蝠が遅い掛かろうとした時、真上から強烈な衝撃波が蝙蝠を吹き飛ばす。

「死ぬのはお前だ」

冷たい声が真上から発せられ、ヴァンデモンは上を見上げる。

「…何者だ?」

「お前が血眼になって捜している選ばれし子供の1人さ…吸血鬼のような見た目…お前がヴァンデモンだな?」

「だったら何だと言うのだ?」

「丁度良い。元々はそこの2匹に用があったけど、捜してる本人がいるなら好都合。ここでお前を倒す。ジュエルビーモン、やるよ」

「了解だよ賢ちゃん」

ジュエルビーモンが槍を構えてヴァンデモンを睨む。

「高石田兄弟さん」

「は、はい!!」

「変な呼び方するなよ…」

いきなり呼ばれたタケルとヤマトは物陰から飛び出す。

そしてガブモンしかパートナーデジモンがいないことに顔を顰める。

「パタモンは?」

「実は…」

タケルがポツポツと話す。

電車の中でパートナーであるパタモンと喧嘩をした事、パタモンの無遠慮な問いにイラっとして、怒鳴ってしまい、パタモンが途中下車をしてそのままらしい。

「…今すぐ捜して来なさい!!次から首輪でも着けとくんだね!!ヴァンデモンは僕とジュエルビーモンが相手をするから!!」

「いや、俺も一緒に…」

「あなたは小学2年生を1人、渋谷の街に放り出す気ですか?」

「う…」

「ついでだからその2体も連れてって下さい。もう用もないし、邪魔なので」

「「邪魔!?」」

邪魔と言われたパンプモンとゴツモンはショックを受けるが、ヤマトとガブモンに引っ張られていく。

「逃がさん!!」

ヴァンデモンが再び無数の蝙蝠を召喚し、放とうとするが、それよりも早くジュエルビーモンは槍を抜いていた。

「スパイクバスター!!」

高速で連続で振るい、それによって生じた衝撃波が蝙蝠達の壁を容易くぶち破る。

そして残りの衝撃波がヴァンデモンに迫る。

「ブラッディーストリーム!!」

僅かに目を見開くが、ヴァンデモンも簡単に受けてくれるはずがなく、紅い電撃鞭を作り出して衝撃波を無力化する。

「遅い!ずあっ!!」

衝撃波に気を取られている隙に一気に距離を詰め、殴りかかる。

「チッ!!」

一瞬で距離を詰められたことに動揺するも、ヴァンデモンはジュエルビーモンの連続打撃をギリギリでかわす。

「そこだっ!!」

「ぬう!?」

僅かに見えたヴァンデモンの隙を突いて腹に強烈な蹴りを叩き込む。

痛みに顔を顰めたが、すぐに冷静になる。

「…なる程、ただの雑魚ではなさそうだ」

「ようやくやる気になったようだな」

ヴァンデモンも電撃鞭の硬度を調整し、剣のような状態にするとジュエルビーモンに向けて駆け出す。

ヴァンデモンは剣をジュエルビーモンに振るうが、ジュエルビーモンは槍を巧みに扱い、それを捌いていく。

そしてヴァンデモンの斬撃を飛翔してかわす。

「ナイトレイド!!」

無数の蝙蝠を上空のジュエルビーモンに向けて放つ。

「ふん」

不敵な笑みを浮かべながら今までとは比較にならないスピードで蝙蝠達を横切りながらヴァンデモンに急接近。

いきなりスピードが上がったジュエルビーモンに虚を突かれたヴァンデモンはジュエルビーモンの突進をまともに受けて吹き飛ぶ。

「ぬう…っ」

瓦礫から飛び出すヴァンデモンに再び向かうジュエルビーモン。槍と剣がぶつかり合う。
武器を扱う技術に置いては完全に互角だが…。

「だあっ!!」

「ぐあっ!?」

ジュエルビーモンの右拳がヴァンデモンの左頬に叩き込まれる。

純粋な身体能力ならばジュエルビーモンがヴァンデモンを上回っている。

「墜ちろ!!」

手を組んでハンマーのように振り下ろしてヴァンデモンを地面に叩き付けると槍を構える。

「スパイクバスター!!」

地面に倒れているヴァンデモンに向けて放たれる衝撃波。

それをジュエルビーモンは何の躊躇いもなく槍を振るい続けた。

そして振るった回数が50を超えた時、ようやく槍を振るうのを止めた。

「どうだ?」

倒せてはいないだろうが相当のダメージは負っているはずだ。

煙が晴れると灰色の障壁を纏っているヴァンデモンの姿があった。

「なる程、確かに強い。これはまだ戦いの経験が浅いガブモン達の手には負えないか」

「ここまでとは…貴様、どうやってこれ程の実力を…」

「僕は現実世界での時間で約1年前にこの世界に来て1年間戦い続けてきたんだ。1年間にも渡る戦いの日々…強くならない訳がないだろう?」

「………………」

「ふふ……動揺を隠しきれないようだね。そうだ、更にショックな事実を教えてあげよう。お前が捜している残り2人のうち、1人のパートナーデジモンは聖なる力を操るデジモンに進化出来る。それだけじゃない。素の実力もジュエルビーモンと同等だ…ジュエルビーモンでそのざまでどうやって相性が最悪のサジタリモンを倒すつもりなのかな?是非とも教えてもらいたい物だね?」

挑発を含んだ問いにヴァンデモンは答えない。

ヴァンデモンは表情の余裕が無くなっている。

光の紋章と希望の紋章のパートナーデジモンの持つ聖なる力以外は恐れる必要はないと思っていたが、優しさと奇跡の紋章のパートナーデジモン達は予想以上の強さだ。

「どうやら今のお前にそんな力はないか。なら、ここでお前は終わりだ!!」

本気を出したジュエルビーモンのスピードにヴァンデモンは対処出来ずにまともに拳を喰らって吹き飛ぶ。

「僕達はお前なんかよりも遥かに重い物を背負っているんだ。デジタルワールドの未来、現実世界の未来、そして賢ちゃん達の未来。守る物のために高めてきた力が、お前なんかに負けるものか!!」

槍をヴァンデモンに叩き付け、接触と同時に発生した衝撃波で吹き飛ばす。

「ぐっ…こ、ここまでとは…だが、ここまで来て、私の野望を潰されてたまるものか!!」

「「なら、その野望もお前の存在ごと…打ち砕く!!」」

ジュエルビーモンとヴァンデモンが激しい戦いを繰り広げる中、ヴァンデモンのアジトの大輔達は…。

「これがヴァンデモンの棺だ。この中にヴァンデモンの貴重品の品々が入っている。」

「本当だ」

棺の中には紋章の他に様々な珍しい物が入っている。

このデジモンカードは何だろうか?コレクターなのだろうか?

「このカードは現実世界とデジタルワールドを繋ぐ扉の鍵となる物だ。」

「ふーん、まあ要らないな。早く紋章を持って帰ろうぜ」

「ああ、それにしても…ヴァンデモンのパワーがかなりの勢いで落ちている…夜明けはまだだと言うのに…何故だ?」

念の為ヴァンデモンの位置を探っていたウィザーモンだが時間経過と共にヴァンデモンの力が弱まっていくことに疑問を抱く。

「おい、どうしたウィザーモン?」

ブイモンが難しそうな表情を浮かべているウィザーモンを不思議そうに見上げる。

「いや、何でもない。早く紋章を回収しなければ」

慌てて紋章を掴むウィザーモンだが、紋章にヴァンデモンが細工をしていることを知らずに。

しかしその細工がヴァンデモンを危機に至らしめるとは当時のヴァンデモンは思いもしなかったろう。

「むっ!?」

自分以外の存在が紋章に触れたことに気付いたヴァンデモン。

しかし、大きな隙をジュエルビーモンに見せてしまったのは大失敗である。

ヴァンデモンの両肩を掴み、腹部に膝蹴りを叩き込み、そして顎を殴り上げて上空に打ち上げた。

「野望を達成出来なくて残念だったな。スパイクバスター!!」

槍を高速で突き出し、貫通力の高い衝撃波を繰り出す。

流石のヴァンデモンも体に風穴を開けられては生きられないはずだ。

「お、己…この屈辱。忘れぬぞ…!!」

しかしヴァンデモンは直撃する寸前に転移し、自らのアジトに逃亡した。

「…逃げたか、もう大丈夫ですよ。で?パタモンは?」

「「見つからなかった…」」

「…あそこにいるのはパタモンじゃないかな?」

「「え?」」

ワームモンが向いた先には気まずそうな表情のパタモンであった。

しかしタケル達がパタモンの方を向いた途端、パタモンは逃げ出そうとした。

「ネバネバネット!!」

ワームモンが粘着性の糸を吐き出して逃亡を阻止するとワームモンのO☆HA☆NA☆SHIタイム発動。

「あのねえ、パタモン。パートナーデジモンがパートナーの元から離れてどうするの?今回は僕と賢ちゃんがいたから良かったけど下手したらタケルが死んでたよ?そんなことも考えないで消えるとか馬鹿なの?アホなの?脳味噌が頭に無いの?君の好奇心なんかよりも優先すべき物があることさえ分からないの?それに親しき仲にも礼儀ありと言う言葉も知らないの?」

一気に言われる説教にパタモンのひ弱な心はぽっきりとへし折れたのは言うまでもないだろう。

一方、大輔達はヴァンデモンと対面していた。

「お前がヴァンデモンか…」

「それは奇跡の紋章。貴様が9人目か…」

ヴァンデモンからすれば最悪の状況だ。

賢から言われた言葉によれば聖なる力を扱うデジモンに進化するらしい。

万全の状態ならまだしも今の状態では厳しい。

「その傷…ジュエルビーモンにやられたな?ジュエルビーモンにやられるなら…」

「デジメンタルアップ!!」

「サジタリモンの敵じゃないってことだな!ブイモンアーマー進化、サジタリモン!!」

神聖のデジメンタルの力でアーマー進化したサジタリモンは当然聖なる力が扱える。

ヴァンデモンからすれば相性が最悪の相手だ。

「運が悪すぎたな。ジュエルビーモンと戦った後で…俺と戦う羽目になるなんてなあ!!」

四足歩行の獣型デジモンの機動力と人型のパワーを併せ持ったサジタリモンの拳がヴァンデモンに突き刺さり、勢い良く吹き飛ばす。

「……っ!!」

いくら傷ついていたとは言え、ヴァンデモンがあっさりと吹き飛ばされていく光景に目を見開く。

「どうした!?ジュエルビーモンと戦った後とは言え、もう体力切れか!?」

「ぐっ!?ブラッディーストリーム!!」

「メテオギャロップ!!」

跳躍することで鞭をかわし、一気に蹴りつける。

「ぐはあ!?」

「終わりだ!!さっさと消えて無くなれ!!」

矢筒からクロンデジゾイド製の矢を1本抜き取り、弓につがえると、聖なる力が矢に収束していく。

「ジャッジメントアロー!!」

聖なる力を纏った超金属の矢が凄まじい勢いでヴァンデモンに向かう。

咄嗟に障壁を張るが、矢は障壁を容易くぶち抜いてヴァンデモンに炸裂した。

「……チッ、少し狙いがズレたか」

不敵な笑みを浮かべながらヴァンデモンを見遣る。

「ぐっ…お、己…」

ヴァンデモンは左半身が吹き飛んでいた。

アンデッドデジモンであることと、デジコアが無傷なためにまだ生きているが、戦闘続行は厳しいだろう。

「サジタリモンに進化するのは久しぶりだから手元が狂っちまったようだな、次はデジコアを正確に狙って当てるぜ…!!」

「っ…(選ばれし子供とパートナーデジモンの力を甘く見過ぎていた…!!これはあの結界の力を使わねば奴らには勝てん!!)」

ヴァンデモンはこのままでは勝てないと判断し、サジタリモンを睨みながら口を開いた。

「…今の私では貴様らには勝てん。」

「ん?」

「少々貴様らの力を見くびっていたようだ。だが、次はこうは行かんぞ…!!」

「チッ、逃がすかよ!!ジャッジメント…」

「デッドスクリーム!!」

ヴァンデモンは即座に石化させる光線を放つ。

サジタリモンの弓に当たり、弓が石化していく。

「早く放すんだ!!君自身も石になるぞ!!」

「くそ!!」

弓を放り投げて石化を防ぐと、すぐにヴァンデモンのいた方を見遣るが既にいない。

「逃げられたか、くそ…」

ヴァンデモンを倒す寸前まで追い詰めたが、逃がしてしまったことにサジタリモンは悔しそうに呟くのであった。 
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