ツインテール命
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第二章
「おまじないとか」
「ツインテールを解くと呪いがかかるとか」
「そう、悪霊に襲われるとか」
「そういうご大層なお話はないから」
このことは即座に否定した智美だった。
「呪いとかね」
「そうなの」
「そういうのじゃないの」
「別に大した理由はないわよ」
そこはしっかりと言う智美だった。
「誰かにいいって言われたりとかおまじないとか」
「そういうのないの」
「別にそんな大層なお話は」
「特になの」
「ないわよ」
このことは断るのだった。
「本当にね」
「じゃあどうしてなの?」
「いつもツインテールなの?」
「どうしてなの?」
「まあそのうちわかるわ」
これが智美の返事だった。
「というか近いうちにね」
「?近いうちって」
「どういうこと?」
「というか皆知らないのね、そういえば」
智美は今自分の周りにいるクラスメイト達を見てわかったことがあった、そのわかったことは何かというと。
「皆部活も違うし三年ではじめて同じクラスになったし」
「それがどうしたの?」
「何かあるの?」
「いや、部活の合宿とか一緒じゃないし」
それでというのだ。
「知らないのね」
「知らないって何がよ」
「何が知らないのよ」
「何か意味不明よ」
「それだけでわからないわよ」
「じゃあ今度お風呂屋さん行こう」
これが智美の提案だった。
「八条温泉ね」
「ああ、あのスーパー銭湯に」
「そこに行けばわかるのね」
「どうしてあんたがいつもツインテールなのか」
「そのことが」
「そう、わかるわ」
こう言うのだった、そしてだった。
智美はこの時友人達にこうも言った。
「夏休みの合宿の時とかにって思ったけれど」
「江田島での合宿?」
「八条学園高等部の部活恒例の」
「その時にって思ったけれどあそこに行ったらすぐにわかるから」
智美がいつもツインテールにしている理由がだ。
「まあとにかくね」
「ええ、まずはね」
「八条温泉ね」
「スーパー銭湯に行けばいいのね」
「ええ、それでわかるわ」
こう言ってだった、智美は友人達とスーパー銭湯に行く約束をした。そしてこの話をした次の週の日曜にだった。
智美は友人達と共にスーパー銭湯に行った、そうしてだった。
まずは全員身体を洗ってからサウナに入った、智美はサウナ室に入って汗を流しつつ友人達にこんなことを言った。
「いやあ、効くわねサウナって」
「効くってまさか」
「あんたお風呂に入るまでずっと顔色悪くて無口だったけれど」
「いや、昨日ウォッカ飲んで」
それでというのだ。
「ボトル一本空けたのよ」
「それは凄いわね」
「ウォッカ一本って」
「無茶したわね」
「それでなのよ」
強いので有名なウォッカをボトル一本空けたからだというのだ。
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