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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ

作者:エギナ
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08.イベントに盛り上がる者達の観察日記(?)
HAPPY HALLOWEEN!!
  琴葉と涼花のDEADレース! ④

 
前書き
琴葉視点! 

 
 歩き始めて約三分。次の間が全然見えてこない。真逆、此れで終わりとは思っていないからな! 此処は休憩の間じゃね? とか思いながら、しっかりと次の間が来るのを待っているからな。

 ……まぁ、休憩なんて無いと思うが。

 チラリと後ろを振り返って、私は言葉を失った。


 ―――廊下を埋め尽くす人形と死神は、気味の悪い笑みを浮かべながら、此方へと近寄ってきた。


 咄嗟に涼花ちゃんを抱え、私は走り出す。

《ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"》
「も"お"お"お"お"や"め"てええええええええ!!!」
「うわあああああああああん、怖いよおおおおおおおおおおおお!!」

 鎌がある分、滅茶苦茶走りにくい。でも此処で鎌を捨てたら、攻撃する手段が無くなってしまう。
 しょうが無いんだよおおおおおおおお…………

《ニンゲン、コロス。ニンゲン、コロス》
「もう勘弁してええええええええ!!」

 人形が振り回した短剣が鎌を持っているため、後ろにある腕を掠める。
 マズイ、追い付かれる。

 ―――仕方ない……!!

「おりゃああああああああああ!!!」

 勢いに任せて鎌を砲丸投げの様に投げつけ、只管逃げる。
 もう後ろなんか気にするかぼけぇ。こんな死にそうになることなんて、此の先あるか分かんねえよ。

 でも、さっきので距離は取れたはず。このまま行けば…………!


 ――――すかっ


「おおおおおおおおおおおお!!! …………だああああああああああああああ!!?」


 …………如何やら、また穴が空いていたらしい!!

 私は如何にか淵を掴むと、涼花ちゃんを床へ戻す。


「こ、琴葉お姉ちゃん! ……ヒッ」
「だ、大丈夫だから!! 先逃げてて!!」

 涼花ちゃんが青を通り越して白くなった顔で走って行くのを、穴の淵に掴まりながら感じる。
 で、問題は人形達…………


「………ひっ、ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


 上を向いた途端、人形達が短剣を振りかぶっていたじゃあないか。
 その後、淵に掴まっている手をザクザクされ、針山状態に。もうヤバイ死ぬ。

 ……ってヤバ、滑っ……マジで死ぬ!! なんやかんやでもう三分耐えたよ!? 此処まで良く頑張ったよ、私!! それじゃあ!


「……………って、出来るかあああああああああああ!!!」


 直に穴から脱出し、軽くなった躰で思いっ切り走った!!


  ◇◆◇◆◇


「ぜー……はー……ぜーおえっ」
「だだだだ、大丈夫!?」

 走っていたら人形達が見えなくなり、暫くそのまま走っていたら扉が現れた。その前で、進むのは危険かと判断したのか、涼花ちゃんが待っていた為、私は足を止めて息を整えている。

 恐らく、此の先はまた違う間に行くと考えても良いだろう。
 なので、此の"お化け屋敷の間"は終わったと言う事だろうか。

「はーっ……よしっ。進むか」


 ドアノブに手を掛け、扉を開く。

 其処は一面真っ白の部屋で、少し不気味な直方体の部屋だった。
 部屋に入って直横に、白い机があり、その上にガスマスクが一つだけ置いてある。その隣には「ご自由にお使いください」との紙が。

 ―――ガチャン

 一歩踏み出すと、後ろで不吉な音がした。

 ―――ガチャガチャガチャガチャ!!

 涼花ちゃんは顔を一気に青くして、扉から遠ざかる。
 ドアノブがガチャガチャしてるうううう!!!

 人形が扉の向こうまで来たようだ。
 だが、扉には鍵が掛けられてしまい、中には一応入れないようだ。せーふ。


「で、此の部屋は何なんだろうね」

 私がそう呟くと、其れに答えるように、壁の一部が開いた。そして、其処から紫色の煙が出てくる。有毒ガスかな?

「涼花ちゃん、此れ使ってよ」

 涼花ちゃんにガスマスクを装着して、手を握る。
 まぁ、私は毒には慣れてるから大丈夫デショ!
 涼花ちゃんは暫くじたばたと抵抗していたが、諦めたのか大人しくガスマスクを付けていてくれた。

 さて、流石に喋る訳にもいかないからな、黙ろう。

 此処から出るには出口を探さないといけないのだが、此の真っ白の空間では何処に出口があるのか全く分からない。壁を触って探して行っても良いのだが、恐らくそれをしている間に、流石の私も動けなくなるだろう。其れに加え、此の部屋は無駄に広いからな。
 毒ガスの噴出を止めるのも良いが、外にガスを出せなければ駄目だからなぁ。


 此れは、かなり手こずりそうじゃないか。
 何処かにスイッチがあるはず―――


「…………うっ」

 あ、拙い、息が……吸ってしまった。後は時間との戦いか。
 と言うか、如何為よう。スイッチも見当たらない。

 ―――兎に角、探さないと。

 口元を手で覆い、壁を触りながら走る。ってあれ? 走ると毒って回りやすいんだっけ? まあいいや。

 早く見付かれ………!


 ―――かちっ


 今かちっていったな。何かが起動した? 近くでは無さそうだけど………

 辺りを見回すと、後ろ側の壁に灰色の突起物が現れたことに気が付く。あれを押せば、此処から出られる気がする。

 でも、此の距離は無理やろ。あ、だけど涼花ちゃんも気付いたみたいだね。


「涼花ちゃ…………」


 涼花ちゃんに向けて手を伸ばすが、次の瞬間視界は黒く塗り潰された。


 
 

 
後書き
終わらないいいいいいい!!!
すいませんッッッッッッッッ!!
また暫く続きます!!! 
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