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エアツェルング・フォン・ザイン

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そのさんじゅうご

「やぁ、おはようフラン」

大図書館で魔導書を読んでいると、地下室からフランが出てきた。

「お兄様おはよう!」

まぁ、紅魔館の連中は最悪居なくても計画に支障は無いのだが…

どうせならそれを望んでいるであろうレミィ達に見せてやりたいのだ。

いや、全ての夜の眷属の悲願かもしれない。

「ところでどうしてお兄様達はこんなに早く来たの?」

「おお、そうだ。これから博麗神社で宴会なんだが来ないか?
面白い物が見れるぞ?」

偽りとはいえ昼の守護者の邪魔をするのが今回の計画だ。

俺の計画が上手く行けば、この信仰で成り立つ世界の昼と夜のパワーバランスが狂うかもしれない。

だが、まぁ、紫が何とかするだろう。

というより、止めに来ない時点で黙認しているのと道義である。

「行く!」

「おお、そうか。ちゃんとお前でも飲める酒が有るから安心していいぞ」

「わーい!」

「あと、チルノとかルーミアって知ってるか?」

「うん。時々遊んだりするよ?」

マジか…まぁ、好都合だ。

「アイツらとアリスも宴会来るから」

「本当に!?」

「おう」

「アリスは?」

「上のバルコニーでパチュリーとお茶会してる。
玉藻は咲夜にブラッシングして貰ってると思う。
もしかしたらレミィももう起きてそっちかも」










バルコニーに行くと、案の定レミィがサンドイッチを食べていた。

アリスとパチュリーはソレを見ながらお茶を飲んでいた。

「よ、レミィ。悪いなこんな早くに」

「本当ね。私も貴方達みたいに朝に起きようかしら…
デイウォーカーだから問題はないのよね…」

「好きにすれば?
あ、あとアリスに聞いたと思うけど、今日は神社で宴会があるんだ」

「勿論行くわよ」

「やった!お姉さまと一緒!」

とフランが喜んでいる。

「それと、妖精連中も一緒に連れていく予定だ」

「妖精?どうして?」

「面白い事を考えたんだ。
だから、協力してもらう」

まぁ、正確にはルーミアの力を、だがな。

「へぇ…もしかして、異変でも起こすのかしら?」

異変? 異変かぁ…

「うーん…どうだろう?異変の定義自体が曖昧だからな。
だがまぁ、異変…かもしれないな」

これから起こすのは、異変と呼ぶべきか呼ばざるべきか…

「何よ自信無さげね」

レミィがやれやれといった雰囲気を漂わせる…が。

「ちょっとザイン。貴方どういうつもり?」

とアリスに詰め寄られた。

「い、いや、特に被害が出るタイプの奴じゃないから大丈夫だよ…」

「……………」

「第一俺が他者を傷付けるような真似する訳ないだろ?
これでも『寺子屋の妖精教師』だぞ。
里に直接の危害はない。
それに、異変自体、行き過ぎたら調停者である紫が黙ってない」

「信じていいのね?」

「ああ。我が忠誠の剣に誓って」

するとフランに肩を叩かれた。

「ねーねーお兄様。何するの?
私にもできる事ある?」

「んー特にない」

しゅんとするフランの頭を撫でてやる。

「ザイン」

「どうしたパチュリー?」

「何をするのかくらい聞かせてくれないかしら?」

「ああ、そうだな。
今回の計画はちょっとしたイタズラだ。















アマノカガセオノミコトと魔王ルシファーの討伐阻止。
サイッコウに面白そうじゃないか?」
 
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