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副参謀

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第三章

「このことにはです」
「気をつけていかないとな」
「そうです、騎兵隊は突撃の時の衝撃力も脅威ですが」
「機動力を活した奇襲急襲も怖い」
「あの国もそれで勝っています」
「相手も騎兵隊の利点は熟知している」
「ならばその利点全てに警戒して」
 アレクシスはそれならと話した。
「遠距離攻撃と川を使い陣の側方や後方に警戒を怠らない」
「そうして戦っていくべきだな」
「そうしていきましょう、そして」
「さらにか」
「はい、一度に勝たなくてもいいかと」
 一度の会戦でというのだ。
「徐々に勝ってです」
「平野における我々の勢力を拡大していくか」
「徐々に砦や城を築いて拠点を構築していき」
 そのうえでというのだ。
「攻めていきましょう」
「相手は騎兵隊を使うだけにな」
「一気に攻撃を仕掛けて勝敗を決したいでしょうが」
「我々はだな」
「彼等がそう考えているならです」
「逆だな」
「そうです、敵の嫌がる戦略戦術で戦う」
 アレクシスは参謀に笑って話した。
「そうしていくべきです」
「その通りだな、ではだ」
「はい、この方針で対策を進めていきましょう」
「そういうことだな」
 参謀も頷いた、そしてだった。
 二人で対策を整えてそうして王に話した、王はその対策をよしとしてそのうえで平野部に進出して。
 川の対岸に布陣して堅固な陣から遠距離攻撃を仕掛ける戦術で敵の騎兵隊と何度も戦ってそうしてだった。
 平野部を徐々に進んでいき砦や城を築いていき。
 平野部を掌握することに成功した、敵の騎兵隊は消耗してしまい彼等と戦うことが出来なくなっていた。
 それでだ、王は二人に言った。
「見事だ、これでだ」
「はい、我が国はですね」
「平野部を手に入れることが出来た」
 こう参謀に話した。
「見事な」
「はい、それでは」
「この平野部をだ」
 まさにそこをというのだ。
「次は維持していきたいが」
「ならばです」
「今度はこのことでだな」
「対策を講じていきたいのですが」
 参謀は王に話した。
「宜しいでしょうか」
「わかった、ではだ」
「次はですね」
「そのことについて考えてもらう」
 王も参謀に玉座から答えた。
「是非な」
「わかりました」
「ではな」
「はい、副参謀とですね」
 即ちアレクシスである。
「考えていき」
「策を出してもらう」
「わかりました」
 参謀は頷いた、そしてだった。
 実際に平野部をどうしていくかをアレクシスと話すことになった。だがここでアレクシスは彼と二人で平野部の地図を観つつ言った。
「またしてもですね」
「参謀の仕事でか」
「魔術師の仕事じゃないですね」
 このことをぼやくのだった、この時も。
「私の本職からはどんどん」
「だからこれもだ」
「仕事ですか」
「そうだ、だからな」
「もう不平不満はですか」
「言わないでな」
「今度はこの仕事ですね」
 アレクシスもわかっている、それで参謀に言葉を返した。
「それをしろっていうんですね」
「そうだ、いいな」
「わかりました。ではここに大きな城を築き」
「軍も置いてな」
「恒久的に治めていく様にしましょう、屯田もして」
 アレクシスは参謀に次々と述べていった、魔術師の仕事はずっとしていないことはとりあえず忘れてそちらに励むのだった。


副参謀   完


                2018・6・27 
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