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英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇

作者:sorano
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第45話

午後6:10―――――



~オルキスタワー・正面玄関~



―――先程から続々とクロスベル帝国の有力者たちがタワーへと集まってきています。マクダエル元議長の姿も確認された事から、やはり今夜の晩餐会にはマクダエル元議長も招待され、参加なされるようです。あっ!あちらの方々はクロスベルの皆さんにとって馴染み深い”インフィニティ”のディオン三姉妹です!やはり”工匠特区”誕生の礎となった彼女達も―――――」



オルキスタワーの正面玄関でグレイスが中継をしている中リィン達はタワーのある一室で三帝国のVIP達と”六銃士”達との邂逅をしていた。



~35F~



「―――第Ⅱ分校の諸君。わざわざの足労、大義。晩餐会の警備についてはこの後、説明させてもらうが……その前にエレボニアとエレボニアと縁があるクロスベル、メンフィルのVIP達、そしてせっかくの機会だから俺達”六銃士”の事を紹介させてもらおう。」

演習地に来ている第Ⅱ分校の関係者全員が整列している中ヴァイスは第Ⅱ分校の関係者達に労いの言葉をかけた後エレボニアとクロスベルのVIP達に視線を向けた。

「初めまして、諸君。帝都ヘイムダルを預かるカール・レーグニッツという者だ。リーヴスは帝都の近郊………今まで縁が無かったのは残念だが今回は良い機会といえるだろう。」

「イリーナ・ラインフォルト。お初にお目にかかるわね。ARCUSⅡにデアフリンガー号、機甲兵や各種設備などの面で間接的に付き合いがあるわね。レポートなども拝見しているし期待させてもらっているわ。」

(レーグニッツ知事………鉄血宰相の盟友と言われる人物か。)

(あれがアリサさんのお母さん……お祖父ちゃん達の知り合いらしいけど。)

レーグニッツ知事とイリーナ会長が自己紹介をするとクルトとティータはそれぞれ興味ありげな様子で二人を見つめた。

「―――初めまして、第Ⅱ分校の皆様方。ヴァイスハイト皇帝陛下の側妃の一人で”四大名門”の”カイエン公爵家”の当主代理――――ユーディット・ド・カイエンと申します。内戦を勃発させた挙句、”七日戦役”の勃発も防がずエレボニアを衰退させた張本人の一人である父の娘であり、”四大名門”でありながらエレボニアにとっては色々と思う所があるクロスベルに新たなる忠誠を誓った私達に対して色々と思う所があるかもしれませんが………元祖国であったエレボニアの”新たなる風”となる皆様方にこのような形でお会いできた事、光栄に思っておりますわ。」

「ユーディットの妹のキュア・ド・カイエンです。今年の春に設立されたばかりの”サティア学院”の生徒会長を務めさせて頂いております。聞けば第Ⅱ分校も今年の春に設立されたばかりとか。同じ設立されたばかりの学院同士、交流を深めたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。」

(あのカイエン元公爵のご息女であるユーディット皇妃にキュア嬢……実際にお会いするのはこれが初めてになるな。)

(フフ、お二人とも”明日、お手柔らかにお願いします”わね?)

ユーディットとキュアが自己紹介をするとリィンは静かな表情で二人を見つめ、ミュゼは意味ありげな笑みを浮かべた。



「そして――――そちらについては紹介するまでもな―――いや、むしろ紹介してもらわらなくても第Ⅱ分校の諸君は知っていないとエレボニア帝国人としては色々な意味で不味いかもしれないな。まあ、何人かはエレボニア帝国人ではない者達もいるが、そういう細かいことは今は気にするな。」

ヴァイスはオリヴァルト皇子とリーゼアリア皇女に視線を向けた後第Ⅱ分校の関係者達を見つめてからかいの表情で答え、ヴァイスの答えにその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「初めまして、第Ⅱ分校の皆さん。エレボニア帝国皇女、リーゼロッテ・ライゼ・アルノールです。」

リーゼロッテ皇女はスカートを両手で上品な仕草で摘みあげて会釈をした後第Ⅱ分校の関係者達を見回した。

「―――本当なら、もう少し早くこうした機会を持ちたくもありました。―――ですがこの時期、この地で皆さんとお会いできたのも女神達の巡り合わせでしょう。」

「オリヴァルト・ライゼ・アルノール。”放蕩皇子”なんて呼ばれているかな。今回の交流会のエレボニア側のVIP達の長を務めているがまあ”お飾り”みたいなものだ。」

リーゼロッテ皇女が話を終えるとオリヴァルト皇子が前に出て自己紹介をして第Ⅱ分校の関係者達を見回した。

「―――実は君達とはちょっとした縁があってね。前年度まで、トールズの本校で理事長をやらせてもらっていたのさ。そして奇しくも、ここにいるレーグニッツ知事とイリーナ会長はトールズ本校の常任理事でもあった。遅まきながら、入学おめでとう――――激動の時代にあっても青春を謳歌し、”世の礎”たる自分を見つけて欲しい!」

オリヴァルト皇子が歓迎の言葉をかけるとその場にいる全員は拍手をした。拍手が終わってその場に静寂が訪れるとヴァイスに視線を向けられたセシリアとサフィナは自己紹介をした。



「―――次は私達ですね。私の名はセシリア・シルン。現メンフィル皇帝シルヴァン・マーシルン皇帝陛下の親衛隊を率いる長の一人です。第Ⅱ分校の皆さんは私の教え子の一人であるリィンの教え子達でもありますから、それを考えると皆さんと私の縁は間接的にではありますが繋がっていますね。リィンの教育によって貴方達がどのような成長をしているのかはリィンを教育した者の一人として気にはなりますが………皆さんはそんな私事は気にせず、いつも通りの皆さんを見せてくれると幸いです。」

「サフィナ・L・マーシルン。貴方達の教官の一人であるセレーネの義母でメンフィル帝国軍竜騎士軍団の長を務めており、また現在はメンフィル帝国側のクロイツェン州の臨時統括領主も兼任しています。ちなみに少々先の話になりますが、リアンヌ殿より貴方達の鍛錬相手を務めて欲しいという依頼があり、その依頼を引き受けましたので……今月の末辺りに貴方達の”補習”にセシリア将軍と共に指導する予定になっていますので、その時はよろしくお願いしますね。」

(な、何気にとんでもない話が聞こえてきたけど……やっぱりあの二人も強いの?)

(はい。二人とも戦闘能力は分校長同様”化物の中の化物”クラスです。)

(リィン教官の恩師であり、現メンフィル皇帝の親衛隊を率いる将軍に大鎌の二刀流という随分と珍しい戦闘スタイルの使い手である元帥か………かつて皇家守護職に就いていたヴァンダール家の者として……二刀流の武装を扱う戦士として、色々と学ぶ事もあるだろうから二人が指導する”補習”の日が来るのが待ち遠しいな……)

(モニターに写っていた双子の皇子と皇女もそうだけど、二人は私にとっても親戚になるのよね……?お義父さんの実家の親戚って一体どのくらいいるのかしら?)

セシリアとサフィナが自己紹介をすると第Ⅱ分校の関係者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、我に返ったユウナとアルティナはジト目で会話をし、クルトは興味ありげな様子でセシリアとサフィナを見つめ、ゲルドは首を傾げて考え込んでいた。



「―――さてと。後は俺達か。――――クロスベル双皇帝の一人、ヴァイスハイト・ツェリンダーだ。”六銃士”としての通り名は”黄金の戦王”で他にも”好色皇”とも呼ばれているようだが………エレボニアの諸君にとっては”宗主国に逆らった挙句エレボニアの領土まで奪い取り、下克上をした事”から、そのクロスベルの皇である俺の事は”簒奪王”という二つ名の方が知られているかもしれんな。」

二人の自己紹介の後にヴァイスが前に出て自己紹介をして不敵な笑みを浮かべ、ヴァイスの言葉にその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「あの~、ヴァイス?君自身がそれを言っちゃうと彼らも反応に困るから、そう言った微妙な発言は勘弁してくれないかな?」

「フッ、俺は緊張をほぐす為に冗談のつもりで言ったのだが………まさか、普段から率先して緊張をほぐす言動や行動をしているお前に注意される日が来るとはな。これは明日は槍が降る―――いや、この場合は”不測の事態”が起こる事を警戒すべきかもしれんな。」

(ア、アハハ………)

冷や汗をかいて困った表情で指摘したオリヴァルト皇子に対して静かな笑みを浮かべて答えたヴァイスの答えにその場にいる全員が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ティータは苦笑していた。

「ヴァイスの側妃の一人で、”六銃士”の”蒼銀の魔剣姫”の二つ名で呼ばれているアル・ノウゲートです。以後お見知りおきください。」

「――――戦術科”の連中とは今日のカリキュラムで先に顔を合わせたけど、他の連中とは初めて顔を合わせるから改めて名乗っておくよ。あたしはパティルナ・シンク!”六銃士”の”暴風の戦姫”なんて名前で呼ばれているクロスベル帝国軍の将軍の一人さ。あんた達は祖国では”二軍”やら”寄せ集め”やら、悪い意味で有名だそうだけど、あたしはそうは思わないよ。何てたって、クロスベルがまだ”自治州”だった頃、警備隊や警察も各国もそうだけど市民達からの評価も低かったけど、それらの評価を覆したからね。あんた達もそうなる事を期待しているよ!」

「―――”六銃士”の”鋼鉄の剣姫”と呼ばれているエルミナ・エクスです。クロスベル帝国軍の”総参謀”を務めているそこの女にだらしない皇帝の正妃の一人です。」

”六銃士”である蒼銀の髪のエルフの娘――――アル・ノウゲートと紫髪の娘――――パティルナ・シンクが自己紹介を終えた後に答えた金髪の娘―――エルミナ・エクスの自己紹介の仕方にその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「あのな……俺が”好色家”である事は否定しないがもっと、マシな言い方はないのか?」

「私は事実を言ったまでですが?――――失礼。パティルナ――――パティのように主計科の方々とは本日のカリキュラムで顔合わせをしましたが………後日に行う予定の戦術科、主計科合同のカリキュラムは私やパティも指導する予定となっていて、その際は交換留学で来ている外国の勢力の方達である貴方達もクロスベル帝国軍と区別せずに”普段通り”厳しく指導するつもりですので、今の内に覚悟を決めておいてください。」

呆れた表情で呟いたヴァイスにジト目で指摘したエルミナは気を取り直して第Ⅱ分校の関係者達を見回し、エルミナの発言に第Ⅱ分校の関係者達の多くは表情を青褪めさせる等それぞれ顔色を悪くしていた。

「フフ………――――私はルイーネ・サーキュリー。”六銃士”の”微笑みの剣妃”と呼ばれているもう一人のクロスベル皇帝――――ギュランドロス様の正妃よ。先月の特別演習のように万が一クロスベルでも”不測の事態”が起こった時は、先月の反省を生かした上での活躍をする事を期待しているわ♪」

「……で、”六銃士”という二つ名を思いついた肝心のもう一人のクロスベル皇帝もこの場で紹介したかったんだが………生憎あのバカ王は”事情”があってしばらくクロスベルを留守にしている状況でな。その”事情”に関してはできれば気にしないようにしてくれ。――――というか、むしろ気にするだけ時間の無駄だ。正直付き合いの長い俺達ですらも、未だにあのバカ王の考えや行動原理はわからんからな。」

ルイーネが微笑みながら自己紹介をした後ヴァイスはため息を吐いてランドロスに視線を向け、ルイーネとヴァイスの発言にそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせたランドロスを除いた第Ⅱ分校の関係者達全員はランドロスに視線を向けた。

「クク、何でそこで俺を見るんだ?」

「ハア…………本当に何を考えているんだよ、この滅茶苦茶なオッサンは……」

「アハハ、その様子だとそっちでも存分に楽しんでいるようだね~♪」

「フフ、ひょっとしたらセンタクス軍に潜入していた時よりも楽しんでいるのじゃないかしら♪」

「バカです………まさにバカの中のバカです……」

その場にいる多くの者達に視線を向けられたランドロスが口元に笑みを浮かべている中ランディは疲れた表情で溜息を吐き、パティルナとルイーネは呑気に笑い、エルミナは呆れた表情で片手で頭を抑えた。

「―――ま、そう言う訳で本日より演習最終日までの第Ⅱ分校の活躍を期待している。――――以上だ。」

「―――三帝国のVIPの方々に敬礼!」

そしてヴァイスが話を締めくくるとミハイル少佐が号令をかけ、第Ⅱ分校の関係者達全員はそれぞれ敬礼をした。そして三帝国のVIP達が退室を終えるとミハイル少佐が第Ⅱ分校の関係者達に今後についての説明を開始した。



「―――既に伝えたとおり我々は下の34階で待機となる!だが、あくまで予備戦力だ!くれぐれも勝手な行動は慎め!それでは移動する!総員、整列して付いてくるように!」

「は~、なんつーか、凄ぇコネがある学校だよな。そういや通商会議の時に皇子から聞いた気もするが。」

「ふふ、あくまでも2年前の本校の時ですけど……」

「そう言えばオリヴァルト殿下は冗談と思うのですが、特務支援課(わたくし達)にもトールズ本校の特別教官として本校の皆さんを指導して欲しいような事も仰っていましたわよね……」

「はは、そんな事もあったな。」

「まあ……お兄様がそんな事を。もしそれが実現したらリィンさん達はもっと早く旧Ⅶ組の皆さんと出会っていたかもしれませんわね。」

「……そうね。例え歴史が変わっても、兄様達と旧Ⅶ組の皆さんの縁がある証拠ね。」

生徒達がミハイル少佐と共にその場から退室すると苦笑しながら溜息を吐いたランディの言葉にトワは微笑みながら答え、ある事を思い出したセレーネとリィンは懐かしそうな表情をし、二人の話を聞いたアルフィンとエリゼは微笑んでいた。

「クスクス、オリビエお兄さんの事だから間違いなく旧Ⅶ組と特務支援課を交流させていたでしょうね。―――まあ、もし本当に実現していたらアリサお姉さんがその時にリィンお兄さんに”落とされていた”上アリサお姉さん以外のⅦ組の女生徒達も”落とされて”、アルフィン夫人の妻の序列は今より低くなっていた可能性はあったかもしれないわね♪」

「クク、Ⅶ組どころか他のトールズ本校の女生徒達も落としていたかもしれねぇぞ?」

「………確かにこの兄貴族ならマジでやりかねん―――つーか、弟貴族(ロイド)とタッグを組んで旧Ⅶ組どころかトワちゃんを含めたトールズ本校の女生徒や女性教官を何人か―――いや、下手したら全員纏めて落としていたかもしれねぇな……」

「ア、アハハ………(ロイドさんって人はどんな人かわからないけど、話を聞いた感じリィン君に似た人みたいだから、本当にありえたかもしれないから洒落になっていないかも……)」

「ちょっ、さすがにそれはありえないから!」

小悪魔な笑みを浮かべたレンや口元に笑みを浮かべたランドロスの推測に同意したランディはジト目でリィンを見つめ、ランディの推測を聞いたトワは苦笑した後内心冷や汗をかき、話題の中心となったリィンは驚きの声を上げて反論し

「……内戦の件を考えると本当にありえそうで、冗談になっていませんね、お三方の推測は。」

「そうですわよね……もし本当にそうなったらわたくし、お兄様を恨んでいたかもしれませんわ。」

「ご、ごめんなさい、お兄様……全く反論を思いつきませんわ……」

「ううっ、何でこんなことに……」

ジト目のエリゼと困った表情をしたアルフィン、申し訳なさそうな表情をしたセレーネの答えを聞いたリィンは疲れた表情で肩を落とした。



「ハッハッハッ、もし特務支援課のトールズ本校への特別教官の”支援要請”が出ていたら当然”特務支援課”の一員であった俺も二人に負けずに女性教官や女生徒達に声をかけていたかもしれんな。」

するとその時ヴァイスが軽く笑ってリィン達に近づき

「あ………」

「クク、ヴァイスハイトの事だから声をかけたその日に抱くんじゃねぇか?」

「確かにこのリア充皇帝ならありえそうだから、洒落になっていねぇ………」

「うふふ、何せ政略結婚で嫁いできたつもりのユーディットお姉さんも口説き落として、今では自分にメロメロにさせる程の男性とのしての魅力を持っているものねぇ?もしかしたら妹の方も機会があれば口説き落として、名門貴族令嬢の”姉妹丼”を実現しようと思っているのじゃないかしら♪」

近づいてきたヴァイスを見たトワは呆け、口元に笑みを浮かべたランドロスの推測にランディは同意してジト目でヴァイスを見つめ、レンはからかいの表情でヴァイスを見つめ、レンの発言にその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「は、はわわわっ!?」

「クク、ルイーネ達―――”三銃士”を纏めて抱いた事もあるこの男なら名門貴族令嬢の姉妹を纏めて落として自分の女にするくらい、かる~く実現するだろうな!だぁっはっはっはっ!」

「ハアッ!?そんな事があったのかよ!?こっのリア充皇帝が……っ!何で俺と同じ声で綺麗なお姉さんが大好きでナンパ野郎な所も同じなのに、こんなにも差があるんだよ!?」

「ハハ、期待をしている所悪いがユーディとの約束があるのだからキュア嬢を積極的に口説くつもりはないぞ。それよりも、どうやら第Ⅱの教官として充実した日々を送っているようだな。」

我に返ったトワは顔を真っ赤にして慌て、豪快に笑ったランドロスの話を聞いて驚いたランディは悔しそうな表情でヴァイスを睨み、ヴァイスは苦笑しながら答えた後ランディを見つめた。



「ったく、そこの滅茶苦茶なオッサンとそのオッサンの”お目付け役”を押し付けたアンタ達のせいでほとんど強制のようなもんだがな。それで、俺かそこのオッサンに何か用でも?」

「いや、用があるのはリィンとセレーネの方だ。」

「え………」

「わたくし達ですか?」

ランディの問いかけに答えたヴァイスの意外な答えを聞いたリィンは呆け、セレーネは不思議そうな表情で首を傾げた。するとその場にアルが現れた。

「この上の36――――VIPフロアに案内させる。晩餐会までの僅かな時間だがゲストと話せる機会を作った。新Ⅶ組とティータにレン皇女、それとエリゼ嬢とアルフィン夫人を連れて挨拶をしてくるといい。」

その後リィン達はヴァイスの提案を受け、ユウナ達を呼び寄せてアルと共に36FのVIP達がいるフロアに到着した。



~36F~



「こちらが36F・VIPフロアにになります。手前から二つ目の部屋にレーグニッツ帝都知事が。奥の部屋にリーゼロッテ皇女殿下とオリヴァルト皇子殿下が。その向かいの二つ目の部屋にユーディット皇妃とキュア嬢、そしてイリーナ会長が。その奥の部屋にエフラム皇子殿下とエイリーク皇女殿下、サフィナ元帥とセシリア将軍がそれぞれお待ちになっています。入室の際は部屋の前の警備の者達に声をかけてください。」

「了解しました。」

「お疲れ様です。」

「あの………アル先輩。エリィ先輩やメサイア皇女様はユーディット皇妃様達と一緒の部屋にいないのですか……?さっきの紹介の時にもいなかったのが気になっていたのですが……」

アルの説明を聞いたリィンは頷き、セレーネが労いの言葉をアルにかけるとユウナがアルに訊ねた。

「お二人は多忙の為、残念ながら皆さんとお会いする時間を作れなかったのですが………ヴァイスが後で貴女と二人―――特にエリィとは必ず話せる時間は作ると言っていましたから、晩餐会までにはエリィと話せる機会があると思いますよ。」

「そ、そうだったんですか!?あの女好きエロ皇帝も結構良い所があるんですね………――――って、まさかとは思いますけどあのエロ皇帝があたしを落としてハーレムの一員にする為とかじゃないでしょうね?」

アルの話を聞いて驚いた後意外そうな表情をしたユウナだったがすぐにある事に気づくとジト目でアルに訊ね、ユウナの発言にリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「ユ、ユウナさん………」

「さすがに常識に疎い私でもその言い方はあの王様に対して失礼だと思うのだけど……」

「幾らその可能性が十分に考えられるとはいえ、さすがに不敬では?」

「何気に君もヴァイスハイト陛下に対して不敬な発言をしているぞ……」

「うふふ、まあ、”好色家”を公言しているヴァイスお兄さんなら本当にやりかねないわよね♪」

「レ、レンちゃん!」

「す、すみません。自分達の教育不足で生徒達がヴァイスハイト陛下やアル皇妃陛下に対して失礼な発言を……」

我に返ったセレーネとゲルドは困った表情をし、呆れた表情をしたアルティナの指摘にクルトは疲れた表情で溜息を吐き、小悪魔な笑みを浮かべたレンの発言を聞いたティータは冷や汗をかいて慌てた表情をし、リィンはアルに謝罪した。

「フフ、普段のヴァイスの言動や行動を考えるとユウナ達がそう言った邪推をする事はヴァイスの自業自得ですから私は気にしていませんよ。」

謝罪されたアルは苦笑しながら答えた後その場を離れた。



「はあ~、緊張してきたかも。いきなり初対面の―――それも三帝国のVIP相手に挨拶とか、無茶振り過ぎません?」

「”新Ⅶ組とぜひ話したい”と時間を作ってくれたらしいからな。ティータ達―――君達についてはオリヴァルト、リーゼロッテ両殿下とイリーナ会長、それにエフラム殿下達からそれぞれリクエストがあったらしい。」

「えへへ、オリヴァルト殿下とちゃんと話すのは久しぶりなのですごく楽しみです。アリサさんのお母さんとはお会いするのは初めてですけど。」

「エフラムお兄様達はレンやリィンお兄さん達、アルフィン夫人はオリビエお兄さん達――――エレボニアのVIP達だろうけど………そのリクエストをした要求した人物の中にリーゼアリアお姉さんも含まれていて、リーゼアリアお姉さんが話したい相手はリィンお兄さんとエリゼお姉さんなんでしょう?」

緊張している様子のユウナに説明をしたリィンの話を聞いたティータは嬉しそうな表情をし、レンは意味ありげな笑みを浮かべてリィンに問いかけた。

「あ…………」

「え、えっと…………」

「…………………」

レンの問いかけを聞いたアルフィンとセレーネはそれぞれ気まずそうな表情で目を伏せて黙り込んでいるエリゼに視線を向け

「……ええ。―――エリゼ、14年前の件とこの前の件でリーゼアリアに対しても思う所があるかもしれないが、まずは落ち着いて対応してくれないか?」

「……そのくらいの事は言われなくてもわかっています。」

「………?」

「えとえと……もしかしてリィン教官とエリゼさんって、そのリーゼアリアさんって人と何かあったんですか……?」

レンの問いかけに頷いたリィンに促されて静かな表情で答えたエリゼの様子を不思議に思ったユウナは首を傾げ、ティータは不安そうな表情で訊ねた。

「ハハ、リーゼアリア自身とは何かあったって訳じゃないんだが………とにかくVIPの方々の貴重な時間を無駄にする訳にはいかないし、まずはレーグニッツ知事の部屋を訊ねてみよう。」

ティータの問いかけに苦笑しながら答えを誤魔化したリィンはユウナ達と共にレーグニッツ知事がいる部屋を最初に訊ねた―――――




 
 

 
後書き
ついにエウシュリー新作、発表されましたね~!今度の主人公は戦姫シリーズでちょいちょい耳にするベルガラード出身だから、久しぶりのアヴァタール出身者である事もあって今からワクワクしますね!ただねぇ……見た感じ今回の主人公は闇勢力っぽい感じに見えるけど、傭兵というか盗賊か暗殺者みたいな見た目もあって同じ闇勢力の主人公のイグナートやリウイと比べるとどうしても見劣りしてしまう……(まあ、比較対象がどっちも”王”だから比較する事自体が間違っている気もしますがww)そしてメインヒロインっぽいのが魔導巧殻の一文字違いの存在である事を見てマジで一瞬魔導巧殻かと思ってしまったww中の人がアルみたいな悲劇にならなきゃいいけど(冷や汗)それにしても次のエウシュリーの新作が最近のはやりもの(?)である成りあがり系とは……成りあがり系という事は最終的に王にでもなるんですかねぇ……(エウシュリーだからハーレムは当然だと思っています(キリッ))後発売日が10月でよかった……9月だと閃Ⅳと被ってしまってどっちをプレイするか迷うところでした……(まあ、封緘のグラセスタ発売までに閃Ⅳ終えられるかも疑問ですが) 
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