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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!

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攻撃前に

 かばんを部屋から回収した俺は、エイダ達と一緒に走り出した。
 目的は、今回の霧の中に潜み、霧を生み出している存在だ。
 ただ以前の出来事を思い出してみると、

「まずは“同期”した内容……ここに俺たちの位置情報を組み込んで……青い光で三つ表示されるのは分かったか?」

 そう俺がエイダとレオノーラに問いかけると、エイダが呻くように、

「それは分かったけれど、こうやって表示を“見る”と変な感じがするわ」
「一応は任意で出し入れできるようにしてあるはずだ。閉じろ、と念じてみてくれ」
「……消えたわ」
「出したいときは開けと念じてくれ。レオノーラはわかるか?」
「うむ」

 そういった話をしてから、再び敵の位置を頭の中に浮かび上がらせるようにしてもらい、

「まずは青い点がそれほど散らばらないように動いてくれ。ばらばらになると、お互いに補佐出来なくなる」
「そうね。この霧でも私達はこの映像で位置がわかるわ」
「そして後はこの小さい青い色の“子機”の方を先に倒してもらいたい」

 そう俺はエイダにお願いする。
 以前経験したあの敵ならばこうなるだろう、という予測の元にお願いをした。
 そこでエイダが、

「でもその“子機”を操っている敵を倒してしまった方がいいんじゃないの?」
「“子機”を倒す前に司令塔の親玉を倒すと、別の“子機”が合体して親玉になるんだ。……親玉は一定時間で“子機”も増やすから面倒ではあるが、先に“子機”をすべて倒し切らないと新しい親玉ができるだけなんだ。その親玉とその親玉が生み出した“子機”を場合によっては同時お新香で倒さないといけない」
「……嫌な敵ね。どんなものなの?」
「確か前は、円筒形の石に赤い文様が浮かび上がった物体だった気がする。ただ、あちらの世界の素材を使ってそうなったものだから、こちらの世界でもそうなるかは分からないが。そしてキリに紛れながら、刃物を使ったり雷撃、炎を使ってきた記憶がある。防御は……そこまで高くはなかった。近くまで入り込めば、簡単に真っ二つにできたから」

 そう俺はいいつつ、それは俺の、あの魔法ができるようになったからだというのは伏せた。
 まだまだこちらの手の内は見せたくないし、こちらの力を知られると……スローライフから遠ざかる気がするからだ。
 そもそもこんな面倒なことをせずとも全体攻撃的な魔法で、この“子機”はどうにかできるが、ここは黙っておこうと思う。

 できる限り穏便に事を終わらせて、俺は平穏な暮らしを手に入れたいし、俺だと“闇ギルド”と呼ばれる、前の世界の残党であるだろう彼らに、“俺”だと確信はあまり持たれたくない。
 それに女神さまが仕込んだ知恵の輪のような、俺が元の世界に戻れないようにされている拘束を何とかしたい。
 そう俺が思っているとそこでレオノーラが、

「この青い小さいのを全部倒せばいいのか?」
「そうだ」
「では、妾に任せてもらおうか。……お主ならば一気に倒すような何かを“知って”いそうだが、この世界の魔法でもどうにかなることを見せてやろう」
「どうする気だ?」
「うむ。この辺りは地下に水脈が通っておってのう、地面に近い場所でもそれらが結構あったりするのじゃ。そして妾は水流の上位流。その程度の水脈は操れる」

 そうレオノーラは俺に笑ったのだった。 
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