| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生×魔弾の王×萌えもん=カオス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

十本目

ここへ来てはや半月。

ポケモン図鑑のマップが示す場所は、トキワの森の外れ。

そんな事を思っていると、ドアがノックされた。

枕元の矢筒を肩にかけ、矢を取り、弓を構える。

「誰だ」

「私です」

「ルーリック?」

ドアを開けると、ルーリックが立っていた。

「ティグルヴルムド卿に会いたいという者が。
なるべく音をたてずに、此方へ」

くらい街をルーリックに案内されて進む。

そうして、街の入り口には…

「婆ちゃん!?」

「ティグル!」

婆ちゃんに駆けよって、抱きつく。

「おぉ…ティグル…よく無事で…」

「婆ちゃんこそ、遠かっただろう?」

「ティグルヴルムド卿!声!」

「すまん…」

「この老婆はあろうことかこの街へ忍び込もうとしておりまして。
人間でしたのでもしやと思い貴方様の名を出したら合わせてくれの一点張りで…」

そうか…俺のために…!

「婆ちゃん、聞きたい事がいっぱいある。でも…」

「ティグル、それどころじゃぁないんだよ」

「なに?」

「各地でロケット団の勢力がつよまってるんだよ」

もしや…

「もしかして、マサラタウンにも…?」

「私には、よくわからないけどねぇ。
だけど、オーキド博士は何か知っているようだったよ。
ここまでの地図と足を用意してくれたのはオーキド博士なんだよ」

なに…?ライトメリッツまでの地図…? 足…?

ふと、隣に伏せているウインディが目にはいる。

このウインディは博士のパーティーのはず…それを渡してでも婆ちゃんをここに来させたって事は…

……帰らなきゃ

「ティグルヴルムド卿。お気持ちはわかりますが…
どうかお戻りください」

「悪いが、それは聞けん」

「お戻りください!」

こんどは先より強い語調で。

「できん!」

「手荒な真似はしたくないのです。
いえ、手荒どころか、森に近付けば死刑だとっ…!」

ルーリックの手は震えていた。

お前は、優しい男だな…

「その上で、その上で俺は出ると言っている」

震えるルーリックを押し退ける。

そのまま、出ようとした時だった。

「随分騒がしいと思えば…
こんな夜更けにどこへ行くのだ?」

現れたのは、エレンだった。

街の門に寄りかかり、その紅い瞳でこちらを睨んでいる。

「ここから出れば……そう言った筈だが」

その服装は、寝間着ではなく、しっかりとした服だった。

「俺が出ると、気付いていたのか?」

「夜着でもよかったが、その場合、お前は私を真っ直ぐに見れなかっただろう?」

そのからかうような口調。

この一ヶ月、聞かない日はなかった声。

「通せ。俺はマサラタウンへ帰る」

「自分の立場を忘れたか?
取り敢えず理由を話せ」

端的に、明快に。

「マサラタウンへ、ロケット団が向かっているらしい」

「証拠は?」

「あると思うか? だが、ロケット団ならやりかねん。
森を焼くような輩だ。
マサラタウンが燃えてからでは、遅いんだ!」

「マサラタウンへ戻って、お前は何をする?」

「戦うに決まっているだろう!」

「どうやって?」

「どうって…」

「お前の弓の技量は認めよう。
だが、お前は一人だ。街を襲おうという規模の敵を前に何ができる?
無策で飛び込むのは愚者の所業だ」

「んなこたぁ!俺が一番わかってんだよっ!」

「それでも行くのか?」

「なにか、なにかできるかもしれないだろう!」

「そんな無計画で無思慮な人間が、本当に何かを成せると?」

「それでもっ!」

「脱走は死刑だと言ったはずだ。それほどに死にたくば、今ここで果てるか?
ライトメリッツで死ぬのもマサラタウンで死ぬのも変わりあるまい」

アリファールの鋒が真っ直ぐに俺に向く。

「どうしても、通してくれないのか?」

「私が何を気に入らないか、わかるか?」

突然、子供を叱るような口調になった。

「私と相対した時、少しでも有利に事を運ぼうと冷静沈着に動いたお前が、何故無計画に、感情的に動く?」

「何を言って…」

無計画?何を計画しろと?

答えられねば、俺はエレンに斬られるだろう…

いや、待て、何故エレンはこの状況で俺を斬らない?

まさか…まさかっ…!

『私に仕えないか?』

俺を生かすチャンスは、与えていたじゃないか!

機会は、一度きり。

失敗すれば、さすがに斬られるだろうな。

「エレン、頼みがある」

もう、後はない。

「兵を貸してくれ。お前が探していた森を焼いたロケット団も居るかもしれんぞ?」

さぁ、これでどうだエレオノーラ・ヴィルターリア!

対するエレンは目を丸くした後…

「はは!はははは!ははははははははは!」

腹を抱えて笑った。

「いやはや…なんとも、清々しい程に図々しいなお前は」

その嬉しそうな顔の示す返答は…

「貸せと言うか。いいだろう。当然ただではないぞ」

「いくらだ?」

「貴様の故郷の町全て」

「確約はしかねる。だが、オーキド博士ならば、きっと了承するだろう」

「では決まりだな!」

エレンがアリファールを鞘に戻した。

そうして、視線を、俺達の後ろへ向けた。

そこには、甲冑を着こんだリムがいた

「リム!戦だ!ジルニトラを掲げよ!」
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧