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【完結】猫娘と化した緑谷出久

作者:炎の剣製
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猫娘と雄英体育祭編
  NO.022 第二種目・騎馬戦開始!

 
前書き
更新します。 

 
騎馬戦のチーム分けが決まり、ついに戦闘が始まろうとしていた。
出久達ももう攻めてこられると思ってすでに身構えていた。
常闇の黒影(ダークシャドウ)も前面に出していて、サポートアイテムもしっかりと装備している為に準備は万端!

『3……2……1……スタート―――!!』

というプレゼント・マイクの声とともに一斉に出久達に突っ込んでくる生徒達。
それは爆豪も例外ではない。

「デク!! おめぇから必ず取るぞ!!」

ともう血気盛んに突っ込んでくる。

「追われしものの宿命(さだめ)、選択しろ緑谷!」

妙に中二っぽいセリフの常闇に、でも今は気持ちは本気モードの出久は「うん!」と可愛らしく返事をした。

「もちろん最初は逃げの一手だよ! 時間を稼ぐんだ!」
「了解!」

それで動こうとする出久達騎馬だったが突然地面に足が沈んでいく。

「くっ! 誰かの個性! 麗日さん、発目さん、避けて!」
「うん!」
「はい! 存分に使ってください!」

出久は背中のブースターを展開して沈む地面から逃れて、すぐに出久が爪を伸ばして遠くの地面に外れないように刺す。

「少しスピード着地するけど転ばないでね!」

そして爪を刺したまま地面まで一気に爪を縮めて行きその分加速して移動した。

「麗日さん!」
「うん!」

お茶子が足に装着しているホバーでゆっくりと着地する。
それを見ていたプレゼント・マイクと相澤はというと、

『なんと! てっきり攻撃一辺倒だと思われていた爪をまるで鎖鉤爪のようにして遠くまで一気に移動した!?』
『緑谷は頭の回転や発想がとてもいいからな。ああいう使い方もすぐに考えたんだろうな』

そんな説明が入る中、

「もう一回飛んで移動するよ! 常闇君、索敵お願いね!」
「任された!」

もう一度空を飛んで地面から地面へと移動をして、常に黒影(ダークシャドウ)で周囲を警戒して移動をする出久達。
これなら空を飛べない生徒は手も出せないだろう。
………例外はいるだろうけど。

「デク!! 空を飛べるのがお前たちだけだと思うなよ!?」
「げっ! かっちゃん!?」

そこにはなんと爆豪が、騎馬もいないのに一人だけで爆破の勢いで飛んできた。

「ッ! 黒影(ダークシャドウ)!!」

かろうじて黒影(ダークシャドウ)で爆豪の爆破を防ぐが、まだ周りには知られていないがこれが黒影(ダークシャドウ)の弱点だとはまだ気づかれたくないというところだ。
そのまま爆豪は不発で落下していくが、それを騎馬の一人である瀬呂がテープを伸ばしてうまくキャッチしてもとの場所へと戻している。

「あれってありなの!?」
「テクニカルなのでセーフよ!」

出久の叫びは無情にもミッドナイトによってセーフにされてしまった。

「くっ! 空はまずい! これからはなんとか地面だけで移動しよう!」

それで着地をした途端、

「ん!? デクちゃん、足が何か動かない!」
「えっ!?」

お茶子の履いているホバーをよく見てみれば足裏に見た事のある紫の丸いモノ。

「これは峰田君の!」
「そうだぜ緑谷ー……っていうか、常闇! てめぇ何一人ハーレム築いてやがんだよ!!」

と、障子の腕に覆われながら血涙を流している峰田の姿があった。
よく見れば一緒に蛙吹の姿も確認できる。
出久はその瞬間、即座に顔を逸らした。
遅れて逸らした個所に蛙吹のカエルの舌が伸びてきていた。

「ケロ。やっぱり反射神経がいいのね出久ちゃん」

障子の姿はまるでタンクのようであの鉢巻きを取るのは至難の業だろう。

「(やばい! もうかなりの乱戦だ!)」

その通り、すでに鉢巻きを取られているものもいるがそれでも諦めずに特攻を仕掛けてくるものもいる。
無くすものがないのなら強気に動けるというものだ。
それでまた爆豪が突っ込んできそうになったのだが、そこで物間のチームに取られて煽りに煽られて爆豪はそっちの方に集中してしまったために、とりあえず出久は爆豪の脅威から逃れることが出来たと安堵した途端、

「緑谷、来るぞ!!」
「!」

出久達の目の前には轟たちのチームが立ちはだかっていた。

「轟君!」
「取るぞ……緑谷」

そこから二チームによる激しい攻防が始まる事になる。

「(轟君はなぜか左側の炎は戦闘には使わない! そこが突けるところだ!)みんな、なるべく左側に重心を置いて!」
「ッ! 察しが早いな……さすがだな」

轟が氷しか使ってこない事を察しているのか、出久はそれで三人に何度も指示をしていき、避ける避けるの防御姿勢を取る。
途中で突っ込んできた他の生徒も轟達の攻撃ですでに凍り付いていて、さらには囲むように氷のバリケードが展開されている。
ホバーにバックパックも壊れた今、出久達に勝機は薄い。
だが、出久はここで、

「それじゃ使えるようになってから隠していた力を使おうかな!」

出久は手のひらを前に出して集中する。
そこから出てくるのは燃える炎。

「なにっ!?」
「バカなっ!!」

轟と会場で見ていたエンデヴァーが叫ぶ。
当然だ。
今まで炎を使うものは轟だけだったのに、出久がそれを使っているのだから。

「緑谷、その炎は……」
「うん。最近使えるようになったのが分かった猫又の炎だよ! えいっ!」

そう言いながらも出久は凍り付いている道を炎で吹かして溶かして逃げ道を作ろうとしていた。

「させねぇ!」
「轟君、落ち着くんだ! まだ時間はあるのだから!」

轟がまた氷を出そうとしたが、そこで飯田が妙案があると言って一気に駆けようとする。
それに気づいた出久は悪寒に従って身構える。

「これを使ったら俺はもう使いモノにならなくなる! 必ず取れよ!」

そう言ってどんどんと吹かす音が聞こえてくる。
出久の猫耳にもしっかりと駆動音が聞こえてきていたために、

「させない! 変化!!」

出久もさせまいと、煙幕で四人を包み込む。
またあの時の大猫に変化するものだと思った轟は、

「愚策だな緑谷。そんなんじゃ地面に落ちて失格になるぞ?」
「いくぞ! レシプロバースト!!」

煙幕にも負けずに鉢巻きの位置は把握していた轟は、飯田の必殺の超加速を使いながらも出久の頭の鉢巻きを取った……かのように思えた。
だが、

「手ごたえが……ねぇだと!?」

出久達を通り過ぎた轟達は慌てて振り返る。
そこには、尻尾は二股なれど、普通の子猫の姿になっていた出久の姿があった。

「なっ!? 縮むことも可能なのか!?」
「にゃっ!(その通り!)」

そしてすぐにもとの姿に戻る出久。

「この子猫モードはそんなに消耗しないから本来なら潜入任務向けの力なんだけどね!」
「デクちゃん! 後でまたなって! 触らせて!!」
「緑谷も己の中に獣が潜んでいたか……」
「いいですねー!」

と、出久達はそれでまた逃走を開始していた。
さっきも言った通り、飯田は一度使ってしまえばエンストを起こしたかのように排気筒から煙を吹かせてしまっており、移動に難が出てしまっていた。

『緑谷、なんだその個性!? 炎も使えたり猫になれたりと幅が広いな!?』
『一応使えるようになった能力として体育祭前に緑谷から申請があったぞ?』
『うっそ! 見せて!!』
『後にしろ。それよりそろそろ時間だ』
『そうだった! 時間は後5秒! 4……3……2……1……タイムアップだ!!』

プレゼント・マイクと相澤の漫才みたいなやり取りもあったが出久達はなんとかキープして逃げ切れていた。

「ふぅ…………なんとかなったね」
「よくやったぞ緑谷。この戦は我らの勝利だ」
「デクちゃん! 猫になってなって!」
「ふふふ……これで私のベイビー達の紹介が出来そうですね」

と四人が勝利を讃えあっている中で、

「くっ……取れなかったか」
「すまない轟君……」
「いや……。もう過ぎた事は変わらねぇ。それでも2位になれたんだ。良かったと思おう」
「轟さん……」
「ウェーイ……」

轟はそれでも出久の炎の能力を使う光景に何とも言えない憤りを感じていた。
他にも3位には爆豪チームがなんとか物間から全部奪い取って勝利をしていたがそれでもやるせない表情で、

「デク! あんな力まであったのか!?」
「すげぇな緑谷……あの轟に一泡吹かせたぜ」
「あいつも才能ガールか? 多数の能力といい、たった一年で使いこなすところといい……」
「緑谷、なんかすごい数の力使えるねー」


そして4位の心操も思う。

「(やっぱり才能って奴か……いや、努力の才能って奴なのか? 普通の鍛錬じゃ使いこなせねぇぞあんな複数の個性……)」

それぞれの思いが交錯する中で試合は終了となり、そのままお昼休憩と相成った。
当然出久はみんなに詰め寄られる事になるがそれはまた今度……。


 
 

 
後書き
これでほぼ出久の能力は出揃ったかと……。

緑谷出久

現状で発覚している個性

・雌猫(暫定)
・爪の伸縮自在と硬化
・脚力強化による高速移動
・目、耳、鼻などの五感の強化
・夜目
・猫との会話
・身体強化・怪力
・ワン・フォー・オール(フルカウル習得済み)
・ハウリング・インパクト
・変化(大と小で消費具合が全然違う)
・炎を使うことが出来る

以上。 
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