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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第九十八話 そうだ幼年学校へ行こう 前編

 
前書き
すみません今日は前編です
 

 
第九十八話 そうだ幼年学校へ行こう 前編

帝国暦481年4月10日

■オーディン 帝国軍幼年学校

 幼年学校ではこの日、テレーゼ殿下のご視察が有る為に朝から緊張感が流れていた。

いやはや、今日は幼年学校への視察です、別にラインハルトに嫌がらせをしに行くのではないですよ、多少は嫌みをするかもしれませんけどね、今回のメインは、484年に起こる幼年学校連続殺人事件の原因を潰しに行くのです。その為に今日のお付きには、オフレッサーに頼んで一緒に来て貰いました。

最近オフレッサー家族には妾と言うのが演技だと教えて普通の話方をするようになりました。

「オフレッサー、今日は忙しい所ありがとう」
「殿下、勿体のうございます」
「オフレッサー、あんまり恐縮されると私が怖い人みたいだよ」

「御意」
「だから、オフレッサーは普段はフレンドリーにして下さい」
「しかし、余りに恐れ多いことでございます」
オフレッサーが縮こまっていて余りに滑稽である。

「オフレッサー、今日は幼年学校へ行くんだから、そんな厳つい姿じゃ生徒が泣いてしまうよ」
「お父さん、スマイルスマイルだよ」
「これ、ズザンナ!殿下の御前で!」

「オフレッサー、良いのよ。ズザンナは我が友だ」
「殿下、勿体のうございます」
「テレーゼ様、ありがとうございます」

「だから、オフレッサーももう少しだけ砕けた話方をして欲しいの」
「御意」
「駄目だ、お父さんは直りません」

テレーゼとズザンナは笑い出すが、オフレッサーは汗を掻きまくりである。
「まあ、仕方ないわね。オフレッサー、今日は貴方のその力が必要になるかもしれないです、ズザンナはもしかしたら幼年学校生と格闘戦して貰うかもしれないから覚悟してね」

「御意」
「テレーゼ様、お任せ下さい、餓鬼には負けませんよ」
「ズザンナ、言葉を慎みなさい」
あの粗野粗暴に見える、オフレッサーが思いっきり心配してハラハラしている姿が面白い。

「取りあえず今日は、不味いと評判の幼年学校の給食を改良するのが第一だから、オフレッサーもズザンナも、無論私もだけど不味い料理を食べるのです」
「テレーゼ様、不味いと言ってもヒルデガルド様の料理ほどでは有りませんよね」

「そりゃそうだよ、ヒルダの料理を食べたら、恐らくオフレッサーでも倒れると思うよ」
「違いないですね、父も泡を吹くと思います」
「殿下、その話はいったい?」

「ああ、マリーンドルフ伯の娘のヒルデガルドの料理が破滅的でね、食べたら死ねるほどの破滅料理なんだよ」
「はあ、その様な料理があるとは驚きでございます」

「何と言っても、半年前にヒルダのお母さんが過労で倒れてヒルダがオートミルを作って食べさせたんだけど、その日以来お母さんの容態が悪化して悪くなる一方だったんだよ。ヒルダが毎日自分で料理を作って食べて貰っていたんだけど、食べる度に具合が悪くなっていったんだよ」

「それは、酷い事ですな」
「オフレッサーも知ってるだろけど、ズザンナを呼んだ料理会でヒルダの料理が殺人兵器並みの料理だとみんなで指摘した結果、料理を先生から習う事にして当分お母さんに食べさせなくなったら、見る見るうちに容態が良くなってきて、先月無事完治したんだよね」

オフレッサーが驚いた顔をする。
「では、マリーンドルフ伯爵夫人の病気とは令嬢の料理が原因だったわけですか」
「そう言う事、最初は過労だっけど、後の長患いはヒルダの料理だね」
「そうですね、あれではお母さんも死にかけますよ」

「まあヒルダが気がついて良かったと言う訳なんだよね」
「全くですね」

まさかヒルダの母さんの死因がヒルダの殺人クッキングだったなんて、
マリーンドルフ伯は口が裂けても言えなかったんだろうな。

「殿下、そろそろ幼年学校へ到着したします」
前に座っている、ヴィッツレーベンがモニター越しに伝えてきた。
「判りました、では演技を始めますね」
「御意」

そう言うとみんなが畏まった姿になるのです。
ラインハルトの前では尊大に他の前では優しくがモットーですからね。
現在ラインハルト達は4学年、ハーゼ達は2学年だな、シュテーガー少将が副校長か早めに手を打っておこうかな、そうしましょうね。

そうしている間に最上級生が歩哨をして、ズラッと並ぶ中を窓の中から手を振りつつ校舎の入り口の車止めに到着した。

おっOVAで見たのと同じ建物で同じ玄関だね、此は期待できます。
校長以下教職員が全員出てきていますけど、授業はどうした?
まあ仕方が無いですけど降りますか。

先にオフレッサーとズザンナが降りて並んで、その後私が出て行きます。
「帝国万歳、皇女殿下万歳」
ああ派手で嫌ですね、もう少し簡略化が欲しいモノですが、
礼には礼で返しますのでにっこりとご挨拶ですよ。

「校長、今日は妾が迷惑をかけるやもしれんが、よしなにな」
「御意」
頭を下げまくる教官達。

「殿下、生徒が集まるまで此方へご案内致します」
「校長、御苦労じゃ」
「御意」

オフレッサーとズザンナとヴィッツレーベンが後から着いて来る中、応接室へと案内された。
たしか、この校長は私室にワインとキャビアを隠しているんだったな、
後でその辺を突いてやるかな、思いっきり慌てるだろうな。

流石オフレッサーだね、2人用ソファーに座ってるけど壊れそうギシギシいってる。
「校長、今回の視察は全学年を見るそうじゃが、4年は格闘訓練を見たいが大丈夫か」
「殿下、4時限目に用意はさせております」
「重畳じゃ」
「御意」

紅茶を飲みながら待っていると、講堂に全生徒を集めたと連絡があったので早速、見に行くことに成る。
「数が多いの、何人じゃ」
「はっ各学年100名でありますので500人であります」

「本日恐れ多くも皇女殿下の御臨席を賜わることを末代までの栄誉と致せ」
「殿下、宜しくお願い致します」
そう言われて、壇上で話をするのですよ。

「在校生の皆よ、よく学びよく遊べ、頑張るのじゃ」
まあ、この辺でOKですよね。
「「「「「「「帝国万歳、皇女殿下万歳」」」」」」」」」
まあ五月蠅いですが、仕方がありません、そう教育されているのですから。
ラインハルトは恐らく苦虫を噛みつぶした状態でしょうね。

「殿下、それでは、1年の授業をご案内致します」
「御苦労」
1年の授業ですが、未だ初々しいですね10歳から11歳ですからね、あと9年ぐらいしないと任官しないですけど、491年かな原作じゃ新銀河帝国ですがそうは問屋が卸しませんよ。

しかし100人を3クラスに分けているので全クラスで15クラスですから、見ていくのが大変ですけど、行く先々で声をかけていきます。【みんな頑張ってね】とリップサービスは重要ですからね。

「殿下、2年の授業をご案内致します」
「御苦労」
さていよいよ、殺人事件の学年ですがこの事件を起こさせないように先に手を打ちます。
その為に今日の服装はグリーンのドレスに真っ赤なアクセントがあるんですから。
まあこの時間では仕掛けませんけどね。

「殿下、3年の授業をご案内致します」
「御苦労」
可もなく不可もない授業風景です、段々飽きてきましたが、そんな事を言ってられませんよ。
此処でも、お話しして好感度アップですよ。

「殿下、4年の格闘術をご案内致します」
「御苦労」
いよいよ来ました、ラインハルトとキルヒアイスの学年です、そう言えば、イザークもいるんだな。

格闘訓練が始まりました、やはり学年でも強い奴が前で見せるので、ラインハルトとキルヒアイスが目の前ですね。ラインハルトはチラッと此方を見て面白くなさそうにしてますね。未だにリンディ茶を怨んでいるのか、ケツの穴が小さい男だな、今日は成るべく放っておこうと思ったけどやーめた。

「オフレッサー、お前から見てこの者達の格闘術はどんなモノじゃ?」
「はっ、未だ未だ荒いですが、かなりの使い手ですな、今がこの状態ならば成人した頃には素晴らしいモノに成ると存じます」

「うむ、誰が素晴らしいそうじゃ?」
「はっ、あの金髪と赤毛の生徒が人並み外れております」
「うむ、校長、あの者達の名は?」

知っているのに一応聞くのが礼儀ですからね。
「御意、ラインハルト・フォン・シェーンヴァルトとジークフリード・フォン・キルヒアイスで御座います」

名前を聞いて、大げさにみんなに聞こえるように言うのがコツですよ。
「おお、シェーンヴァルトとキルヒアイスであったか」
「ご存じで御座いますか」
みんなが注目し始めたな、ラインハルトは嫌そうな顔をキルヒアイス困惑気味だね。

「うむ、妾の手料理を馳走した事があるぞ」
フフフ、みんなが注目しているね。
「それは名誉なことで御座います」

校長も追従してきて楽だねー。
「両人とも此方へ来るが良いぞ」
「「御意」」

ラインハルト、嫌々ながら来るのがだだ解りだよもう少し人生経験を積まないと只の我が儘小僧と成るぞ。そのてんキルヒアイスは流石苦労性だけ有って卒がないね、ラインハルトと出会って人生終わった人だからなー、ある意味スゲー気の毒なんだよな。

近寄らせて他の生徒に聞こえないように話しますよ、2人には話し方が妾言葉なのは何故かと言う意味を生徒達には特別扱いだという嫉妬心を仰がせるのと一石二鳥ですね。

「両名とも久しぶりですね、公式の場ですから、喋り方が妾言葉になるのは許してね」
ラインハルトは仏頂面だ、それを見たキルヒアイスが慌てて私にお辞儀してくれますよ。
今度はみんなに聞こえる声でいいます。

「両名とも久しいの、卿等の格闘術は素晴らしいと、オフレッサーも賞めて居るぞ」
「御意、このまま腕を磨けば、歴史に名を残す、装甲擲弾兵に成れますぞ」
うわー、心底嫌そうな顔してるよ、オフレッサーもズザンナは完全に気がついてるけど、あえて無視してるね、流石我が陸戦王者と我が友だよ。

「どうじゃ、オフレッサー妾は子供の頃シェーンヴァルトに近衛に成れと申したのじゃが、装甲擲弾兵もお勧めかの?」
「殿下、無論で御座いますが、装甲擲弾兵で修行した後で近衛に為されば良いかと存じます」
「おお、その手が有ったか、それは良き考えじゃ、賞めて使わす」

「殿下、勿体のうございます」
放っておかれて段々ラインハルトが苛ついてきているのが判るよ。
「そうじゃ、オフレッサーこの者達に稽古を付けてやるのはどうじゃ?」

校長が久しぶりに口を利いたよ。
「殿下、それは良きお考えで御座います、この者達も更に技に磨きがかかるで有りましょう」
確かヴァンフリート4=2でラインハルトがキルヒアイスならオフレッサーに勝てるだろうと言っていたからね、最初はラインハルトとズザンナを戦わせてどの程度か見て見たいな。

「殿下、父の手を煩わす必要は御座いません、私が稽古を付けましょう」
ズザンナ、ナイスだよ、流石我が友だ以心伝心だよ、おっみんな注目してるね。ラインハルトに至っては馬鹿にされたのかと怒っているのがよく判るよ。

「ズザンナ、面白い、シェーンヴァルトと手合わせ致せ」
「御意」
「殿下、女性で手合わせとは宜しいのでしょうか?」

「良いのじゃ、ズザンナはオフレッサーの娘じゃ。甘く見ておると痛い目に遭うぞよ」
「シェーンヴァルト、不意本意かもしれぬが相手致せ」
面白そうにない顔ですね。
「御意」

両名が中央に集まりいよいよ格闘の模擬戦がはじまります。
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OVA見て人数が多すぎるので一学年100人にしました。
諸般の事情で日にちを3月1日から4月10日へ変更しました。
主に貴族の子弟を教育するそうなので100名に変更しました。
 
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