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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第九十一話

ゴンッ…!

「ん…地震か?」

ウィンドウを閉じ、メティス・サイトを展開する。

そうして、見つけたのは…

「うそだろ…?」

天井を、その先に居る奴を睨み付ける。

「スーサイドマスター…!」

なんだ…?俺を追ってきたのか?

くそ…奴の食指が動くとは…メシアだからか、転生者だからか…

まぁ、今はどうでもいい。

とにかく…地下のマドカと調整作業中のFAG達を守らねば…

鉄格子を分解して、外に出る。

大千本槍起動。

邪魔な奴を消しながら、階上へ向かう。

地下二階の一本道で、奴と相対した。

「スーサイドマスター」

「おお…出迎えてくれるとはありがたいねぇ…」

スーサイドマスターは、1本の錆びた大剣を担いでいた。

「昨日の借りを返しに来たぜ、ブリュンヒルデの弟」

「昨日と同じように吹っ飛ばしてやるよ」

すると、スーサイドマスターは声高々に笑い始めた。

「なんだ?お前もしかして覚えてねぇのか?」

「何をだ?」

「覚えてねぇなら別に構わねぇよ」

そう言って、スーサイドマスターが剣を構える。

こちらも、それに対応すべく、武器を構える。

カレトヴルッフ・フェーダー。

奴が突っ込んでくる。

それをカレトヴルッフで受け止める。

「闇の刃よ全てを斥け以て万物を絶て」

カレトヴルッフが、闇の刃を纏う。

「残念」

なに?奴の剣が切れないだと…?

「この剣は全てを切り、絶対に折れない。
まぁ、美しくないから俺様は使いたくねぇが…テメェを食う為なら、仕方ねぇ」

全てを切り絶対に折れない…か…

尚且つ錆びているとなれば…

「くそッ…キスショットの心渡と同じか…」

おそらく、物質創造能力で剣を再現している。

その元となる剣はおそらく…

「スクレップ…」

面倒な物持ち出しやがって…!

「エクスプローダー!」

圧切で鍔迫り合いは不利なのでスーサイドマスターを弾き飛ばす。

その一瞬で圧切からパンツァーに切り替える。

更には表面にファランクスを纏わせ、スーサイドマスターに突撃。


奴が受け太刀した瞬間に左手を離し、GNバルカンを撃つ。

だが…

バッと、目の前が真っ暗になった。

いや、違う…

目の前のスーサイドマスターが、コウモリに変化した。

そして…

ガガガガガガガガ!

「なっ…!?」

大千本槍の後頭部に集中攻撃を食らい、ムーバルスーツが露になってしまった。

「ジークフリート!」

全身を硬化し、奴の牙を拒む。

しかし…

「っぐあ!?」

首筋に、鋭い痛みが走る。

「な……ぜ…?」

どうして…?ジークフリートは確かに発動したはず…!

「甘めぇんだよ…これくらい、俺様が突破できねぇとでも思ったか?」

くっそ…! レイニーデヴィルの時と同じか…!

力が、抜けていく。

体の奥で、快楽と苦痛がぐちゃぐちゃになる。

「ああ…やっぱりだ…こんなのは、アセロラ姫以来だ…」

「くっそ…!」

五指を揃え、圧切を使おうとするが、力が入らない…

そして…だんだんと、意識が薄れてきた…

死ぬのかな…?

死ぬ?

束さんと箒を残して…?

もし俺がしんだら、姉さんは、一人ぼっちだ。

本当に、死ぬのか?

消えるのか?

それだけは…

嫌だ…!

「す…どます…たー…お…れ…は…






死ね…ないん…だよぉ!」

残った力を振り絞って、大千本槍を動かし、スーサイドマスターをはね除ける。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「チッ…眷属にしたかったんだがなぁ…」

「橙…俺、今どのくらい吸血鬼?」

『だいたい、九割くらい。
たぶん、残りの一割で完全に眷属になってたと思う』

九割かぁ…

『じゃぁさぁ、かなり無茶できるよね』

『え…?』

「アマノハゴロモ起動。
TRANS-AM BOOST…n_i_t_r_o」

機体の、出力系統のリミッターを全て解除する。

肩、腰、背中のGNドライブが唸りをあげる。

機体が、赤く、紅く、朱く、染まる。

緑の粒子と蒼い焔が機体を包み込む。

「パンツァー」

カレトヴルッフを再び硬化。

そうして、真っ直ぐに、ただひたすら真っ直ぐに、奴へ向かって突進する。

「っぐ…!」

内臓がいくらか潰れたな…

「ゼアアアアアアァァァァァァァァァ!」

スクレップと、カレトヴルッフが激突した。

そこから、連撃を仕掛ける。

奴は防戦一方だ。

そして…フィニッシュ。

壁まで追い詰めたスーサイドマスターにトドメの一撃。

カレトヴルッフを、奴の腹に突き刺す。

「はぁ…はぁ…」

「あぁ…またこうなるのか…
やっぱ…何人か食っとくべきだったなぁ…」

カレトヴルッフを抜き、スーサイドマスターの首筋に、かぶりつく。

奴の血を飲めば、俺は人間に戻れる筈だ…

再生はたぶん使えない。

ジークフリートを突破出来るってことは、吸血鬼スキルは現代魔法よりも世界への干渉力が強いということだ。

そうして、スーサイドマスターの血を飲んでいくと、少しずつ、彼女が縮んでいく。

スーサイドマスターが、だいたい三歳児くらいの大きさになった所で、血を吸うのを止める。

「何故止めた?」

何故?

「ここでお前を殺したら後味が悪いから…?
あと利用価値があるから」

アマノハゴロモにより、感情を排し、実利のみを求める。

「………」

「俺は必要に応じて吸血鬼になり、お前は俺の血を得る。
winwinの関係だ」

「毎日だ」

「なに?」

「毎日血を寄越せ」

「コップにうつして、少しなら構わん」

「まぁ…それでいい…」

ふむ、これで怪異に対する切り札が増えたかな。

「そうだ、スーサイドマスター」

「なんだ?」

「お前に名前をくれてやる」

「はぁ?」

「デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターは死んだ。
今のお前は無力な三歳児だ」

「………」

「だから、新しい名前をやろう」

「ほう?俺様に名前をつけるだと?
随分と傲慢だな」

「なんとでも言え。
名は命なり、汝名付けよ、さすれば命与えられん…」

彼女の、名は。

お前の、名は。

「奏。織斑奏」

「カナデ…か…くく…」

「いい名前だろう?」

「まぁ…今は、納得しといてやるよ。
お前が血を差し出す限りはな」

どうやらこの女、旨い血のためならプライドを捨てるらしい。

まぁ、アレほどアセロラ姫に執着していたし、納得できない事もない。

「じゃぁ早速、俺の妹を救って貰おうか。
対価の血はくれてやろう」
 
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