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相談役毒蛙の日常

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二日目

同日、新生アインクラッド某層、迷宮区前

「はぁ…ヒデェ目にあった…」

「お前が悪い」

まぁそれを言われちゃぁ何も言い返せないんだけど…

「入るぞ。いつでも抜刀できるようにしておけ」

「え~まだいいじゃん、しかも戦闘なんてそうそう起きないでしょ」

「そう言って拉致られたのは何処の誰でしたっけ?」

「うぐぅ!わーったよ、準備すりゃいいんだろ」

といってカトラスはバトルクロスを纏う、蒼と白の装備だ、だが…

「おい、それ……」

カトラスが纏って居たのは胸部、肩部や手甲、脚甲といった部分以外が露出した物だった。

先日まではあんなに男っぽい装備を好んでいたのに…

「フッフッフ!どうだ!俺の新装備!イカすだろ!」

イカすって死語だろ…いや、そうじゃなくて…

「防御力大丈夫なんだろうな?」

「むしろ上がってるから問題無い!」

「なら、いいけど…」

はっきり言おう、目のやり場に困る。

いや、大事な所はちゃんと隠してるが…その…フトモモとかヘソとか…

うん、見なけりゃ大丈夫、それにコイツ男だし。

そう思うと何故か安心できた。

俺もクイックメニューを開き迷宮装備を纏う。

迷宮装備とはその名の通り迷宮を探索するための装備だ。

他にも空戦用とか対人用とかあるが、基本は同じだ。

変わるのは武器のリーチと各種バフくらいだ。


俺の迷宮装備は少し短めの大剣にハーフプレートアーマー、靴のみ伝説級だ。

「おい、早く出せよ!モフりたいぞ!」

「分かった分かった。」

俺はアイテム『契約の式札』を取り出す。

「我が願いに応え顕現せよ、妖しき物の長たる者よ!」

と、中二チックな叫びと共に『契約の式札』が光だし…

「ウォォォォォォン!」

咆哮と共に現れたのは対高二メートルはあるだろう銀の毛並みの狐だった。

それも尻尾が九本の。

「ふおぉぉぉぉ!モフモフ!」

とカトラスが飛び付いた。

「玉藻、たのめるか?」

「うん。御主人」

そう、コイツ喋れるのだ。

そもそも玉藻はあるダンジョンのボスだった。

HPゲージが0になったとたんにイモータル・オブジェクトと化し、ラストアタックボーナスとして『契約の式札』がドロップした。

不審に思い『契約の式札』を取り出すと「我が主と成らんとするか?」と聞かれウィンドウがポップし<『契約の式札』を使いますか?>と出たのでyesを押した。

その結果、こうなっている。

しかも玉藻のAIはかなり高性能だ。

理由については一応の仮説はあるし実証されている、まぁ、俺が立てた仮説じゃないが。

「くぅ~ん、カトラス様~」

「ここか!?ここがええのんか!?」

玉藻はカトラスにモフられて気持ち良さそうだ。

「おーい、カトラス、玉藻、行くぞー!」

「え~もーちょっと…」

「ん、わかったよ御主人」

俺は玉藻の背中に飛び乗った。

尻尾をモフってたカトラスも登ってきた。

「玉藻、頼む」

「はい」

玉藻は俺とカトラスを乗せ迷宮区に入った。

「お~乗っててもモフモフだぁ~フトモモにあたるモフモフが気持ちいい…」

「そか」

「反応薄いなぁ…お前がさっき俺のフトモモとかをチラチラ見てたのは知ってるぜ」

「チッ!」

「おーおー、図星かぁ?図星なのかぁ?」

カトラスがうりうり、とつついてくる。

「見た目それでも中身がねぇ…」

「それもそ…あ!」

「んだよ?いきなり大声出すなよ、モンスターが寄ってくるだろ」

「なぁなぁトード!」

「何?」

「今度玉藻貸してくれ」

「構わんが」

「よっし!」

「何処に行くんだ?」

「ちょっと過疎いダンジョンの安地に…」

「過疎ダンジョンの安地?何すんの?」

「獣姦イメージプレイのスクショ」

アホだろコイツ。

「リアルで発情期の犬差し向けるぞテメェ」

「お?まさかお前そういう…」

「ちげーよ!つーか玉藻は雌だ!」

「え~でも俺が軽装で玉藻の下に…」

「マジでぶん殴るぞ」

「ほ~成る程成る程、トードはドSか」

な・ぐ・り・てぇ!

「御主人、アホな会話はそこら辺で」

見ると前方でモンスターがポップしかけていた。

「玉藻、殺れるか?」

「仰せの通りに」

玉藻はスピードを緩めることなく進み…モンスターを喰らった。

一体を食い、一体を爪で裂き、一体を狐火で燃やし…

「お~やっぱ玉藻が居ると楽だな。な、トード」

「ああ、ん?」

突き進む先にはプレイヤーが居た、漆黒のバトルクロス、黒と金の剣の二刀流…

「あれは…玉藻、止まれ」

「はい」

止まると同時に先程のプレイヤーに声を掛けた。

「よう!ブラッキー先生!今日は独りか?遂に嫁さんに愛想尽かされたか?」

黒衣のプレイヤーは嫌そうな顔をして答える。

「アンタか…別に愛想尽かされた訳じゃない、今日は都合が悪いらしい」

リアルでの用事なら仕方ないな…だが…

「そうか…で他のハーレム要員は?」

「そんなんじゃ…」

「いーや、あれは恋する乙女だったな。
そうじゃなきゃ俺に『男子高校生が喜ぶプレゼント』の内容なんて聞きにこねぇよ」

「うっ!よりにもよってアンタにきいたのか…」

「ったく、羨ましーねぇ、モテる男は…リア充死ね爆発しろ」

「アンタが言えた事かよ、後ろにのってるのは……は?」

やっぱり今までのカトラスを知ってたら驚くよな…キリトはカトラスが性同一性障害って所まで知ってるし。

「よう、黒の剣士、このカトラス様の美貌に惚れたか?」

「バーサクヒーラーに報告だな」

「いや!それマジでダメなやつだから!」

「じゃぁ妹のスピードホリックに…」

お、ナイス!カトラス!

「結局伝わるだろ!」

う~ん、このモテモテ野郎とそこそこ近いけどそこまで近くないのは…

「よし、セブンにチクろう」

「結局一緒だろ!」

「じゃぁ風林火山団長に…」

とカトラス。

「勘弁してくれ!」

まぁ、そこそこ楽しんだしいいか。

「あ、そうだ、キリト」

「なんだ?相談役?」

「お前のハーレム要員に痴女に気を…グボァ!?」

俺を殴ったカトラスがキリトに問いかける。

「なぁ、キリト」

「な、なんだカトラス」

「百合は好きか?」

「……は?」

「俺は神に感謝している…」

「ど、どうしたんだカトラス、前は神を恨んでるって…」

ああ、いつぞや言ってたな…

「キリト…」

「お、おぅ」

「俺が女なら美少女とあんな事やそんな事!アハーンでウフーンな事をしても女の子同士のキャッキャウフフで済まされるとぉぉぉぉ!」

「……………やらせねぇよ!?」

おお、いい反応だ、自分のハーレム要員を守ろうとするとは…やっぱりやるなコイツ。

「おーおー、さすがは英雄だ、自分の女はまもるってか?
あとカトラス、コイツのハーレム要員を寝取るのはお前じゃぁ無理だ」

「え~やってみないと…」

「無理だ」

「んでだよ」

「忘れたのか?」

キリトの肩を叩き…

「コイツは初代アインクラッドを終わらせ六千人の命を救った英雄だからな。
その時から付き合いのある女達が簡単にコイツから離れるなんてあり得ねぇだろ。
なぁ?21世紀の英雄、黒の英雄キリト様?」

黒の英雄を茶化しながら、彼と初めて会った日を思い出す。

高みを目指す者達が初めて手を取り合ったあの日を。 
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