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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二十八話

某日明朝、俺と姉さんは金属製の筒の中に居た。

『いっくん、ちーちゃん。準備はいい?』

「こちら一夏、ISコアメインシステム及びCADシステムオールグリーン。」

「こちら千冬、ISコアメインシステム及びCADシステムオールグリーン」

「ちぇーちゃん、あーちゃん、大丈夫?」

『橙、オールグリーン』

『ALICE、システムオールグリーン』

『じゃぁ、作戦の再確認をしよう。
今回ハッキングしたのは各国の軍事コンピューター。
東京に向けてミサイルを撃つようにセッティングしてある』

語られるは世界を覆す計画。

『いっくんが日本海側、ちーちゃんが太平洋側で迎撃。
トレイターは東京湾に。OK?』

この配置にはきちんと意味がある。

北の某国が騒ぎに乗じて核を撃つ可能性を考慮しての物だ。

その場合は俺が止める。ミスったら死ぬ。
でも…

「OK」

束さんの為に死ぬなら悪くない。
無論死ぬ気は無いが。

「了解だ」

『わかった』

『了承しました』

『なら…いくよ?これから私達は世界に喧嘩を売る。覚悟はいい?』

「束さんの為なら、この世の全ての国家すら墜として見せます」

「束、今更そんな事を聞くな」

『わかった…ファースト・フェイズ開始!
コア・クラウドシステム起動!
コード!DESTROY・THE・WORLD!』

その言葉はコア・クラウドに出される最初の命令。

世界を恐怖に陥れる始まりの言葉。

きっと、今の命令で数千のミサイルが東京に向け放たれたことだろう。

そして…

『出撃用意!』

束さんの号令で艦が動き出す。

『トレイター浮上!』

機関音が響き、伊400型改<初>…識別コード[トレイター]が浮上を開始した。

『水深100……90……80……70……60……
50……40……30……浮上停止!アップトリム45!』

束さんがカウントを切り上げ艦を静止させた。

『いっくん、ちーちゃん』

「いつでも出れるよ!」

「一夏に同じく」

そして…

『ナイトヘーレ開門!』

俺の目の前のハッチが開いた。

水深30メートル、普通なら水が流入する。

「スーパーキャビテーション異常無し!」

『射出タイミング、いっくんに譲渡!』

機体をロックしていたアームが解除され、ホロウィンドウにアンロックドの文字が浮かぶ。

「織斑一夏、ナイト・オブ・トレイター出撃る!」

ナイト・オブ・トレイター…俺がカンヘルの試作機として造ったIS。

フレームはそのままカンヘルに使うが、外装がRX00ではなくシナンジュベースであり、主動力は四基のGNドライヴだ。

簡単に言えば背部スラスターにGNドライヴを四基仕込んだシナンジュ・スタインだ。

NTD?機体が吹っ飛ぶから装甲が開かないようシナンジュの外装なのだ。

俺はスラスターに推力を注ぎ、海中へ飛び出した。

そのままスーパーキャビテーション状態で浮上する。

水面にたゆたう月光めがけて…飛び出した。

「ポイントアルファへ向かう!」

後ろからバシャァン!と音がして白騎士…姉さんが出てきた。

『ポイントベータへ向かう!一夏、そっちは頼むぞ』

「わかった、姉さんもね」

『二人とも頑張ってね!トレイター!潜航用意!』

束さんの号令を聞きながら俺はポイントアルファ…佐渡島西南西40キロ地点へ向かった。

後続の姉さんは新潟、群馬、埼玉、東京を抜けて太平洋上へ。

『ますたー、ロシアからの通常巡航ミサイル到達まで三分。
中国ミサイル到達まで二分だよ』

「わかった……黒炉の魔剣<セルベレスタ>起動!」

俺は一つの武装一体型CADを起動した。

魔法、及びCADの名称は黒炉の魔剣、某学戦都市の主人公の剣だ。

もちろんこの世界にはウルム・マナダイトどころかマナダイトすら無いので魔法で代用だ。

魔法の効果は任意のエリアに熱を封じ込めブレードにすると言うもの。

更に周囲から熱を奪い続ける。

なのでエリア内(ブレードその物)は超高温だがその周囲は熱を奪われ超低温になるのだ。

簡単に言えば、インフェルノの高温部分をブレード状に整形しているのだ。

更にその性質上爆発等の中に放り込むと威力(温度)が上がる。

ミサイルを斬りまくるような今回の件にはピッタリだ。

信管だけ斬れって?それじゃぁインパクトが無いだろう?

今回は可能な限り派手にやらないと。

『ますたー』

「ハイハイ、見えてるよ…セカンド・フェイズ開始!」

丁度正面から迫る鋼の槍。

亜音速で飛来するそれらを…

一薙ぎで叩き落とす。

そして一瞬遅れて大音響が鳴り響いた。

「ん~今ので何発落とした?」

『30くらい?』

そして先とは別の方向からもミサイルが飛んで来る。

「さぁて!今度はコイツだぁ!」

黒炉の魔剣を握ったまま、左手に量子展開したのは。

「ハッハァー!これでも喰らえやぁ!」

フィィィィィィィン……

とモーターが回るような音がして銃口、否、砲口と呼ぶべき物の前に莫大なエネルギーが集束される。

「ギロチン……バースト!」

目も眩むような光の奔流がミサイルを呑み込んだ。

『いきなりGNバスターライフル使って良いの?』

「大丈夫、ストック分の1%も使ってねぇよ」

『あっそ』

そして俺は迫り来るミサイルを全て撃ち落とすべくISを駈り続けた。

時に黒炉の魔剣で時にGNバスターライフルで。

既に数百を落としただろうか?

『ますたー、戦域から離れたコース来たよ』

打ち合わせ通りだ。

俺はライフルを量子化して次なる得物を取り出す。

それは立方体に細長い長方形を着けたような形状だった。

ガチャン!

と立方体をした機関部の後方とサイドアーマーのアタッチメントプラグが接続された。

そしてホロウィンドウにレティクルが表示された。

そこにはレティクルの他に赤い線が有った。

「橙、この角度でいいか?」

『右に30』

「ここ?」

『うん』

俺はその武装をアクティブモードに移行させた。

バチバチバチバチバチ!

機関部後方のパーツが回転を始めた。

砲身に三重の魔法円が現れる。

「主機直結型超電磁砲verGNDwithCAD…
試し撃ちすらしてないが…まぁいいか」

これはオルフェンズのダインスレイヴを参考にしたレールガンだ。

流石に本家ダインスレイヴみたいに長いレアアロイなんて装填しない、普通より少し大きい位のEカーボンの弾丸だ。

何故エイハヴ・リアクターではなくGNドライヴを使うかと言うと、この疑似ダインスレイヴが思い付きで乗せた物だからだ。

エイハヴ・リアクターで出来るならGNドライヴで出来ねぇかな?ってだけだ。

利点はGN粒子の効果によって弾丸の重さを二倍もしくは半分に出来ることだ。

更に魔法により様々なアシストができる。

考えていると砲身が紫電を纏いだした。

紫電が迸る砲身とホロウィンドウの充填率を見つめる。

<ENERGY FULL CHARGE>

ホロウィンドウに映った文字を見てトリガーを引いた。

音速の十数倍の弾丸が一直線に飛び出した。

そして弾丸の先に吸い込まれるようにミサイルが飛来し、撃ち抜かれた。

Eカーボンの弾丸はミサイルを突き破っても飛び続けた。

「おいおい…何処まで飛ぶんだよ…うん、ダインスレイヴは封印だな…威力が有りすぎるな…」

結局Eカーボンの弾丸はそのまま飛んで言って衛星軌道に乗った……

「ありえねー…」

『事実でしょ、しかも魔法でブースト掛けたんだからこうなるよ』

それもそうか、CADは無しでいいか…

『いっくん、そっちはどう?』

「え~っと…カウントは…二千超えてるね」

ホロウィンドウの撃墜スコアは2254を示していた。

「姉さんの方は?」

『ちーちゃんは後少しで1000かな?』

「で、各軍の動きは?」

『米、露、中、韓に加えて自衛隊とオセアニア各国も出て来てるよ』

「到着までは?」

『空自が五分、韓国が七分、その後は逐次かな』

「俺と姉さんどっちに来てる?」

『ポジション的にはいっくんの方が多く来るよ』

「了解」

俺は大陸側に向けていた体を反転させた。

「視えた」

こちらに近づく数機の機体。

『貴機は現在日本国領空を侵犯している。即刻領空外へ退去せよ。
退去しなければ実力行使を行う』

ま、自国内でドンパチされちゃ敵わんか…

だが、これはISの御披露目だ。

「怨みは無いけど…斬らせて貰う」

俺はスラスターを全開にして空自の戦闘機に向かう。

戦闘機がどんどん迫って来る、相対速度なので本来の数倍で迫り来る戦闘機。

数百メートルを切った。

黒炉の魔剣とビームサーベルを構え…

戦闘機の主翼を溶断した。

すぐさまパイロットはベイルアウトした。

即座に反転し残りを追う。

コンバットマニューバで振り切ろうとしているが、無駄だ。

「GN粒子、PIC、慣性制御魔法を使ってるんだ…
コンバットマニューバで振りきれるかよ…」

インビンジブル…キャスト。

魔法で姿を消す。

空自の機体は俺を探しているがGN粒子でレーダーは無効化されている。

その上視覚的にも発見不可能。

今は編隊の上空百メートルに着けている。

「橙、ブレードビットいける?」

ブレードビットとか言ってるけどぶっちゃけ大きめのファングだ。

『問題無いよ』

腰背部にビットコンテナを量子展開する。

「いけ!ビット!」

コンテナからビットが飛び出す。

「悪いけどデモンストレーションと試作装備の実験に付き合ってくれ」

俺は眼下を飛ぶ機体にビットを向かわせる。

ビットが戦闘機を切り裂く。

きっとパイロットは何をされたか理解出来ずにいるだろう。

そして一機を残して全て撃墜した。

無論、パイロットが安全にベイルアウト出来るようにバイタルパートは狙っていない。

残った一機、俺インビンジブルを解きキャノピーの真横に着けた。

そして機体の前に出る。

反転してコックピットの中を覗く。

パイロットと目があったような気がした。

そして。

ズガガガガガガガガガガガガ!!

頭部GNバルカンで機体を蜂の巣にして離脱した。

パイロットが全員無事なのを確認して、韓国軍の機体のいる方へ向く。

「It’s show time !」

某殺人鬼の口癖を口にしながら韓国軍機と後続機へ向かった。



















数時間後、日本海は文字通り火の海と化していた。

「束さん…スコア」

『空母四、巡洋艦十六、戦闘機数百。
ちーちゃんのも含めたら倍近くなるよ』

「日の出は?」

『もうすぐだよ』

「エクストラ・フェイズは?」

『多分、無いね』

エクストラ・フェイズ…核ミサイル阻止フェイズだ。

「そっか、なら帰投していい?」

『うん、かまわな………あ、あぁ…はぁ…』

なーんか凄く嫌そうなため息が聞こえたぞ?

「どうしたの?」

『いやぁ…その…』

『フラグ回収乙』

え?それってつまり…

「おい、橙、マジか?」

『マジだよ、ますたー』

マジかエクストラ・フェイズ開始かよ…

「束さん、アレ使いますよ」

『はぁ…わかったよ…ったくあの国はろくな事しないんだから…今度滅ぼそうかな…』

「やめたげてよぉ…」

貴女が本気になったらガチで世界征服できるんだからさ…

『じゃぁ…コードTHE GULTTINY!』

束さんのコールと共に一枚のホロウィンドウが展開した。

<LOCKED.PLEASE MASTER'S PSYON.>

俺は機体にサイオンを流した。

<UNLOCKED.>

ロック解除の文字が表示され、量子格納庫の封印が一つ解かれた。

「侵食弾頭弾!展開!」

腰背部のコネクターからアームが展開した。

その先にはミサイルポッドがあった。

「橙!弾道予測寄越せ!」

『わかった』

ホロウィンドウに二筋の赤い線が有った。

「どういう事だ?何故弾道予測が二本ある?」

『それはターゲット候補が2つだからだよ、東京と…今いっくんがいる所』

クソッ!なら弾道が別れる前に落とさないと面倒だ…

あっちには姉さんがいるがナイト・オブ・トレイターとちがい白騎士には侵食弾頭弾は搭載されていない…

「束さん!弾道設定とバックアップ頼みます!」

『はいはーい!わかったよいっくん』

「侵食弾頭弾!発射ぁ!」

ドシュドシュドシュドシュ!

と数発のミサイルが発射された。

それは弾道予測線を遡って行った。

『いっくん!奴等ここで核を全部使う気だよ!核ミサイル更に三十三!』

嘘だろう!

「奴等の核は十発以下じゃないのかよ!」

何処に隠していやがった!ええい!しょうがない!

「束さん!トレイター浮上させて!」

『わかってるよ!急速浮上!』

ナイト・オブ・トレイターの侵食弾頭弾の残弾は四十発。

十分に見えるかもしれないが数発纏めて撃たないと当たらないかもしれないから足りない。

『トレイター浮上!』

後方に浮上したトレイターが視えた。

『コード!カーニバル!全門勢射!』

トレイターから数十発の侵食弾頭弾が放たれた。

それに続いて俺も勢射した。

やがて、核ミサイルに夥しい数のミサイルが群がった。

着弾と同時に暗い闇が生じた。

ベキ…ベキ…バキッ…バキン…

その闇は空間を食い荒らして行った。

やがて…

バシュゥン!

と闇が消えた。

そこには何もなかった…

『いっくん、全弾消滅。放射性物質も全部ね』

「そう…わかった…エクストラ・フェイズ及びファイナル・フェイズ終了。帰投する」

俺は浮上しているトレイターの元へ向かった。

トレイターの上空には姉さんが居た。

「一夏、早く戻ろう。束が待ってる」

俺と姉さんはトレイターの甲板に降り立った。

『いっくん、ちーちゃん、お疲れ様。さぁ、私達の家に帰ろうよ』

「わかったよ」

「ああ、そうだな」

東から、日が登っていた。

「ああ、綺麗だ。人を照す太陽はこんなにも綺麗なのに、人は醜い…」


白騎士事件

<空母八隻、巡洋艦二十七隻、戦闘機二百九十七機、ミサイル三千七百四十八以上、核ミサイル三十四(未確定)>

ISが究極の兵器として、世界中に知られる事となった一夜だった。 
 

 
後書き
この話を書いた当時は某国に関しては今ほど緊迫していなかったと、誤字訂正をしていて思いました。 
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