| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新訳紅桜篇

作者:Gabriella
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

13 成長ホルモンは、夜10時から午前2時まで。

_「先輩ィ。とりあえず総督に連絡を入れておきますね。
  着いたら連絡するように、と言われていたので。」

 そう、このホテルは鬼兵隊の経費で落ちるのだ。



 ショートメールを送り終わるのを見計らったかのように、似蔵が口を開いた。

_「お前さん、演技がとても上手だねぇ~。
  学校かどこかで、学んだのかぃ?」

_「いいえ。我流です。今までに出会ってきた人々全てから、心理学を駆使して、身に着けました。」

_「そうかぃ。あと、1つ疑問なんだがねェ~、
  さっき私につけた仮面のようなものは、いったい何だったんだぃ?」

_「あぁ~、アレですか。説明いたしますよ。
  あれは、別人に変装するための仮面ですよ。それは特殊な繊維でできているので、うまくつければ、
  まるで別人になりすますことができます。

  今回は、人のいい50代くらいの男性の仮面でした。」

 あ、外しますね、と断ってソレを外す。


_「お前さん、すごい技を持ったもんだねぇ~。
  敵なしだよ、全く。」

_「ええ。とっても便利な技なので、よく使っております。
  ところで、私も1つ確認しておきたいことがございますが、尋ねてもよろしいでしょうか?」

_「なんです?」

_「あの…今日の昼間、先輩を探しているときに通りすがった真選組隊士たちから聞いた、
  最近巷ではやっている人斬り、というのは…もしかして、先輩のことですか?」

_「…あぁ。多分そうだねぇ~。
  最近おニューの刀をもらった、って言ってただろう?」

_「もしや、紅桜のことですか?」

_「おぉ~、そうさ。頭がいいねぇ~アンナは。
  さっそく使っていたくなっちまってねぇ~、

  つい桂小太郎殿を手にかけてしまった。
  だが、これを言えば、おそらく高杉(あのかた)にこっぴどく叱られるだろうねぇ~。」


 …だからって、ヅラを…。


_「そうなのですか…。大変ですね、先輩も。
  あ、あと明日はお互いに、8時ごろに起きて身支度をいたしましょう?

  明日早くには、私はまた真選組に潜入せねばなりませんので。とりあえず起きて支度が済んだら、
  また仮面をつけてくださいね。」

_「承知した。」

_「あと、先輩の明日のスケジュールで、私がサポートしたほうがよいことは、ありますか?
  ちなみに、私は明後日の夜には鬼兵隊に戻るスケジュールですが…。」

_「…いや、明日は特にないねぇ~。
  あと、私は明日の夜には船に戻る計画だから、大丈夫だよ。」

_「了解です。では明日、私がチェックアウトを済ませておくので、先輩は朝ごはんを食べ次第、
  そのままホテルを出てください。」

_「分かった。では、そうしよう。
  おやすみ、アンナ。」

_「おやすみなさい、似蔵先輩ィ。」


 お互い身支度を済ませてから、床に就いた。
  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧