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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)

作者:あちゃ
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第十二話:幼稚な大人。

 
前書き
あけましておめでとうございます。
本年もリュカ伝を御贔屓ください。

そんなワケで、新年最初のリュカ伝です。
おせちに飽きたらラングストン!
そうですよラングストンSIDEですよ。 

 
(リーザス村)
ラングストンSIDE

ウルフ殿の指示により一足先に村へ戻った私とリュリュさん。
ポルク君の計らいにより、一晩無料(ただ)で宿を確保出来たのだが、リュリュさんの愚痴が止まらない。勿論、我等が尊敬する偉大な宰相閣下への愚痴である。

基本的な内容は何時も通りウルフ殿の生意気さ加減に対してだが、今回は無駄に塔まで行かされた事と、来るはずも無い盗賊への村襲撃へ対応要員にされた事だ。
ウルフ殿達と別れる直前はポルク君の身の安全の事が有ったので、村へ帰らされる事への不満は直ぐに湧いてこなかったみたいなのだが、いざ村へ戻り待機していると、この無意味さを痛感したらしく、指示を出したウルフ殿への愚痴が止まらなくなっている。

私は裏事情を聞いてしまってるから、ウルフ殿が何を考えて我々を村へ戻したのか解っている。
リュリュさんを戦わせない為……それに尽きる。
だからワザとポルク君を塔まで連れて行き、出入り口の開け方を教えて貰ったら、身の安全の為と言い訳を付けてリュリュさんを戦闘から遠ざけた。

慌てた素振り(実際、多少は慌ててたかもしれない)も、あの場でリュリュさんに考える時間を与えない為だったのだろう。
言っては何だが、リュリュさんは思考速度が余り速くない。
トロいとまでは言わないが、急かされた状況では与えられた選択肢以外を思い付かない傾向があるのだ。

ウルフ殿とは真逆……
彼は即座に複数の状況をシミュレートし、その中から最善と思われる選択肢をチョイスする。
私の見立てではリュカ様よりも頭の回転は速いのでは無いだろうか?

だが……未だ短いが共に行動をして気付いた事もある。
それはウルフ殿の恋愛に関する未熟さだ。
言ってしまえば、彼は恋愛に関して幼稚なのだ。

彼も言っていたが、本当にリュリュさんの事は好きなんだろう。
まぁ仕事面で面倒事を引き起こしているから、本気で文句を言っている事も有るだろうが、好きだからリュリュさんを弄りたくなるんだと思う。
子供が好きな異性を苛めてしまうのと同じ……

そして、ある意味リュリュさんも恋愛感に関しては幼稚なのかもしれない。
好きなのに苛めてしまうウルフ殿の対応に、本気で嫌いになっている幼稚さ……
まぁ彼女の場合は、とある変態性も相俟って拗れてるんだろうが。

私もリュリュさんの事を本気で愛しているので、認めたくは無いですが……お二人が精神的に大人になれば凄くお似合いなカップルになるかもしれません。
なので、この事を指摘して精神的成長を促すつもりは微塵もありません!

もしかしたら、マリーちゃんが先に惚れてなければ、リュカ様はウルフ殿の精神成長を促し、リュリュさんと付き合わさせてたかもしれませんね。
グッジョブですマリーちゃん。

そんな事を考えながらリュリュさんの愚痴を聞き流していると、アハト殿が戻ってきました。
ヤンガス殿も勿論一緒で、村の外にはお姫様とトロデ殿も待機してるのでしょう。
ですがウルフ殿と、助けに行った目的のゼシカ嬢が見当たりません。
如何なっているのか聞こうとアハト殿に視線を向けると、ここまでの経緯を語り出してくれました。

アハト殿の説明によると、ゼシカ嬢の兄を殺めたのは盗賊なのではなく、我々が追っているドルマゲスとやらの所行であるとの事。
ウルフ殿が戻ってこない理由は、塔で兄の死に悲しんでいるゼシカ嬢を励ます為、見た目がチャラいウルフ殿が彼女に聞こえる様に『口説く』と言い、一人で帰宅させるのを防ぐ為だとか……

因みに、ウルフ殿の姿が見えない事に最初リュリュさんは『ウルポン死んだ?』と嬉しそうに訪ね、帰ってこない理由を聞くと『あいつ、そんな事を言って本当に口説いてるわよ! 今頃ゼシカちゃんは押し倒されてるわね』と唾を吐き捨てる様に言い放ちました。

やれやれですよね……
彼はリュカ様の愛弟子。
女性を押し倒す事は絶対に有り得ませんし、現状で本当に口説く事はヘタレ具合から有りません。普段からメイド等を口説いているのは、リュカ様の弟子である事を周囲にアピールする為ですし、彼の性格上……女性を口説く事は本心から出来ないのです。

その証拠に、マリーちゃんもリューノさんも、彼女の方から言い寄ったのであって、ウルフ殿は女性からのアプローチにヘタレ加減が勝って流されてしまっただけなんですよね。
多分、今口説いてる(様に見せてる)キャバ嬢も、本気で口説くつもりは無く、“リュカ様の弟子だから女癖が悪いですよ”アピールだと思います。

付き合ってしまったマリーちゃんとリューノさんは別として、彼から本気で愛してると伝える事は、恋愛偏差値が幼稚すぎて出来ないはずです。
それを証拠にメイド等を口説く時は、見るからにウルフ殿を嫌ってる(もしくはリュカ様に対する好意が強い)相手しか、口説いてませんでした。

顔も良いしリュカ様から教えを受けているフェミニスト精神もありますから、メイドや女性軍人などの中には、ウルフ殿への好意を抱いてる方も居るのですが、そう言う方々に対しては、師匠直伝の察知能力を発揮させ、絶対に口説いたりせず紳士的に接しているのを私は知っています。

あぁ……
ウルフ殿がゼシカ嬢と一緒に居る事を聞いたリュリュさんから彼への愚痴が再燃し、慣れないアハト殿とヤンガス殿の顔から辟易とした表情を感じます。
宿屋の厨房を借りて、何か甘い物でも作ってあげた方が良いかもしれませんね。





リュリュさんの気を逸らす為、宿屋の厨房をお借りして特製フルーツジュースを作っていると、ウルフ殿が戻ってきました。
それまで絶えずウルポンバッシングをしていたリュリュさんも、流石に彼への愚痴を止め、ゼシカ嬢の無事を確認します。

「あぁ……あの嬢ちゃんなら、屋敷へと帰っていったよ」
嘘ではないでしょう……嘘吐く意味も無いですからね。
ですがリュリュさんは、

「本当ですかぁ? 押し倒して、道端に捨ててきたんじゃないですかぁ?」
リュカ様の弟子である事を必要以上にアピールするウルフ殿に、その行為は絶対に無いでしょう。嫌味を言うにしても、もう少し考えた方が良いですよリュリュさん……反撃の方が恐ろしいですから。

「あはは……リュリュさんらしい貧相な思考だな。きっとリュカさんが聞いたら唾を吐き捨てて貴女を見下すでしょうね(笑) 本当に父親に惚れてるのなら、その思考回路を是正した方が良いですよ。まぁもう手遅れでしょうけどね」

ほら……手酷く返された。
言われたリュリュさんは頬を膨らませて割り当てられた部屋へと退散してしまいました。
こりゃぁフルーツジュースじゃ無く、アルコールの強いカクテルにした方が良いかもしれませんね。

「あれ? ラング……何持ってるの? 美味しそうだね……ちょうだい」
私の持つフルーツジュースに目を付けたウルフ殿は、爽やかな笑顔のまま譲渡を要求してくる。
「リュリュさんの為に作ったので嫌です」
まぁ私も素直に拒絶します。

「また作れば良いじゃん。それに今アイツが欲しがってるのは酒だと思うし……その甘そうなジュースは俺にくれよ」
全くその通りだと思いますし、強めのカクテルを作り直して持って行こうと考えていたからウルフ殿に渡しても問題無いのですが……

「まるでウルフ殿の為に作ったみたいになるので絶対に嫌です」
「ふむ……なるほど。拒絶の理由に納得出来る」
本来なら凄く失礼な事を言っているのですが、ウルフ殿は怒った風も無く納得。
そのまま自分に割り当てられた部屋へと行ってしまった。

「ちょっと大人げないですね……リュリュさんもラングストンさんも」
遣り取りを見ていたアハト殿から、素直な指摘。
「そうですね……少し反省しております」
流石に大人げないと感じた私は、素直に反省します。

とは言え、今更フルーツジュースをウルフ殿に届ける気も起きませんので、左手を腰に当てて出来立てフルーツジュースを一気飲み。
飲み終え視線をアハト殿に戻すと予想通りの呆れ顔。

「さて……カクテルを作ってリュリュさんに持って行きましょうかね」
呆れ顔に気付かないフリで私は再度厨房へと戻る。
料金を先に支払い、持てるだけの酒を手にし、リュリュさんの部屋へと向かう。

(コンコン)
静かにノックをすると、
「ウルポン以外でしたらどうぞ」
と返答有り。

「ウルポン以外ですので失礼します」
私である事をアピールして入室。
部屋ではベッドに腰掛けたリュリュさんが……未だ膨れっ面してます。

「酒を持ってきました……一緒に飲みませんか?」
「……飲むぅ」
流石に酒如きで機嫌を直さないリュリュさん……でも飲む意思は伝えてきました。

今夜は徹夜ですかねぇ……

ラングストンSIDE END



 
 

 
後書き
まだ抗がん剤が残ってる為、
今回は短めになってしまいました。
でも元日更新をしたかったので、
頑張ったんです。
内容は据え置きですけどね。 
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