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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第四十一話 疾風ゲット!


前回鬱気味な話でした、不快感を与え申し訳ありません。

今回はエヴァンゼリン事件の後日談です
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第四十一話 疾風ゲット!

帝国暦479年1月3日

■オーディン ノイエ・サンスーシ  小部屋  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム 

 ケスラーから連絡が有って2時間後、ケスラーが秘密通路から現れました。
爺様がケスラーに労いの言葉を懸けます。
「ケスラーご苦労じゃな」
「ありとうございます」

「ケスラーして首尾はどうじゃ」
「はっミッターマイヤー家の皆は落ち着いてくれました、
相当思い詰めた様子でしたので、
最悪の場合亡命或いは一家心中もあり得たかも知れません」

うわ最悪あの疾風ウォルフを其処まで追い詰めるなんて、
エヴァちゃん死んじゃったらどうするつもりじゃ!!
超ムカムカ更にしてきたぞ!!
木っ端役人め絶対許さんぞ!!!!

「それは気の毒な事をしたものよ」
「真許せませぬな」
「許せないです!」

「ケスラー此からの事じゃが、あの文だけでは安心せんじゃろう」
「御意、ミッターマイヤー候補生には近いうちに責任者と会わせると伝えておきましたので、
そこで話をすれば安心すると存じます」

みんな頷くね、けど責任者って誰になるんだろう、
事件の責任者なら宮内尚書のノイケルンだけど、
部隊の責任者は爺様かケスラーだけど誰が会うんだろう?

「ほーでは予が会うとするか」
お父様其れは余りに凄すぎるのではありませんか、
ケスラーが絶句してますよ。
爺様は涼しい顔ですけど、
私も驚いてますよ。

「陛下お戯れが過ぎます」
「忍びで会えば良かろう」
「儂が会いましょう」
 
「ふむグリンメルスよ今回はそちに任せよう」
「判りましたぞ陛下」
「ケスラー早速ミッターマイヤーとの密会準備をいたせ」

「御意」
「お父様、私もミッターマイヤーとの密会に参加したいのですが」
「テレーゼ様それは危険です」

いや此処で父様の代わりに出ればミッターマイヤーの不安を消し去れるだろう。
皇女自らなら信用するはず、打算だが信用して貰えれば此方へ引きずり込み安くなる。
此処は一戦するべし。

「お父様、お願いします此処で私が会えばミッターマイヤーは信頼してくれるでしょう、
今こそ陣頭に身を曝さなければならないのです」
「うむ、其処までしないと駄目か」
「駄目です、お願いします」

「判ったグリンメルス、ケスラー、テレーゼを頼むぞ」
「お任せ下さい絶対にお守りいたします」
「任せて頂きますぞ」

「それでエヴァンゼリンやミッターマイヤー家に対する保護はどうするのですか」
「ミッターマイヤー家に守護を行いエヴァンゼリン嬢にはしばらくの間影を付けます」
「重畳ですね」

「あの役人達は?」
「今回の行為を行った者への監視と共に宮内省の監視も強化いたします」
「お父様宮内省だけでなく内務省も監視しましょう、
此でいずれは膿を出し切りましょう」

「やらねばならんな」
「グリンメルス、ケスラー頼むぞ」
「御意」
「陛下わかりましたぞ」

■オーディン ノイエ・サンスーシ  小部屋      フリードリヒ4世

 ケスラーからの話を聞き儂も些か感に障ったわ、
役人共の独善は儂のせいじゃ、
此処は儂自らその者に非礼を詫びねばならんと言ったのじゃが、
反対されてしもうた、

致し方ないグリンメルスに任せようと思うたら、
テレーゼが自ら会いに行くと言ってくれた、
心配じゃったし単なる好奇心だと思ったが、

話を聞くと納得する話じゃった。
此処まで成長したかと嬉しく思うた。
頑張るのじゃテレーゼ。

■オーディン ノイエ・サンスーシ  小部屋    ウルリッヒ・ケスラー

 ミッターマイヤー家の保護を命令し帰還し陛下の元へ参内した。
細評を伝えたあと、グリンメルスハウゼン閣下に出て貰うつもりで、
責任者との会談を行うと伝えたところ、
陛下自らお会いすると仰ったので驚いてしまった。

結局其れはやり過ぎである諦めて貰ったが、
こんどはテレーゼ様が会談に参加すると仰った、
遊びではないのだが、話を聞くとなるほどと思い、
陛下自ら了解をしたため、安全を第一に考え会談をセットすることにした。


帝国暦479年1月4日

■オーディン ライニッケンドルフ地区    ウォルフガング・ミッターマイヤー 
 
 昨日は悲喜交々の一日だった、けど今は幸せだ未だ多少の不安はあるが。
隣にはエヴァが寝ている。可愛い寝顔で寝息をたてている。
俺はエヴァの寝顔を見ながら益々守り抜くと力強く心に決めた、

エヴァを守る為なら何でもしようそう思う。
エヴァが起きたようだ。
「エヴァおはよう」
「ウォルフさまおはようございます」

にこやかに挨拶してくるエヴァ、そのまま抱き寄せキスをする。
幸せを感じる瞬間だ。
時計を見ると既に午前10時を廻っている、
寝過ぎだなしかしエヴァと一緒だったから寝坊も幸せだ。

身支度をしてリビングへ降りると親父とお袋がニコニコしながらてか親父ニヤニヤするなよ。
迎えてくれた、エヴァも俺も真っ赤になってしまった。
親父が先ほど昨日の少壮の弁護士風の男から連絡有り此処へ連絡してくれてと電話番号を渡された。

早速連絡すると、昨日の男が出て挨拶をした。
俺も挨拶した、男は今日責任者と会わせるが用事があるかと聞いてくる。
此処で会っておかねばなるまい、エヴァと家族の安全な生活の為だ、
俺は受諾と言い、向こうからは15時に迎えが来ると伝えられた。

15時丁度家の前に地上車が到着した、昨日来た女性士官服を着て降りてきた、
玄関で挨拶し1人で行こうとしたが、エヴァが離れたくない一緒に行くと泣いてきた、
万が一の時にエヴァを連れて行けないと言うが嫌ですと言う、

女性士官が困った顔をしながら、『仕方有りませんがご同行を許可します』と言い
エヴァの同行を認めてくれた。
親父とお袋が門まで来て送ってくれた。

自宅から1時間ほどで立派な屋敷に着いた、
立派な門から車は入り見事な庭を進むと車止めに車が到着した。
玄関には少壮の弁護士風の男が待っていた。

彼は俺に挨拶し中へ招かれた、彼がこの館の主人なのだろうか?
エヴァは俺の腕を握って離さないで一緒に歩く。
広い屋敷だ俺の家が何百軒はいるだろうか、

廊下の突き当たりに重厚なドアがありそのドアが音もなく開く、
その部屋へ入ると非常に広い部屋だった長いテーブルの向こう側に、
1人の老人と少女が見えるエヴァより遙かに年下の少女だ、
少女を見た事で俺もエヴァも緊張感が無くなっていった。

老人が挨拶してくる。
『この度はミッターマイヤー家には大変なご迷惑をおかけしました、
私は当家の主人子爵リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン
と申します』

驚いた、貴族様が俺達に謝っている、俺もエヴァもあっけにとられている。
俺は慌てて、「いえどういたしまして」へんな返事をしてしまった。
少壮の弁護士風の男が此方へどうぞ言い俺たちを案内した。

老人と少女の前に座り、話が始まった。
今回も行為は宮内省の一部が勝手に行った事、
陛下が俺たちに対して申し訳ないとのこと、
俺たちの安全は完全に守られる事、
 
俺は驚いてしまう、皇帝陛下が一平民の俺に其れだけのお心遣いをしていただける、
エヴァも同じ考えなのだろう、感動しているようだ。
少女は一々頷きながら俺たちを優しい目で見ている、
何処かで見た気がするが気のせいであろうか?

子爵は若い頃皇帝陛下の侍従武官だったそうで、
今でも現役の中将だとのこと、
少壮の弁護士風の男はウルリッヒ・ケスラー少佐だと名乗ってくれた。

緊張する俺たちに対して少女がにこやかに笑いながら、
『私はテレーゼて言います、ウォルフガングさんエヴァンゼリンさん宜しくね』
と挨拶してきた。

お孫さんだろうか?俺たちもご挨拶をした。
横でケスラー少佐とグリンメルスハウゼン子爵が苦笑いしている、
いったい何なのだろう?

中将が『テレーゼ様そろそろお話をした方が宜しかろうと存じます』
と丁寧に話し始めた。
テレーゼ??んまさか、士官学校のシーンを思い出す、一年前だが面影がある。
しかしこんな所に来るのか?
困惑する俺をみてエヴァが不思議そうな顔をする。

「そうねミッターマイヤー候補生、直接会うのは初めてですね、
士官学校では教室でお会いしたはずです」
やはりそうだ、テレーゼ様皇帝陛下の皇女様だ!!
テレーゼ様はにこりとして。

『思い出してくださいましたね、
わたくし銀河帝国皇帝フリードリヒ4世第三皇女テレーゼ・フォン・ゴールデンバウムと申します』
『この度はエヴァンゼリンさんにご迷惑を掛け済みませんでした』

俺もエヴァも絶句してしまった。
皇女殿下が平民の俺たちの前に居る。
しかも俺たちに謝っている。
2人とも何も言えずに目をパチクリさせる。

確か皇女様は8歳ぐらいにはず、
其れなのにこの受け答えには一言一言重みがある。
『お会いする機会は少ないですが、エヴァンゼリンさんとはお友達になりたいです』
驚いた皇女様がエヴァと友達になりたいなんて、エヴァも驚いている。
 
『是非ミッターマイヤー候補生もお友達になって下さいね』
俺はどう言って良いか言葉がでない。
皇女様はにこやかにお笑いになる。

中将閣下とケスラー少佐を見るとニコニコしている、
つまりは全て任せろと言う事か、
そうこうしていると、エヴァが話し出した。

『皇女殿下私のような者を友達なぞ恐れ多い事です』
『エヴァンゼリンさんはお姉さんみたいだから、
たまに会うだけでも良いからお願い』

ここまで言われたら受けざるを得ないだろう、
それにエヴァを救ってくれた皇帝陛下の皇女様だ、
可愛い方じゃないか、エヴァも笑顔になっていった。

「皇女殿下わたくしウォルフガング・ミッターマイヤーは殿下にお仕えいたします」
エヴァも其れを聞いて、
「皇女殿下わたくしエヴァンゼリン・ミッターマイヤーは殿下にお仕えいたします」

皇女様はえっと言う顔をして、
『ミッターマイヤーさん、エヴァンゼリンさん家臣じゃなくて友達ですよ』と仰った。
『お友達の為にエヴァンゼリンさんとミッターマイヤーさんは守ります、
絶対変な人が来ないようにさせます』と仰っていただいた。

聡明な皇女様だと感動した。
俺達のように只の平民に優しくしてくれて、友達になってくれと仰る。
皇女様の様なお方が真の皇族と言うのだろう。

何処ぞの寵姫のクソ餓鬼とは大違いだ。
あのような成り上がり者と全く大違いだ、エヴァも感動しているようだ。
皇女殿下にお仕えする事が楽しみになってきた。

我が忠誠を捧げるのはテレーゼ皇女殿下しか居ないとこの時、
大神オーディンに誓った。

その後夕食をご馳走になり、エヴァの料理の方が旨いけどね、
皇女殿下からエヴァに銀のペンダントを賜され、
俺には銀時計を賜された、

お友達の印だそうだ。
エヴァ共々大事にしよう。

夕食後、皇女殿下はお帰りになり。
俺達はケスラー少佐に応接室で話を聞いた。
『皇女様は敵に狙われやすいのです、
ですから今日の事は人に言わないで下さい』

なるほどあれだけ聡明なら敵もいるかも知れん、
特に他の寵姫達から狙われるかも知れないと言う訳か。
あのクソ餓鬼の姉なんかは一番怪しそうだ。

あのようにお優しい殿下を害する奴はゆるさん。
「判りましたエヴァンゼリン共々皇女殿下の事は話しません」
エヴァも同じように頷く。

ケスラー少佐から『ミッターマイヤー家にはSPを張り付けてあるので安心してくれ』
其処までしてくれるのか、ありがたい益々皇女殿下への忠誠心が増えていった。
その後エヴァと共に迎えに来てくれた、女性士官に送られ家に帰ってきた。

親父とお袋が心配して門まで迎えに来てくれた。
俺は親父に「もう大丈夫心配ないと言い」
エヴァも「お父様お母様心配懸けましたけど大丈夫です」
と言った。

親父もお袋も最初は心配そうだったが俺達の顔を見て安心してくれた。
皇女殿下の事は言えないので、言って良いと言われた去る子爵が守ってくれたとごまかした。

その夜もエヴァと2人で寝たが昨日のような不安は全くなかった。
エヴァ愛してるよ。


■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーデミュンンデ侯爵邸 テレーゼ・フォンゴールデンバウム

 今日のミッターマイヤーとの会談は成功かな、
誠心誠意の対応したし最後はミッターマイヤーが忠誠を尽くしてくれるなんて、
嬉しすぎる誤算でした。

エヴァちゃんともお友達に成ってもらったし、仲良くしたいですね。
ミッターマイヤーとエヴァちゃんの結婚式は何時だか判らないけど、
お忍びでも参加したいですね。

エヴァちゃんとミッターマイヤーの子供も見たいから、
いずれ産婦人科の大家を紹介しようかな。
量産型エヴァ・・・・なんてねw

そして爺様とケスラーはエヴァちゃんとお家を守るようにSP配置したらしいから安全ですね。
後は宮内省のクソ小役人を何とかしましょう。
ケスラーが何とかしてくれるんでしょうがね。



 
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