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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第三十四話 アンネローゼ怒る


ヤン初登場

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第三十四話 アンネローゼ怒る

帝国暦478年10月30日

■オーディン  ノイエ・サンスーシ 小部屋    テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム 

 同盟から受諾の返事が来てリヒテン爺さん達があたふたしているのを見ながら、
暫くは皆の所へ行ったり遊んだり勉強もしたり。
お母様やお父様と出かけたりしまし。

そしてお父様はお母様はとても仲が良いです、
えーと子供には目の毒ですんで早く寝ました。
お渡りの日を聞いたらお母様4日、他の何人か居る側室2日、アンネローゼ1日だそうです。

そんなこんなで日を待つ事2週間ほどたった、  
一昨日リヒテンラーデ侯から救恤品の準備が出来たとの報告を受けた為、
密かに集まり密談です、参加者は何時ものようにお父様、私、爺様、ケスラーです、
部屋の外や床下屋根裏には爺様の部下が隠れて防衛しており、
部屋自体が戦艦艦橋用の遮蔽装置で音漏れナシです。
科学ってすごいね。

「早かったですよね、もう少しかかるかと思ったのですけど」
「国務尚書達には儂が発破を掛けたからの」
にこやかですね父様。
「陛下あれは傑作でしたな、裏から見ていて可笑しゅうて堪りませんでしたわ」
爺様も笑ってます、真剣なのはケスラーだけだけどケスラーも苦笑いに近いぞ。

「それで中身は大丈夫なんですか?」
「確りとした監視を付けて納品から箱詰めまで監視した後、
帝国財務省の札を貼りたかったのですが、財務尚書があの男では逆に略取されかねない為、
恐れ多い事ながら皇帝陛下御財貨と言う札を貼らせて頂きました」

「ハハハそうじゃな、あの財務尚書ではやりかねん、
ケスラー気にせずとも良い、ようやってくれた」
「ありがたきお言葉」
あのカストロプ公か確かにやりかねないや。

「イゼルローンへの輸送は誰がやるのですか、
なまじ門閥貴族のどら息子とかだと事故とかと称して盗むんじゃ無い?」
「ホッホッ全くその通りですな」

「うむ儂の筆頭侍従武官のケッセリング少将を臨時の輸送指揮官に当てるつもりじゃ」
「ケッセリングならば生真面目ですし確と任務を遂行いたしましょう」
「艦隊には手の者も参加させ、荷物が確り叛徒共に渡るまで監視しいたします」

「TVクルーも乗せないと駄目ですね。
此を帝国全土に流して平民や下級貴族に慈悲深い皇帝陛下というイメージを持たせないと」
「そうじゃの忘れるところであったわ」
危ない危ない。

「それから儂の愚息も参謀長として参加させますの」
へー爺様の息子って普段は領地に引きこもってるんじゃないの。
「ほうマンセルが来るのか、久しぶりじゃな」
「普段は裏方をさせておりますからな、このような時こそ役にたちましょう」
なるほどね裏の仕事か流石だね。

「ケッセリング少将だと作戦に問題が有る可能性があります」
「ではケスラー如何致す」
「参謀に全体を見下ろせる者を付ける事でございます」
「ふむ誰か心当たりでも居るのか」

「はっ小官が4年の時ルームメイトだった2期下の、
エルネスト・メックリンガーという者で有れば役に立つかと」
えーーー芸術家来たー!
「してその者は今何処に居るのじゃ」
「統帥本部作戦課に配属されております」
「ではシュタインホフとエーレンベルクに連絡し艦隊へ配属させよう」
「御意」
メックリンガーがゲットできるチャンスかな、
けど取りあえずケスラーの知り合いならいずれ引っ張れるでしょう、それよりは門閥貴族だね。

「所でブラウンシュバイツ公とかの門閥貴族の方々に正式に発表するのは叙勲式で良いのですよね?
噂が流れて混乱は無いのでしょうか?」
「テレーゼ様其処はお任せ下さい。噂とは少しの真実に多くの嘘を混じらせれば必然的に霞む物でございます」
「なるほど、ケスラーに任せておけば心配ない訳ですね」
「そういうことじゃの」

「品物は既に輸送艦に積み込みを終了しておりますので、明日出立いたします。」
「海賊や海賊に扮した者達への対処は如何ですか?」
「千隻の護衛艦隊を用意いたしました」

「なるほどね、イゼルローンまで40日ですね、
着くのは12月10日ぐらい其処からエル・ファシルまで4日と言うところですね」
「そうでございます、受け渡しは不慮の事故等を考えまして12月20日前後を予定しております」

そうするとユリアンが16日でイゼルローンハイネセン間を移動しているから同じぐらいだとして、
1月10日前後にハイネセンに届くか、何処かで中を調べて10日ぐらいはよけにかかるとしたら。
エコニアには10日ぐらいでギリギリ1月中には届くな。

「楽しみですね俘虜の皆が喜ぶでしょうね」
「そうですな」
「そうじゃの」


帝国暦478年11月1日

■オーディン 宇宙艦隊第2宇宙港    レオポルド・フォン・ケッセリング

 皇帝陛下から絶大の信頼を受けて小官は今日宇宙へと旅発つ。
叛徒共に囚われいる同胞の為に陛下自ら救恤品を下賜なさるとは、
なんと陛下はお優しいのであろう、その輸送の任に小官を抜擢して頂くとは一生の譽だ。

陛下自ら小官に対して『ケッセリング、卿に叛徒に囚われている者達への救恤品を届ける指揮官を任せる』とお言葉を頂いたのだ。
我がケッセリング家末代までの譽だ。

陛下のご心配もお聞きし絶対に海賊達から守り抜こうと肝に決めた。
小官の参謀長には陛下の嘗ての侍従武官グリンメルスハウゼン子爵令息のマンセル・フォン・グリンメルスハウゼン准将だ。
彼は荷物のお目付役らしいので。
本来の作戦を立てるのは、若干24歳なれど小官よりよほど出来の良い大尉である。
 
数日前彼に会い話を聞いて自分より遙かに優れた人物で有ると知って、
全般的な作戦指揮を任せる気になった。

晴れの舞台だ皇帝陛下と皇女殿下臨御の中の出立とは、まさに末代までの譽だ。
皇帝陛下必ず送り届けます。

■オーディン 宇宙艦隊第2宇宙港    テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 ケッセリング少将の艦隊を見送りながら、寒さに震えて耐えてます。
此で種は蒔きました、後はどう育つか楽しみですね。


帝国暦478年11月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ グリューネワルト伯爵夫人邸   
                アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
 今日弟とジークがやってくる、
皇帝陛下の思し召しで年4回だった面会日が年12回に増えてとても嬉しいわ、
陛下が私たち姉弟をよく思っていてくれるのはありがたい事です。

けれど今日はラインハルトに一言言わなければ成りません、
陛下のお陰で放校処分だけは撤回して頂いたそうですので、
此から暴力を振るわない様にきつく叱らなければいけません。

ジークはラインハルトに迷惑しているのでは無いでしょうか、
あの子は優しい子ですから、巻き込まれているのではないのかと。
ラインハルトとジークが来たようですね。

「姉上」
「アンネローゼ様」
無邪気に来ていますが、今日はお説教です。

「ラインハルト貴方は学校で暴力ばかり起こしているそうですね!」
「姉上いきなりなんですか」
「アンネローゼ様ラインハルト様はアンネローゼ様の為に」
「ジーク今は黙りなさい」
「姉上??」

「私があなた達が学校で孤立し暴力沙汰ばかりで、
放校処分寸前だと聞いてどれだけ悲しんだか判りますか!」
「しかし奴ら姉上の悪口を」
「お黙りなさい!」
「悪口を言われたからと暴力振るう人がいますか、
私は貴方をそんな子に育てた覚えはないです」

「良いですかラインハルト此からは暴力は止めなさい、
そうしないと今度こそ放校処分になってしまいますよ」
「姉上」
「今回の事も皇帝陛下が事態の打開を図ってくださらなければ、放校処分だったのですよ」
「・・・・・・」

「貴方が虐められる原因が爵位がないと言う事だからと、
陛下が貴方に男爵を授けてくれるのですよ」
「・・・・・」
「ラインハルト様が男爵に」
「姉上」
「ジークもラインハルトに迷惑しているのなら教えてね」
「アンネローゼ様その様な事は御座いません」

「じゃあこの話はおしまいね、シュホンケーキを焼いてあるから食べましょう」
「姉上」
「はいアンネローゼ様」


宇宙暦787年11月1日

■自由惑星同盟ハイネセン    統合作戦本部記録統計室   ヤン・ウェンリー

 古い資料を読みながらのシロン産紅茶は格別だね。
この所同盟は捕虜の帰還話で持ちきりだ、数週間前まで第四次イゼルローン攻略の失敗で騒がしかったのに今は帰還話だ。
100万人が帰ってくる、この時期になぜいきなり帰すのか、スパイでも送り込むのだろうか。
或いは不満分子にクーデターを起こさせるとか、まあ考えすぎか。
紅茶が無くなったな煎れてこよう。

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今回はメックリンガー登場が強引すぎた。
 
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