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Blue Sea 『空と海の境界線』

作者:03-Moonlight
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Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
取り戻す為に
  Mission21「新たな作戦指令」

 
前書き
平和 

 
 どう考えてもピリピリしているような気がしてならないところで、一人物見事に立って寝ていたが。いや、寧ろピリピリを一切感じないウィッチが一人。他の四人の中に瑞鶴が居るのも異質に思うが。



「……で、なぜ余裕で寝れる」
「それ、本人に聞いてよ」
 俺の問いに高身長で髪が長く同時に胸部装甲が大きいウィッチは答える。


 これ、どういう環境だよ。と内心突っ込む。吹雪も内心どういう状況かわからなくて固まっているようだ。

「お茶を飲みながらの方が居心地がいいか」
「最初にそれ考えてくださいよ」

 そんな提案したら吹雪が最初からそうしてください的なことを言ってさっさとキッチンの方へ消えてった。なお寝ていたウィッチは瑞鶴によってすぐ叩き起こされた。






「初めましてか。堅苦しくしていてすまなかったな」
「いや、いきなり着陸した私たちも悪かった」
 冒頭から謝罪が飛ぶ。テンプレートパターンにしか見えない。

「先に自己紹介だな。私はシャーロット・E・イェーガー。シャーリーと呼んでしまって構わない。」
「私はフランチェスカ・ルッキーニ!ルッキーニって呼んでね!」
 さっきの胸部装甲が大きいウィッチ――――――シャーリーとその横にいたツインテールのおてんば娘ルッキーニ。んで、その横にいるのが……ってまた寝てた。

「あ、この方はエーリカ・ハルトマンっといって、私はリネット・ビショップです。私のことはリーネって呼んでくださいね」
 寝ていたウィッチことハルトマンの横にいたリーネが自己紹介をする。リーネも胸部装甲が大きいように見えるが、気のせいだろうか。

「…………私は?」
 瑞鶴が何故か尋ねてくる。いや、お前はあまり関係ないだろうと思ってしまったが……。

 皆謎のスルーでカットした。っていうか、さっきまで一緒にいたんだからわかるだろうが……。


「さて……若干話を聞きたい。瑞鶴がストライカーユニットを起動させたのは本当か?」
「それは私が見たさ。ルッキーニと一緒にな」
 最初の議題である瑞鶴のストライカーユニット起動。それに関してはシャーリーが目の前で見ていたから、すぐには解決したものの、なぜ警報が作動しなかったのかは不明らしい。

「次に、そちら側が今何を考えてるか」
 次の議題である、彼女ら5人(といっても瑞鶴はそもそもこっち側の所属だが)の今後の事とか、今考えてることを聞いてみる。

「あー、501のみんなと合流できるかどうか。それだけだな」
 これもシャーリーがほぼ代弁して答えるが、知識が故どういう事か答えられない。
「つまり、サンド島鎮守府への合流を望む、という事か?」
「501のみんなが居るなら、だけどな」

 結局のところはサンド島鎮守府への合流をする、それだけの模様だ。瑞鶴だけは除くが。

 いや、それよりそもそも話になってない。特にハルトマンは。なぜ寝るんだろうか。


「とりあえず用件については了承した。そして、残念なお知らせもある」

 ため息をつきながら言った。

「上層部がこの件を嗅ぎつけたようだ」






「……」

 重く感じる頭を持ち上げながらあたりを見回す。
 そこはさっきとは違う、私の艦橋。ただ、周りの景色はセントアークそのもの。

「うっ……」
 さっき、誰かに話しかけられたような気がした。だけど、機のせいだったんだろう。それに加えて疲労で倒れた。

 一応、誰もいないようだから何かしよう、と思ったけど何も思いつかない。無意識ながらとりあえず船内から出て、久々に陸を踏んだ。

「――――――っ!」
 久々に陸を踏んだ気持ちは、どれだけ気持ちいい場所なんだろう、なんて思ってしまった。ここも、戦場になりえる筈なのに。
 そのまま、誰もいないような港を歩いていく。少し不気味ではあったけれど、久々に歩くからかそれを忘れていた。




 だけど、私の中ではもう1つ始まりを告げる時計の音が鳴る。






 それは、奪還作戦が、始まる。










 もう間もなく最初の反攻作戦が始まる。

「響、お前はこの作戦が成功すると思うか?」
「思わない。いかんせん大本営が一つにまとまったとしていても、何か裏が見える」
 セレンの問いかけにそう答える。



「お前は良く疑問を持つようになったな……私は正直に言うと、同意見だが」
「ならそう言えばいいと思うけれど」
「人によっていい方が違うことにいろいろ言うな」
「それはセレンさんも一緒だと思うけれど」

 そんなやり取りをしていたら、キャロルが熊野の艦橋に姿を現した。

「主任からの通告で参りました。これより作戦概要を説明します」
 やっとかという気持ちで簡易的なブリーフィングルームとなっている熊野の艦橋で今回の作戦が説明された。



 大体の内容を説明すると、


 第1次作戦として、ウィスキー回廊への戦車展開の為大規模航空部隊による制空権確保、それが済んだ後は戦車部隊を大量に展開、ウィスキー回廊にある旧エルジア軍最終防衛線に深海棲艦の地上部隊の中枢があるということから、そこを叩く。これを『フォトン作戦』とする。
 第1次作戦への我々の作戦内容は「ウィッチ派遣および長距離砲撃支援」。成功確率は高いらしいが、もはやウィッチ達に重い負担だ。

 そこから展開した地上部隊を構築し、『メガリス』へ極力近づかぬようにファーバンティへ接近、艦隊を展開し空と陸と海、三方向から深海棲艦とネウロイを叩く。これが第2次作戦の『ストーンエッジ作戦』とのことだ。




 正直不安でしかないのが、ミサイル支援攻撃を封殺したことによる『フォトン作戦』の開始が早まったのがある。戦力を送るのが、なんとウィッチの事に加えて空母の件についても重なった挙句TRANS-AMシステムたる、現在照月にしか搭載されていない特殊なシステムのことも重なって足止めだ。

 TRANS-AMについては上からの説明要求だけらしいがセレン曰く「無視しろ」とのことだが。

「……ノースポイント、ニューフィールド島の鎮守府より入電」
「何だ?」








「広瀬 響少佐、君に話があるとイーヴォ元帥が言っている。あちらから来るとのこと。照月の方へ全員移り、現状待機せよ」

 お前が提督じゃないんだよ、と思いつつも一斉にウィッチ含めて行動を始める。熊野も船体制御についてはリモートで行うとのことだから、今この場にいる全員が照月に移動を始める。












 一方肝心の照月は……。


「始まった……」






 一人世界地図を表示して眺めながら、深刻そうな感じで呟いていた。 
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