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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0220話『仲良し三人組』

 
前書き
更新します。 

 



「司令官、おはようごさいます!」
「ああ、おはよう吹雪」

朝から執務室で元気よく吹雪が挨拶をしてきた。
本日は吹雪が秘書官になっているのでなにかと面倒を見てもらっている感じだな。
久しぶりに秘書官にしてもらったのもあってか吹雪はどこか嬉しそうに表情が緩んでいるしな。


「それでは本日も頑張ってやっていきましょうね! それで早速なんですけど……司令官、先日にサーモン海域北方に艦隊を出撃をかけましたよね……?」
「そうだな。それに関しては、まぁ悪かったとは思っているよ。もう限定作戦が発動されるまで一週間を切ったっていうのに無駄に資材を減らすのはどうかと私も感じてはいたが……でも攻略しておきたかったんだ」
「まぁ、司令官の気持ちも分かりますがあまりこういう突発的な事は控えてくださいね? 減ってしまった資材の回復に遠征艦隊各三隊が現在必死になって頑張っているんですから」

書類をめくりながら吹雪はそう言ってきた。
いや、ほんとうにすまないとは思っているよ。だからあんまり責めないでくれ。

「すみませんでした」
「はい。素直で大変よろしいですね。それじゃもうこれくらいにしてこれからについて考えていきましょうか」
「そうだな。かのレイテ沖海戦に向けてのみんなの練成だけど西村艦隊に志摩艦隊のみんなは一応は練度は十分になったのは幸いというところか」
「そうですね。他にも必要そうな子が何人かいますけど今からではもう間に合いそうにもないですしね……」

その何人かというのが夕雲型の面々なんだよな。
まさかここで夕雲型の面々を育てていないのが響いてくるとは思っていなかったからな。
陽炎型と並んで改二がいまだに一人もこない夕雲型だから結構練度上げを後回しにしてしまっているからな。
まぁ、今年中にはなんとか駆逐艦のみんなは練度70にしておきたいけどどうなることやら。

「まぁその時になってから考えればいいさ」
「そうですね。一応は全員改にはなっていて改修も済んでいますからなんとかなると思いますし」
「そんな状況はあまり望まないけどな」
「はい」

それで吹雪と一緒に苦笑いを浮かべあう。
なにかと吹雪は気苦労がたえない性格だから深く考えそうだよな。
いや、逆にすっぱり後回しにもしそうだけども。

「それじゃ次の事案だけどなにかあるかな?」
「いえ、今のところは大事な用事はないと思います。任務も滞りなく遂行されていますし柳葉大将さんからの電話の予定も本日はありませんから」
「そうか……それだとどうするか。溜まっている書類整理もしておくのもいいけど大淀達にもそう何度も頼むのも気が引けるし」
「あはは……でも大淀さん達なら気持ちよく手伝ってくれると思いますよ?」
「それならいいんだけどな」

そこで仕事関係の話題もなくなったのでどうするかと考えているとふと今日は吹雪の進水日の日だという事を思いだしたので、

「そうだな。吹雪、なにか欲しいものとかはあるかい?」
「欲しいモノ、ですか? これといってないですけど……突然どうしました?」
「いや、今日は吹雪の進水日だろう? だからなにか買ってあげようと思ってな」
「あー……そう言えばそうでしたね。私も忘れていました」

頭をこつんと叩く吹雪は本当に忘れていたらしいけど可愛いので許すとしよう。

「今頃白雪とか磯波とかがお祝いの準備をしているかもな?」
「そうですかね? 今日の朝はそんな話は一切聞きませんでしたけど……」
「こういうのは本人には知らせずに隠れてやるもんだからな。きっと準備をしているだろうな」
「それだったら嬉しいです。あ、でも……」

そこで吹雪がなにやら考え始める。どうしたんだ……?

「どうした、吹雪?」
「いえ、前に睦月ちゃんと夕立ちゃんに進水日を聞かれた事があったんです。だからもしかしたら……」
「あの二人にか。吹雪は仲が良いからな」
「はい。だからもしかしたら探しているんじゃないかなって……」
「なるほど……それじゃそろそろ来るかな?」
「来ますかね……?」

私と吹雪がそんな事を話している時だった。
執務室の扉がノックされてそして扉の向こうから夕立と睦月の声で『提督さん、吹雪ちゃんいるっぽい?』というもう確信しているようなセリフが聞こえてきたので、

「ああ、いるよ。入ってきても大丈夫だよ」
『わかったっぽい!』
『入るにゃしぃ!』

そして扉が開かれて夕立と睦月の二人が執務室に入ってきた。
二人の手にはなにやら小包が握られていた。
そのまま二人は吹雪にそれを差し出しながらも、

「吹雪ちゃん! 進水日、おめでとうっぽい!」
「この睦月が吹雪ちゃんに献上するよー!」
「わぁ! 二人ともありがとう!」

素直に吹雪はそれを受け取って感謝の言葉を述べていた。
うんうん、仲良きことは素晴らしいかな。
すると夕立が私の方へと向いてきて、

「ところで提督さんは吹雪ちゃんになにか上げたの……?」
「いや、まだだ。それでこれからなにか欲しいものはないかとちょうど吹雪に聞いていたところだったんだ」
「それはいい事を聞いたかなー」
「ねー!」

睦月と夕立はそれでお互いに笑みを浮かべあってなにかを考えたようだ。
ふむ……どうやら私の財布が少し軽くなりそうな予感がしたぞ。

「提督さん! 吹雪ちゃんに間宮特製の限定スィーツを食べさせてあげるッぽい!」
「あれかー……」

限定スイーツとは一人ではとうてい食べきれない代物で唯一赤城だけが食べきったという特大の容器に入っているものなんだよな。それで値段も張るという代物だ。
それを注文するという事は、

「三人でそれを食べたいんだな……?」
「お、提督わかってるねー!」
「そうっぽい!」
「あの、司令官……あれ結構値が張りますから無理はしないでくださいね?」

吹雪は遠慮しているけど私はもともとなにかを買ってあげるつもりだったから渡りに船だ。
だから、

「よし。それじゃこれから間宮に行くか」
「やったっぽい!」
「提督、やるにゃしー!」
「すみません、司令官。ありがとうございます!」

それから四人で間宮へと行って三人は限定スイーツを頑張って食べきっていたのを見てやっぱり女の子は甘いものが好きなんだなと再確認できた。
まぁ、その後にスイーツとは別に形が残るものを買ってあげたんだけどな。
それで吹雪は喜んでいたからよかった。
後、後日に聞いたんだけどやっぱり吹雪型の面子でパーティが開かれたとかなんとかだったらしい……。


 
 

 
後書き
吹雪の回でした。
後少しでイベントなのに5-5で資材を減らしたバカは私です。
まぁ後二、三日ありますからなんとか回復させます。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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