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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
  風の断章 凪風雅という男

これは、チームディロードがフォーゼの世界にいた頃の話。
「雅、雅の世界って、どんな感じの世界だったの?」
食事中、フェイトは雅に質問した。
「…どうして、そんなことを?」
雅は箸を止め、フェイトに尋ねる。
「雅は、私達の世界を調べて、知っている状態で世界を回っている。」
「うん。」
「でも、私達は雅の住んでいた世界も、雅の事もよく知らない。だから、教えてほしいんだ。」
フェイトは質問の理由を話す。
「確かに、俺も興味あります。」
フェイトの話に、圭一も賛同する。
「…あまり、楽しい話は聞けない。きっと、気分を害すると思う。それでも、いい?」
雅は質問する。
「うん。何があっても、それは目を背けちゃいけないことだから。」
「やっぱり、フェイトは変わらないな。かつて、共に行動していた時にも、同じ質問をして、同じ理由を言っていた。だから言える。今からする僕の身の上話、しっかり聴いてほしい。」
雅はそう前付けして、話し出す。
「僕の世界は、ある都市伝説を除けば、圭一達の世界とほとんど変わらない、みんなが普通に暮らしていて、何かに脅えることもない、そんな世界。ただ、武術家はその身そのものが一つの凶器だから、一切の自衛が行えない法律さえ無ければ。」
雅は呼吸を整える。
「ジェイクが調べた資料に、僕は学生時代に虐めにあっていて、精神科に通っていたって話が出ていたよね。あれは事実なんだ。」
「どうして!」
フェイトは声を荒げる。
「僕は凪風という家を継ぐ事が決まっていて、その為に常に成績の頂点で有り続けた。それこそ、文武両道とよぶのに相応しくあるように。ただ、僕は実家の稽古がある都合上、運動部には一切入らなかった。家での稽古があるのに、運動部の活動は体に響くからね。当然、運動部の人たちは納得していなかった。どんなスポーツでも、やればキャプテン以上の成績をだす。試験の結果は常に満点。そんな奴が、自分のところに来ないのが。それで、きっかけは小学校三年生の頃だった。その頃日課にしていた休み時間の読書を終えて教室に戻ると、僕のノートは全て破かれていた。その時僕は怒ってやった奴らに殴りかかった。すると、担任の先生は僕を止めた。そして言ったんだ。『凪風君は誰かをぶっては行けません。』その言葉を聞いたクラスの子達はまるで溜め込んでいた何かが出てくるかのように、翌日から色々なことをしてきた。上履きが引き裂けているなんてかわいい方。砂を口に詰められた事もあった。理由は一つ。気に入らないから。それで、僕が反撃出来ない話はあっという間に広まって、中学に入ってからは悪辣なのが増えていった。階段の上から突き飛ばされるなんて日常茶飯事、ひどい時にはボロボロな机と椅子で授業を受けた事もあった。それでも、またいつもか、って思って耐えられた。そんな僕にも、味方は出来た。その子は僕ほどではないけど、虐めにあっていてね、強くあろうとする僕と仲良くなりたいって言ってくれた。その時は僕も気が滅入っていて、喜んでいた。でも、それは僕を苦しめる罠だった。彼は、ある日僕を虐めていたグループのリーダー達を連れてきて言ったんだ。『今すぐ凪風流なんて辞めちまえ』って。僕は理解が出来なかった。彼には色々してあげた。勉強だって教えた。スポーツのコツだって教えた。でも、それは僕を利用する為の演技でしかなかった。そして、彼は言った。『先生に言ったって無駄だ。俺達の後ろには先生が付いている。逆にお前が他の生徒に暴力を振るっているってことにすることも出来る。』って。それでも、僕は必死凪風流を捨てなかった。その翌日から虐めは更にエスカレートしていった。その時に思ったんだ。甘い言葉で近づく人は僕を利用し、最後には裏切って捨てるんだって。でも僕は家族の前で口にはしなかった。しなかったけど、家族以外とは、それこそ凪風流の門下生とも会話ができなくてはなっている僕を見て母上は僕を精神科に連れて行った。結果は報われず、僕の対人恐怖症が治る事はなかった。そのうちに、この世界そのものが、人と人とを争わせる為にあるのではないかと思いながら、高校に入った。高校には中学までの知った顔の生徒はいなかった。でも、逆にそれが怖かった。どうして僕に話しかけてくるのだろう?また僕を利用するつもりなのか?そんな風に考えていたある日、僕はある都市伝説を耳にした。『6月の新月の深夜に月に鏡を当てると冥界の門が開けて悪魔が現れ、願い事を叶えてくれる』って。僕は願った。こんな怖い世界から出て行きたい。その一心で悪魔と契約し、このディロードライバーを手に入れた。ただ、その契約には代償が付いてくる。僕の場合、世界を出たいという願いだった。その代償は、僕の世界の崩壊。大ショッカーによって、僕の世界は侵食された。僕は戦ったが、一人では勝てなかった。僕は大ショッカーを倒す為に世界を旅する決意を決めた。そして、みんなと今こうしている。それが、僕の今までの歩みだ。」
雅は話し終える。雅が顔を上げると、フェイト達は泣いていた。
「みんな、どうした?」
雅は心配する。
「雅は、そんな中で頑張ってきたんだ…何も考えないで、こんなことを聞いてごめんなさい。」
フェイトは雅に謝る。
「なんで謝るんだ?僕はただ、質問に答えただけなのに…」
「当たり前ですよ!そんな辛いことを無理やり言わせちゃったんだ。フェイトちゃんの反応は当たり前ですよ、雅さん!」
事態が解っていない雅に圭一は説明する。
「辛いこと、か…確かに、最初は辛かった。実は、初めてなのはの世界に行った時、なのはとは友達って言葉一つで衝突したな…」
「そうなの?」
「ああ。僕もまだ、人を信じられなかった頃は、なのはの友達って言葉が信じられなくて、傷つけてしまったことがあった。今思うと、矛盾していると思うよ。」
「矛盾って、どうしたんですか?」
「僕がこの力、ディロードの力を望んだのは、自分の世界から逃げる為。そして、別の世界なら、本当の意味の友達が出来るかもしれない。そう思ってこの力を手に入れたのに、結局、最初の頃は積極的に協力しようとしなかった。自分一人で全て解決しようとしていた。」
「それはきっと、そこまで雅の心が、傷ついていたんだと思う。私も、母さんが絶対だった時、なのはの言葉は心に響かなかった。だから、本当に心配してくれる人の大切さに、しっかり気づけるんだと思う。」
「そうか…傷つくことが当たり前だと思っていた僕ととっては、その大切さにすら、気付けなかったのか。ありがとう、フェイト。」
雅は、フェイトに感謝の言葉を贈る。
「こんな悲しい話は終わらせて、雅さんの家族ってどんな人だったんですか?」
圭一は次の質問に移る。
「僕の家族?さっきも出たけど、僕の家系は武術『凪風流』という室町から続く防衛武術の家系で、僕は17代目の当主でもあるんだ。」
「雅、室町から続くのに、17代目だとすると、一代がすごく長くなるわ。」
梨花は雅に質問する。
「何故かはわからないが、当主になると、次の当主─つまり、自分の長男が当主の器になるまで、謎の長寿となる。きっと、血を絶やさないように天からの加護があったのだろう。それで、僕の家族構成だけど、父上の龍道と母上の藍音との間に長男として生まれて、その下に2歳下の弟の流夜、それに6歳下の妹の望実がいた。流夜以外は、僕の目の前で大ショッカーに殺され、流夜の行方は解らず終い。上手く逃げていればいいんだけど…」
雅は顔を曇らせる。
「大丈夫ですよ。きっと何時か、会えますって。」
圭一は雅に言う。
「そうか。僕の家族について話すのに、僕の流派の事は話していなかった。僕の流派、古流武術凪風流は元々農民や町の人が盗人などからその身を護れるよう護身の為に作られ、現在ではその技術が枝分かれし、世界の様々なスポーツの一部となっている。言わば体術の祖と呼ぶべき武術だ。ただ、長い歴史には、凪風流を戦闘の為に進んで使おうとする者もいた。その者達は、護りより殺しに特化した技を作り上げた。それらは、『闇風式』と呼ばれ、禁じ手となり、身に着けた者は破門にした。実は、流夜も闇風式に手を染めて、破門にされたんだ。」
「すごい…」
武術を詳しく知らないフェイトは、ただそう呟いた。
「僕の世界、僕の事、よく分かったかな?」
雅は質問する。
「はい。すごく辛い事があって、今の雅さんがあるんですね。でも、なんでそんな辛い毎日だったのに、耐えられたんですか?」
圭一は質問する。
「僕がみんなの事を知ったのは中学時代のことだった。一番辛かった時にみんなの世界を知って、思ったんだ。『この子達は、僕より辛い境遇にある。きっと、僕の住んでいる現実にも、それくらい辛い境遇の人はいるだろう。だから、僕はそういう人達を護りたい。その為に、凪風はあるんだ。』って思えたからだよ。」
雅は、圭一に説明した。すると、
「雅、これからはチームのメンバーじゃなくて、友達にならない?」
フェイトが雅に提案する。
「確かに、いい考えかも!」
圭一も賛同する。
「…みんな、いいの?僕は、友達を作っても、いいの?」
雅は真剣な顔で聴く。
「うん!もちろん。」
雅の質問にフェイトは答える。
「それじゃあ、これからはチームディロードのメンバーとしてだけじゃなく、友達としてもよろしく、フェイト、圭一、梨花、沙都子。」
雅達の絆は深まっていった。

風の断章 完
第1章終了 Go to next stage.
次回、仮面ライダーディロード
世界はついに融合を始める。平和な世界を取り戻せ、仮面ライダーディロード!次回『9人の仮面ライダー/雅のカラオケ絶唱』 
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