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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第16話 イッセー先輩のお兄さん?四天王ココ登場!!

 
side:小猫


 どうもこんにちは、小猫です。私たちグレモリー眷属はイッセー先輩とアーシアさんと一緒にとあるグルメ食材を求めて列車の旅を楽しんでいます。特にアーシアさんは今まで列車に乗った事がないのか先程から外の景色が流れていくのを楽しそうに見ています。
 えっ?学校はいいのかって?今日は向こうの世界は土曜日なので学校は休みです。


「かぁ~、列車に乗りながら食う駅弁は格別だな!いくらでも食えちまうぜ」


 イッセー先輩は先程駅で大量に購入した駅弁を食べながら列車の旅を楽しんでいる、私も先輩の隣の席でストライプサーモンの鮭弁を食べています。美味しいです。


「小猫もだけどイッセーって本当によく食べるのね……」
「見ていてお腹が一杯になりそうですわ」


 同じ座席に座る部長や朱乃さんが少し呆れたように苦笑を浮かべた。因みに私たちが座っている座席はコの形になっており部長と朱乃さん、アーシアさんにイッセー先輩と私、そして祐斗先輩の順に並んでいる。


「それにしても凄い所を走ってるんだね、この列車」
「グルメ食材は様々な所にありそこに人が集まって村や町になるからな。もっと過酷な場所も沢山あるしこんなもんは序の口だぞ」


 私たちが乗ってる列車は峡谷の狭い岩山の上を走っています。先輩が言うにはこの世界は様々な場所にグルメ食材があり一般の人でも行けるように列車や飛行船、または船などの交通手段が向こうの世界よりも発達しているらしいです。


「所でイッセー先輩、わたしたちは今どこに向かってるんですか?」
「そういや言ってなかったな。俺達が向かっているのは『グルメフォーチュン』という町だ」


 フォーチュン……運命や幸運を意味する言葉ですがどんな町なんでしょうか?


「グルメフォーチュンは古くから易学で栄えてきた町なんだが一番の特徴が占いなんだ」
「占い……?」


 部長が首を傾げますが占いが特徴な町とは……よっぽど当たるんでしょうか?


「ああ、グルメフォーチュンの占いは当たると評判でな、大手企業や投資家、または一般人など数多くの人間がこの町を訪れるんだ。今回の食材であるフグ鯨の情報もある占い師によるものだからな」
「フグ鯨……それが今回狙う食材なんですね」


 前は虹の実だったけど今回はフグ鯨……名前からしてお魚ですよね。


「フグ鯨はフグの淡白で歯ごたえのある触感と鯨の肉厚で脂の乗った二つのいいとこどりをした食材だ」
「フグは食べた事あるけど鯨は無いわね」
「どんなお魚か楽しみです」


 私も部長や皆と一緒にフグを食べた事はありますがフグ鯨はフグの美味しい所に鯨の美味しい部分をもった魚……絶対に美味しいですね。


「ただフグ鯨は強力な毒を持っていてな。普通のフグをさばく免許は俺も持っているがフグ鯨は『特殊調理食材』と呼ばれる厄介な食材で俺ではさばけない」


 先輩フグもさばけれたんですか……それはそうとそれじゃフグ鯨を食べる事は出来ないんじゃないでしょうか?


「もしかしてそのグルメフォーチュンにフグ鯨をさばける人がいるのかい?」
「鋭いな祐斗。今向かっているグルメフォーチュンにフグ鯨をさばける人間がいる。俺の知り合いだ」


 イッセー先輩の知り合いの方ですか、どんな方なんでしょうか?……まさか女性ではないですよね?


「おい爺さん!ふざけた事言ってんじゃねえぞ!」
「そうはいってものぅ……あっしは高けぇ所が苦手でして……その酒が無いと怖くて震えて震えて……」
「だからって全部の酒を買いしめやがって!俺を舐めているのか!?」


 前の座席から何やら大きな声が聞こえてきたので何事かと思いそっと覗き込んでみます。そこで見えたのは大柄の男性が何本もの酒ビンを持った白髪のリーゼントのお爺さんに絡んでいる光景でした。


「何事かしら、物騒ね」
「あの男性がお爺さんに一方的に絡んでいるように見えますが……」
「あのお爺さん、中々にイカした髪型をしてるね」


 部長達もそっと覗き込んで様子を伺っています。もう、折角の旅気分が台無しです。


「私ちょっと文句を言ってきます!」
「あ、小猫!?」


 私はいまだに叫んでいる男性の傍に行き声を掛けました。


「ちょっと!貴方が叫ぶせいでこっちは迷惑をしてるんですよ!公共の場でそんなに騒いで恥ずかしくないんですか!ましてやそんなか弱いお爺さんをイジメるなんていい大人が恥ずかしいです!!」
「何だと~?てめぇ俺様が誰か分かってんのか?お?俺様は美食屋ゾンゲ様だ!!俺様のフルコースを教えてやろうか!何と俺様のメインディッシュはあのガララワニだぞ!この前ぶっ殺して食ってやったのさ!美味かったぜ!!」


 ゾンゲと名乗る男性は私に自身のフルコースを見せてきました。メインディッシュのガララワニにはちょっと驚きましたがイッセー先輩だってガララワニを倒したしこんな程度では怯みません!


「イッセー先輩の方が遥かに凄いです!貴方のメインディッシュだって軽々と倒しちゃったんですから!」
「何が先輩だ。俺様より凄い美食屋なんぞ……」
「呼んだか、小猫ちゃん?」
「ん、何だてめえは?」


 私とゾンゲが言い争っているとイッセー先輩がこちらに来てくれました。


「先輩!どうしてここに?」
「いや小猫ちゃんが心配でちょっと様子を見にな」
「私を心配してくれたんですか?嬉しいです、イッセー先輩!」


 私はギュッと先輩に抱き着く。こういう何気ない優しさが本当に好きです。


「何俺様をほったらかしにしてイチャついてやがる!てめえら、なめていやがるのか!?」
「まあまあゾンゲ様、相手は子供ですよ?そんなに絡んだら怯えてしまいますよ。ここは大人の俺たちが譲ってあげてもいいのでは?」
「ふん、それもそうだな。おい爺さん、俺様は優しいからな。一本ですませてやるから早くよこしな」


 ゾンゲたちはそういうとシッシッと私たちを追い払うようにしてお酒を持って去っていきました。ふん、あんな下品な人嫌いです!


「あ、戻ってきました。お二人とも大丈夫ですか?」
「ああ、何ともないよ。心配かけたな、アーシア」


 私と先輩は元の席に戻り部長達に事情を話しました。


「なるほど、あのお爺さんがお酒を買い占めたから怒ってたのね」
「それにしたってお爺さんを相手にあの態度はどうかと思いますわ。やっぱり男性は紳士的じゃないと……ねえイッセー君?」
「災難だったね、それにしてもかっこいい髪型のお爺さんだったな……」


 部長達も思い思いの反応をしていました。でも朱乃さん?どうしてイッセー先輩に色っぽい視線を送ってるんですか?後祐斗先輩はああいうのが好きなんですか?


「あの~……」


 私たちが話しているとさっきのお爺さんがこちらに来ていた。


「あ、さっきのお爺さん。どうかしましたか?」
「いえ……お嬢ちゃんにお礼をと思ってな……見ず知らずのあっしの為にありがとうごぜえました」
「気にしないでください。でもお爺ちゃんもあまりお酒ばかり飲んでいてはダメですよ?」
「へえへえこんな可愛らしいお嬢さんに心配して貰えるたぁあっしも捨てたもんじゃねえなぁ……この恩はきっといつか返します……それでは……」


 お爺さんはそう言って去っていきました。でも可愛らしいだなんて……お上手な人ですね。


「うふふ、先輩。私可愛らしいですって」
「まあ事実だしな」
「もう先輩まで私を褒めちゃって……もう♡」


 先輩の胸板にしなれかかり指で先輩の胸にハートを描く。先輩に可愛らしいっていわれちゃった……


「小猫ちゃん、いくらなんでもがっつきすぎだよ……」
「本当に恋って人を変えるのね……」


 部長達が小さい声で何か言ってますが私は構わずに先輩に甘え続けました。


「小猫ちゃんくすぐったいって……それよりも皆、そろそろグルメフォーチュンに着くから降りる準備をしておけよ」


 あ、もう着いちゃうんですか。名残惜しいけど私たちは列車から降りる準備をしました。でも先輩の知り合いの方って一体誰なんでしょうか?会うのが楽しみです。


ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー



「これはどういう事なんでしょうか?」


 グルメフォーチュンに降り立った私たちが最初に見たのは人が一人もいない光景でした。えっ、降りる場所を間違えてませんよね?


「どうやら猛獣が出る時間帯みたいだな?」
「え、この町って猛獣が出るの!?」


 先輩の言葉に部長が驚いてますが私たちも驚いています。町に猛獣が出るなんて大丈夫なんでしょうか?


「たまに出るらしいぞ。この街の占い師が猛獣が出る時間帯を占い住人はその時間になったら毒で出来た家の中に避難している。その占いのお蔭で猛獣による犠牲者は数十年全くいないとされている。それがこの町の占いの信用に繋がってるんだ」


 へ~、本当によく当たるんですね。流石は占いの町ですね。


「ん?あれは……!?イッセーくん、大変だ!人がいるよ!」


 えっ、猛獣が出る時間帯に誰か出てるんですか!?祐斗先輩が見る方向に歩いている人がいます……しかもすぐ傍に猛獣がいるじゃないですか!早く助けないと!


「先輩、早く助けないと!?」
「大丈夫だ、まさか向こうから来てくれるなんてな……」
「えっ、それって先輩が言っていた……?」


 猛獣は大きな口を開けて歩いている人に襲い掛かろうとしましたが直前で止まり何故か去って行ってしまいました。


「ど、どういう事なの?」


 部長達も驚いてますが先輩は一人こちらに歩いてきた人に話しかけます。


「そっちから来てくれるとは思わなかったぜ。ココ兄」
「大事な弟分だからな。所でイッセー、お前はどれだけフルコースを決めたんだ?」
「まだデザートだけだ。ココ兄の占いの通りだったな」
「それは良かった」


 え、ココ兄……?イッセー先輩のお兄さんですか?


「皆、紹介するよ。彼はココ。俺の兄貴で四天王の一人だ」
「初めまして、イッセーの友達かな?俺はココ、元美食屋でこの町で占い師をしている。よろしく」



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ーーー


「そうか、学校生活も楽しんでいるようで良かったよ」
「ああ、美食屋だけじゃ得られない貴重な体験をさせてもらっているよ」


 私たちはイッセー先輩のお兄さんであるココさんの案内で彼の家に向かっています。でも先輩すごく楽しそうだな、あんな顔見た事ないです。


「イッセーってお兄さんがいたのね。とても仲がよさそうだわ」
「でも顔や髪の色は似てませんわね」
「義理の兄弟なのかな?」


 部長達も先輩のお兄さんであるココさんについて話してますがよく考えれば先輩の家族関係って私たちは全く知らないんですよね。私たちと同じ世界の出身だって事は分かりますがそれ以外はからっきしです。でも何か事情がありそうですしそんな気軽に聞けることじゃないですよね……


「所で彼らはもしかして……」
「ああ、ココ兄の思ってる通りだ」
「……いいのかい?あまりこちらの世界と向こうの世界の住民が行き来するのはよくないと思うが……」
「他の奴らはどうかしらんが小猫ちゃんたちは信用できると判断したまでだ」
「……そうか、まあいいさ。君がそういうなら大丈夫だろう、僕の占いでも悪い結果は出ていないしね」


 先輩たちが何か話してますがここからじゃ聞こえないですね、何を話してるんでしょうか?


「見えた、あれが僕の家だよ」


 ココさんの家は断崖絶壁の先にある細い岩山の上にありました。え、でもどうやって行き来してるんですか?


「キッス!!」


 ココさんが口笛を吹くと空から大きな鴉が降りてきました。


「巨大な鴉!?何て大きさなの!」
「空の番長『エンペラークロウ』じゃないか。絶滅種が仲間にいたのか」
「家族のキッスだ。キッス、七人いるが運べるか?イッセーは重いぞ?」

 
 キッスは問題ないと言わんばかりに羽を広げました。


「じゃあ皆、乗ってくれ。悪魔の皆は飛べるかもしれないが大事なお客様だからね」
「え、ココさん、貴方悪魔の事を……」
「イッセーから聞いてるからね。大丈夫さ、この世界じゃ人間も悪魔もそう変わりないさ。……僕と比べればね」


 ……?ココさんの最後の言葉が聞こえませんでしたが何か悲しそうな顔をされたような……


 私はそんな事を考えましたが見間違いかも知れませんし今はキッスの背中に乗せてもらいましょう。キッスは私たち七人をのせても何ともなさそうに飛んでくれました。


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「遠慮しないでくつろいでくれ」
「あ、ありがとうございます」


 ココさんの家に着いた私たちはココさんの作ってくれた料理を食べています。とっても美味しいです。


「さて早速だけど本題に入ろうか。僕の元に来たのはフグ鯨を捕獲する為だろう?」
「流石はココ兄、話が早いぜ」


 よく当たる占い師だけ合って既に私たちの目的を知っていたようです。


「あ、あの。ココさんってフグ鯨をさばけるんですか?」
「ん?ああ、そうだよ。ただフグ鯨は別名『ミジンコ鯨』と呼ばれるほど個体のサイズが小さく本来のフグくらいの大きさだ。そのため普通のフグをさばく要領で料理する人が多くフグ鯨が出回る年は大体10万人が中毒で亡くなっている」
「10万人……!そうやって聞くととんでもない数ね」


 普通のフグでもそこまではいかないです。部長が驚くのも納得です。


「まず最初に言っておく。僕でもフグ鯨を毒化させずに捕獲できるのは五割ほど……更に毒袋を取り除ける確率は二割ほどしかない」
「俺じゃあ確率はゼロだ。問題は無い」
「それだけじゃない。近年フグ鯨の産卵場所となっている『洞窟の砂浜』……全長数十㎞深さ800mにも及ぶ洞窟を抜けなければならない。更にはあの『デビル大蛇』が洞窟内に生息している、他にも危険な猛獣が何匹も……」
「なあココ兄、嫌に不安を煽ってくるがもしかして俺たちの中に死相でも見える奴がいるのか?」
「……!?ッ」


 ……死相?何だか物騒な事を言ってますがどういう事なんでしょうか?


「……分かった、君たちに同行しよう」
「ヨッシャー!流石ココ兄!依頼料は言い値で払うぜ!」


 どうやら話がまとまったみたいですね。ちょっと不安ですが先輩がいれば大丈夫ですよね。


「アーシアさん、私たちも頑張りましょう」
「はい、小猫ちゃんも頼りにしてますね」


 あれ?ココさんがこちらを見ていますが何かあるんでしょうか?




(ヤバい……超見える……)



 
 

 
後書き
うふふ、朱乃ですわ。私たちはフグ鯨を求めて洞窟の砂浜に入りましたがこの世界の危険性を思い知らされましたわ。でもわたくしたちが行くと決めた以上弱音何て吐いてられませんわね。次回第17話『探索、洞窟の砂浜!美食屋ココの悲しき過去』ですわ。人は誰だってつらい過去を持ってるものですわね…… 
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