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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第十六話 蜉蝣の命


第十六話 蜉蝣の命

帝国暦477年12月26日

■オーデイン     ノイエ・サンスーシ      フリードリヒ4世

 シュザンナが本日儂の子を出産する、テレーゼが生まれて6年又儂の子が出来るとは、帝国を滅びへ向かわせるこの儂に。
出産時には間に合わなかったが3時間後に分娩室へしかし奇形児が生まれシュザンナがショックを受けていると聞き急ぎ向かった。直ぐさま部屋に入ると『きゃーーーーー侯爵夫人!!』と悲鳴が聞こえ見るとシュザンナがメスを右手に持ち自らの喉を突こうとしていた。
儂は無我夢中でシュザンナの手を握りしめた、その際手のひらが切れたが、そんなことは気にならなかった。

「シュザンナやめるのじゃ!」
「陛下お止め下さりますな」
「馬鹿なことはするではない」
「テレーゼ・テレーゼの為でございます」
「テレーゼの為じゃと?」

「私のような劣悪遺伝子の持ち主が母親ではあの子が不憫です」
「その様なことはない!」
「いいえあの子の為です」
「違うのじゃシュザンナ、違うのじゃ」
「は?」
「まず落ち着くのじゃ、そして儂の話をよく聞くのじゃ」

女官達が席を外していくの、グリンメルの手の者達じゃな
 
「良いかシュザンナ今回の事はお前のせいではない」
「そんなお慰めを・・・・」
「違うのじゃ、此はゴールデンバウムの血なのじゃ」
「陛下のお血」

「そうじゃルドルフ大帝以来ゴールデンバウムの血は汚れ続けてきた、代々死産、奇形児、異常者などが多数出てきて居るのじゃ、だからシュザンナおぬしのせいではない」
「しかし」
「儂の子の内4人は流産、9人は死産、9人が成人前に死んでおる、儂の兄弟も7人が病死じゃ、ゴールデンバウムの血は濁り生命力が衰えておるのじゃ」

「しかし私の血にも有るやも知れません」
「テレーゼを見よあの子は五体満足で何不住無い体で生まれてきたではないか、これがシュザンナお前の功績じゃ」
「陛下」
「テレーゼの為にお前は必要なのじゃ母親を失ったとしたら、どれだけ悲しみ傷つくであろうか、そんなことをするでない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「陛下判りました、テレーゼの為に私は生きます。テレーゼを守り慈しむます」
「判ってくれたかシュザンナ」
「はい陛下、あっお手が」
「よいよいシュザンナが無事だったのじゃこんな傷何ともないわ」
「お手当をせねば成りません」
「たれぞ陛下のお手当を」


「さて、シュザンナよ。テレーゼが非常に興奮しているそうじゃ、此から参ろうぞ」
「陛下お供いたします」
「親子三人で語ろうぞ」


帝国暦477年12月26日

■オーデイン     ノイエ・サンスーシ      テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 ちくしょうちくしょうワンワン泣いていると、女官がお父様とお母様が会いに来てくれたと伝えに来てくれた。お父様とお母様が来てくれた、悲しいはずなのに来てくれたすぐに会いたい、走って出て行った。

「お母様ー、お父様ー」
「テレーゼー」
「テレーゼよ」
「お母様、お母様赤ちゃんが赤ちゃんが・・・・」
「テレーゼ残念だけど駄目でした」

「殺されたのですね!」
「テレーゼ其れは違うぞ」
「お父様違う訳無い!」
「テレーゼ本当に違うのよ」
「お母様まで悔しくないのですか!」

「テレーゼ落ち着きなさい、そしてよく聞きなさい」
「お前には辛いかも知れんが、此はゴールデンバウムの宿痾なのじゃ」
「宿痾?」
「そう長い間溜まり溜まった悪いところじゃ」
「悪いところ」
「幼いお前には辛いが、我々の血では赤ん坊が育ち辛いのじゃ、そのため今回の子も死んでしまったのじゃ」

「テレーゼご免なさい貴方に弟を生んであげられなくて」
「お母様が悪いんじゃない」
「お母様もお父様も悲しいんだから、三人で赤ちゃんが天国で幸せになれるようにお祈りしようよ」
「テレーゼそうですね」

「テレーゼそうじゃな」
「今日は一緒に寝ましょう」
「お母様お体は大丈夫なのですか」
「大丈夫ですよ」
「儂も一緒で良いかな」

「はいお父様」
「身支度をしましょうね」
「お父様お母様 、だいっすき」

 両親と寝る準備しながら今回のことを考えていた。
今回は本当に死産だったのか、怒り狂ったがお父様お母様が違うといってくれた、可哀想な弟よ天国で幸せにしておくれ。

ゴールデンバウムの血か、確かに遺伝子異常が多い系統だし生命力が弱っているのか。お父様お母様を悲しませ無い為に私がしっかりしないと、今日は怒りに任せて切れてしまったけど、命を守る為に冷静さを強化しないと駄目だ。

「テレーゼそろそろ寝ましょう」
「はーぃお父様お母様」



■オーディン  某所

「ハハハハハようやった」
「あの者見事に任務を成功させてくれました」
「そうよ、一時は失敗したかと思うたが見事にやってくれた」

「流産を狙いながら其れが失敗したときの為に奇形児と言う次作を行っておりました」
「奇形児とはゴールデンバウムの血のなせる技か?」
「其れもございますが、フェニトイン、プリドミン等の薬を使うと奇形児率が非常に上がるそうでございます」

「なるほど其れは此からもつかえるの」
「御意」
「あの者には此からも逐一繋ぎをするようにせよ」
「御意」
「ハハハハハアーハハハハ」

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黒幕が動いていました。


 
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