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銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏!

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第6話 叔母の秘密


一ヶ月ぶりです。

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第6話 叔母の秘密

帝国暦471年9月10日

■オーディン ファーレンハイト邸     ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 やっと父様が帰宅して、早速聞きましたよ。
ライヒスリッターのミューゼル家の事を。
どうしたかって言えば、近所の友達の友達が行方不明で可哀想だからと嘘ついて探して貰うことにしたのですよ。

けど親父の名前がわからんので、
ラインハルト・フォン・ミューゼル。467生まれと、アンネローゼ・フォン・ミューゼル。462年生まれの子供がいる家と頼んだのです。
父様私には滅茶甘なので調べてきてくれましたよ。

そして昨日結果を教えてくれたのです、本当なら守秘義務違反だしプライバシーを侵害してるけど、
この世界有るか判らないしね。

そして結果として、典礼省のリストには有りました。
父親セバスチアン・フォン・ミューゼル。
母親クラリベル・フォン・ミューゼル。

ありましたよ。所がです、住所不明だそうです。
なんでも帝国開闢以来470年も立つと爵位持ち貴族ならいざ知らず、
帝国騎士の価値もだだ下がりで。

江戸時代のように騎士の位を裕福な平民に売ってしまう者達が続出してる事と、
同盟との戦闘で帝国騎士位を乱発しすぎた為、
典礼省でも記録に対してかなり乱雑になっているそうです。

まだ軍人なら、軍務省に記録があるそうですが、彼は軍務に着いたことが無いようで、
事業をしていたようですが、それに失敗して移転してしまったようだとのことです。
所謂夜逃げですか?

ラインハルトの生まれた467年には住所が判っていましたが、その後はプッツリです。
アンネローゼが9歳ですから小学校の記録を見れば判るのでしょうが、
私じゃ探すことは不可能です。よほど皇帝とか大貴族じゃなきゃ探せないですね。

仕方ないですよ。やはり計画のようにアンネローゼが後宮へ入った後で会いに行くしかないです。
まあいよいよ来年472年にアー兄さんが士官学校受験ですから其れからです。
476年6月に卒業ですから其処から動きましょう。

帝国暦473年7月8日

■オーディン ファーレンハイト邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト
    
 あっという間に1年が経ちました。
やることがないですからね、何とかしようと動こうにも、
未だ6歳ですから外にも自由に出られません。

9月からは小学校入学なので自由がある程度出来ますけどね。
通うのは帝国騎士や下級貴族の学校ですから、
もしかしたアンネローゼやラインハルトに会えるかも知れませんね。

アー兄さんは確り士官学校合格して本日入校です。
昨夜はパーティーしましたが、相変わらずの貧乏さですよ。
メインが鳥肉のソティーですが、パッサパッサの冷凍物でしたから、
まあ贅沢は言いませんよ。

最近は、アー兄さんが伯父さん達から貰った古い士官学校教科書や戦術書なんかを貰って読んでますよ。
色々読んでいると面白いですね、戦法を足したいので色々書き足したりしています。

しかしこの時その書き込んだ教科書を、
もう一人のメイド、リーザアリアが逐一読んでいたとは気がつきませんでした。

帝国暦473年8月1日

■オーディン 某所

「今月のラミディア様御成長の御記録が届きましたぞ」
「そうか、してどのような状態じゃ?」
「映像をだしまする」

「おお、2ヶ月ぶりに見るとまた成長しておるの、
今年から小学生じゃ楽しみじゃの」
「全くでございます」
「リーザアリアで有ったか、彼の者は良く尽くしてくれる」

「あの者が聞けば喜ぶでしょう」
「厚く用いてやるのじゃ」
「はっ」

「しかし、クラーラによう似てきた」
「そうでございますな」
「クラーラが18歳の時であったか。
儂の元へ侍女として仕えたのは」

「そうでございましたな」
「儂もついついクラーラに手を出してしまったの」
「手が早うございましたから」

「そうよ、しかしクラーラには気の毒なことをした」
「他の女達に睨まれ、あの子が出来ながら宿下がりさせるしか無かったのじゃからな」
「しかし、そうしなければ、害された事は確実でしょう」

「そうじゃの、しかし産後の肥立ちが悪くクラーラは亡くなってしもうた」
「しかしラミディア様はお生まれになりました。其れだけが救いで有りましょう」
「アンスガーには苦労懸けるの」

「妹の子でありますから分け隔て無く育てているそうです」
「そうか、甘やかしてはおらんのだな」
「はい実子同然に育てております」

「よい事じゃ、甘やかして育てては、息子や娘達の様になってしまうからの」
「ラミディア様ですが、最近は伯父達が今年士官学校へ入校した兄の為にもたらした、
士官学校教科書や戦術書を読んで、注釈や戦法を書き足しているそうです」

「ほう僅か6歳でそんなことをしておるのか?」
「驚く無かれ、コピーを専門家に見せましたが理にかなったモノだそうであります」
「ほう此は面白い事じゃ、その方面へ勧めてやるのも良いやもしれん」

「まあそうするとしても10歳になってからじゃ」
「そうでございますな」
 
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