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Dragon Quest外伝 ~虹の彼方へ~

作者:読名斉
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Lv57 魔物の逆襲

   [Ⅰ]


 ライデインの雷の矢が、狙いすましたかのように、このフロアにいる魔物全てに突き刺さってゆく。
 止めを刺すまでには至らないが、それでもこのクラスの魔物にとっては大ダメージを期待できる魔法である。
 事実、悲鳴にも似た魔物達の苦悶の声が、至る所から聞こえてきた。
【グギャァァ】
【まさか、この魔法はァァァ! ギョエェェ】
 ギャラリーからも驚く声が聞こえてくる。
【な、なんだ、この魔法は!】
【アイツは、一体何者だ!】
 宮廷魔導師達の何人かは、俺をガン見していた。
 恐らく、初めて見る魔法なのだろう。
 この戦いが終わったら、面倒くさいやり取りが待っているに違いない……。
 まぁそれはさておき、ライデインが魔物達に行き渡ったところで、ヴァリアス将軍が大きな声を上げた。
【魔物への攻撃を開始しろ! それから、護衛の騎士は、陛下や太守の皆様を安全な場所へ避難させるのだ!】
【ハッ!】
 将軍の言葉に従い、全体が動き出した。
 王族や太守、そしてサナちゃん達は、近衛騎士や魔導騎士に守られる形で、移動をし始めた。
 時を同じくして、戦闘班の魔導騎士達は一斉に魔物へと攻撃を開始する。
 と、その直後、王族達がいる観覧席から、大きな声が発せられたのである。
【なッ!? お前はレヴァン! なぜお前がアズライル猊下の法衣を着ている!】
 声を発したのはアヴェル王子であった。
【レヴァン! 貴様、どういうことだ!】
 他の者達も、それによって気付いたようだ。
 多分、魔物達が衝撃的すぎて、肝心な部分に目がいかなかったのだろう。
 レヴァンはライデインの直撃を受け、顔を歪めていた。
 ゲームだと、80ポイント前後のダメージが期待できる魔法だ。並みの魔法使いなら死んでいてもおかしくない。つまり、奴は並み以上って事なのだろう。
 と、ここで、神殿管理官に化けていたシルバーデビルが、忌々しそうに言葉を発した。
【き……貴様ァァァ! 今の呪文は、盟約の呪文だなッ。オノレェ……こんなところでミュトラに認められし者が現れようとは……。貴様は絶対に殺さねばならん! ベホマ!】
 ライデインで焼け焦げたシルバーデビルの傷が、みるみる塞がってゆく。
 するとその直後、シルバーデビルはどこからともなく角笛を取り出し、それを吹き鳴らしたのである。
 それと連動するかのように、後ろの扉が開き、黒い水晶球を持った神官の集団が現れた。
 神官達は水晶球から黒い霧を発生させ、真の姿を曝け出してゆく。
 現れたのは、トロル3体とサイクロプス2体にライオンヘッドが3体、そしてミニデーモンと地獄の騎士が数体であった。またよく見ると……バルログも2体いた。結構、強力な魔物達だ。
 そこで、シルバーデビルはライオンヘッドに指示をした。
【お前達は、そこにいるコータローの魔法を封じるんだ! 盟約の呪文の使い手だ! 早くしろ!】
(ゲッ! いきなりかよ)
 ライオンヘッド数匹は俺に向かい、すぐさま呪文を唱えた。
【マホトーン】
 程なくして、黄色い霧が俺に纏わりついてゆく。どうやら、相手のマホトーンは成功したようだ。
 つまり、今この時を以って、俺は魔法を使えなくなったという事である。残念!
(ちょっ……マジかよ……。賢者の衣とか魔除けの鈴とか装備してないと、こんなにアッサリかかるんか……とほほ。俺もう、何もできることないやんけ。いきなり戦線離脱かい!)
 と、そこで、ヴァロムさんの大きな声が聞こえてきた。
【ディオンよ! 陛下達をお守りしろ! こちらは儂等がなんとかしておく】
【畏まりました!】
 どうやら、ヴァロムさんの息子さんもここに来ているようだ。
 俺が投獄されたのも狂言みたいなもんだし、かなり根回しはしてあるのだろう。
 ちなみにだが、ヴァロムさんはもう変装を解いており、いつものローブ姿へと戻っていた。
 中々の早業である。すぐ戻れるように変装していたに違いない。
【頼んだぞ! そりゃ、メラゾーマ!】
 ヴァロムさんはそう告げると、戦闘を開始した。
 杖の先から馬鹿でかい火球が出現する。メラミの3倍近い大きさだ。
 それがトロルに向かって放たれる。
 そして、モロに命中し、トロルは炎に焼かれながら、10m以上も後方に吹っ飛んだのであった。恐ろしい威力である。
(相変わらず、メラゾーマはスゲー威力だな。あんなん食らったら、俺、死んでしまうわ。まぁそれはともかく、あちらさんは、もう形振り構ってられなくなったみたいだ。こうなった以上、何してくるかわからんから、気を引き締めないと……つっても、魔法封じられているから、何もできんな……。俺も今の内に避難すっか……)
 などと考えていた、その時であった。

【コータローさん! これを受け取ってください!】

 アーシャさんが2階観覧席から、筒状の物体を俺に向かって投げてきたのである。
 それはこの間、俺がお願いしておいた魔光の剣であった。
 俺は魔導の手を使って魔光の剣を引き寄せる。
 手に収まったところで、アーシャさんの大きな声が聞こえてきた。
【コータローさん! お兄様に頼んで、グレミオさんの工房から取り寄せてもらいましたわ! グレミオさんによると、今までの半分程度の魔力で、同等の切れ味が出せるとの事ですわよ!】
【ありがとうございます、アーシャさん!】
 俺は礼を言った後、早速、ライトニングセーバーを発動させた。 
 次の瞬間、ピシューというライトセーバーのような起動音が発生し、雷を纏う青白い光の刃が姿を現した。
(いいねぇ~、このライトニングセーバーの起動音……って感動してる場合か!)
【コータローさん! 無理したら駄目ですわよ!】
【了解です!】
 俺はアーシャさんにサムズアップした。
 アーシャさんは微笑み返す。
 そしてアーシャさんは、他の太守達と共に、魔導騎士や近衛騎士に護衛され、左側の観覧席の方へと避難を始めたのである。

 話は変わるが、他の王族達は右側の観覧席へと移動し始めたところだ。
 出口は左右の観覧席側にしかないこともあり、別々のルートを行くことにしたのだろう。
 サナちゃん達はアーシャさんと同じ左側ルートだ。
 つーわけで、話を戻そう。

 戦闘準備が整ったところで、ラーのオッサンの声が聞こえてきた。
「おい、コータロー! 我をこのままにしておくな!」
「あ、悪い悪い、忘れてたよ」
「我を何だと思っとる……たく。小さくなるから、ちょっと待っておれ」
 ラーのオッサンはそう言って、ネックレスのような形状になった。
 俺はそこでオッサンを拾って首にかけ、戦闘モードへと突入した。
(……魔法使えないから、ジェ○イの騎士スタイルで行くかな。魔導の手をうまく使えば、守備力と素早さはなんとかカバーできる。さて、まずは危険な魔物から除去していくとしよう……)
 俺はバルログに照準を合わせた。
 奴等は今、羽をバタつかせ、鞭で宮廷魔導師達を攻撃しているところであった。
 だがその時、1体のバルログが、鞭を振る手を止め、両手を突き出したのである。
(あ、やばッ……あの動作は!)
 俺はそこで魔導の手を使い、見えない手でバルログを掴むと一気に間合いを詰めた。ピュレナの時と同じ攻略法である。
【な、何だ……引っ張られ……】
 バルログはわけがわからないと言った感じで、たじろいでいた。
 当然、俺の接近にも気づいてない。
(隙あり! 魔力圧高めのライトニングセーバーを喰らえ!)
 そして俺は、バルログの左腰の辺りから右肩へと、一気に、電光の刃で斬り上げたのである。
【グェェ、なんで貴様らなんぞにィィ!】
 バルログは断末魔の悲鳴を上げて崩れ落ちた。
(まずは1体……)
 俺はそこで、もう1体のバルログに視線を向ける。
 すると、もう1体は既に俺の頭上におり、怒りの表情で、鞭を振りかぶっているところであった。
【貴様ぁ! よくも同胞を!】
 俺はそれを見て、少し安心した。
(ホッ……ザラキじゃない)
 と、その時であった。
 思いもよらぬ援軍が、そこで現れたのである。
【コータローさん、俺も戦いますよ!】
 なんと、武装したアヴェル王子が観覧席に現れ、そこからバルログへと飛び掛かったのである。
 王子の光の剣が、バルログの背中に突き刺さる。
【グァッ! オノレェ】
 バルログは予想外の所から攻撃を受け、俺に背を見せた。
 俺は今がチャンスとばかりに魔導の手を使って飛び上がり、ライトニングセーバーで、奴を背後から斬りつけた。
 と、その直後、バルログは羽ばたくのをやめ、主の名前を告げながら、地面へと落下したのであった。
【ア、アシュレイア様ァァァ!】 
 バルログが事切れたところで、俺は王子に礼を言った。
「ありがとうございます、アヴェル王子」
「いえ、礼を言うのは俺の方です」
「というか、いつの間に武装したんですか?」
「何か起きそうな予感がしたので、念の為にね。さて、色々と訊きたい事が山ほどありますが、まずはこの事態を解決してからですかね」
 と言って、アヴェル王子は俺に流し目を送ってきた。
「はは……ン?」
 するとそこで更なる援軍が現れたのである。
 なんとウォーレンさんやラッセルさん、そしてバルジさん達が武装して、俺の所にやってきたのだ。
「おい、コータロー! この事態を切り抜けたら、色々と聞かせてもらうぞ! さっきの魔法の事もなッ!」
「コータローさん! 俺達も戦いますよ!」
「私もよ、イシュラナの神官が魔物ばかりだったなんて、許せないわ!」
「俺も戦うぞ!」
「俺達もだ!」
 どうやら、ヴァリアス将軍が彼らの武具も用意しておいたのだろう。これは心強い。
「儂も久しぶりに戦うぞい! このグランマージをコケにしおってからに! 目にモノ見せてくれるわ!」
「お、おばぁちゃん……あまり無理しないでよ」
 俺は皆に、戦いの注意点を簡単に伝えておくことにした。
「皆、戦うときはベギラマとマホトーン、それとメラミに注意してください。ここにいる魔物はそれらを使うのが多いです。それと、奴等の攻撃力は半端ないので、スカラを使える人は守備力強化を、そして回復魔法を使える人は回復を忘れずにお願いします。行きますよ、これはこの国の存亡を賭けた戦いになると思いますから!」
【オオッ!】
 とまぁそんなわけで、この場にいる全員が、戦闘態勢に入ったのである。


   [Ⅱ]


 アヴェル王子やウォーレンさん、そしてラッセルさんやバルジさん達は、魔物との戦闘を開始した。
 俺はそこで黒幕の動向を探るべく、王家の観覧席に視線を向けた。
 近衛騎士達と対峙する、シルバーデビルとレヴァンの姿が視界に入ってくる。
 王族達はそこにはいないが、魔物が多いせいか、まだそれほど進めてはいなかった。
 不味い事に、神官が多いルートを選んでしまったのだろう。
 ちなみにだが、今ようやく、右側の観覧席通路へと差し掛かったところだ。
 まぁそれはさておき、レヴァン達に視線を戻すと、シルバーデビルは甘い息を吐いて、近衛騎士の何人かを眠らせており、またレヴァンはこの場から立ち去ろうと、魔導の手を使ってスパイダーマンのように、少し離れた所にある右側の観覧席へと向かっているところであった。
(レヴァンの奴……王族達よりも先に、右側の観覧席出口から逃げる気だな……。俺の方が出口に近い。させるかッ!)
 俺は魔導の手を使い、2階観覧席へと飛び上がり、通路へと着地した。
 レヴァンはそれに気づき、足を止めた。
「どけッ! 貴様に構っている暇なんぞないッ!」
「それはできないね」
「ならば死ね!」
 と、その直後、レヴァンは光の王笏を俺に向け、呪文を唱えたのである。
【メラミ!】
 透き通った水晶球の先端から、巨大な火球が出現し、俺に目掛けて飛んできた。
 俺は腕をクロスさせ、腹に力を入れて腰を下ろし、防御に徹した。
 1mはあるかという大きな火球が俺に直撃する。
 火球は爆ぜ、炎が俺を包み込む。それは物凄い強烈な炎であった。
 ゲームならば、ダメージにして40ポイントといったところだろう。
 俺が今着ている白い囚人服が焦げ焦げになっていた。当然、火傷も負ったのは言うまでもない。
(メラミは防御に徹しても、流石にキツイな……。さて、今度はこっちの番だ!)
 俺は魔導の手を使い、奴の体を思いっきり押した。
「グッ、何ッ」
 レヴァンは仰け反るように、体勢を大きく崩す。
 この隙を逃さず、俺はレヴァンとの間合いを詰める。
 そして、魔光の剣を発動させ、奴を斬りつけたのである。
(とりあえず、ジ○ダイのように、腕を切り落とそう……。人を殺すのは、まだ少し抵抗がある……)
 だがしかし!
 レヴァンはなんとか踏み止まり、不格好ながらも、光の王笏で魔光の剣を受け止めたのであった。
 俺達は鍔迫り合いの状態となった。
 どうやら魔力を帯びた武具というだけあり、そう易々と切断できないようだ。
(ならば!)
 俺はそこで更に魔力圧を上げた。
 光の刃は輝きを強める。
 そして次の瞬間! 光の王笏の柄は魔光の剣によって、スパッと切断されたのであった。
「なッ!?」
 杖の先端部分が「カラァン」という甲高い音を立てて、観覧席通路に転がる。
 レヴァンは目を見開き、即座に後ろへと飛び退いた。
「そんな馬鹿な! ……なんだその武器は一体!」
 俺はそこで、右手に持つ魔光の剣を顔の付近にまで持っていく。そして、ビリヤードでキューを突くハスラーのように構え、左手を奴へと向かって伸ばした。
 俺は自然とこの構えをしていた。多分、両方の動作がしやすいからだろう。
 案外、魔導の手と魔光の剣の組み合わせは、この構えが一番シックリくるのかもしれない。
 ちなみにだが、この構え……俺の記憶が確かなら、ジェ○イのライトセーバーフォームの1つであるソーレスという型だった気がする。映画では、オビ=ワン・ケ〇ービが得意としている型だ。とはいえ、映画では語られない設定の話だが……。
 まぁそれはさておき、俺はレヴァンに軽く悪態を吐いてやった。
「さぁね。でも、知ったところで意味ないかもよ。どの道、お前の人生はここで終わりだろうしね」
「チッ……」
 レヴァンは後ろを振り返る。
 すると奴の背後には、数名の王族と、それを誘導する護衛者達が迫っていたのである。
 つまり、レヴァンは挟み撃ちの形に嵌ってしまったのだ。

 話は変わるが、後ろにいるのは多分、国王だろう。
 他の王族と違って、装飾がまるで違う。金で縁取られた赤いマントを羽織り、その下にある白地のローブには、金と銀で刺繍された王家の紋章が描かれている。そして頭には、光を象った豪華な冠とサークレットのようなモノを被っているのである。
 体型も長身であり、おまけに結構筋肉質であった。髭を生やしているが、アヴェル王子のように端正な顔立ちをしている。
 しかし、今はどこか虚ろな表情をしている為、威厳というものは全く感じられない。恐らくこれが、おかしいと言われる所以なのだろう。
 話がそれたが、誰が見ても王様と答える出で立ちをしていると言いたかっただけである。
 つーわけで、話を戻そう。

 国王を護衛する最前列の近衛騎士が剣を抜いた。
【レヴァン! 貴様、魔物に国を売ったな! この場で償ってもらうぞ!】
 続いて、紺色の法衣を身に纏う、位の高そうなアラフィフの宮廷魔導師が口を開いた。
【主任宮廷魔導師として、お前を討たねばならん。覚悟してもらおう……レヴァンよ】
 さっきヴァロムさんとやり取りしてた人だ。
 恐らく、この人が、ヴァロムさんの息子であるディオンという人だろう。
 ちなみにだが、赤毛の長髪で、長さはヴァロムさんと同じくらいであった。口や顎に髭を生やしているが、ヴァロムさんみたいな長い顎髭ではない。欧米人がよくやる普通の髭である。
 全体的に中肉中背の体型で、顔の輪郭や口元等はヴァロムさんとそっくりであった。その辺は流石に親子といった感じだ。
 まぁそれはさておき、レヴァンはディオンさんの言葉を聞くなり、意外にも不敵な笑みを見せた。
「クククッ……ディオン様もいらしてたのですか。謹慎中でしたので、てっきり、屋敷で寝ているのかと思ってましたよ。しかし、残念ですね……オルドラン家をもう少しで失墜させることができたのに。クククッ」
「それは残念だったな。では逆賊として、討たせてもらうとしようか!」
 ディオンさんの体がオレンジ色に輝く。
 と、次の瞬間、レヴァンの周囲に黄色い霧が纏わりつくと共に、メラミと思われる1つの火球が襲い掛かったのである。
 だがしかし、ここで意外な事が起きた。
 なんと、黄色い霧と火球が奴に到達した瞬間、突如フッと消え去ったからだ。
(今のは魔生の法か……。だがそれよりも、レヴァンの前で魔法そのものが消え去った……何なんだ一体……)
 ディオンさんは眉間に皺を寄せた。
「どうやら本物のようだな……その法衣は」
「クククッ、ディオン様、これは紛れもなく本物ですよ。私が教皇なのですからね。この法衣は、デインを除き、如何なる呪文も効果がないという事はご存知の筈。とはいえ、先程の雷の呪文にはしてやられましたがね……」 
 と言って、レヴァンは俺に視線を向けた。
 レヴァンは不気味に微笑みながら、話を続ける。 
「さて、コータロー……貴様のその表情、私が追い詰められたとでも思っているようだな。クククッ、頭の回るお前でも、まだ知らぬ事があるのを教えてやろう!」
 レヴァンは懐から、タクトのような黒い杖をサッと取り出すと、背後にいる国王へと向けた。
 そして、奇妙な呪文を唱えたのである。
 すると次の瞬間、タクトから紫色のレーザー光線みたいなのが発生し、国王のサークレットに命中したのであった。
 その直後、国王の目が赤く輝きだした。
 また、口や耳から黒い霧が吹きだし始めると共に、国王は両手を大きく広げ、呻き声を上げたのである。

【ヴヴヴヴァァァァァァァ】

 それはまるで、何かに憑りつかれたかのようであった。
 周囲の近衛騎士や他の王族達は、そのあまりの変わりように慌てていた。
【陛下! 一体どうなされたのですか! アズラムド陛下!】
【お、お父様ッ! どうされたのですか!】
 近衛騎士の1人がレヴァンに食って掛かる。
【貴様ァッ! 陛下に一体何をしたァァッ!】
 レヴァンは不敵に微笑んだ。
「クククッ……アズラムド陛下はもう、私の操り人形になったという事よ。それを今から見せてやろう」
 するとレヴァンは俺を指さした。
【アズラムドよ、あの者にデインを放て!】
 その言葉を聞き、国王は俺へと赤く輝く目を向けた。
 と、次の瞬間、国王は俺に向かって右手を伸ばし、呪文を唱えたのである。
【デイン!】
 国王の手から、シスの暗黒卿を思わせる雷が放たれた。
 この行動を予想していた俺は、即座にライトニングセーバーを発動し、それを光の刃で受け止めた。
 バチバチというスパーク音と共に、フラッシュのような閃光が発生する。
 まるで、ジ○ダイの騎士VSシスの暗黒卿を思わせる構図である。
 とはいえ、デインの雷はライトニングセーバーで無効化されたので、これはやって正解だったようだ。
 と、ここで、アヴェル王子とウォーレンさんが俺の所へとやってきた。
 アヴェル王子は叫ぶ。
【レヴァン! お前、父に一体何をしたッ!】
「クククッ、これはこれは、アヴェル王子。ちょっと貴方のお父様をお借りしてるだけですよ。アズラムドよ、こっちに来い!」
 その直後、国王は信じられないような大ジャンプを見せ、レヴァンの隣へと着地したのである。
 7m以上は飛び上がっていた。明らかに人間離れした跳躍力である。
「クククッ、見ましたか、今の動きを。アズラムド国王はもう、私の意のままに操れるのですよ。その動きはもはや人の領域を超えている。つまり、今の私にはこれ以上ない相棒であり……人質でもあるのだ」
 そしてレヴァンは、アズラムド国王の首筋に、悠々と短剣を添えたのである。
「言っておきますが、このアサシンダガーは、ただの短剣ではありませんよ。この刃に使われている魔法銀は、即死もあり得る毒を常時出してますからね……さぁ、道を空けるんだッ!」
 ウォーレンさんは声を荒げた。
「レヴァン……お前、なんてことを! イシュマリアを裏切るつもりか!」
「ええ、そうですよ。いけませんか?」
「なッ!?」
「魔の世界の方が、私を正当に評価してくれるんですよ。ここでの下らない上下関係に、飽き飽きしていた私には願ってもない話でした。オルドラン家とアルバレス家という2大勢力がある限り、それらの分家の出である私のような者達は、如何に才能があろうと、それ以上にはなれまんせんからね。……わかりますか、この虚しい気持ちが」
「貴様、気でも違ったか!」と、アヴェル王子。
 レヴァンは平然と言い放った。
「いいえ、私は極めて冷静ですよ。さぁ、そこを退いていただこうか。アヴェル王子にウォーレン殿……そしてコータローよ」
 アヴェル王子とウォーレンさんは、苦虫を噛み潰したように顔を歪ませた。
 俺は2人に言った。
「アヴェル王子にウォーレンさん……あまり刺激をしないでおきましょう。……今のレヴァンは、陛下を殺す事に、躊躇いはないと思います」
「クッ…」
 2人は渋々、道を開けた。
 俺も魔光の剣を仕舞い、道を開ける。
 レヴァンはそれを見て、愉快そうに微笑んだ。
「そう、それでいい」
 次にレヴァンは後ろへと視線を向けた。
「さて、では後ろの者達も、そこで大人しくしていてもらおうか。少しでも動けば、アズラムド国王の命はない! そのつもりでいてください」
【クッ……貴様】
 ディオンさんや近衛騎士達は顔を歪ませた。勿論、他の王族達も……。
【それでは諸君、失礼するよ】
 レヴァンと国王は観覧席の出口へと向かい、悠々と歩を進めてゆく。
 と、その時、1人の美しい女性が出口から現れたのである。
 少しウエーブがかったブロンドの長い髪をした女性で、赤いドレスのような魔法の法衣を纏っていた。
 年は俺より幾つか上だろうか。見た感じ、20代半ばから後半といったところだろう。大人の女性といった感じだ。
 また、手には少し変わった杖を装備していた。先端に黄色い水晶球と曲がった角を組み合わせたようなモノが付いており、どことなく、ストロスの杖に似た形をしている。もしかすると、古代の遺物なのかもしれない。
 まぁそれはさておき、レヴァンはその女性を睨みつけ、忌々しそうに口を開いた。
「シャールか……見ての通り、私は今、取り込み中だ。下がってもらおうか」
「貴方……自分が何をしているのかわかっているの! 貴方の行動は、お父様やお母様の名誉を汚す事になるのよ!」
「父や母は、もうこの世にいない。この世にいない者の名誉に、何の価値がある……。俺はそんな名誉にすがるつもりはない。自分の道を行く……例えそれが、魔物達に組する事だとしてもな。失せろ、シャール!」
「どうやら……本当に魔物達に魂を売り渡したようね。でも、ここで引くわけにはいかないわ……」
「それは宮廷魔導師としてか? それとも、我がストレイン家を生み出した本家としての責任か?」
「両方よ!」
 シャールと呼ばれた女性は、一歩も引く様子は見せなかった。
 どうやら奴と対峙するつもりなのだろう。
 なんか知らんが、妙な展開になってきた。
 だがそこで、奥の観覧席から大きな笑い声が聞こえてきたのである。
【ケケケケ……アシュレイア様、もうすぐ使いの者がこっちに来ますぞ。今暫しお待ちくだされ……】
 声を発したのは神殿管理官に化けていたシルバーデビルであった。
 シルバーデビルは正面にある観覧席の手摺りの上に乗り、俺達を嘲笑っている。
 奴の付近には眠っている近衛騎士が何人もいた。
(奴と戦っていた近衛騎士は全て眠らされたようだ。シルバーデビルはベホマを使える上に、甘い息を使うから厄介なんだよな……おまけに、ベギラマも使ってくるし……)
 などと考えていると、シルバーデビルは奥にある誰もいない壁に手を向け、まさにその呪文を使ったのである。
【ベギラマ!】
 シルバーデビルの手から火炎が吹き荒れる。
 俺はベギラマの行き先を目で追った。
 そして驚愕したのである。
 なぜなら、10個ほどの魔法の玉がそこに置かれていたからだ。
(あ、あれは魔法の玉! チッ、いつの間に……しかもあんなに沢山……不味いぞ……大爆発が起きる)
 俺は叫んだ。
【皆、伏せるんだァァ!】
 と、次の瞬間! 

 ――【ドゴォォン】――

 大爆発が起き、物凄い破壊音と共に、石の破片を周囲に撒き散らしたのであった。
【キャァァ】
【ウワァァァ】
 悲鳴が至る所から聞こえてくる。
 爆発の影響による煙で、審判の間は視界が悪くなっていた。
 だが程なくして、どこからともなく吹いてくる風が煙をかき消していき、周囲の様相がわかるようになってきたのである。
 俺はそこで伏せた体を起こし、風の吹く方向に目を向けた。
 するとなんと、観覧席の奥にある壁はほぼ崩れ去っており、そこから外が見渡せる状況となっていたのだ。
 煙が晴れたところで、シルバーデビルの大きな声が響き渡る。
【ケケケケ……アシュレイア様、迎えの者が参りました】
 と、その直後、物凄い雄たけびと共に、キューブ状の牢獄のようなモノを吊りさげる6体のドラゴンライダーが、崩れた壁の向こうに現れたのであった。
(チッ……また厄介な奴が来やがった……ン? あ、あれは!?)
 俺は目を見開き、驚愕した。
 なぜなら……吊られた牢獄の中には、俺のよく知る人達が入っていたからだ。
 アーシャさんにサナちゃん、それからフィオナ王女と王族と思われる青年、それに加えてミロン君の計5名の者達がいたのである。
 5人は全員眠らされているのか、目を閉じて横になっており、微動だにしない。
(なんで、アーシャさんやサナちゃん達まで……まさか、この面子をさらった理由は! クソッ……ここにきて、この展開かよ……。つか、一体なにがあったんだ……この中にいる人達は、近衛騎士や魔導騎士が護衛していたんじゃなかったのか。どうなってる……)
 アヴェル王子は叫んだ。
【なんでアルシェスとフィオナが、そこにいるッ!】
 続いて他の皆も。
【ア、アルシェス殿下!】
【あれは、フィオナ様!】
【ミロン、なんでお前が!】
 と、そこで、シルバーデビルの勝ち誇ったような声が聞こえてきた。
【ウケケケケッ、この者達の命が惜しいのなら、武器を下ろせ! さぁ早くしろ!】
【グッ……】
 全員が苦渋の表情であった。
 この場にいる者達の武器を持つ手が、ゆっくりと下がる。
 レヴァンだけは笑みを浮かべていた。
【クククッ、でかしたぞ、ザムド。アズラムドよ、私についてこい】
 レヴァンは魔導の手を使って、シルバーデビルがいる崩れた壁の方へと向かう。
 アズラムド国王もそれに続いた。
 程なくして壁の前に着いたレヴァンは、俺達に振り返り、小馬鹿にしたように言い放ったのである。
【クククッ、さて、では迎えが来たようなので、私はここら辺で失礼させてもらうとするよ。だがその前に……愚かなお前達も退屈するだろうから、少し遊び相手を用意しよう】
 レヴァンはそう言うや否や、シルバーデビルに黒い杖とアサシンダガーを手渡した。
【これをお前に渡そう。後は好きにするがよい】
【ハッ! アシュレイア様】
 シルバーデビルはニヤニヤしながら杖を受け取る。
 そしてレヴァンは俺達に振り返り、大きな声で、別れの捨て台詞を吐いたのであった。
【クククッ……お前達が、もしこの場を切り抜けられたならば、魔の島に追ってくるがいい。そこで決着をつけてやろう】と――


   [Ⅲ]


 レヴァンはドラゴンライダーの後ろに跨り、この場から去って行った。
 アーシャさん達が中に入ったキューブ型の牢獄も、6体のドラゴンライダーに吊り下げられて動き始める。
 この場に残った魔物は、トロル1体とサイクロプス2体、ライオンヘッド3体、そしてシルバーデビルが1体だけであった。他の魔物は、魔導騎士と宮廷魔導師達が倒したみたいである。
 戦力はこっちが明らかに上……しかし、頭の痛い事に、シルバーデビルに操られるアズラムド国王という最大の悩みの種がある為、こっちがある意味、劣勢と言える状況であった。
【ケケケケッ、さて、私はお前達の始末をせねばな。我等の悲願を邪魔してくれた礼をたっぷりしてやるぞ。ウケケケッ】
 シルバーデビルはアヴェル王子へとタクトを向けた。
【アズラムドよ、あの者にデインを使え】
【デイン】
 国王の手から放たれた雷がアヴェル王子に直撃する。
「グァァァ」
 アヴェル王子は苦悶の表情を浮かべた。
 と、その時であった!
 メラゾーマと思われる馬鹿でかい火球がトロルとサイクロプスに、イオラとベギラマがライオンヘッドに放たれたのである。
 同時に4つの魔法が放たれたところを見ると、今のはヴァロムさんが魔生の法を使ってやったのだろう。
 それとどうやら、トロルとサイクロプスは今の攻撃で絶命したようだ。
(残りはライオンヘッド3体とシルバーデビル1体……そしてアズラムド国王だが……さてどうするか)
 と、ここで、シルバーデビルが激高した。
【貴様ぁ! オノレェ……おい、お前! あのジジイの魔法を封じるんだッ!】
 指示を受けたライオンヘッドが魔法を唱えた。
【マホトーン】
 ヴァロムさんの周りに黄色い霧が纏わり始める。が、しかし、ヴァロムさんが纏うオレンジ色のオーラがその霧を消し去ったのである。
「今の儂に、そんな魔法は利かぬわ!」
 と、その直後、無詠唱のメラゾーマ2発がライオンヘッドに放たれたのである。
 ライオンヘッド2体は直撃し、断末魔の悲鳴を上げる間もなく、絶命した。ライオンヘッドは残り1体となった。
 だがそこで異変が起きる。
 オレンジ色のオーラが消え、ヴァロムさんはその場で片膝を付いたのである。
 俺は魔導の手を使い、ヴァロムさんの傍へと駆け寄った。
「大丈夫ですかッ、ヴァロムさん!」
「ああ……なんとかの」
 そう答えるヴァロムさんの額からは、沢山の汗が流れ出ていた。
 かなり無理をして、魔生の法を行使していたのだろう。
「フゥ……さすがにこの歳で、何回も魔生の法を行うのは厳しいの……寄る年波には勝てんか」
 ヴァロムさんは杖にもたれるように立ち上がる。
 と、ここで、シルバーデビルの大きな声が響き渡った。
【動くな! それ以上動けば、アズラムドを殺すぞ!】
 シルバーデビルは国王の首筋にアサシンダガーを当てがった。
 俺達はそれを見るや否や、全員動きを止めた。
【動くなよ。ウケケケケ】
 嘲笑うシルバーデビルは、そこで角笛を吹いた。
 奥の扉から、魔物達が現れる。
 やってきたのは6本の手を持つ骸骨の剣士・地獄の騎士が2体と、ミニデーモンが1体、そして崩れた壁からドラゴンライダーが2体であった。
 数の力はこちらに分があるが、人質がいる為、そういうわけにはいかない状況だ。
【クケケケケッ、このジジイのお陰で大分戦力が減ったが、これで少しはマシになった。それからわかっていると思うが……少しでも動いたら、国王の命はないと思えよ!】
【クッ……なんと卑怯な!】
 アヴェル王子はワナワナと拳を握り締める。
 それは他の者達も同様の反応であった。
 シルバーデビルはそんな俺達の様子を嘲笑いながら、やってきた魔物達に指示をした。
【ケケケッ、さぁて、それじゃあ、まずは厄介なヴァロムとその息子ディオンから行こうか。いや……ここは盟約の血統であるコータローやアヴェル王子の方がいいかな……ケケケ】
 ニタニタ笑いながら、シルバーデビルは俺達を見回した。
 もう勝った気でいるのかもしれない。
(非常に不味い状況だな。とはいえ、今が事態打開のチャンスのような気がするんだよな。何も思い浮かばんけど……)
 と、ここで、ヴァロムさんが小声で話しかけてきた。
「さて……弱ったのぅ……概ね、予定通りの展開だが、ここで少し想定外の事が起きた。どうやって切り抜けるか……。コータロー、お主ならどう切り抜ける?」
「それがですね……まだなにも思いつきません」
「ラーさんはどうじゃ?」
「我も同じく」
「……」
 俺達は言葉をなくした。
(はぁ……今のところ打つ手無しか……。不味いな……チッ……あのシルバーデビルさえなんとかすれば、一気に事態は好転するんだが……何か良い方法はないか。奴に気づかれずに近寄る良い方法は……ン? そ、そうだ!)
 俺はラーのオッサンに囁いた。
「おい、ラーさん。聞きたい事がある。以前、偽りの姿を見せる事ができると言ってたけど、レムオルって魔法は使えるのか?」
「ああ、使えるとも。透明にする魔法の事であろう? ……というか、なんでその魔法の事を知ってる? ……それも書物に記してあるのか?」
「その話は後だ。使えるなら、とりあえず、俺の言う通りにしてくれ」
 ヴァロムさんが訊いてくる。
「コータローよ、何か閃いたのか?」
「はい。ラーさんの力を借りれば、この場は切り抜けれるかもしれません」
「そうか。ではラーさん、コータローに力を貸してやってくれ」
「うむ。で、我は何をすればよいのだ?」
「真実を曝け出す時に強烈な光を放ったと思うけど、アレをやりながら、モシャスで俺の姿に化けて、尚且つ、俺をレムオルで消すなんて芸当はできるか?」
「……まぁやってやれんことはないが、レムオルは、ある程度移動すると効果が切れるぞ」
「あの魔物の所までなら大丈夫か?」
「少し遠いな……だが、なんとか行けるだろう」
「なら、すぐにやってくれ。あのシルバーデビルさえ、なんとかすれば、この場は切り抜けられる」
「わかった。では行くぞ」
 と、その直後、俺の胸元に掛かっている鏡が眩く輝きだしたのである。
 シルバーデビルは叫ぶ。
【グアァァ! 何だこの光は! オノレ、またあの鏡か、忌々しい!】
【こ、これはさっきの光か!】
 ここにいる者達全員が腕で顔を覆い、光を遮っていた。
 その為、俺達のところで起きている現象は、皆から死角になっていた。
 というわけで、レムオルで透明になった俺は、早速、行動を開始したのである。
 程なくして光は消えてゆく。
 シルバーデビルの怒声が響き渡る。
【オノレェ! 今の光はそこからだな! 小賢しい奴め……おい、そこにいるコータローとヴァロムから先に血祭りにあげろ!】
 魔物達は動き始める。
 そして俺はというと、すでに奴の真下に来ていたのである。
 俺は上を見上げた。
 観覧席の手摺りの上にいる奴は、前にしか注意を向けていなかった。
 モシャスの俺を本物と認識しているようだ。
(よし、今がチャンス!)
 俺は魔導の手を使って観覧席へと着地すると、奴の真横へと忍び寄った。が、しかし……なんとそこで、レムオルの効果が切れたのである。
【なッ!? 貴様は!】
 当然、奴も気づいた。
(だぁ! こんな所で切れんなよ! もうイチかバチかだ!)
 後に引けない俺は、そこで魔光の剣を発動させ、問答無用で、アサシンダガーを持つ手へと剣を振るった。
 その刹那!
【ギャァァ!】
 シルバーデビルの腕は、綺麗に切り落とされたのである。
(う、うまくいった)
 この隙を逃さず、俺は畳みかけた。
 更に一歩踏み込み、俺はシルバーデビルの胴を横に薙いだ。
【アガ……ガ】
 少し遅れてシルバーデビルの胴体は切り離される。
 そして次の瞬間、2つに分断されたシルバーデビルの身体は、手摺りから1階の床へと落ちていったのである。
 奴が死んだと同時に、国王は気が抜けたように、観覧席の床に横たわる。
 俺はそれを見たところで、ヴァロムさんに告げた。
【ヴァロムさん! アズラムド陛下は呪縛から解放されました! 残った魔物どもをやっちゃってください!】
【ようやった、コータロー。後は任せよッ。 皆の衆! もはや障害は取り除かれた。魔物を討つのじゃ!】
【オオッ!】
 ヴァロムさんの号令を合図に、魔導騎士と宮廷魔導師達は一斉に魔物へと攻撃を開始した。
 数の力は圧倒的にこちらが上であった為、魔物達は次々と倒されてゆく。
 そして暫くすると、アヴェル王子の勝利宣言が、この審判の間に響き渡ったのであった。 
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