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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第51話 みんなでアリサの別荘へ

午前5時……………

「広い砂浜………エメラルドブルーの海!!」

「ここはマンションの玄関だぞ、ライ」

「わ、分かってるよフェリア!!実際に着いた時の練習をしてたんだ!」

朝5時からテンションが高いことで…………

俺達は今、マンションの入口の前にいる。
加奈や桐谷も一緒だ。

後はフェイトとエリオが合流すれば全員集合なんだけど………
マンションの前で待っていれば迎えに行くとアリサに言われていて、今迎えを待っている。

シャイデも来るって言ってたけど、どこから合流するのやら………

キャロやルーテシアはまだウトウトしている。
星に手をつないで貰って何とか来たって感じだ。

「海ってどんな所なんスかね?」

「一面水だってドクターから聞いたことがあるけど………」

「湖って事か、セイン?」

「分からない、ドクターも実際には見たことがないって言ってたから」

セイン、ノーヴェ、ウェンディの3人が海について話している。

「夜美、お前は見たことあるのか?」

ディエチも夜美に聞いてみる。

「我も一度しか行ったことがない。前に行ったときは星が迷子になって探すのに苦労した」

ああ、そんなことあったな…………
まさかのライじゃなく星だったからな。

「あ、あの時は悪いと思ってます!!けど、いなくなった夜美達も悪いんですからね!!」

「どうでもいいけど朝早いんだから、大声出すな」

そう言って星はおとなしくさせた。
ただ、顔は赤いまま睨んでいたけど………

「ごめん、遅くなっちゃった!!」

その声の主はフェイトだ。隣にはエリオがいる。

「久しぶりだな、エリオ」

「はい、レイ兄!!皆さん初めまして、エリオ・モンディアルです」

元気な声で星達に自己紹介するエリオ。

星達もそれぞれ自己紹介した。

「私はフェイト・T・ハラオウンです、皆さんよろしくお願いします」

フェイトも同様に、面識が無かったセイン達に自己紹介をした。

「ああ、彼女がドクターが言っていた………」

セインがふとそんな事を呟きそうだったので慌てて口をふさいだ。

「何か言って無かった?」

「何でもないんだ、何でも………」

口を抑えたセインがフガフガ文句言ってるが気にしない。

昨日あれほどスカさんの事は絶対に言うなって言っておいたのに…………
そんな事を話していると、遠くから大型バスがやって来た。

……………近くの高校で合宿でもするのかな?
そう思ってると…………

「待ってて、今、下を開けてもらうから。そこに荷物入れてね」

大型バスから降りてきたシャイデが言った。







バスに乗った俺達は先に乗っていた面々に軽く自己紹介をしてさっさと席に着いた。
船で移動するらしく、あまり遅くなるわけにはいかないらしい。

だから朝が早かったのか…………

「しかし、豪華なバスだな」

「そうだな、さすがはバニングスグループって所だな」

「なるほど………忘れてたけど、アリサってお嬢様だった」

俺の隣に座っている恭也さんに言われて納得した。
俺もスカさんのおかげで金持ちの部類に入るだろうが、上には上がいるもんだ。
このバスだが、普通のバスとは違い、後ろが向かい合う形になっていてみんなで楽しめるようになっている。それが中間まで続いている。

後は普通の席だが。

大型バスに乗っているメンバーは、恭也さん、忍さん、美由希さん、アリサ、すずか、なのは、はやて、リイン、ヴィータ、フェイト、エリオ、桐谷、加奈。

後は今、家にいるメンツである。

シグナム、シャマル、ザフィーラはどうしても仕事が外せなかったらしい。

俺的にはシグナムさんとシャマルさんの水着、見たかったのだが…………
はやての事だし、かなりエロティックな水着だったはずだ………

勿体ない!!


恭也さんと忍さんとは実に2年ぶりだ。

忍さんの仕事で海外に行き始めたのが2年前、恭也さんもそれにくっついていった。

それ以来会っていなかったため、俺自身とても楽しみにしていた。

話したい事もあるし、楽しみだ。



「大富豪はじまるで〜!」

後ろの席からはやてが、叫ぶ。

「「「いぇ〜い!」」」

その声に乗ったのはライ、セイン、ウェンディ。

大人以外はみんな夢の中だ。

一番後ろの席で4人テンションを上げている。

時刻は今だに5時30分頃、
なのに奴らのテンションときたら……………

「ちょっと注意して来ます」
「気を付けて行けよ」

俺は自分の席を立ち、後ろに向かった。



「零治君?どうしたんや?もしや!!零治君も参加したいんか?」

「違うわ!うるさいからもっとボリュームを下げろって言いに来たんだ」

「えっ〜、でもこういうのは盛り上がらないと………」

「そうだよ、せっかくの旅行なんだし………」

「そうっスよ、旅行は行きから始まってるっス!!」

「分かった、やるなとは言わないから静かに盛り上がれ、いいな」

俺はそう言って無理やりその場を後にしようとしたが、ライとセインに捕まった。

「離せ〜!!俺も一眠りしたいんだよ!」

「4人じゃつまんない!!レイも〜!!」

「そうだよ〜レイもやろうよ〜!!」

「嫌だって、いい加減にしないと………」

「零治君がセクハラしたって叫ぶで」

はやて、貴様は……………………

「どないする?」

「……………やらせていただきます」

俺は諦めてその場は一緒に大富豪をすることにした。





「みんな〜!!こっちの船に乗って〜!!」

アリサの掛け声でみんなが動く。

「ウェンディ、あれって何かな!?」

「カモメの翼がくるくる回ってるっス!!」

「…………フェリア」

「…………任せろ」

そう言ってフェリアは騒いでいる2人を連れてくる。
目を離すとすぐ、どこかに行くからな、あいつら…………

「星、あっちのお土産見てくる〜!!」

「待ちなさい!!夜美、ライを!!」

「分かった、我に任せろ!!」

走ってライを捕まえる夜美。

家にも問題児がいました…………
キャロやルーテシア、エリオが静かにしてるのに、恥ずかしくないのか?

「おい、みんなもう乗ってるぞ、早く来い!」

「分かった、ちょっと待ってくれ!」

俺に声をかけたのは赤いワンピースを着た赤い幼女、ヴィータさんだ。
予想通り小さい………

「零治、今馬鹿にされたような気がしたんだけど………」

「気のせいじゃないか?」

「そうか?っていうか早くしろって!!」

結局、全員乗れたのはその10分後だったりする。
皆さんごめんなさい………………





「「「うわぁ、綺麗………」」」

エリオ、キャロ、ルーテシアが船のデッキの手すりを掴み、一緒に呟く。
見ているのは当然海だ。

実際に綺麗で、中が透き通って見える。

「見てるのはいいけど、よじ登ったりするなよ」

「はいお兄ちゃん」
「分かりましたレイ兄」
「はいな〜」

ルーテシア、段々キャラがおかしくなっているような………
段々誰かさんに毒されていってる気がする。
俺は3人の様子を見ながら、デッキにあるベンチに腰をかけた。


アリサが言った船は普通に凄かった。
移動用と言いながらも、旅客船で使えるのではないかと思うほどの装備を持つクルーザーだった。
大きさは旅客船よりかなり小さいけど………

中に複数の人が泊まれる部屋もあり、しまいには食堂もある。

さっきのバスといい、流石はバニングス家。

「何ボーっとしてんのよ…………」

「いや、アリサは金持ちのお嬢様だったんだなって改めて思っててさ…………ってアリサ!?」

「お嬢様って………別に私はそんなつもりないわよ」

何故か隣にアリサがいた。

「どうしたんだ、お前?」

「アンタを見かけなかったから見に来たのよ」

なるほど………………

「で、どう?」

「最高だよ、ちびっこもあんなに嬉しそうで………本当に来てよかった。感謝してるよアリサ」

「い、いきなり何よ!ビックリするじゃない!!」

「別に冗談じゃないぞ。真面目に言ってるんだ。ありがとうアリサ」

「うぅ〜」

うなったような声を出すアリサ。
そして直ぐに立ち上がる。

「どうした?」

「の、のどが渇いたから飲み物飲んでくる………」

そう言ってアリサは中に行ってしまった。

「……………眠くなってきたな」

着くまで部屋で寝させてもらうかな…………

「お〜い、そろそろ中に入るぞ〜!」

「「「はぁ〜い!!」」」

俺も3人を連れて中に入って行った。





「零治君」

「どうした、なのは?」

机に座って、サンドイッチを食べているなのはに呼ばれ、俺達はなのはの所に向かった。

「船の人が食べてくださいって」

そう言って俺達にサンドイッチを渡してくれた。

「ありがとうなのは」

貰ったサンドイッチをチビッ子3人にも渡す。

「隣、いいか?」

「うん、いいよ」

俺はなのはの隣に座り、キャロ達もその隣に座る。

「朝から酒飲むなよ…………」

シャイデが早速ビールをがぶ飲みしてる。
恭也さんを巻き込んで……………
やたらとくっつくから忍さんに黒いオーラが…………

「恭也さん大丈夫かな…………?」

「多分オハナシだと思うよ………」

「「オハナシ………?」」

あっ、ヤバっ…………

「どうしたの、キャロちゃん、ルーちゃん………」

「お兄ちゃんからそれは恐ろしいオシオキの合図だって言われたので………」

「人格を曲げるほど恐ろしいから言う人には気を付けろって言われた…………」

俺は静かにその場を後にしようとするが…………

「零治君、子供達に何を教えてるのかな…………?」

こちらのなのは様も黒いオーラを漂わせながら素晴らしい笑みを見せてくれた。

「ちょっと一緒に来てくれるかな…………?」

「はい………………」

まさか、夏休みまでオハナシを受けるとは思いませんでした……………



「へぇ、綺麗な所だな」

島には広大な自然と、色々と大きな旅館が見える。

「どう?綺麗でしょ?」

俺の隣にアリサがやって来て声をかけてきた。

「ああ、綺麗だ」

俺の返事に満足したのか、

「ようこそ、鈴音島へ!」

笑顔で言ってくれた。

不覚にも俺はその笑顔に見とれてしまった…………





「「「「「わあ〜大きい!!」」」」」

別荘の前でチビッ子3人とライとセインが騒いでいた。

「頭がガンガンする………」

「大丈夫、零治?」

「少し休んでる?」

「ああ、大丈夫だ、フェイト、すずか」

今になって頭が痛くなってきた。なのはのオハナシ、未だに進化してるな………
でも、自分の荷物を誰かに任せたら悪いし………

「俺も自分の荷物を運びに行ってくる」

俺はそう言って自分の荷物を取りに行った………




「よいしょっと…………こっち終わりましたー!!」

「こっちも立てました」

「ありがとう、助かったよ」

俺と桐谷は恭也さんと共にパラソルを立てていた。

「しかし本当に誰もいないですね」

「そりゃあプライベートビーチだからな」

「それはそれで面白くないですよね」

俺がそう言うとイケメン二人は首をかしげた。

「まさか二人は海に来たらまず男がやること、水着ウォッチングをしないのですか!?」

「信じられへん!!」

「凄いんですよ!上から下まで多種多様な水着があるから。男としてチェックしなければ逆に失礼です!!」

「そうやで!恭也さんなんかは彼女がいるからこそチェックせなアカン!!桐谷君もイケメンやからこそチェックせな今の流行についていけなくなるで!!全く、二人とも分かっとらんよ!!」

「「す、すいません…………」」

おおっ、イケメン二人が怒られてる。
まあそんなことより、

「いきなり不自然なく会話に入ってくるなはやて」

「へっ?」







「で、どうや?」

「何が?」

「水着や水着!!」

「いや、普通に似合ってるけど」

少し大人っぽい紅色のビキニ。
はやてにはちょっと早い気もするが、似合ってるな。

「何か真顔で言われてもなあ………もう少し赤くなるとかせえへんの?」

「だったらもっとナイスバディを希望する」

「くっ、反論できへん…………」

はやても中学生にしたら平均以上なんだけどな。

「はやてちゃん〜、どこですか〜?」

どこからか明るい声が聞こえる。

「おお、リイン、ここやで〜!」

「あっ、いたです〜」

ちょこちょこ走ってくるリインちゃん。

白いワンピースの水着がとても似合ってる。
なにこの生き物可愛いんだけど………

「ロリコン…………」

「違うよ!?」

「どうしたんですか〜?」

「いや、何でもない」

「リイン、零治君にあまり近づかない方がいいで。リインみたいな小さい可愛い子を………パクって!」

はやてはリインちゃんを驚かすように言った。

「いやああ!!零治さん食べないで下さいですぅ〜!!」

「いや、食べないし………」

「ヴィータちゃんにも教えてくるです〜!」

そう言ってリインちゃんは更衣室へって!!

「待ってくれ!俺は食べたりしないから!!はやても何か………」

「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

このタヌキ…………!
変な笑い方で笑いやがって………
あの後、みんなの視線が痛かった………

特にヴィータが。

せっかくのみんなの水着姿を見る余裕が無いよ…………
何でこうなる…………




パラソル下…………

「俺は悪くない………俺は悪くない………」

「お兄ちゃん、元気出してください」

キャロが唯一俺を慰めてくれる。
俺も嬉しいんだが、みんなの視線がどんどんキツくなっていく………

ううっ、胃が痛い………

桐谷と恭也さんが可哀想な奴って目で見てくる。

せめて慰めて…………
「零治君大丈夫、私は零治君がロリコンでも付き合いを変えるつもりは無いから」

「私も気にしないから」

「お姉さん方、せめてロリコンを否定してくれ…………」

忍さんも美由希さんも酷いや……………慰めになってないし………

「いいじゃない、好みも人それぞれよ」

シャイデがいきなり話に加わってくる。

「それでも俺はやっていない!!」

「いきなり何を言っているんだ………」

「桐谷君、そんなことよりどう?この水着」

「どうって言われても…………」

なんとも言いづらいよな………
相変わらずのマイクロビキニでただでさえデカイ胸がずれたら見えそう。

「じゃあ、恭也君はどうかしら?」

「えっ!?俺ですか?えっとお似合いだと思います………」

「本当に!?嬉しいわ。お礼に私の胸触ってみる?」

「えっ!?いや…………」

「シャイデ、その位にしとかないと恭也さん明日の朝日を見れなくなる………」

それを聞いて恭也さんは忍さんを見る。
忍さんがそれはもう素晴らしい笑顔で恭也さんを見ている。

恭也さんは冷や汗半端ないけど…………

「で、桐谷君どうだった?」

「あれは反則だな…………」

俺がこっそり聞くと素直に答えてくれた。
この巨乳好きめ…………

俺もだけどね!
だがシャイデ、お前は嫌だ!!




その頃砂浜………………

「ライ、いったよ!」

「OK、フェイト!!いっくよ〜スマーッシュ!!」

ビーチボールが地面に突き刺さる。

「20対14でフェイト…ライペアの勝ち!」

すずかの声で試合が終了する。

「な、なんちゅう運動神経や………そしてビバ、おっぱい!」

「グーではない!!負けてしまったではないか!!」

負けたのにサムズアップするはやてに突っ込む夜美。

「えっと次はなのはちゃんと星ちゃん、セインちゃんとノーヴェちゃんだっけ?」

すずかがウェンディに確認する。

「確かそうっスよ」

「そうなんだ、星ちゃん頑張ろうね!」

「…………………」

「星ちゃん?」

星は黙ったまま動かない。

「星怖いんでしょう?ビーチボールもボールだからね〜」

ライが挑発するように星に話しかけた。

「そ、そんなことないです!!いいですよ!やってやります!!」

「星姉頑張れ〜」

「ありがとうルーちゃん!!私頑張るから!!行きますよ高町なのは」

そう言ってコートの中に入る星。

「ライ、まずいのではないか?」

「大丈夫だよ、ビーチボールは固くないし、顔にあたってもケガはしないと…………思う!」

「中間の間が気になるが…………」

まあ大丈夫かと夜美も思い、それ以上何も言わなかったのだが…………

「なのは、行くぞ!!」

「いいよノーヴェちゃん!」

ノーヴェは上からボールを叩く。

ボールは低い弾道で、ネットギリギリを超えた。

「上手い…………けど!!」

なのはがボールをうまく拾う。

「お願い星ちゃん!」

「は、はい」

ボールの下に入った星。

ボールもゆっくり降りてくる。

誰もが綺麗に上に上げてなのはがスマッシュするものだと思っていた。

「あうっ!?」

ボールをヘッドで上げるまでは……………

「………何で手を上に上げてるのに頭で受けるの?」

「分からん、未だに星のボールの扱いは不明点が多い………」

アリサの疑問に夜美が答える。

「あははははは、見事なヘッドや星ちゃん!」

「あうっ!?だって〜星姉超可愛い!」

はやてとウェンディは大笑い。

「星姉、運動苦手なの?」

「別に苦手じゃないよ。ただ単にボールに嫌われてるだけなんだ」

ルーテシアの質問に変な答えを教えるライ。

「大丈夫?星ちゃん…………」

「迂闊でした…………ですが、次こそミスはしません」

そう言ってボールを持って後ろに行く。

「私のサーブです!」

「いいよ、来い星!」

「いきます!!」

星もさっきのノーヴェと同様にボールを上にあげる。

下りてきたボールを上からたた…………

スカっ。

トントン。

「……………………星さん?」

エリオが心配しながら呟く。

「い、今のは失敗しただけです!!次は大丈夫です」

「星ちゃん、上じゃなくて下からあげたら?」

「……………そうします」

今度はボールを上に上げ、下からボールをすくい上げる様に…………

ポン

真上にボールが上がり…………

「あうっ!?」

またしても頭にヒット。

「星ちゃん!?」

結局その試合は全く試合にならなかった…………




「お兄ちゃん、星お姉ちゃん大丈夫?」

「ああ、俺はもう少しで立ち直れそうだ。だけど…………」

「今日は調子が悪かっただけ…………今日は調子が悪かっただけ…………」

星はさっきからずっと同じ言葉をつぶやいている。

ものすごく恐い…………

「レイ、私って運動音痴なんでしょうか…………?」

「いや、決してそんなことないと思うけど…………」

ものすごくボールには嫌われてるけどな………

「私もボールと一緒に寝れば…………」

「どこのサッカー少年!?」






あの後、正気を取り戻した星と俺、桐谷、はやてと忍さんでみんなの昼飯を作った。
焼きそばだけど。
結構好評でした。

そして食べ終わった所で…………

「みんなースイカ割りするで〜!!」

このはやての一声でスイカ割りをすることになった。



「先ずは誰からやる?」

「はい!僕がやりたい!!」

「ライはダメだ」

「何で!?」

「お前一回目で普通に割りそうだから」

コイツの遊びスキルはレアスキル認定されても良いと思う。
初めてやったことでも何でもこなすからなぁ…………

恐らくスイカ割りも最初だけフラフラしてその後は普通にスイカを割りそうだもん。

「ぶぅ〜納得いかない………」

頬を膨らませるライ。
まあ誰も割れなかったらやらせてやるよ。

「じゃあ誰にするん?」

「じゃあ先ずは……………加奈、お前行け」

「えっ、私!?」

「加奈姉、すってんころりんっス!」

「転べと!?」

「それか水着の紐が外れてポロリでもいいで!」

「なんでスイカ割りでポロリ!?その状況が想像できないわ!」

「そこの二人はほっといていい………みんな加奈を回せ!!」

そう言うとみんなが加奈を回し始める。

……………男子はしてないぞ。

「ちょっ、回しすぎ!!やめ、もう………ストップ!!」

加奈が叫んで皆も回すのを止める。

ざっと20回転くらいしたか?
もの凄いスピードで…………

何か気持ち悪そうなんだけど…………

「うぅ、気持ち悪っ…………」

そう呟いて、その場に座り込んでしまった。

「やりすぎちゃったね」

そのなのはの発言に皆が頷く。

「まあ最初は試しみたいなもんだからな。よし、次からが本番だ」

「普通に切り捨てましたね」

「後で加奈にオハナシされるだろうな」

大丈夫さ夜美。その時は男湯に逃げるから。

「次は………フェリアどうだ?」

「私か?」

「うん、フェリア姉、やってみたら?」

「頑張れフェリア姉!」

「ファイトっすよ!!」

「分かった、何事もチャレンジだな!」

妹達に応援されてやる気が湧いたようだ。

「私達戦闘機人にやらせて大丈夫なのか?」

ディエチにそう言われる。
戦闘機人でも問題無いと思うけど………

「普通に大丈夫だろ?特別なセンサーがあるとかじゃないだろうし」

「分からない」

分からないのかよ!!

だが…………

「あたふたするフェリア姉超可愛い!!」

携帯を持ってきて激写するノーヴェ。

「フェリア姉、こっちですよ〜」

こっちとしか言わず、詳しい方向を言わないセイン。

「縦縦横横丸書いてちょん」

何かの絵かき歌のような事を言うウェンディ。

そんな指示を受けてあたふたするフェリアを他のみんなで微笑ましく見ていた…………

結論…………戦闘機人でもスイカ割りは難しいらしい。




「そろそろ割るか」

あの後、なのはや、夜美、桐谷もチャンレンジしたが、誰も真面目に指示をしないため、未だにスイカは割れていない。

「じゃあ僕がやっていいの?」

「そうだな…………」

もうやらせてもいいか。

「ライちゃん、ちょっと待ってな。その前に零治君や」

「俺か!?」

ものすごく悪意しか感じないんだけどはやてさん。

「そうね、あれだけ偉そうに指示してたんだし、零治アンタやりなさいよ」

アリサも俺にやれと言ってくる。

「お兄ちゃん頑張れ!」

「よっしゃあ!頑張るぜ!!」

キャロに言われたんだったらやるしかないよな!!

「何か気にさわるけど、やるならさっさと目隠ししてよね」

そうアリサに言われたのでさっさと俺は目隠しをした。

当たり前だが全く見えない。

「それじゃあ回しまーす」

すずかの声かな?

合図により、俺の体かなり速いスピードで回り始めた。
うおっ、こりゃあ気持ち悪くなるわ…………

やがて止まるがもうフラフラしているのが分かる。
加奈の気持ちがよく分かったぜ………

さて、信用できるか分からないけど、取り敢えず指示を聞くか。
フラフラする体を何とかその場にとどめ、指示を聞くために耳を澄ませた。

「零治君上やで!!」

「レイ兄、下っス!!」

この二人は除外…………

「零治、左に行きなさい!!」

アリサか?スイカは正面にあったから左では無いと思うのだが………

「零治、斜め30°だよ」

フェイトか?斜め30°って言われても全然分からないから。

「零治君10歩前に進んで、右に4歩、そこから5歩真っ直ぐ進んで振り下ろせばOKよ」

「最初からゆっくりお願いします!」

恐らく忍さんだな…………

「レイ、取り敢えず…………」

「ダメだよ星、僕もやりたいからレイは失敗させないと」

「そうですか、ならレイそのままバックで」

星さん!?投げやりみたいに指示を出さないでほしいのですが…………

「くそ、どうすれば…………」

「お兄ちゃん!!」

おお!!この声はマイプリティエンジェル、キャロちゃんの声!!
素直なキャロなら…………

「頑張って!!」

道順〜!!!
素直に応援してくれました。

結局、俺もリタイアし、ライが綺麗に割ってくれました。 
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