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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0108話『香取の修練』

 
前書き
更新します。 

 





先日に提督からついに睦月型の誰が改二になるのか情報が出たというお知らせを聞きました。
そしてそれは提督の読み通り文月さんらしいという事ですね。
トラック島空襲で一緒に轟沈した身としましては文月さんの事が誇らしいと思うと同時に頑張り過ぎないでほしいという思いもある。
普段はふわふわしていますけどいざ戦闘になれば文月さんは表情が変わるのをよく見ますね。
牙を隠しているという訳でもないのですがどうにも……。

とにかく私はそれで文月さんのもとへと向かっていました。
そして見つけてみれば那珂さんと一緒に文月さんを発見しました。
二人とも笑顔で会話をしているので少し会話に入りづらいですけど勇気を出して話しかけようと思います。

「文月さん。お話し中にすみませんが少しよろしいでしょうか……?」
「あ! 香取先生! どうしたの? 文月になにか用なの~?」
「那珂ちゃんはお邪魔かなぁ……?」

それで那珂さんは少し離れようとしていますけど今はちょうどいいですね。
那珂さんも巻き込んで話をしてみましょう。
阿賀野さんはいませんけどこのメンツはやはりトラック島のメンバーだから思いを共感できると思いましたので。

「那珂さんもよかったら一緒にお話ししませんか?」
「え? いいの?」
「はい。トラック島での仲ではないですか」
「そっかぁ! よかったー……那珂ちゃん、嬉しい☆」

それでいつも通りに戻った那珂さんを横目に流しながらも本題へと入らせていただこうと思います。

「それでですが、文月さん。あなたに朗報ですよ」
「朗報……? なにかいいことがあったの~?」
「はい。提督から聞かせていただいた話なのですが昨日の大本営の発表で文月さんの改二が確定したそうなのです」
「え!? それって本当ー!?」

それで文月さんはよほど驚いているのだろう口を大きく開いていますね。
その気持ちはわかります。

「やったね文ちゃん! これはお祝いをしないといけないかな? かな!?」
「あわわ……さすがに驚きだよー! 那珂ちゃんさん、待ってね! 少し文月、深呼吸ー!」

文月さんはそれで何度も息継ぎを繰り返していました。
しばらくして落ち着いてきたのでしょう。少し文月さんは目を輝かせながら、

「香取先生! それって本当に本当の事なの!?」
「ええ。提督が嘘を吐くわけありませんから」
「そっかぁ……」

それで文月さんは嬉しいような、でも少し悩む仕草をしながら表情をころころと変えていました。どうしたのでしょうか……?

「うーん……そうだとすると早く練度を上げないといけないよね?」
「そうだね、文ちゃん。今の文ちゃんの練度っていくつだっけ……?」
「今はあたしの練度は75だよー!」

私はその文月さんの現在の練度を聞いて、そして最近の練度インフレの事も吟味しまして最低でも80は上げておいた方がいいという結論に至りました。
ですので、

「文月さん。でしたらこれから私と特訓しませんか? これでも練習巡洋艦の私です。少しはお役に立てると思うのです」
「ほんとう!? 香取先生、ありがとう!」
「那珂ちゃんも手伝うね! もう忙しくなりそうだね!」

そんな話をしながら私達はその話をするために執務室へと向かいました。
向かう道中で、

「でもでも! なんか文月だけなんか悪いなぁと思うの。弥生ちゃんとか望月ちゃんとかもきっと改二になりたかったと思うしあたしだけ特別扱いなのも嫌なの」

文月さんはそう言って悩んでいました。
お優しい文月さんの事ですから姉妹の子達に気を使っているのでしょうね。
ですが変に情けをかけても余計変にこじれてしまうのが目に見えてしまうと思うのです。
ですからここは心を鬼にしますね。
それで私は文月さんの肩に手を置いて真正面から話しかけます。

「文月さん。あなたのその気持ちはきっと姉妹の皆さんは嬉しいと感じるはずです。ですが同時に足枷にもなってしまう事を危惧した方がいいですよ」
「なんで……?」
「どういう事? 香取さん……?」
「那珂さんは水雷戦隊を務めていたのなら分かると思いますけど気休めの情けは時には逆に相手を傷つけてしまうのですよ」

それを聞いて那珂さんは思い当たる節があったのか「あー……」と言って苦い顔をして頭を掻いていました。
どうやら心当たりがあるようですね。

「確かにそれは少しわかるかもしれない。戦闘で行動不能になった子は負い目を感じながらもその場で雷撃処分か放棄せざる場面も昔はあったからねー。那珂ちゃんも胸が苦しいよー……」

オーバーリアクションとまではいきませんがそれなりに感情を込めて那珂さんはそんな話をしていました。
それでもまだ文月さんは分からなかったらしく「え? え?」と少し混乱しているようですね。

「文月さんはもし姉妹の誰かがもう動けないような状態になってしまったらどうしますか……?」
「それは……助けたいよぉ」
「はい。普通ならそう考えますけど一刻と変わっていく戦況でそれすら許されない状況になってしまう事も時にはあります。そんな時は心を鬼にして見捨てる覚悟も必要なのですよ」
「そんなぁ……嫌だよぉ」

それで文月さんは少し涙目になっています。
心が私も締め付けられますけど我慢をしなければ……。

「ですからそんな事態にならないように文月さんが強くなって守って差し上げればいいのですよ」
「あたしが、守るの……?」
「はい。改二になるというのはそれほどの強さと夢、希望が託されているのですよ。ですから遠慮などせずに文月さんは素直に強くなれば良いのですよ」
「そっかぁ……改二になればもっとみんなを守れるようになるんだね……」

それで先ほどまでの泣き顔もどこかに行ってしまったのか自信に満ち溢れている表情になって、

「うん! 文月、頑張って改二になるね!」
「その意気ですよ、文月さん」
「那珂ちゃんも応援するから改二になれるように頑張ろうね!」
「うん!」

これでもう文月さんは大丈夫でしょうね。
こういう時に練習巡洋艦としての役目を果たせることが出来たのは私としましても嬉しい事です。
そんな会話をしながらも執務室へと到着したので、

「提督? 香取です。入らせてもらってもよろしいでしょうか?」
『香取か。わかった、入ってくれ』
「はい」

それで文月さんと那珂さんと一緒に執務室に入り、文月さんは開口一番に、

「司令官! あたし、改二になれるように頑張るね!」

いきなりの文月さんの宣言に提督は目を点にしていましたがすぐにニヤリと笑みを浮かべて、

「それならこれから忙しくなるぞ。練度上げを頑張っていこうか」
「うん!」

それで大本営の指定した期日までに練度をある程度上げておこうという話でケリがつきました。
私も、練習巡洋艦として頑張らないとですね。
それから暇があれば私は那珂さんと一緒になって文月さんの練度上げを手伝う事にしました。よい結果を残せればいいですね……。
私はそう願いました。


 
 

 
後書き
運営情報で文月改二確定のご報告がありました。読みは当たっていた!
これから残り一週間でできれば練度85まで上げたいなぁ……。
最低でも80は越させるつもりです。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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