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ソードアート・オンライン~白と青の軌跡~

作者:叶愛
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黒と青の剣舞

 
前書き
今回はライア視点です。
では、本編へ! 

 
俺は今、ギルド『疾風迅雷』のギルドホームに来ていた。

キリトから「少し時間あるか?」というメッセージが来たため、俺は返信を済ませて呼ばれた場所が『ギルドホーム』だった。

ドアを開けて、中に入るといつものメンバーがソファに座って紅茶を飲んでいた。

「ラ、ライくん!?」

「珍しい人が来たわね。」

「ライだ~!ぎゅってしていい~?」

「ストレアさん、ライアさんから離れてください!アスナさんの目が笑ってませんから!」

「あはは、ストレアもやるわね~」

アスナ、シノン、ストレア、シリカ、リズと俺が来たことに反応する。

俺はやれやれ…と思いながら中に入り、キリトがいるか確認する。

「キリトに呼ばれたんだが、キリトは?」

5人は首を横に振り、「知らない」と同じタイミングに言った。

──仲がいいって良いな。

俺は、その平和な状況に少し微笑んだ。

すると、リズにストレア、シリカが有り得ないものを見たかのようにいきなり立ち上がった。

「あ、あ、アンタ!?」

「ライアー!」

「ラ、ラ、ラ、ライアさん!?」

俺はいきなり大声を出され少し驚いた。

──な、なんか変なことした!?

驚きすぎたせいか普段とは違う昔の口調で……

「ぼ、僕なんかしました!?」

『僕……!?』

──あ……しまった。

「はぁ……、ライア。アンタ昔の口調に戻ってるわよ?」

「懐かしいライくん。」

シノンとアスナは俺の口調に微笑んだ。

「ち、違う!今のは…その…!」

俺は急いで弁解しようと3人に向き直るが遅かったのか3人は赤い顔をして何故かどこかに意識が行っていた。

「おーい、3人とも?」

アスナが目の前で手を上下に振るが反応なし。

シノンはやれやれ…と言うかのように紅茶を飲んでいる。

その時だった、後ろのドアがガタッと開く。

今までどこかに行ってた3人、アスナ、シノンは先ほどの雰囲気とは逆に警戒心へと思考を変える。

俺も素早く剣に右手を近づける。

「ただいまーって、何で全員警戒心MAXなんだ!?」

ドアから入ってきたのは、真っ黒で全身を覆っているキリト。

「なんだ、キリトか。」

俺は右手を剣から離して、ため息を付く。

シノンもキリトをジト目で見ながらため息を付いた。

「もう、アンタだったのね。」

その場にいる全員が今の集中力を返せと思っていた。

「な、なんだよ……確かに最近はギルドホームを襲うっていう謎のバグが可能になってるけど……」

『その事件で全員が警戒心を持ってるんだ(の)(のよ)(んです)!』

「何かすみません…」

そう、最近になって何故か起こり始めたギルドホーム破壊。

本来、ギルドホームにはそのギルドに所属してる人、又は認められている人以外は立ち入りできず、破壊不能オブジェクトでもあるため破壊出来ないのだが出来るようになってしまったという謎のバグが発生しているのだ。

ソロの俺が疾風迅雷のギルドホームに入れているのは後者である。

俺は再びため息をついてからキリトに話しかけた。

「それで、キリトはどうしたんだ?」

キリトは俺の言葉を聞くと表情を変えた。

「俺と本気のデュエルをして欲しい。」

──デュエルか……って、デュエル!?

キリトはそう言いながらウィンドウを操作する。

そして、俺の前にある表示が浮かび上がった。

┌──────────────────┐
Kiritoからデュエルを申し込まれています
受けますか?
【yes】・【no】
└──────────────────┘

俺はキリトの表情を見た。

──何か、考えてるな……?

「き、キリトく……!?」

「ちょっとキリト、いくら何でも…!」

「本気か?」

俺は二人の言葉に被せながら言った。

「あぁ、もちろん本気さ。」

──何を考えてるかは分からないが……

俺はyesのボタンをタップした。

「良いよ、相手になる。」

「その口調ってことは……本気だな、ライア!」

俺とキリトは外に出て武器を構えた。

キリトは二刀流で、構え方ももちろん二刀流。

俺は一刀流で、構え方は剣先を顔の右隣に持ち上げて右肘を後ろにし、左手を前にしたアスナと同じ構え。

「……一刀流のライアと二刀流のキリトのデュエル……」

「……皆さん、どっちが勝つと思いますか…?」

リズとシリカの呟きに全員が反応した。

「正確さと速さなら、ライアだけど反応速度と攻撃力ならキリトね……」

「二刀流は一刀流より立ち回りとかは時間かかるけど、攻撃力は圧倒的に二刀流の方が上だからね……」

「でも、私はこう思うかな。」

シノン、アスナが言ったあとにストレアはボソッと聞こえそうで聞こえない声で言った。

「きっと、このデュエルは"想いが強い"方が勝つと私は思うよ。」

その場にいた4人はストレアの言葉に呆気に取られた。

アスナは微笑んでから目の前で剣を構える2人に視線を向けて言った。

「それより、このデュエル……キリトくん何か考えてる?」

その言葉と同時にデュエルがスタートした。

キリトは俺に突っ込んできて『ダブルサーキュラー』を発動する。

──いきなりソードスキル!?

俺はギリギリの所で反応し、何個かを射て後ろに飛んだ。

だが、キリトはすぐに俺の元まで詰めてきた。

──な、硬直があるはずなのに、なんで!?

キリトは俺の反応を見て面白かったのか、ニヤッと笑って呟いた。

「スキルキャンセルって言うんだぜ?」

「そういう…事か!」

俺はキリトを後ろまで飛ばして、俺から今度は詰めた。

──それなら、俺だって……!

一刀流ソードスキル『ソーゼルト・リバース』を発動して、キリトが立っている位置と俺の位置を変える。

「っ!?いつ見てもそのスキルはチートだぜ…!」

「まだ、終わらない!」

俺は『ソーゼルト・リバース』を発動して、すぐに片手剣ソードスキル『サーチアル・スクエア』を発動した。

「な!?」

──これは俺しか出来ない…!

今度は俺がニヤッと笑った。

「スキルコネクトって言うんだよ?」

"スキルコネクト"

あるソードスキルを使ったあとに繋げてソードスキルが発動することが出来るシステム外スキル。

だが俺の場合はシステム外スキルであり、システム内だった。

「スキル…コネクト…!?」

「システム外スキルさ、スキルキャンセルと同じな!」

スキルコネクトを成功できた事でキリトのHPは、あと少しで半分まで削れた。

「これで、終わりだキリト!」

俺は硬直が解けた瞬間にソードスキル『菊一文字』を発動しようとした。

だが発動しなかった。

いや、正しく言うと動けなかった。

何故なら─────

『ライア、お前が───。』

俺にしか聞こえないように、小さく呟かれたその言葉は俺の耳にしっかりと聞こえた。

俺は笑って、その言葉に値する返事をした。

『暗殺術……ロスト・マジック』

そうしてキリトのHPが半分を切り、デュエルは終了した。

俺はキリトの元に近づき、ある言葉を口にした。

「─────────。」

その言葉はアスナ達には届かず、だがキリトにはしっかりと聞こえた言葉だった。









次にキリトと会ったのは、この世界が終わる最後の日だった。




















デスゲーム終了まで残り………3日 
 

 
後書き
あと3話でアインクラッドも終わります!
では、また次回! 
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