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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0073話『艦隊運営ができない一日』

 
前書き
更新します。 

 



………―――工廠が花火で燃える騒ぎがあった翌日…。
工廠の通路の場所にはでっかく見えるように『改装中につき立ち入り禁止』という立て看板とバリケードがされていた。
今現在は明石と工廠妖精さんたちにより工廠内の点検にリフォーム作業が中で行われているのだろう。
先日の花火騒ぎで他にも燃え移りそうなものがあるかもしれないのだからそりゃ全点検もしたくはなるだろう。
だからか改装室もある工廠は使えない以上は艦隊運営がストップしてしまうのは誰でも分かってしまうわけで…。
それで私は今日一日の近海の哨戒を最も最寄りの鎮守府である久保提督に頼むことにした。
私が久保提督に電話をかけた際に、

『はい。どうされましたか? 榛名提督』
「はい久保提督。…ちょっとうちの鎮守府のお恥ずかしい事情で先日に工廠でぼや騒ぎが起こりまして今現在は工廠が使えない状態なんですよ。
それで工廠が使えないから改装室なども一緒に使えないために艦隊運営がストップせざるをえない状況でして……」

久保提督に今現在のうちの鎮守府の今の状況を伝える。
それで久保提督はどういう事かすぐに理解が及んだようで、

『それは大変でしたね。わかりました。それでは哨戒を榛名提督の区域もうちが担当させてもらいますね』
「よろしいですか…?」
『はい。いつもなにかしてもらっているんですからたまには恩を返さないと割に合いませんから。お任せください』

久保提督…ほんとうにいい人だよなぁ。
私はそんな事を思いながらも、

「それではお願いしてもよろしいですか? 今日中には明石にも点検を終わらしたら報告するように伝えておきますので」
『わかりました。それではうちの子達にも伝えておきますね。それでは』

それで久保提督との通話を終了して、

「これでなんとか一息つけたな。後は明石達のリフォームが終わるのを待つばかりだな」
《ですね。提督》

榛名もどこか苦笑いを浮かべていたので先日の苦労が一緒に分かち合えるというのは嬉しい事だ。
改装が使えないとなると装備の着脱もできないから今かろうじて動かせるメンツは演習メンバーに常時魚雷を装備している潜水艦たちくらいだろう。後はリランカ島沖に向けての装備している者達とかだが。(それに関しては戦艦枠には私も含まれている)。
最近はリランカ島で私も自身の練度上げも一緒に行っているところなのだ。
その際の艦隊運営代行の長門と大淀には苦労を掛けているな…。
そんな事を思いながらも一応演習などはできるので相手方から挑まれたら出れるくらいはしておかないとな。
今現在は神威を旗艦に置いて育て中なのだ。
駆逐艦に関しては時間があればリランカを回しているから大丈夫だけど、神威は特殊艦ゆえに練度を上げる場所がキス島くらいと限られてくるので演習で少しでも練度を上げておきたいのが本音である。



―――閑話休題



それから私は演習艦隊を演習に出してこれからについて考えていた。
やる事は探せば出てくるようなものだけど艦隊運営が必須だからな。
だから今日は我慢をしておこう。
一日身動きできないのも休めると思えば別に苦ではないしな。
とりあえず大淀を呼ぶとしようか。
私は大淀を執務室に呼んで今日のやれることを聞いてみた。

「そうですね…。艦隊運営ができない以上は出来ることは限られてきますし…。まったく明石はたまにろくでもない事をしますから困りますね」

それで大淀の表情が曇っていた。
普段から明石とそれなりに付き合いが結構ある大淀からしたら困りものなんだろうな。
明石がなにかを提案して大淀がそれを阻止するか承諾するかをいつも話し合っているくらいだからな。

「まぁそう言ってやるな。明石と夕張もみんなを楽しませようと張り切っていたようだしな」
「まぁそれはそうですが…無断で花火を作成していたのは見逃せませんし…その資材だってどこから調達してきたか考えると頭が痛くなってきますから」

それで本当に頭痛がしているのだろう、大淀は額を抑えている。
うーん、確かに擁護はあまりできないな…。
花火つくりは完全に明石達の趣味の範疇だからな。
精々弾薬が少し減っているくらいか…?
後で花火作成の見積書を作成しておかないとな。
大本営に捏造の資材運用を通達するわけにはいかないからな。
うちはホワイトな職場を目指しているから嘘を吐くわけにはいかない。

「とにかくだ。今日は特にやる事はもうないという判断でいいのか…?」
「はい。今のところは差し当たってすることはないでしょう。夜になったら川内さん達に夜中の哨戒を出てもらうくらいには工廠も復帰してもらいたいものです」
「そうだなぁ…。夜戦クラブの面々が夜の哨戒に出られないと騒ぐから早く復帰をしてもらいたいものだ」

夜戦クラブ…主に川内を筆頭に嵐や江風といった夜戦好きが多く所属しているもので夜の十時過ぎに川内の『夜戦だー!』という夜戦時報とともに哨戒をしにいく連中の事である。
夜に関しては川内の右に出るものはおらずたまに空母だけど夜戦攻撃ができるグラーフなども駆り出されるほどだからな。
グラーフに関しては、

『アトミラール。そのだな…センダイなのだが、彼女はどうにかならんか? 私の武装では夜戦ではこの国の言葉でヤケイシにミズ…だったか? その程度の威力しか出せないんだ…』

というグラーフの懇願の話がしてこられて川内は見境ないなぁ…と思った事しばしば。

「それと後は明石と夕張さんの反省文もまだ受け取っていませんので早めに提出してもらいたいですね」
「ん…? まだ受け取っていなかったのか?」
「はい。明石に関しましては工廠の修理後に受け取る予定ですが夕張さんに関しましてはまだ受け取っていませんね」
「そうか…それじゃそろそろ来る頃じゃないか…?」

私と大淀がそんな話をしている時だった。
扉がノックされて、

『提督ー? 夕張です。反省文を持ってきました』

なんというかタイムリーな感じで夕張が反省文を持ってやってきた。
それで思わず大淀と一緒に笑みを浮かべながらも、

「わかった。入ってきていいぞ」
「はーい。夕張入りまーす」

それで夕張が普段の姿で執務室へと入ってきた。
夕張は最近は明石と一緒につなぎ姿のイメージだからたまに見る普段着の恰好は新鮮に見れとれるんだよな。

「提督。昨日は本当にすみませんでした…。この通り反省文を書いてきました」
「わかった。それじゃ大淀に預けてくれ」
「了解です。大淀さん、お願いします」
「わかりました。チェックしますね」

それで夕張の反省文を大淀は受け取って内容をチェックしている。
しばらくして、

「はい。夕張さん、しっかりと反省文は書かれているようですのでもう大丈夫ですよ。今後は明石と一緒になにかする際は私に一言言ってくださいね?」
「はい。ご迷惑おかけしました」

それで夕張も反省の色が見れたのだろう素直に謝罪していた。

「はい。それじゃもう大丈夫ですよ」
「うん。あ、提督。昨日も言ったけど花火の件は楽しみにしておいてね? 戦艦のみんなにも協力してもらう予定だから」
「戦艦のみんなにも…? まさか砲弾式の花火もあるのか?」
「はい。まだ試し打ちができていないのでそのうちに誰かにやってもらう予定です」
「そうか。…ちなみにその件は大淀には…?」
「あ…」

それで夕張は大淀の笑みで凍り付いていた。

「…夕張さん? 反省文がもう何枚か必要ですか…?」
「スミマセンデシタ…」

それで夕張はもう一度大淀に謝罪をしていた。
うん、まだまだ反省が足りていないようだな。
とにかく今日一日はまぁ静かに過ごせそうだな…。
大淀と夕張のやり取りを見ながらもそんな事を思った一日だった。


 
 

 
後書き
昨日の続きで艦隊運営がストップする話を書きました。


そう言えば今週の金曜日のメンテで由良さん改二が来るそうですね。
また改装設計図が必要そうですね(白目)。


それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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