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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0060話『クマノンの空母寮への移籍』

 
前書き
更新します。 

 



わたくし達の第二次改装が終了し、任務で出撃するまでは別途で待機していてくれと提督に言われました。
なのでわたくしクマノンはスズヤンがいる空母寮へと部屋を移動する事になりまして荷物を纏めていました。

「それではクマノン。あちらでもスズヤンと仲良くするのですわよ」
「当然ですわ。それでは行かせてもらいますわね」

大きいのや細かい荷物はすでに長門さんや武蔵さん等の有志達に空母寮へと運んでもらいましたので残った荷物をリュックに詰めてわたくしは熊野と別れて空母寮へと向いましたわ。
部屋はスズヤンの隣と聞きましたのでまた楽しい会話ができそうですわ。
そして到着した空母寮。
そこにはすでに複数の空母や軽空母の皆さんが待ち構えていました。
その中にはスズヤンの顔も見られまして少し緊張を致しますが心が和らぎましたわ。

「クマノン、やっとこっちに来れたね! 私一人だけこっちだったから心細かったんだよー」

そう言ってスズヤンがわたくしに抱きついてきました。
ふふ、相変わらずですわね。スズヤンは。
そこに他の空母の皆さんも近寄ってきて、

「クマノンさん。ようこそ空母寮へ。歓迎いたしますよ」
「ありがとうございますですわ、鳳翔さん」

鳳翔さんに出迎えられて改めて軽空母になったんだなという実感を持てましたわ。
次には、

「クマノン。スズヤンと同じく空母の心得をきっちりと叩き込んだるで」
「一緒に精進していきましょうね、瑞鳳もお手伝いしますね」

龍驤さんと瑞鳳さんもそう言ってきてくれました。
どことなくこの二人にはシンパシーを感じるのは気のせいでしょうか…?
それを感じ取ったのか龍驤さんがわたくしの肩に手を置いて、

「…それとクマノンの空母組フラット会の介入は歓迎するで」
「空母組フラット会…ですか?」
「そうや。いやー、スズヤンの奴は憎たらしくも改二になってさらに成長しておったから心配してたんやけど、クマノンはそのままの君でいてくれたのを嬉しく思うで」
「あの、少し話が見えないのですが…?」
「なに、すぐにわかるで。その会にはうちと瑞鳳、そして葛城に大鳳に瑞鶴が加入しているんや」
「そのメンバーの共通点というのは、まさか…」

なにやらそれでわたくしは何かを察してしまった。
それで龍驤さんは少し哀愁を帯びた憂いの表情をして、

「あえて言わぬが華ってモノや。クマノンならすぐに会員になれるから待っとるで」
「…ええ。機会がありましたら」

なにやらそれで少し悲しくなりましたわ。
確かにわたくしの胸は、その…スズヤンに比べれば無きに等しいですけれどそれでも悲観はしていないのですのよ…?
提督もどうやら胸の大きさに関しましては気にしていないようですから一安心ですし。
と言いますか、瑞鶴さんは改二になって成長してませんでしたか…?
そこが少し謎に感じましたわ。
それとなら鳳翔さんも会員に入っているので………ッ!?
と、そこで強烈な殺気を感じましてそちらに振り向いて見ますととびっきりの笑顔の鳳翔さんがいました。

「クマノンさん…? なにか、良からぬことを考えていませんでしたか?」
「イ、イエ…滅相モゴザイマセンワ」
「そうですか。それならよいのですが…」

それでもう鳳翔さんはいつも通りに戻っていました。
この話題は今後触れてはいけませんわね。

「まぁ、それじゃクマノン。お前はお酒は飲めるかい…?」

隼鷹さんがそんな事を聞いてきました。
わたくしはあまり飲んだことはないのですわ。
レディの集まりでよく紅茶を嗜んではいますが。
あの集まりでは暁さんが最年少で背伸びしていてとても可愛らしいのですわ。
ウォースパイトさんや三隈さんも一緒だから楽しいお茶会になるのですわ。
だから隼鷹さんには申し訳ないですけど、

「あまり飲めませんわ…」
「そっかー。鈴谷の奴も碌に飲めないから酒飲み仲間を増やしたいところなんだけど最近入った大鷹は幼いしなぁ」
「そうなのですか」
「ま、いいか。鳳翔さーん、とりあえず居酒屋の予約を入れておいて! 軽空母の集まりで宴会でも開こうぜ」
「わかりました。でも飲み過ぎはダメですからね?」
「わかってるって!」

そんなやり取りが交わされて今夜は強制的に付き合わされることが決定したようですわ。
まぁ楽しみではあるんですけどね。

「それじゃクマノンさん。私達と食事でもどうですか?」

そこに祥鳳さんが声を上げてきたので、

「よろしくてよ」
「はい。それじゃ今夜楽しみにしていますね」
「わかりましたわ」

私はすぐに承諾しましたわ。
それを見ていたスズヤンが、

「クマノンもやっぱり社交的だよねー。私なんか空母寮に入ってから慣れるまで結構苦労したのが今となっては良い思いだよ」
「知っているでしょうけどわたくしは人付き合いはいい方なのですわよ。そう言うスズヤンも軽いノリですぐに溶け込めそうなものだと思いましたが…」

わたくしはそう言葉を返すと、

「そうなんだけど、空母のみんなってお堅いイメージがあってなかなか入り込めなかったんだよね」
「そうだったのですか。でしたらわたくしもようやくこちらに来れた事ですしスズヤンのために人肌脱がせて頑張らせてもらいますわ」

未だにどこかスズヤンは空母寮では浮いているみたいですし、これをきっかけにしてもっと空母の皆さんとフレンドリーな関係を築けるように頑張っていきましょう。









そして夜になってわたくしとしましては初めて訪れる居酒屋鳳翔に入らせてもらいまして食事会を楽しませてもらいましたわ。
だけどそこで酔った隼鷹さんにお酒を無理やり飲まされてわたくしは、

「とおおう…」

すぐにダウンしてしまいました。
それから頭がズキズキして鳳翔さんに水を貰いながらも宴会を眺めている時でした。
なにやらそこに提督がお店に入ってきました。
なにかご用でしょうか?

「お、早速やっているな」
「どうしたんだい提督。あたし達と一緒に飲むかい?」
「い、いや…今回は遠慮しておくよ。それと今回はスズヤンの方に用があってきたんだ」

それでジュースを飲んでいたスズヤンが声を上げて、

「およ? 私に用って何? 提督」
「うん。今回の新任務でスズヤンの力を借りたいと思ってね」
「なになに? 今回の任務ってやっぱり厳しい場所なの?」

提督とスズヤンの会話を聞き逃さないように聞いているわたくしがそこにいました。

「ああ、いや。そこまで難しくはないんだけど編成で手こずるんでね」

どんな編成でしょうか…?

「今回の編成は第七戦隊絡みなんだ」

それを聞いてなるほどと思いましたわ。
最上さんに三隈さん、そしてスズヤンに熊野を編成するおつもりなのでしょうね。
わたくしも入りたいものですが我慢ですわ。
そこにわたくしの視線に気づいた提督が、

「クマノン、すまんな。今回は君の方はおあずけになる感じになってしまうみたいだ」
「別によろしくてよ。熊野の方をよろしくお願いしますわ」
「ああ。クマノンは引き続き楽しんでいてくれ。行くぞ、スズヤン」
「了解!」

それでわたくしはスズヤンが連れてかれるのを横目に宴会を楽しませてもらいましたわ。


 
 

 
後書き
今回はクマノンの方の軽空母組による歓迎会を開きました。
次回任務の話を書こうかと。

昨日に大鷹も改二になったのでその話も書かないといけませんね。改装設計図がかなり消費されました…。


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