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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0040話『ガングート着任と提督達の思惑』

 
前書き
更新します。 

 




北方水姫を撃破した事で大本営から甲種勲章とその他もろもろが一気に贈られてきた。
それに少しばかり戸惑っているという所にもうすぐガングートがこの鎮守府にやってくるという事で他の海外艦やロシアと縁のあるヴェールヌイなどといった艦娘達がいまかいまかとやってくるのを待っている。
私は私で長門に任せておいた分も含めての今回の作戦での報告書を大淀とともに作成している。
もうこれって一日で終わる量じゃないでしょう。
まじ提督を本業にしている人は偉いなぁと感心する事何度も。
この世界の提督はこの作業を普通にやってしまうんだから今まで事務仕事と言った仕事をしたことが少ない私にはつらいものがあった。
この作戦で使った資材などや出撃履歴などまとめていくとキリがない。

「提督。頑張ってください。私達も手伝いますから」
「ありがとうな大淀」
「いえ、提督は事務作業は不慣れなのはもう知っていますから少しでも効率よく終わらすことを考えると私が二人いる現状はありがたいと思いますから」

そうなのである。
今現在私が踏み込めない作業などは二人の大淀の助けもありなんとかこなしている感じだ。
これを一人で終わらすともなれば何日かかるかわからない…。
久保提督の話によると場所が場所で環境も環境なら艦娘は報告書作成は提督の仕事だと割り切って誰一人として手伝ってくれないという。
ここは信頼関係が築けている事に感謝しないといけない。
もう北方水姫を倒して帰ってきてから一睡もしていないのがいい証拠だろう。
机の上に乗せられている報告書作成の束を見た時には酷い眩暈がしたものだからな。

ゲームのようにただ終わったら解散なわけにはいかない。
今回で仲間になった艦娘などの正式な登録も報告書に書かないといけないから大変だ。
そう言えば新しく仲間になった艦娘と言えば、春日丸は演習で上げていたのもあり、すでに大鷹に改装してある。
他にも海防艦のみんなの使い道も考えていかないといけない。
ステータスを見せてもらったら対潜値が高いようで練度が低くとも装備によっては先制対潜をできるという。
神威に関しては速吸と同じように運用するのか、それとも水上機母艦として運用するのか判断が問われるものだ。
そして最後にこれからやってくるガングートは話によれば低速にも関わらずビスマルクのように連合艦隊では第二艦隊に編入できるという。

これからまた仮初めの平和がやってくる。
その為にはこの報告書をさっさと終わらさないと前に進めない。
そんな時だった。
執務室で報告書と格闘していると誰かが部屋をノックしてきた。

「誰だ…?」
『提督。ビスマルクよ。入ってもいいかしら?』
「ああ。今少し忙しいけど話をできるくらいの余裕はあるから大丈夫だ」
『そう。それじゃ新人を連れてきたから入らせてもらうわね』

そう言って扉が開かれるとそこにはまるでヴェールヌイが大人になったかのような女性がいた。
左目の下に切られたような痕が残っているのが印象的だ。
その女性は私を見て「フン」と鼻を鳴らしながら、

「貴様が提督というヤツか。私はГангут級一番艦、ガングートだ」
「そうか。よろしく頼むよ」
「ああ。しかし話には聞いていたが本当に提督が艦娘なのだな…。
聞いたぞ? 今回の作戦で大本の深海棲艦を一緒に叩いたというな」
「あ、やっぱり聞いているか。まぁそうだな」
「ならば話が早い。提督よ、後で手合わせを願ってもいいか…?」
「こら、ガングート。提督にいきなり失礼でしょ?」

そこでビスマルクがガングートを注意しているがあまり効果は薄いようだ。
そしてここで腰弱な対応を取れば舐められるかもしれないので言葉を選びながらも、

「はは。お手柔らかに頼むよ。演習でならいつでも相手になってあげるよ」
「そうか。断られると思っていたがどうしてなかなか…それにいい面構えじゃないか。
このガングート、貴様の事を気に入ったぞ」
「お目にかなったのならよかったよ」

それでガングートにもどうやら認められたようだ。
そしてもう少し休憩を挟もうと思ったが、その前にビスマルクが言葉を発した。

「提督。私はガングートを戦艦寮に案内してくるわ。
他にもこの鎮守府の内情とかも教えないといけないから少し忙しくなっちゃうから話をしたいところだけど出ていくわね」
「わかった。また後でゆっくりと話をしようか」
「ええ。提督も報告書作成を頑張ってね」
「ああ」
「それじゃ」
「失礼した」

それでビスマルクとガングートは執務室を出ていった。
大淀はそんなガングートに対しての感想は、

「また癖の強い人が来ましたね」
「そうだな。でもなんとかなるだろう…しかしこれでかつての大戦での国の艦が勢ぞろいした訳だな」
「そうですね。昔は敵同士でしたが今は心強い仲間ですからみなさん仲良くやってほしいですね」
「喧嘩にならないように注意しておかないとな」
「ですね」

それで私と大淀はまた報告書作成作業を再開したのだった。
もう一人の大淀が追加の報告書を持ってきた時には悲鳴を上げそうになった…。









榛名提督がそんな事をやっている中、他の鎮守府では大本営から榛名提督の艦隊が今回の作戦で登場した北方水姫のおそらく一番強い個体を撃破した事を知らせで聞いていた。
あるこの世界の半数以上の提督達は異世界から来たというのにこの世界のために頑張って協力してくれている榛名提督に対して好意的な感情を抱いて支持派に回った。
しかし他のある提督はそんな大戦果を上げたのはなにかこれから始めようという裏があるのではないかという考えで静観を決め込む提督も何人もいた。
そしてもっとも悪い部類に入るブラック鎮守府の提督は、自分達を差し置いて褒美を賜わった榛名提督に対して苦手意識を向けていて、これからどうしてくれようかという愚にもつかない事を考えていた。



…様々な提督達の思惑がなされる中でも大本営に逆らうわけにはいかないので表面上は各提督達は静観をする。







そして久保提督と柳葉大将もまた電話で話し合いをしていた。

「柳葉大将。今回の榛名提督の功績は凄いものがあります。
ですがそれによって色々な提督もまた動き出すと思いますが…」
『そうだな。儂もそこを懸念している。あまり榛名提督を危険な目には合わせたくない。
大本営からももしもの時は榛名提督を守ってくれという通達を受けている』
「そうなのですか」
『儂も今回の作戦に参加して攻略はできたのだが榛名提督には及ばないだろう。
しかしだからと言ってそれで榛名提督に対して嫌な感情は浮かばん。むしろこの国のために頑張ってくれているのだから好意的に見れるよ』
「そうですね」
『だが、儂のようなものばかりではない。今回の件で榛名提督の名はだいたいに知れ渡っただろう。
ゆえに悪しき感情を向けるものも少なからず出てくるのは考えておいた方がいい』
「…私にももう少し力があれば榛名提督の手助けをできるのですが」

それで久保提督は落ち込む。

『まぁそう言うな。久保少佐は久保少佐のペースでこれから頑張っていけばいいのだから』
「はい…」
『とにかくもし榛名提督関連でなにかあったら儂にもすぐに知らせてくれ。最悪の事態を防ぐためにな』
「わかりました。これからも榛名提督の鎮守府と連携して頑張らせてもらいます」
『うむ。それではな』

それで柳葉大将との通信を切る久保提督。

「よし…私ももっと頑張ろう!」

久保提督は気合を入れて私も頑張っていこうという気持ちになっていた。


 
 

 
後書き
大本営も頑張っているんですが提督達は一枚岩ではないですから制御できていないですね。
これからまた新たにオリキャラの提督も出していくことになるのでしょうか…。




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