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とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫

作者:叶愛
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常盤台刈り1

 
前書き
美琴『GWに入ったわね。』
湊『だね〜、しかも作者は1週間以上休みだよ。』
美琴『なにそれ、羨ましい……』
湊『まぁまぁ親友と遊ぶってテンション上がってたね。』
美琴『ふーん。(私だって湊とその……)』
湊『ん?どしたの?』
美琴『な、何でもないわよ!ほら、本編!』
湊『うぐっ!?せ、背中叩く力が強いって…!』
美琴『では、本編へ!』
湊『俺…出るのかな…(美琴さん、マジで痛い…)』 

 
あれから佐天さんに常盤台の制服を貸して、着替えを済ませてケーキ屋さんへと向かっていた。

「ほんと、すみません…」

「大丈夫よ、気にしないで佐天さん。」

「お姉様の制服が着れて良かったですわ。」

「…………。」

そう、佐天さんが着ている制服は私の。

佐天さんの濡れた制服はクリーニングに出していて、出来上がり次第、寮に持って行ってくれるように頼んだ。

そんなとき会話に参加せず、ずっと黙っている初春さんが気になり私は話しかけた。

「初春さん、どうかしたの?」

「いえ……。」

「初春……貴女佐天さんが羨ましいからって黙るのはよしなさいな。」

黒子がため息混ざりに言った。

「あー、ごめんね初春。」

そこからは大変だった、初春さんを落ち着かせることに。

初春さんは常盤台学園に憧れているらしく、佐天さん1人が制服を着ている事に不満を持ってしまった。

まぁ、結果的には佐天さんがケーキを奢ると言うことで収まったけど。

「そういえば、湊さんは?」

「え……。」

佐天さんが私に聞いてきた。

黒子は何も言わず、ただ私の隣を歩いている。

初春さんも気になったのか、佐天さんと一緒に聞いてくる。

「最近会ってないですね、御坂さん何か知らないですか?」

私は2人の心配そうな顔から視線を外して言った。

「私も知らないわ、大丈夫よ。どうせ、ふらってまた出てくるわよ。」

私はそう言って歩調を早くする。

「白井さん、あの……。」

「今、お兄様と連絡が取れないのですわ。」

「え……?」

「あの爆破事件からお姉様が何度も連絡をしていますが、ずっと留守電ですの。」

「……湊さん」

「お兄様はいったいどこに……。」

「あ……。」

「初春?どうしたんですの?」

「あ、いえ!何でもないです!」

そんな会話をしているとケーキ屋さんに着いた。

いざ、ケーキ屋さんに入るとチャラチャランと扉に着いてる金属がなり中から店員さんの声がした。

目の前のショーケースに並ぶ、たくさんのケーキに初春さんは目を奪われて張り付いている。

「私たちは決まりましたわ、初春はどうするんですの?」

「ちょ、ちょっと待ってくださいね。」

そう言ってから5分ほど経ちながらも「うーん…」と初春さんはケーキを右から左へとみている。

「初春ー、もう5分経つんだけど……。」

「早く決めてくださいな、店員さんにもご迷惑ですの。」

そのとき初春さんの携帯の着信音が鳴った。

すると、初春さんの顔が徐々に変わっていき電話を切ったと思ったらため息を付いて、床に手を置いて伏せてしまった。

「ちょ、初春!?」

「白井さん……風紀委員(ジャッジメント)で……」

「招集がかかりましたのね。」

「はい……。」

「初春さん、私がケーキをテイクアウトしておくから大丈夫よ。」

私は今にも泣きそうな初春さんにそう言うと、初春損は一気に目を輝かせて「ありがとうございます、御坂さん!!」と言ってから黒子とケーキ屋さんを後にした。

──さて、どうしようかしら……。

そう、私と佐天さんは二人っきりになった事が無くて初めてだった。

頼んだケーキを受け取り、店内にある席で座ってお互いがどうしようかと考えていた。

──や、やっぱりここは年上の私が頑張るところよね…!

私はいざ、話そうと口を開いた時佐天さんが先に話しかけてきた。

「すみません。ちょっとお手洗いに……。」

「あ、うん。いってらっしゃい。」

──あー、気を使わせたわよね……。

私はトイレに行った佐天さんを待ちながら、紅茶を飲んでいた。

これからどうしようかと考えながら携帯の画面を操作して電話帳を開き、ある人物の名前で指が止まる。

──もう1回……。

私はその人物の名前をタップし、通話ボタンを押す。

コール音が数回なり、お決まりのフレーズが聞こえた。

『おかけになった電話番号は、現在使われていないか電波の届かない所にいるため繋がりません……』

私は耳から携帯を離して、通話を切る。

──また出なかった、分かってる事なのにね。

私は変な事に湊が巻き込まれているのでは……と考えたが、もしそうでもあの湊が簡単に負けるはずがない。

なぜなら、それは妹である自分が良く分かっている。

level5の第4位『物質破壊(ディストラクション)』で、美琴が唯一認める数少ない人物。

本気を出せば、level5第1位『一方通行(アクセラレータ)』にも勝つ可能性がある1人。

──もし、湊が負けるなら相手は化け物ね。

そんな事を考えていたら佐天さんが席を立ってから10分は経っていた。

──まさか……いや、でも一応……。

私は少し考えてからトイレに向かった。

トイレの扉を開けて佐天さんがいるか確かめようとしたとき、目の前の景色に驚いた。

「佐天さん!?」

トイレの扉を開けると、すぐ側で佐天さんが倒れていた。

急いで近寄り、どこか怪我していないかみるとある部分が……。

「!?……何よこれ……。」

私は携帯の画面を操作し、黒子に電話をかけた。

『お姉様?どうかされ……』

「佐天さんが倒れてるわ!」

端末越しに聞こえてきた、黒子の驚きの声。

『すぐに戻りますわ!』

そう言って通話を終わらせた。

それから数分後、初春さんと黒子がケーキ屋さんに戻ってきて病院に向かった。

未だに起きない、佐天さんを運びながら。 
 

 
後書き
日曜日に投稿なはずが、土曜日に(笑)
少しずつですが、展開が動き始めましたね。
GWに入ったので投稿していきます!
では、次回予告!

─────────────────────
黒子から話された常盤台生を狙って起きている"常盤台刈り"。

その犯人として名を挙げられている人物に、まさかの湊の名前。

それを知った美琴は湊を探しに街中を回る。

そして、やっと見つけた湊はある人物と共に歩いていた。

美琴や黒子がよく知る人物と……。

次回『常盤台刈り2』 
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