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~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force

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資源惑星ラガール①

 
前書き
大変お待たせいたしました!
やっと資源惑星ラガールに到着ですが、なにやら色々な意味できな臭いようです。 

 
「弾切れだ!エネルギーパックをくれ!!」崖をよじ登ってこようとする戦車級BETAをレーザー機関銃で掃射していた兵士が後ろにいる仲間へ叫ぶ。
声をかけられた女性兵士は、物資が納められている金属ケースから弾倉型のエネルギーパックを素早く取り出し、叫んだ兵士に渡した。
「エネルギーパックはもう残り少ないわよ?13人のフル連射であと約2回分ね!」女性兵士がエネルギーパックを渡しながら大声で注意を促す。
「マジかよ?!・・・もうダメなのか!!通信設備はまだ直らないんだろう?・・・・・。」今弾倉を交換した兵士の反対側で機関銃掃射をしている別の兵士が真っ青な顔で掃射しながらそう言った。
「軌道上に艦が来れば何とか届くんだけど、それ以上通信を飛ばすには部品が足らないわ・・・・・取りに行こうにもこの状況じゃ無理・・・基地もかなり破壊されているみたいだし、どのみちダメだと思う・・・。」女性兵士の答えに一同は軽く顔を見合わせる。

「クソっ!詰んだな・・・・・。」隊長である中尉が腕を組んで虚空を見つめながらつぶやく。
「すみません、逃げ遅れた私たちのために・・・・・。」兵士たちの真ん中で守られるような位置にいた3人の技術者っぽい服装の男のうちリーダー各の男が謝罪する。
「いえ、本国からの優先命令ですので、気にしないでください、軍人である我々の責務です・・・・・それよりもこんな情勢なので・・・・・大変心苦しいのですが、いざという時の覚悟だけはしておいて下さい。」中尉はリーダー格の男に対して申し訳なさそうにそう答える。

なぜオルキス領の資源惑星にラファリエスの技術者である彼らがいたのか。
彼らは身分を偽り、民間エンジニアとして資源採掘に従事するという口実で入国してきたのだった。
実は最近このラガールでクロノタイトという未知の物質が発見されたという情報がラファリエスの情報部に入った。
ただし、情報は錯そうしており(実際はオルキス側が意図的にやっている事だったが)、現存する金属を大幅に補強するものといった内容、またはエネルギーの代替になるといった内容や、はたまたワームホール形成に作用する物質である、等いったいどれが正しい情報なのか、情報部もはかりかねた。
そして、それらを確認して可能なら少量でも持ち出す事を目的にこの3人の技術者はラファリエスから派遣されていた。
だが、現物を手に入れこれから解析を行う、というタイミングでBETA降着の可能性が高いという警報が出されてラガール全星に避難命令が発令されて近辺にいたオルキス軍が救助に来た。
当初は彼らもオルキス軍に従って輸送艦でラガール星を離れようと考えたのだが、避難のため居留民や労働者達を誘導しているオルキス軍がしっかりと身分照会しているのを確認した彼らは、非正規で潜入した自分たちは100%引っかかると確信して、別の手段で離脱すべく小型船などを探しにかかっていた。
だが、ほとんどの動力船は輸送船に回収され、残されたのは故障して部品交換が必要なものばかりだった為、単独での脱出はあきらめて専用秘匿通信で軍へ連絡をした。

やがて救援の2個中隊強の兵士が哨戒艇で迎えに来るが、運悪く迎えの兵士が来援する3時間前にBETAの降着ユニットが会合地点のかなり至近に着陸していた為、哨戒艇は迫りくるBETAの前に着陸しなくてはならず、突撃級BETAの体当たりを受けた哨戒艇は大破してしまい、兵士たちは応戦しながら鉱山となっている山の頂上付近にある監視所兼コントロールルームへ逃げ込んだのだった。
しかしコントロールルームへ到達できたのは当初の半数弱の兵士だけであった。

―――――それから1時間半ほど、残存13名の兵士たちは近づいてくるBETAを掃射しては蹴散らしてを続け、そうしてついにエネルギーパックを2回取り替えて最後の弾倉となった。
「・・・マズイな、本気で脱出を考えないと・・・・。」隊長がそうつぶやいた時―――――
「?!ノイズ?・・・・・いや、呼びかけに応答がありました!!」通信機器を操作し続けていた女性兵士が中尉に向かって叫ぶ。
「軍艦か?民間船か?確認するんだ!」
「今やっています!・・・・・・・・つながりました!・・・・・?!オルキス軍の軍艦のようです。」女性兵士が応える。
「チッ!よりにもよってオルキス軍か・・・・・いや仕方あるまい、背に腹は代えられん・・・つないでくれ!」隊長が気まずそうにしながら、女性兵士に命じると応戦をしている兵士が皆、ちらとモニターに目線だけを移す。
『こちらはオルキス統合軍機動第1艦隊旗艦オルフェーリア、艦長のホウジョウ中佐です。貴官らの所属を尋ねてもよろしいか?』
「ハッ!ホウジョウ中佐殿!こちらはラファリエス皇国軍第6陸戦師団所属の第34捜索大隊ジュール中尉であります。」
『ラファリエス軍・・・ですか?・・・・あなたがたは、なぜラガールへ?』ユウナは全員が避難したと報告があったラガールに人間が残留している事に驚いたが、それがオルキス人ではなくラファリエス人であった事に、もっと驚いた。
「はい、中佐殿。実はわが軍にラガールからの避難船に乗り遅れたラファリエスの技術者がいるという連絡がありまして、一番近い位置にいた我々が哨戒艇で捜索に来たのです。」
ジュール中尉はそう答えたが、ユウナはひとつ疑問が残り首をかしげたまま質問を続ける。
「そうですか・・・・ですが、ラファリエスからはそのような連絡はわが政府に入っていないようですが?」
「・・・・・はい、中佐殿、緊急の事でしたし・・・・司令部も混乱しているのかと思われます(とりあえず出まかせを言ったが、後は司令部に任せるしかないな・・・・)。」
『どちらにしても貴官らを救助しますので、座標の申告と脱出準備をしてください。10分後にそちらの周囲に掃討攻撃をかけてからVTA(垂直離着陸輸送機)を回します。』
「ハッ!了解致しました。」そしてモニターはシャットダウンする。
「さて・・・・・救援を取り付けたのはいいが、クロノタイトのサンプルをどうやって持ち込むか?」ジュール中尉は腕を組んで崖をよじ登ってくるBETAを掃射している部下の兵士たちを見回しながら、考える。

――――オルフェーリア艦内
「来ました!ラファリエス軍の位置座標です。」
「よし、それでは当初の作戦通り第14機動師団はまずラファリエス軍周辺の敵排除、そしてラガールタウンに一番近い敵拠点を全力制圧、その後はラガールに一番早くに降着した敵拠点の制圧だ。」オペレーターの報告に続き、ディー司令が待機中の機動師団へ作戦指示を飛ばす。
「カミナガ中佐、君は部隊を率いて救出したラファリエス軍の護衛についてほしい。可能なら彼らが何故ラガールにいるのか、本当の事をそれとなく探ってくれ給え。」
「了解しました!」確かに、俺もラファリエス軍の将校が言っている事はすごく怪しい気がするよ。
「情報部、A中隊B中隊出動だ!」
「「「了解!!」」」遠野中尉と碓井中尉は特に張り切ってるな。
彼女たちのスクワイエルでの初出撃が戦闘ではなく護衛任務というのもちょうどよかったな・・・でも恐らく機動師団の制圧戦闘終了後は情報取得任務でハイヴへ向かわなくてはならないだろうな。
その時にはBETAの残党と戦闘になるかも知れないけど、最初からあの数の敵と戦うよりは少数の残敵掃討の方がいいだろうし。

ブリッジを後にしようとしたら、ユウナと目が合った・・・ん?何か言いたそうだな。
こういうときはいつも何故かありがたいアドバイスがあるし、とりあえず聞いておくかな。
「何か伝えたい事がありそうだけど?艦長さん?」ちょっと茶化しつつ訊いてみた。
「全くもう・・・・それはいいけど、ダイスケ君クロノタイトって知ってる?」
「クロノタイト?なんだっけ?」あれ?どっかで聞いた気がするけど思い出せないな・・・。
「えっとね、つい最近だけどラガールで発見された謎物質のことだよ?」
「あー!わかった・・・・エネルギーになるかも知れないし、素材になるかも知れない、とかいうやつだっけ?」確かそんなふれこみだったような(俺の記憶がそう言っている)。
「うん、そうそれなんだけどね、アマティスもラファリエスもすっごく興味を持ってるみたいで、エミリア惑星同盟のオルキス代表部にずっと情報開示の要求が寄せられているんだって。」
「ああ、それは聞いたことがあるな。」というか、俺に流入した記憶がそういっているんだけど・・・。
ん?なんか気づいた気がする。「もしかして、奴らそれを狙って潜入してた可能性があるって事か?」
「うん、たぶんそうだと思う・・・・でね、彼らがクロノタイトのサンプルを持ってたりしたら持ち出しを阻止して欲しいんだ。」ユウナはお願いのポーズで俺を見上げる・・・・正直眼福であります。
「わかった!惑星同盟を組んでいるとはいえ、他国に情報が漏れるのはマズイし、何より俺は情報部の将校だからね。」まぁプライドもかかっているのですよ。
問題は、彼らもバカではないだろうから、しっかりと隠蔽して来るそれをどうやって見つけるか、だな。
本国の情報部に特性とかを問い合わせしておくか。
だけど、ラファリエスって前の戦争の時から、ほんとに色々とやらかすよな。
エレミア戦役ってラファリエスが画策してアマティスとオルキスをデトロワと戦わせて弱り切ったところで宣戦布告してくるという悪党っぷりだったみたいだし。
さて、ではその悪党どもの顔でも見に行くかな。 
 

 
後書き
先日、巷ではなにやらチョコレート配布のイベントらしきものが行われていましたね。まぁお菓子業界も需要を作り出すのが大変なのでしょうね(ともっともらしい事を言いつつ遠い目・・・・なんかしてませんよ?)。 
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