世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのはStrikerS ~墜ちる翼~
ゆりかごの抉り飛ばされた外壁が埋められていく。
まず、大穴や爆発の破損が直っていった。
ゆりかごが、最初に出現した時とさほど遜色のない状態になる。
だが、さすがに完全には無理なのか、ところどころはヒビが入っていたり、崩れているところもあった。
次に、ゆりかごは膨張した。
内側から押されるようにして、形はそのままにゆりかごが大きくなっていく。
その膨張で、外壁にさらにヒビが入って、そのヒビは全体を覆い、その所々から砲台が針のように伸びてきた。
そうして最終的にゆりかごは、当初の1.5倍ほどまでに巨大化しきったのだ。
それを見て、シグナムが誰に言うでもなくつぶやいた。
「で・・・・でかい・・・・」
『ゆりかごはもはや戦艦ではない。要塞だ。そもそも、かの聖王殿下はこの中で一生を果たしたこともある。これぐらいできなくてどうする?』
「奴」の声が響く。
まるでゆりかごが振動して「奴」の言葉を発しているかのようだ。
そしてその現状に、ほとんどの管理局員は絶望する。
こんなもの、勝てるわけがない。
最初のゆりかごとの戦闘だって、善戦していたわけではないのだ。
それの巨大化、さらにはこっちの戦力だって、かなり減っている。勝てる見込みは、あまりにもない。
『さぁてとりあえず・・・うるさい小蠅は・・・・・消え去れィ!!!!』
ゴウン!!!と、ゆりかごが雄叫びのようなものを発し、全身に走ったひび割れがポゥ・・・と紅に染まる。
そして、そのゆりかごのすべてから攻撃が放たれた。
それは帯状のレーザとでもいうのだろうか?
オーロラの様に薄い膜のようなレーザーが、全体を覆うヒビから放出されていく。
しかも、そのヒビは三百六十度すべてに入っているのだ。逃げ場などない。
さらにそのヒビのところどころから出現している砲首からの砲撃や、線状のレーザーが放たれてくる。
オーロラは軽いようにも見え、風に吹かれたら揺れてしまいそうなほどだが、そんなことはない。
あのヒビの幅は約一メートル。そこから紅いオーロラのように帯状になって噴き出しているのだ。
幻想的な見た目とは裏腹に、恐ろしい攻撃だ。
もちろん、最初からついていた砲台だって健全である。
蹂躙だった、惨状だった。
ゆりかごがいくつかの次元世界を滅ぼしたといわれたのもわかるというものだ。
これは間違いなく、史上最悪の兵器だ。
『蹂躙せよ、破壊せよ。大丈夫だ。世界を食ったのちに、ここも元通りに返してやる』
局員の悲鳴が聞こえる。
次々と落されていっているのだ。
幸いなのはすでにこちらの戦力が少なかったところだろうか。一塊になっているところを、狙い撃ちにされなかった。
だからと言って、脅威でないわけがない。その衝撃や空中でいきなり爆ぜた威力でも、十分過ぎる破壊力だ。
脇役は殺さない。
「奴」のそのポリシーで、直撃を食らった者、死んだ者は一人もいなかったが、それだけで十分に戦闘不能だ。
攻撃の嵐、破壊の暴風。
一切の容赦もない、一斉総攻撃だった。
もちろん、衛星軌道上に待機していた戦艦が向かわなかったわけではない。
だが、あまりにもその攻撃範囲が広すぎる。
戦艦が来れば何とかなるかもしれない・・・・・・などと思っていた局員の心をも、これは砕いた。
ゆりかごの周辺に巨大戦艦が三隻、ゆっくりとした速度で落ちてきたからだ。
その船体からは爆発と火災が起こっており、もはや戦闘どころか航行もできない状態である。
その中にはクロノの戦艦、クラウディアもあった。
「お兄ちゃん!!!」
『大丈夫だフェイト!!一体何があった!?』
悲鳴を上げるフェイトだが、そこにクロノからの連絡が入る。
どうやら転送ポートで船員は全員脱出し、他の船のクルーも無事らしいが、もはやまともな戦闘は不可能だそうだ。
フェイトがクロノに現状を報告する。
その内容に驚愕するクロノだが、これ以上回線を繋いでいられないフェイトが、再び回避に移る。
いま、機動六課のメンバーは空をかけ、襲いかかる砲撃、攻撃から身を守るので精一杯である。
そんな中、総てを無差別に攻撃しながらも、ゆりかごがある一点に向かって、ゆっくりと動いていく。
なのはだ。
正確には蒔風を担いだなのはにゆりかごの艦首が向けられ、そこに向かってゆりかごは進んでいた。
が、ゆりかごの速度がゆっくりに見えるのはゆりかごそのものがあまりにも大きいからだ。
実際のスピードは現在のなのはと同じくらいだし、この大きさにしては異常な旋回力も見せる。
逃げられない。
そう悟ったなのはが、ゆりかごに向かって杖だけを向けて砲撃を放つ。
だが、前部に設けられている砲撃二発程に軽く打ち消され、他の砲首が向いて一斉に砲撃される。
「ッ!?」
「くっ・・・・なのは・・・・気にすんな、撃ちまくれェ!!!」
バァンッ!!!
そこでなのはに声がかかる。
蒔風だ。意識を取り戻し、キャロの治癒魔法で回復力が促進されていた彼が、何とかその砲撃をバリアで弾いていた。
確かに、蒔風の回復力がブーストされれば、かなりのスピードで大丈夫な状態になるだろう。
しかし、身体に残ったダメージや、染み込んだ鈍痛の様なものからはとてもではないが回復できない。
その抵抗を見て、ゆりかごが全方向砲撃を一旦止め、その砲首をすべて蒔風に向ける。
前部にあった物から、ヒビの隙間から現れた物まですべてだ。
ヒビから出てきた物は、砲身がメキメキと伸び、棘のようになってから、折れ曲がって蒔風に向いた。
そしてその隙間をオーロラが走り、さらに砲撃が一斉に光線を発し、蒔風を焼こうと襲いかかってきた。
「舜君ッッ!!!」
「離れんな!!大丈夫だ・・・・おまえを死なせやしないから!!!!」
「舜君・・・・・ッ!!ディバイーーーーーン!!!バスターーーーーーーーーーーッッ!!!!」
ボウッ・・・・・・
蒔風に守られながら、なのはが砲撃を撃つが、どうあっても効くはずなどない。
煙のように消え去って、桜色の霧になるだけだ。
『ふん・・・・・・さすがに持ちこたえるか。ま、このくらいならお前はやるだろうな。だが・・・・・なぜ俺がわざわざめんどくさいことしてまでこのゆりかごを手に入れたのか、わかるか?』
「ガッ・・・・・・・んなもん、ただ単に・・・・おグァあああ!?」
『ふ・・・・・・・手の皮が裂けてきたか。まあ、ただのでかい質量・魔力兵器だからな。今は・・・・・・ん?』
「奴」が何かに気づく。
異常なまでの状況認識能力だ。戦艦を動かして攻撃する際は、オペレーター、操舵主、観測手、全体指揮の艦長など、実に多くのスタッフが必要なはずだ。
だが、この男はゆりかごの玉座に座ったままで、そのすべてを取り行っていた。
全体を見渡し、総ての砲台の管理をして、攻撃する。
「奴」の姿は見えないが、おそらくはこれだけのことをしても特に感動はなく、ただできるだけ、といった顔をしているのだろう。
そして、その「奴」が気付いたのは、はやてである。
「遠き地にて・・・・闇に沈め・・・・・」
『八神はやてか。おまえも十年ぶりらしいな』
「デアボリック・エミッション!!!!!」
ゴォ!!!!
再会を懐かしむかのように言う「奴」の言葉を無視し、全砲撃が蒔風に向かった隙にはやてが攻撃を加える。
その空間魔法の範囲は今までと比べ物にはならないものだ。
一気に膨れ上がったそれは、ゆりかごの三分の一ほどを呑みこんで、一気に爆発した。
しかし
「・・・・あかん・・・・無理や・・・・」
「はやて!!!諦めちゃダメ!!!ライオットザンバー・カラミティ!!!」
《Riot Zamber》
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
苦い顔をしたはやてに変わって、フェイトが大剣と化したバルディッシュを振りかぶって、ゆりかごに斬りかかって行く。
その刀身は、ゆりかごを輪切りにしようとすれば、おそらく四分の一は斬れるんじゃないかという程に大きい。
さらに速度は真ソニックだ。威力はどんどん跳ね上がり、ゆりかごへと向かっていく。
そして、ゴォン!!!という壮絶な音を鳴らして、刃とゆりかごの外壁がぶつかり合った。
が、そんなにも長く押し付けてはいられない。
熱いのだ。
当然と言えば当然だ。
ゆりかごのヒビは全体にまわっており、そこからオーロラ状のレーザーが出ている。
方向こそ蒔風に向かっているものの、やはり近くに行けば熱い。
が、このまま引き下がるわけにもいかない。
フェイトがザンバーを振り下ろしたのは、はやての攻撃で付いたわずかな損傷部分。
そこでバチバチと火花が散り、フェイトがそこで汗を流しながら刃を押しつけ続けている。
「行けッ・・・・・行けええええええええええええええッッ!!!!!」
「テスタロッサ!!!変わるぞ!!!」
「シグナム!!!」
後方から聞こえてきたシグナムの掛け声に、フェイトがゆりかごをザンバーで振り切り、そこに切れ目を残す。
それを残しフェイトが離脱した瞬間、そこに向かってシグナムが一本の矢を放った。
「翔けよ、隼!!!!」
シグナムの魔法で、最大の破壊力を持つ魔力の矢を以ってして、ゆりかごを射抜こうと試みる。
だが、ゆりかごはフェイトが離れた瞬間から、すでに再生を始めており、その斬り込みは消えようとしていた。
「くっ!?」
「諦めるな!!!ヌオオオオオオオオオオおッッ!!!!!」
「!?ザフィーラッ!?」
そこにいきなり、と言っては失礼だが、現れたザフィーラの雄叫びと共に、その切れ込みが「鋼の軛」でつっかえ棒のようにされて開かれていく。
そこに見事、シュツルムファルケンの矢が突き刺さった。
「な、なぜここに!?」
「あのような禍々しいモノが出てきて、黙って居られるオレではない」
「だからアースラから転送魔法で真っ直ぐに来たの。「奴」と戦ったことのある戦力、私たちくらいだから」
「シャマル!!!」
ザフィーラだけではない、シャマルまでいた。
つまるところ、これで八神はやてのヴォルケンリッターが集まったというわけである。
が
「うっそだろ!?まだ耐えてんのか!?」
ヴィータが叫ぶ。
今のシグナムはリィンとユニゾンした状態だ。
それで放ったシュツルムファルケンである。
更にはあらかじめつけられた傷跡。
にもかかわらず、矢は突き刺さったままだ。
貫通せず、矢の半分ほどが付きささり、止まってしまっているのである。
「ヴィータちゃん!!」
「おう!!ブースト頼む!!!ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!フルドライブ!!!轟天爆砕、ギガントシュラーク!!!」
と、そこでヴィータがさらにそれを押し込もうと、巨大化したアイゼンで矢にギガントシュラークを叩き込む。
かつて、闇の書の闇による魔力と物理の複合結界、その一層を破壊した魔法が、ゆりかごに叩きこまれた。
しかもその威力は十年前と比較にはならない上に、シャマルのブーストまでかかっている。
だが
「なッ!!!?くっ、全然動かねえ!?」
「そんな・・・・・どうして!?」
これだけの威力に叩きつけられても、矢はゆりかごを貫かず、それどころか少し食い込んだくらいだった。
万事休すか。と、思われたが。
「ヴィータ副隊長!!退いてください!!!!」
「あ!?ってお前ら!?」
「スバル・ナカジマ、行きます!!!!」
そこで準備を整えていたフォワードたちが攻撃を仕掛けた。
と、言ってもこの攻撃はスバル主体だ。
キャロによってブーストがかけられ、エリオのストラーダを左手に握り、ティアナの指示通りのタイミングで、スバルが突貫して行った。
ストラーダのブーストと、マッハキャリバーの推進力、さらにはエリオがスバルの身体に電流を流してその身体能力を増強し、一気にトップスピードを乗り越えていくスバル。
空気の壁を打ち破って、目も開けられないようなスピードでゆりかごに向かって突き進む。
そして到達した瞬間、右腕を振りかぶり、リボルバーをフル回転させて振動拳を叩き込む!!!
「ウォオリャアあああああああああああああああ!!!!!!」
振動拳は内部破壊の到達点だ。
外壁など、破壊できなくてもいい。内部に伝える手段があれば、それだけで十分!!!
ドゴォウ!!!!
振動拳の威力がゆりかご内部の、全体とは言えずともその一角に広がり、更には矢に内蔵された魔力が一気に炸裂して大爆発を起こす。
ヴィータとスバルがその爆発からバリアを張って退避し、一旦全員と合流した。
「やったか!?」
『・・・・・その台詞はな?やれてない時の台詞だぞ?』
「・・・・・くそッッ!!!!」
結果として、ゆりかごにダメージは通った。
爆発の中心部には、確かに穴があいている。
だが、その大きさは直径一メートルほどだ。
この大きさのゆりかごに、これでは効いたとは言えない。
『だが・・・・AMFが働いていないとはいえ、穴が開いたのは正直驚きだな』
「奴」が飄々とした口ぶりで称賛する。
そう、今この場に、AMFは働いていない。
何故だかわからないが、「奴」がゆりかごを乗っ取った瞬間から、その機能は機能していなかった。
『ま、穴はしっかり塞いでおこうか。で・・・・・いいのか?お前らの頼れる男が、そろそろ限界に近いぞ?』
「「「「「!!!!!」」」」」
「舜さん!!!!」
「舜!!!!!」
皆が一斉に蒔風の方へと視線を向ける。
否、向けたのはこの現状を見ているすべての者たちだった。
蒔風の腕の損傷はすでに肩まで進んでおり、そろそろ胸まで裂けてしまうのではないかというところまで来ていた。
さらには今の体力だと、翼を開くほどの力も出ない。
身体の傷は異常な回復を見せたため、大方は大丈夫だが、今度は腕が深刻な状態になっている。
「舜君!!もういいよ!!死んじゃう!!!」
「バカ野郎!!!腕がなんだ!!!!このまま俺がどいたら、誰がお前を守るってんだよ!!グッ・・・ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!??」
なのはが蒔風の背にしがみついて悲痛な声を上げる
蒔風が腕を伸ばして押しのけるように複重砲撃を受け止めているが、もう受け止めていると言えるのかどうかという状態だ。
最初は手のひらに触れず、その手前に張ったバリアで受け止めていた。
だがその反動で手のひらが裂け、バリアが押し込まれてきたのだ。
決してバリアが破壊されたわけではない。呑みこまれてしまっているだけ。
しかし砲撃は手のひらに達し、上腕を侵食し、二の腕を飲み込んだ。
そして今、ついに胸へと到達する。
「ゴオオオオオオオオオオオオオあああああああああああああああッッッッッ!!!」
「やめてぇ!!!!!!もうやめて!!!!舜君をもうこれ以上傷つけないで!!!!」
『ならばおまえが死ぬことだな。オレの手で。そもそも、それが俺の目的なのよね』
「う・・・・ううううううううッッ・・・・・」
『さあ!!どうする?最主要!?自らを犠牲にして誰かを助けるのは、お前らの専売特許だろう!?』
その言葉に葛藤するなのは。
自分が死ねば、この世界は食われて消える。だが、このままでは目の前で傷ついている大好きな人が・・・・
「バカなことすんじゃねえぞなのは・・・・おまえが死んで!!!それで「ありがとう」なんて事言う奴が一人でもいると思ってんのかよ!!??」
「ッッ!」
蒔風の言葉にハッ、とさせられるなのは。
そうだ、彼女には帰りを待つ娘がいる。
だがそうはいっても、現状はどうすることもできない。
『強情を張るなよ、蒔風。しかし・・・この状態も飽きたなぁ・・・・落とすぞ』
ドォンッッッ!!!!!
「奴」の発言と共に、蒔風を襲っていた砲撃が爆発した。
まるで今までのが侵食系、今のが爆破系とでも言わんばかりの変化だ。
その爆煙の中から、二人の影が墜ちていく。
だが、なのはに爆発での怪我は一切ない。
蒔風がその体をボロボロの腕で抱きしめ、背中でガードしていたからだ。
そうして、森に堕ちる。
そこに向かって、ゆりかごが砲撃を加えようと砲首を向けた。
「まずい!!!!」
「オレが行く!!!ブーストを頼むぞ!!!」
「わかったわ!!」「了解です!!」
「私が連れていく!!!真ソニック!!!」
落ちた二人を守るため、全員が動く。
はやてもそこから動こうとするが、そこに通信が入る。
アースラからだ。
こんな時になんだとはやては思いつつも、何かしらの攻略が見えてきたのかと期待して、通信を繋ぐ。
だが、通信の先の声は震えており、どうしようもない絶望の色に染まっていた。
『や、八神部隊長・・・・・・』
「なんや?どしたん!?」
『ゆ、ゆりかごを解析したのですが・・・・どうやら、あ、あの男の一人の力でここまでやっているようで・・・・』
その報告に、はやては驚きながらも納得する。
確か自分の記憶が正しければ、「奴」の特性「君臨特権」は、主を失ったものを取り込んだり、利用できると言うものだ。
つまり、使いこなせるかは本人の力量次第だが、使うこと自体は容易なのだ。
更に言うなら、「奴」には「王」としての資質がある。
ゆりかごを聖王以上に扱えても、おかしくはないだろう。
だが、その後の言葉に、はやては絶句するしかなかった。
『それで・・・「奴」という男の力も出てきたんですが・・・・ランクにすると・・・・』
「・・・・・すると?」
『魔力ランクSSS++』
「な・・・・・・・・」
『管理局以前の旧暦の時代にもこんな例はありません・・・・・あの男は・・・・・・・正真正銘の化け物です!!!!』
ランクSSS++
その恐ろしさは、下手にEX(測定不可能)と言われるよりも、恐ろしいものだった。
ランクにおいては、なのは、フェイトが空戦S+。
はやてでも総合SSだ。
ちなみに、戯れに蒔風が測った時は、魔力SS++だった。
それを数ランク上を行く「奴」の力。
力押しで十分に蒔風を圧倒できる。
それだけの力の前に、なぜ自分たちは向かって行ったのだろうか、と疑問すら抱いてしまう強さだ。
もし、相手がEX(測定不能)だったらまだ楽だったかもしれない。
ただ全力で、もはや何も考えずにぶつかればいいのだから。
だが、こうして見えてしまった事で、どれだけの差があるのかがわかってしまう。
どれほど離されているかが明確になってしまった。
だからこそ、怖い。
その通信は、フェイト達をはじめとする全管理局員に通じていた。
いや、通じさせられていた。「奴」は通信を傍受し、すべてにこの通信を流している。
それは管理局の戦意を削ぐためか。
そして、その思惑はうまくいっていた。
魔力ランクSSS++だって?
そんなもの、個人が内包する魔力じゃない。兵器で使われるエネルギー値だ。個人が持っていいものじゃない。
そして、すべての者が思った。
それは、都市伝説。
十年前に現れた、奇跡の男。
翼人が現れてはくれないかと。
だが、機動六課メンバーを除き、彼らは知らないのだ。
さっき落とされたあの男こそ、その希望の人物であるという事を。
to be continued
後書き
圧倒的ですね!!!
にしても自分のイメージ通りにゆりかご改の描写ができたかどうかが心配です。
アリス
「絵でも描けばいいじゃないですか」
無理ですよ。
自分にはそんなツールも無いですし、正直絵心がありません。
棒人間が限界ですもん。
アリス
「さいですか。にしても、ゆりかごにはまだまだ秘密がありそうですね?」
はい!!
それはもう今回考えましたよ!!!
この設定は作者のオリジナルです!!
まあ、その内容は次話で書きますので。
ちなみにランクの「空戦」は空中戦において、「総合」は全体的にみて、「魔力」はただ単に魔力量の事です。
アリス
「次回、ゆりかごの秘密」
ではまた次回
謝ることなんてなんもあらへん。鉄槌の騎士ヴィータとグラーフアイゼンがこんなになるまで頑張って…。それでも壊せへんもんなんてこの世のどこにもあるわけないやんか
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