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HUNTER×HUNTER 六つの食作法

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025話

「そう言えばさ、ちょっと思ったんだけどさシャネル」
「にゃんふぁらふぉん(なんじゃらほい)」

岩場の荒野にて修行をしているシャネル一同。新たな師匠ことビスケ指導の元、修行をしているゴンとキルアと今まで錬度を高められなかった修行をしているシャネルとクラピカ。今現在やっているメニューは基本的一度マサドラにて購入したスコップやトロッコなどを使って一直線にまたマサドラへと向かう。が真っ直ぐなので途中ある岩山は道具で掘っていくと言う物。それに加え、クラピカ対ゴン&キルアで実戦形式の模擬戦を行っている。そんな修行の合間の食事中の一時の事であった。

「……口にあるもん飲み込んでから喋れよ」
「(モグモグモグモグ……)プハァ、悪い」
「ああシャネル、口元にソースが……これで良いぞ」
「悪いクラピカ。んでなによ」
「シャネルの能力って放出系で、念弾を操作するんだよな。あれってどの位ホーミング出来んの?」

戦闘食事のナイフ&フォーク、自分の腕をナイフとフォークに見立てた形してそこから念弾を放ち時にはそれを操作して攻撃すると言う物。戦術的にかなりの幅を生み出す能力だがキルアはそれが一体何所まで適応されるのが気になった。

「最高で20メートルぐらいまでの距離までしかホーミングは無理だな、ぶっちゃけ俺は操作系の能力は苦手なんだ」
「あれっでも前念弾で器用に岩とか切ってたよね?」
「あれは腕の動きに連動させるってプログラムを前もって仕込んでたのさ」

仕込むっという意味が良くわからないのか首をかしげる少年二人と納得しているクラピカ。ビスケはやっぱりそう言う形式よねぇと言葉を漏らしている。

「俺の念弾を細かく沸けると幾つかの種類があってな。まず一つは腕の動きに連動して動く物、これは近距離でのリーチを伸ばす為。次に単純に真っ直ぐ飛ぶ念弾、最後にホーミングする念弾だ。まあ正確にはホーミングして無いんだけどな」
「如何いう事だよそれ」
「あれはホーミングさせてるんじゃなくて俺が相手の動きを先読みして、そっちの方向(相手が避ける方)に動く念弾を撃っているだけな訳」

念能力は細やかに能力設定して行けば行く程に念の容量を食らっていく。複雑な能力にしていけば行く程に容量を消費していく為出来る事ならば能力はシンプルな物が好ましい。シンプルで応用が利く物であれば態々容量を消費せずとも技を繰り出す事が出来るからだ。

そしてシャネルも容量を節約する為に前もって決まった動作しかしないような能力設定を行っている。一旦動作のプログラムを組んでしまえば、本来自分が苦手な系統能力を使うために多く使ってしまう容量を少なくする事が出来る。

「まあ欠点があると言えばあるけどな。既に動作が決まっちゃってるから予想外な場で対応出来ないんだ、だから俺の奴は俺が相手の動きを読み違えばホーミングじゃなくなるって訳だ」
「へぇっ~念って奥が深いんだね」
「そりゃそうよ。念なんて個人によって大きく変わって行く物、それこそ能力なんてと億と言っても過言じゃないぐらいあるんだから」

改めて自分の能力はしっかり決めなくてはいけないと思うゴン、良く考えて見れば自分が助言で習得した技は念の応用技である"硬"であった。それでも強化系としては十分な必殺技と言えるらしいが、どうにももう少し違った個性が欲しいらしい。

「さてとぉ……飯も食ったし俺も自分の修行をちょっとしようかな?」
「あれシャネルもするの?」
「否そりゃするよ、確かに俺はお前らより数年早く念能力使ってるけどそれでも数年の差しか無いんだぞ?」

それでも数年の差はあると思ってしまうキルア。

「そう言えば以前からやって見たい能力があると言っていたな、どんな能力なんだ?」
「あ~……エネルギーの具現化的な奴」
「はぁっ?なんだよそれ、どういうことだ?」

エネルギーの具現化、それは詰まる所具現化系の能力という物に当たるのではないかと思わず思ってしまった。

「実は昔修行してる時、すっげえ腹減って死に掛けた事あったんだ。簡単にカロリーを制約した事を後悔したなうん」
「まあそりゃそうだわさ。普通カロリーを制約にするなんて方が少数派よ、かなり自分のエネルギーを一気に削るような物だし下手したら直ぐに戦闘不能になるわ」
「ああ。んでその時ああもう死んだと思ったら、目の前に化け物出てきてさ」
「「「「化け物?」」」」

転生したばかりの事、目覚めた念能力の設定を決め制約を決めた配意がその制約、カロリーの消費で死に掛けていた時目の前に出現した化け物。それは自分と同じぐらいの体格をし黒が掛かった紫の体色をした鬼のような怪物。何処か自分にも似ているそれは、死にかけている自分を狩りに来た死神のようにも見えたそれはぶっきらぼうに言った。

―――タイムリミットは3分だ。

タイム、リミット……?一体何を言っているのかと思った、何の事なのかさっぱり検討が付かない。そして次の瞬間には自分の身体に力が漲っていた、先程まで空腹死にかけていた身体に活力が溢れ返っていた。

一体何が起きているのかと思った、だが次の瞬間目を疑った。目の前の化け物は今にも死に絶えそうなもう一人の自分の肉を抉り喰らっていた。

―――さっさと何を食え。そうじゃねえとお前死ぬぞ。

そう言われたかと思ったら化け物は消え失せていた、死に掛けていた自分が見た幻覚かと思ったが身体に漲る力は本物だった。その後山のような巨大な猛獣を3匹を平らげて死を回避した。

「―――あれは俺の中にある食欲のエネルギー、何じゃないかなぁって思ってさ。だからそれが俺自身を食ってエネルギーを生産したんじゃないかと思って」
「化け物……んな事あんのか?」
「それは唯の幻覚のような気もするが、自分が自分を喰らうというのは聞いた事があるな」
「えっあるの!?」
「あるわよ、それはきっと自食作用(オートファジー)よ」

自食作用。栄養飢餓に陥った生物が行う活動、自らのたんぱく質を細胞がアミノ酸に分解し一時的にエネルギーとする仕組み。栄養が無くなり、生命の危機を脱する為に行われる最終手段。自らの身体を喰らって飢餓を回避する物、それはある意味飢えに飢えた結果自分を喰らった食欲とも言えなくは無い。

「多分だけど制約で結果的に産まれた凄い食欲がそういうイメージに見えたんじゃないかしら。生きるために他の命を喰らい尽くすことも厭わないって気持ちの表れみたいに」
「それを具現化しようと言うかシャネル……?危険じゃないか?」
「なんか話だけ聞いてたら自分まで食っちまいそうな能力になりそうだな」

無論そうなってしまう可能性も高い、だから決まった事しか出来ないようにするつもりではある。まだ細かくは決めていないが……。

「まあそれのうち決めて作るさ。今は……」
「今は?」
「食欲を高めるイメージ修行!」
「それ修行か!?」 
 

 
後書き
食欲の悪魔(仮名)
放出系+具現化?系

シャネルが新しく開発しようと考えている能力。
自食作用発動時に見た自らを喰らう化け物から着想を得ている。
未だどのような能力になるかは決まっていないが
自らの中にある食欲を極限にまで高める事で自分のに居る食欲の悪魔を
具現化させる能力になる予定。

詳しくは不明だが、恐らく発動した際は相手を食する事に従事すると
行動を取ると思われる。 
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