プリパラ サイドストーリーズ
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ガァルマゲドンの進路希望 その2
放課後になり学生時代達が部活や友人達と帰宅している中あろまは屋上に上がってボーッとしていた。いつもならみかんと共に帰っていたがみかんが予定があるそうで断られたので屋上に上がったが1人となると色んなことを考えてしまう。これから先の事や今日、らぁらに言われた事などを。
「(しかし、我が普通の言葉を発するのは変なのであるか…しかし、それでは我は…)」
あろまが言葉遣いを変え始めたのは最近になってからだ。
それは、1ヶ月ほど前の事であった。久々にプリパラに行き久々にガァルマゲドンのメンバーと遊んでいきその帰り道の事であった。
「全く、ガァルルの奴相変わらず気分が高まるとステップを間違えるのである。彼奴のあの癖はどうにかならんのであるか。」
「それがガァルルのいいところなの!それにあろまもそんなガァルルが好きなの!」
この日はガァルマゲドンの3人でレッスンをしていたが2人はレッスン中のガァルルの事を思い出しながら笑顔で話していた。そんな中あろまは進行方向にある人物を見つけた。
「あれは、プリティーさてらではないか?」
あろま達の進行方向に見知った顔があった。“プリティーさてら”とはプリパラアイドルの1人で名前の通りプリティーキャラで活動している。しかし、あろま達が見つけたさてらはプリパラ内とは違い普通の女子高生に見えた。それもそうである。プリパラで活動しているアイドル達はプリパラ内ではアイドルとして活動する為のキャラクターを作っていたりする。
すると、向こうもこちらに気付いたのかさてらが近付いてきて挨拶してきた。
「こんにちは。あなた達、アロマゲドンの2人だよね?」
「はいなの!」
「そう言うそなたはプリティーさてらであるな?あまりにも違ったので一瞬分からなかったぞ。」
「ううん。いいんだよ。こっちと向こうでキャラ分けしてるから。」
そう言いながら、あろま達をじっと見つめる。
「なんである?」
「ごめん。ごめん。2人は外も中でも一緒なんだね。」
「どうぜんなの!あろまとみかんは何時でも一緒なの!」
「あっ。そっちじゃなくて、2人のキャラの事だよ。」
プリパラアイドルのキャラは作っている人もいるが作っていない人もいる。しかし、作っていない人は元々の性格やキャラをそのままにしている人はいるがあろまやみかんの様にある意味奇抜なキャラを内外統一しているアイドルは少ない。しかし、あろま達はそうは思ってはいない。
「何を言っておる。我々は元々天使と悪魔である。」
「まあ、2人がそれでいいならあまり言わないけど、一応忠告しておくね。同じ内外で同じキャラを通していた先輩として。」
特にあろま達の事が悪いとは思っていないという事をさてらは分かっていた。しかし、かつて、同じ活動をしていた者として言っておきたいことがあったようである。
「キャラってのはね、中学生までならまだいいけど高校生になると強みより弱さに変わるんだ。普通だったらまだいいんだけど、私みたいにプリティーキャラをしてると人間関係が難しくてね。だから、プリパラ内と外でキャラ分けする事にしたんだ。これは、ただのお節介だけど伝えておきたくてね。」
「・・・分かったのである。忠告感謝なのである!しかし!我等には些細な事である心配することなぞない。」
「そっか。ごめんね。急に変な事言って・・・それじゃあ、またプリパラで会おうね!ライブ楽しみにしてるよ!」
そう言って、さてらは走り去っていった。あろまとみかんは見送りをしてから再び帰宅する為歩き出した。その途中、2人は普段と変わらない会話をしていたがあろまは少し考えながら歩いていた。
「あろま。どうかしたなの?」
「些細なことである。しかし、みかんよ。先程のさてらの話しどう思う?」
「キャラの事なの?特に気にしてないの。あろまとみかんは何時でも同じなの。それがどうかしなの?」
みかんの答えは分かっていた。しかし、あろまの中で少し引っ掛かりが残っていた。それは、何かは分かっていたが口にはしなかった。
「何でもない。それでは、明日も勉強頑張るのである!」
それからあろまは休憩時間を利用しながら高校生の事を可能な限り調べた。その結果、あろま達のようなキャラクターな女子高生は少ない・・・いやいないと言ってもいい。そして、あろま自身もこのままで行って良いのか分からなくなってきており不安になってきていたのである。そして、そこにさてらの言葉により更に不安が強くなってきた。そこで、プリパラの外では普通の人になって普通に過ごしてみようと思い現在に至る。
「普通の人になってから分かったことがある。それは、普通だと思われるようになる。高校生になったら普通が一番なのである。だから我は・・・」
あろまは空を見上げた後、決意を新たに構えて帰宅した。
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